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審判番号(事件番号) データベース 権利
不服201317721 審決 商標
不服20146311 審決 商標
不服201220419 審決 商標
不服20132887 審決 商標
不服201312525 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W28
管理番号 1296154 
審判番号 不服2014-3153 
総通号数 182 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2015-02-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-02-20 
確定日 2014-12-08 
事件の表示 商願2013-13498拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由
1 本願商標
本願商標は、「木のプラモデル」の文字を標準文字で表してなり、第21類及び第28類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成25年2月27日に登録出願され、その後、指定商品については、当審における平成26年2月20日付けの手続補正書により、第28類「パズルおもちゃ,立体パズルおもちゃ,建物模型おもちゃ,乗物模型おもちゃ,木製模型おもちゃ,模型おもちゃ,その他のおもちゃ,あやつり人形,からくり人形,マスコット人形,その他の人形,人形用家具,人形用部屋」と補正されたものである。

2 当審における拒絶理由
本願商標は、「用材。材木。」を意味する「木」の文字と「プラスチック-モデルに由来する商標名。」を意味する「プラモデル」の文字(いずれも「広辞苑第六版」、岩波書店発行)とを、助詞「の」を介して結合した「木のプラモデル」の文字を標準文字で表してなるものである。
ところで、「プラモデル」の文字からなり、指定商品を「プラスチック製模型おもちゃ及びその組立キットその他のおもちゃ,人形」とする登録第555762号商標は、現に有効に存続しているものの、請求人が提出した日本プラモデル工業協同組合発行「日本プラモデル50年史1958-2008」の66ページには、「また長年懸案となっていたプラモデルの登録商標は、1975年に日本プラスチックモデル工業協同組合に譲渡され、現在ではプラスチックモデルの愛称として誰でも自由に使えるようになっている。」と記載(甲第1号証)され、別掲1の新聞記事情報によれば、現在、「プラモデル」の文字は、「プラスチック製模型おもちゃ及びその組立キット」を表す語として誰でも普通に使用している状況にあることが推認される。
そして、組立式の模型おもちゃには、別掲2のとおり、プラスチック製のほか、木製や木製の部品を用いた「プラモデル」なども存在する。
また、いわゆる「プラモデル」は、組立部品を設計図を見ながら組み立てるものであって、各種組立て式商品や商品の組立方法を「プラモデル」になぞらえることもあり(別掲3参照)、プラモデルと同様の作り方をする「木製の組立キット」の商品について「木のプラモデル」と称している例も見受けられる(別掲4参照)。
してみれば、本願商標をその指定商品中、例えば、木製の組立式の商品について使用したときは、これに接する取引者、需要者は、その商品が「木製模型おもちゃ及びその組立キット」であると理解するにとどまるから、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と認める。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

3 当審における拒絶理由に対する請求人の意見
請求人に対し、本願商標について前記2の拒絶理由を通知し、相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、請求人は、何ら意見を述べていない。

4 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「木のプラモデル」の文字を標準文字で表してなるところ、前記2の拒絶理由に示すとおり、その構成中の「プラモデル」の文字を「プラスチック製模型おもちゃ及びその組立キット」を表す語として誰でも普通に使用している状況にあることが推認され、組立式の模型おもちゃには、プラスチック製のほか、木製や木製の部品を用いた「プラモデル」なども存在する実情が認められる。また、各種組立て式商品や商品の組立方法を「プラモデル」になぞらえることもあり、さらに、プラモデルと同様の作り方をする「木製の組立キット」の商品について「木のプラモデル」と称している実情も認められる。
そうすると、本願商標は、これをその指定商品中、例えば、木製の組立式の商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、その商品が「木製模型おもちゃ及びその組立キット」であると理解するにとどまり、単に商品の品質を表示するものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、これを登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲

1 「プラモデル」の文字について
(1)1982年1月6日付け「日経産業新聞」(11頁)に、「加速するホビーブーム(4)出番待つドールハウス、モデル分野の第5の柱に。」の見出しの下、「ホビーは形態的にはクラフトとモデルに大別され、モデル分野では現在、プラモデル、鉄道模型、ラジコン模型、帆船が四本の柱。」との記載がある。
(2)1994年11月8日付け「日本経済新聞」地方経済面新潟(22頁)に、「鈴五??がん具小売りも展開、消費者動向細かく把握(企業新戦略)」の見出しの下、「がん具に対する消費者ニーズの変化をとらえようとスタートしたのが、子会社が運営する郊外型のがん具小売店『トーイズ』。ゲームやプラモデルなどのほか、ぬいぐるみやファッション雑貨など若い女性をターゲットにした売り場や、家族で楽しめるアミューズメントスペースも設けている。」との記載がある。
(3)2010年7月24日付け「読売新聞」東京朝刊(33頁)に、「ガンダム 静岡に立つ ホビーフェアきょう開幕 プラモの街PR=静岡」の見出しの下、「静岡市にはバンダイホビーセンターを始め、タミヤや青島文化教材社など模型メーカーが集まる。人形や家具などの木工業が盛んだったことがきっかけで木製模型が生産されるようになったのが模型のまちの始まりとされる。経済産業省の工業統計表(08年)によると、同市の貢献もあり、静岡県のプラモデルの製造出荷額は約160億円と、国内の80%を占める。(略)財団法人・静岡経済研究所(静岡市葵区)の望月毅・研究部副部長は『プラモデル業界の情報発信力は、静岡を国内外に向けてアピールする強力な武器になる』と話し、フェアやガンダム立像の集客効果は大きいとみている。」との記載がある。
(4)2013年9月11日付け「読売新聞」東京朝刊(31頁)に、「[トップ・戦略を聞く]トミーテック 岩附美智夫社長52=栃木」の見出しの下、「日本玩具協会の調査によると、出荷額をもとに算出した2012年度の玩具(コンピューターゲームなどを除く)の国内市場規模は6729億円で、5年前の07年度(6719億円)とほとんど変わっていない。種類別の内訳は、知育・教育21%、ホビー18%、雑貨、カードゲームがそれぞれ13%などとなっている。ホビー(1203億円)のうち、鉄道模型は10%。最も多いのはフィギュア(34%)で、プラモデル(31%)などが続く。」との記載がある。
(5)2013年10月21日付け「読売新聞」東京朝刊(33頁)に、「タワレコ アニメ特化店舗 つくばに31日誕生=茨城」の見出しの下、「ショッピングモール『LALAガーデンつくば』2階の既存店舗の半分(約140平方メートル)をタワーアニメに改装し、残りの半分は幅広い音楽ソフト中心の小型店舗となる。アニメに関する雑誌やコミックのほか、プラモデル、ゲーム、鑑賞用の『トレーディングカード』などもそろえ、CD、DVDなど音楽・映像商品も充実させる。」との記載がある。
(6)2013年11月24日付け「朝日新聞」西部地方版/大分(31頁)に、「こだわりが満載、プラモデル300点 日田、きょうまで大会 /大分県」の見出しの下、「日田市上城内町の市中央公民館で23日、第13回『天領プラモデル大会』が始まった。県内や福岡、佐賀、宮崎、熊本などの愛好家らの作品300点余りが並んだ。(略)模型サークルの大分我流会と日田HICの主催。会場には、飛行機や戦艦、戦車などの精密模型、人気アニメ・ガンダムの模型などが並ぶ。」との記載がある。

2 組立式の木製模型おもちゃについて
(1)2003年6月26日付け「日本経済新聞」地方経済面静岡(6頁)に、「ウッディジョー(静岡市)--木製模型初心者にも配慮(新潮流攻めるベンチャー)」の見出しの下、「ウッディジョー(静岡市)は主に木製模型の開発や製造を手がける。同社の原型は二〇〇二年に廃業した木製模型大手のイマイ(静岡市)。同社の反省を生かしながら、『国内唯一の木製模型メーカー』(ウッディジョー)として木製模型ファンの支持を集めている。帆船や歴史的建造物などの細部まで再現した模型を幅広く販売している。」との記載がある。
(2)2010年9月22日付け「日本経済新聞」地方経済面群馬(43頁)に、「鈴木木材(太田市)--多彩な模様、レーザー加工、木材生かす熟練の技(両毛の底力)」の見出しの下、「主砲や機銃座が精巧に再現された戦艦『長門』のプラモデル。甲板はプラスチックではなく、本物と同じように木製の板が張られている。(略)鈴木木材が手がける船舶模型用の甲板は、厚さわずか0・25ミリメートル。甲板の形や砲座の位置に合わせてカーブや穴を正確にくりぬいている。船体のプラスチック部品ともぴったり接着する。」との記載がある。

3 「プラモデル」の組立方法及び同様の組立方法の商品について
(1)1987年4月10日付け「朝日新聞」東京夕刊(1頁)に、「木の机(今日の問題)」の見出しの下、「福岡県浮羽町の町立御幸小学校では春休みを利用して、児童たちが木の机とイスをつくった。つくるといっても、木工業者が用意した部品を、ネジや接着剤などを使って組み立てるだけの、いわばプラモデルだ。」との記載がある。
(2)1988年8月9日付け「読売新聞」東京夕刊(9頁)に、「接着剤いりません 新世代プラモデル流行 基本ははめこみ式 動かして遊べます」の見出しの下、「プラモデルの世界で、接着剤なしで組み立てる『新世代プラモデル』が増えている。簡単な上に、仕上がりがきれい、しかもほとんどが作ったあと動かして遊べることから、子供たちの間で大流行だ。(略)中でも爆発的に売れているのが、プラモデルメーカー『田宮模型』の『ミニ四駆(よんく)』だ。(略)作り方はいたってやさしい。部品を枠からはずして、パチンパチンとはめ込むだけでいい。」との記載がある。
(3)1994年2月8日付け「日経産業新聞」(18頁)に、「信州国産材開発協同組合、カラマツでログハウス--プラモデル感覚。」の見出しの下、「【松本】信州国産材開発協同組合(略)は、長野県産のカラマツ材を使った木製サッシやプラモデル感覚で素人でも簡単に組み立て可能な小型ログハウスを製品化、近く発売する。」との記載がある。
(4)1994年11月26日付け「朝日新聞」東京地方版/群馬に、「プラモデル(支局24時)/群馬」の見出しの下、「先日、昔懐かしいプラモデルを作った。(略)設計図に目を落とし、間違えないように組み立てる。直径一ミリほどの部品もある。煩雑だが、なぜか楽しい。」との記載がある。
(5)2005年5月24日付け「日本経済新聞」地方経済面新潟(22頁)に、「ストーリオ(新潟県小千谷市)--ネットで独自の家具作り(中小VBこの一手)」の見出しの下、「ストーリオ(略)はインターネットを使って日曜大工(DIY)用の木製部材を設計・製造し、販売するニュービジネスを手掛ける。(略)ユーザーがデザインした家具などの図面やスケッチをもとに部材を設計。協力工場で図面通りに木材を加工してプラモデルのキットのように仕上げて発送する。」との記載がある。

4 「木のプラモデル」と称する商品について
(1)1988年8月10日付け「日本経済新聞」地方経済面新潟(22頁)に、「マルオカ工業、DIY産業へ進出--日曜大工用品を販売。」の見出しの下、「画材用材のトップメーカー、長野県のマルオカ工業(略)は今秋をメドにDIY(ドゥ・イット・ユアセルフ)産業へ進出する。(略)同社が製造するのはキットと呼ぶ木のプラモデルや各種ホビー用品。」との記載がある。
(2)2012年8月13日付け「日経MJ(流通新聞)」(13頁)に、「大都『木のプラモデルもくプラDIYテーブル&チェア』(この一品)」の見出しの下、「初心者向け木製品キット 初心者でも気軽に楽しめる、木製のテーブルと椅子の手作りキット『木のプラモデル もくプラ DIYテーブル&チェア』。テーブル(1卓)と椅子(2脚)のキットをセットで販売する。プラモデルと同様の作り方を採用、合計4枚の板から必要な部材を切り離し、付属のヒンジ(ちょうつがい)やビスを利用して組み立てる。(略)そこで、材木商社と手を組み、プラモデル感覚で初心者でも本格的な手作り体験を楽しめるキット商品を開発した。」との記載がある。
(3)「女を楽しくする新聞Womanlife」のウェブサイトにおいて、2012年8月31日に配信された「木の机と椅子のセットがプラモデル感覚で作れちゃう ?株式会社大都・もくプラ?」の見出しの記事中に、「初心者でも挑戦できるお手軽キット。家族でモノづくりの楽しさを ネットショップ『DIYツールドットコム』を運営する株式会社大都では、8月10日から『木のプラモデル もくプラ(12500円 送料・税込)』を発売した。(略)机と椅子2脚を計4枚の板から作るのだが、最初から切れ込みが入っており、作り手が切る部分はほんのわずか。まさにプラモデルのパーツを切り取る感覚だ。」との記載と「木のプラモデル もくプラ」と称する商品の写真がある(http://www.womanlife.co.jp/topics/detail.html?k=3163)。
(4)「Ari’sFactory蟻工房」のウェブサイト中に、「木のプラモデル」の文字とその商品(貯金箱、工具箱、ペン立てなどのキット)の写真がある(http://www.arifactory.com/?mode=cate&cbid=1211257&csid=1)。

審理終結日 2014-10-15 
結審通知日 2014-10-17 
審決日 2014-10-28 
出願番号 商願2013-13498(T2013-13498) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W28)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 岩崎 安子佐藤 淳 
特許庁審判長 関根 文昭
特許庁審判官 寺光 幸子
藤田 和美
商標の称呼 キノプラモデル、プラモデル 
代理人 小山 輝晃 
代理人 澤木 紀一 

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