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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を取消(申立全部取消) W09 |
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管理番号 | 1295096 |
異議申立番号 | 異議2013-900230 |
総通号数 | 181 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2015-01-30 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2013-07-12 |
確定日 | 2014-11-05 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5572968号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5572968号商標の商標登録を取り消す。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5572968号商標(以下「本件商標」という。)は、「MIT Lab」の欧文字を標準文字で表してなり、平成24年10月30日に登録出願、第9類「電力遠隔監視装置,監視カメラ,携帯用通信機器,その他の電気通信機械器具,電子計算機,電子計算機用プログラム,携帯通信端末装置用プログラム,その他の電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、平成25年3月5日に登録査定、同年4月5日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、申立ての理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第147号証を提出した。 (1)「MIT」は、申立人である「マサチューセッツ・インスティチュート・オブ・テクノロジー(マサチューセッツ工科大学:Massachusetts Institute of Technology)」の略称として我が国で周知・著名である。 また、「MIT Media Lab」も、「MIT」に設置された研究所の名称として我が国で周知・著名である。 さらに、「MIT」は、これまでに日本の高等教育機関及び多数の日本企業との関係を築いてきた。 このような状況下、「MIT」及び「MIT Media Lab」と類似する本件商標がその指定商品に使用された場合は、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。 (2)本件商標は、 前記(1)のとおり、申立人の著名な略称である「MIT」を含む商標であり、その出願・登録に関して申立人の承諾を得ていない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に違反して登録されたものである。 3 本件商標の取消理由 (1)「MIT」の文字について 本件商標は、前記1のとおり「MIT Lab」と標準文字により表してなるところ、これは、「MIT」と「Lab」の文字とを結合したものと容易に認識し得るものである。 ところで、申立人の提出した証拠及び主張によれば、 申立人である「マサチューセッツ・インスティチュート・オブ・テクノロジー(マサチューセッツ工科大学:Massachusetts Institute of Technology)」は、1861年に、米国ボストンのケンブリッジ市に設立された私立大学であり、その略称は、「Massachusetts Institute of Technology」の頭字語の「MIT」であることが認められる。 そして、申立人は、2004年時点において、900人以上の教授と助教授、80カ国に及ぶ国々からの留学生を含む1万人以上の学部生及び大学院生を擁し、建築と都市計画、工学、人文科学・芸術・社会学、経営及び理学部の5つの学部、27の学科を擁する総合大学であり、利根川進教授を含む57人のノーベル賞受賞者を輩出し(甲47)、英教育専門誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーションの「世界大学ランキング」おいて、2012年、2013年に第5位にランキングされている(甲50及び甲53)。 また、申立人の大学の利根川進教授が1987年にノーベル医学・生物学賞を受賞したことを紹介する毎日新聞記事(甲13)のほか、各種新聞、雑誌、書籍等において、申立人に関連する記事が紹介され、これらのいずれの記事にも、「MIT」の文字が、申立人を表示するものとして記載されている(甲2?甲71)。 加えて、広辞苑第六版、平凡社大百科事典に、申立人「マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology)」の項目があり、そのいずれにも、「MIT」が同大学の通称(略称)であることの記載がある(甲73及び甲74)。 さらに、ジーニアス英和辞典、リーダーズ英和中辞典、新グローバル英和辞典、現代用語の基礎知識、ランダムハウス英和大辞典等に、「MIT」の項目があり、「MIT」の文字が「マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology)」の略称であることが記載されている(甲75?甲82)。 以上によれば、「MIT」の文字は、本件商標の登録出願時はもとより、登録査定時においても、申立人を指し示すものとして一般に受け入れられていたもの、すなわち、商標法第4条第1項第8号にいう「他人の名称の著名な略称」にあたるものというべきものである。 そして、本件商標の登録について、商標権者が申立人の承諾を得た事実は認められない。 (2)むすび 以上からすれば、本件商標は、他人の名称の著名な略称「MIT」を含む商標であって、その他人の承諾を得ていないものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当する。 4 商標権者の意見 商標権者は、前記3の取消理由に対して、指定期間内に何ら意見を述べていない。 5 当審の判断 前記3のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当する。 したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第8号に違反してされたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により取り消すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2014-09-26 |
出願番号 | 商願2012-87693(T2012-87693) |
審決分類 |
T
1
651・
23-
Z
(W09)
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最終処分 | 取消 |
前審関与審査官 | 久保田 正文 |
特許庁審判長 |
小林 由美子 |
特許庁審判官 |
渡邉 健司 大森 健司 |
登録日 | 2013-04-05 |
登録番号 | 商標登録第5572968号(T5572968) |
権利者 | ユニデン株式会社 |
商標の称呼 | ミットラブ、ミットラボ、ミット、エムアイテイ、エムアイテイラボ |
代理人 | 加藤 ちあき |
代理人 | 中村 稔 |
代理人 | 田中 伸一郎 |
代理人 | 石戸 孝 |
代理人 | 松尾 和子 |
代理人 | 井滝 裕敬 |
代理人 | 藤倉 大作 |
代理人 | 熊倉 禎男 |
代理人 | 辻居 幸一 |