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審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない W0305 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W0305 |
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管理番号 | 1296187 |
審判番号 | 不服2014-1378 |
総通号数 | 182 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2015-02-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2014-01-27 |
確定日 | 2014-12-22 |
事件の表示 | 商願2013- 34807拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、別掲のとおり、「ベビーワセリン」の片仮名を書してなり、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,薫料」及び第5類「薬剤,医療用試験紙,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,乳幼児用飲料,乳幼児用食品,栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く。)」を指定商品として、平成25年5月10日に登録出願されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標は、『ベビーワセリン』の文字を、多少の特徴はあるものの、普通に用いられる範囲内の書体で表わしてなるところ、本願商標からは『乳児用のワセリン』の意味を理解させるものである。そうすると、本願商標は、その指定商品中『乳児用のワセリン』(例えば「乳児用の化粧用ワセリン,乳児用の医療用ワセリン」)に使用するときは、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示したものと理解されるにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について 本願商標は、「ベビーワセリン」の文字を書してなるところ、その構成中、「ベビー」の文字部分は「赤ん坊」の意味を有し、また、「ベビー用品」といった商品のジャンル(部門、種類)では、「乳児用」の意味合いとして、「ベビーオイル、ベビーパウダー、ベビークリーム、ベビーシャンプー、ベビーフード、ベビーサイズ」等のように「ベビー○○」との表示がされているところである。また、「ワセリン」の文字部分は「固体炭化水素を主成分とする白色軟膏状物質」の意味を有する(広辞苑第六版:岩波書店)ものであるから、本願商標からは、「乳児用ワセリン」の意味合いが理解されるものである。 そして、本願商標は、文字の一部に丸みを持たせた、ややデザイン化した書体からなるものの、特に特徴的であるといえる程のものではなく、かかる態様がことさら特殊なものとはいえないことからすれば、これは、普通に用いられる態様の域を脱していない表示方法よりなる商標とみるのが相当である。 そうすると、本願商標をその指定商品中、例えば第3類「乳児用の化粧用ワセリン」及び第5類「乳児用の医療用ワセリン」に使用しても、その商品が「乳児用のワセリン」であることを表すにすぎないものであって、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示したものと理解させるにとどまるものである。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。 また、本願商標をその指定商品中、上記商品以外の商品に使用するときは、その商品が「乳児用のワセリン」であるかのように、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるというのが相当であるから、本願商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。 (2)請求人の主張について ア 請求人は、審決、登録例を挙げて、本願商標も登録すべきである旨を主張する。 しかしながら、その審決例等は、商標の構成文字又は指定商品において本願とは事案を異にするものであり、また、登録出願に係る商標が自他商品の識別標識として機能しうるか否かは、該登録出願の査定時又は審決時において、個別具体的に判断されるべきものであって、本願商標についての判断は、上記(1)のとおりであるから、該審決例等をもってその判断が左右されるべきではない。 イ 請求人は、「本願商標は、造語を普通に用いられる範囲を脱した特殊な書体で書したものである。一連一体の本願商標をGoogleで検索すると、出願人以外が本願商標を普通に使用している事実がないことから、『ベビーワセリン』が特定の品質を直接的かつ具体的に示すものではないことも、出願人による権利化で市場が混乱する可能性がないことも明らかである。」旨を主張する。 しかしながら、仮に、出願人以外の者が本願商標を普通に使用している事実がないとしても、上記したとおり、本願商標が指定商品の品質を表示するにとどまるものであって、自他商品の識別標識として機能するものではないから、請求人の主張は、その前提を欠くものである。 したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用できない。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲(本願商標) |
審理終結日 | 2014-09-11 |
結審通知日 | 2014-10-17 |
審決日 | 2014-10-30 |
出願番号 | 商願2013-34807(T2013-34807) |
審決分類 |
T
1
8・
13-
Z
(W0305)
T 1 8・ 272- Z (W0305) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 鴨田 里果、大井手 正雄 |
特許庁審判長 |
今田 三男 |
特許庁審判官 |
田中 亨子 井出 英一郎 |
商標の称呼 | ベビーワセリン、ワセリン |
代理人 | 特許業務法人森本国際特許事務所 |