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審決分類 審判 査定不服 観念類似 登録しない W01
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W01
審判 査定不服 商品(役務)の類否 登録しない W01
審判 査定不服 外観類似 登録しない W01
管理番号 1295056 
審判番号 不服2013-23822 
総通号数 181 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2015-01-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-12-04 
確定日 2014-12-04 
事件の表示 商願2012-82433拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「PHLEX」の欧文字(標準文字による。)を横書きしてなり、第1類「ペイント及び塗料の製造に用いる中和剤」を指定商品として、平成24年10月12日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原審において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、次に掲げる3件の登録商標である(以下、3件の登録商標をまとめて「引用商標」ということがある。)。
(1)登録第1892351号商標(以下「引用商標1」という。)
引用商標1は、「スーパーフレックス」の片仮名を横書きしてなり、昭和59年1月10日に登録出願、第1類(昭和35年3月8日政令第19号をもって公布され、同年4月1日から施行された商標法施行令第1条別表に基づくもの。以下「旧分類」という。)に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同61年9月29日に設定登録され、その後、平成18年9月13日に以下の商品を指定商品とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。
(指定商品)
第1類「化学品,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),植物成長調整剤類」
第2類「カナダバルサム,壁紙剥離剤,コパール,サンダラック,セラック,松根油,ダンマール,媒染剤,マスチック,松脂,木材保存剤」
第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用海草のり,洗濯用コンニャクのり,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり」
第4類「固形潤滑剤」
第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料」
第8類「ピンセット」
第9類「耳栓」
第10類「おしゃぶり,氷まくら,三角きん,支持包帯,手術用キャットガット,吸い飲み,スポイト,乳首,氷のう,氷のうつり,ほ乳用具,魔法ほ乳器,綿棒,指サック,避妊用具,人工鼓膜用材料,補綴充てん用材料(歯科用のものを除く。)」
第16類「事務用又は家庭用ののり及び接着剤」
第19類「タール類及びピッチ類」
第21類「デンタルフロス」
第30類「アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤」
(2)登録第2506611号商標(以下「引用商標2」という。)
引用商標2は、「FLEX」の欧文字と「フレックス」の片仮名を上下二段に横書きしてなり、平成1年12月29日に登録出願、第1類(旧分類)に属する商標登録原簿に記載のとおり商品を指定商品として、同5年2月26日に設定登録され、その後、同15年1月22日に指定商品中「薬剤」について登録を取り消す旨の審判の確定登録、同16年4月7日に指定商品の書換登録、同25年2月26日に第1類に属する指定商品についての商標権の存続期間の更新登録がされ、以下の指定商品について、現に有効に存続しているものである。
(指定商品)
第1類「無機酸類,アルカリ類,無機塩類,単体,酸化物,硫化物,炭化物,水,空気,芳香族,脂肪族,有機ハロゲン化物,アルコール類,フェノール類,エーテル類,アルデヒド類及びケトン類,有機酸及びその塩類,エステル類,窒素化合物,異節環状化合物,炭水化物,アラビヤゴム,クレオソート,しょうのう,しょうのう油,はっかのう,はっか油,ボルネオール,たんぱく質及び酵素,有機りん化合物及び有機ひ素化合物,有機金属化合物,界面活性剤」
(3)登録第2576731号商標(以下「引用商標3」という。)
引用商標3は、「ニューフレックス」の片仮名を横書きしてなり、平成2年12月13日に登録出願、第1類(旧分類)に属する商標登録原簿に記載のとおり商品を指定商品として、同5年9月30日に設定登録され、その後、同12年11月8日に指定商品中「薬剤」について登録を取り消す旨の審判の確定登録、同15年10月1日に指定商品の書換登録がされ、以下の指定商品について、現に有効に存続しているものである。
(指定商品)
第1類「化学品,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。)」
第2類「カナダバルサム,壁紙剥離剤,コパール,サンダラック,セラック,松根油,ダンマール,媒染剤,マスチック,松脂,木材保存剤」
第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用海草のり,洗濯用コンニャクのり,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり」
第4類「固形潤滑剤」
第5類「医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド」
第8類「ピンセット」
第9類「耳栓」
第10類「おしゃぶり,氷まくら,三角きん,支持包帯,手術用キャットガット,吸い飲み,スポイト,乳首,氷のう,氷のうつり,ほ乳用具,魔法ほ乳器,綿棒,指サック,避妊用具」
第16類「事務用又は家庭用ののり及び接着剤」
第19類「タール類及びピッチ類」
第21類「デンタルフロス」
第30類「アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤」

3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、上記1のとおり、「PHLEX」の欧文字からなるところ、該綴りは英和辞典、仏和辞典、独和辞典等には見られないものであって、一種の造語として認識し、把握されるものといえる。
そして、かかる場合、我が国において最も親しまれている外国語である英語の発音に倣って称呼されるのが自然といえるところ、例えば、英単語において、「phlebotomy」、「phlegm」、「complex」、「perplex」の各語が、それぞれ「フレボトミィ」、「フレム」、「コンプレックス」、「パープレックス」と発音されることを踏まえると、本願商標は、全体として「フレックス」と発音されるとみるのが自然といえる。
そうすると、本願商標は、既成の親しまれた観念を有しないものであって、「フレックス」の称呼のみを生ずるものというべきである。
(2)引用商標について
ア 引用商標1
引用商標1は、上記2(1)のとおり、「スーパーフレックス」の片仮名からなるところ、その構成中の「スーパー」の文字が、「超・・・、上の、より優れた」の意味を有し(例えば、岩波書店発行「広辞苑第六版」)、商品の品質等を表示するためにしばしば他の語に冠して用いられる語であって、それ自体は、自他商品の識別力を有しないか極めて弱いものであることから、「フレックス」の文字部分が自他商品の識別標識としての機能を果たす要部というべきであり、全体から生ずる「スーパーフレックス」の称呼のほかに、該文字部分に相応して「フレックス」の称呼と「曲げること、曲がること」(「コンサイスカタカナ語辞典第4版」株式会社三省堂)の観念をも生ずるものといえる。
イ 引用商標2
引用商標2は、上記2(2)のとおり、「FLEX」の欧文字と「フレックス」の片仮名からなるところ、その構成中の「FLEX」の文字が、例えば、大修館書店発行「ジーニアス英和辞典」によれば、「(手足)を曲げる、(手足が)曲がる」等の意味を有する英語であり、「フレックス」の片仮名が欧文字の表音といえるものであるから、引用商標2は、全体として「フレックス」の称呼と「(手足)を曲げる、(手足が)曲がる」の観念を生ずるものといえる。
ウ 引用商標3
引用商標3は、「ニューフレックス」の片仮名からなるところ、その構成中の「ニュー」の文字が、「新しいさま、新奇なさま」を意味し(例えば、岩波書店発行「広辞苑第六版」)、商品の品質等を表示するためにしばしば他の語に冠して用いられる語であって、それ自体は自他商品の識別力を有しないか又は極めて弱いものであることから、「フレックス」の文字部分が自他商品の識別標識としての機能を果たす要部というべきであり、全体から生ずる「ニューフレックス」の称呼のほかに、該文字部分に相応して「フレックス」の称呼と「曲げること、曲がること」(「コンサイスカタカナ語辞典第4版」株式会社三省堂)の観念をも生ずるものといえる。
(3)本願商標と引用商標との対比について
本願商標は、「PHLEX」の欧文字からなるところ、その構成文字である「PHLEX」の欧文字と、引用商標1及び3の要部である「フレックス」の片仮名並びに引用商標2の構成文字である「FLEX」の欧文字及び「フレックス」の片仮名とを比較するに、これらは、いずれも「フレックス」の称呼を共通にするものである。
次に、外観においては、本願商標の「PHLEX」の欧文字と引用商標2の「FLEX」の欧文字は、後半部の「LEX」の部分を共通にするものである。また、本願商標の「PHLEX」の欧文字と引用商標に係る上述の「フレックス」の片仮名は、外観上、両者には欧文字と片仮名の差異があるものの、わが国では英語を片仮名で表音表記することが少なくないところ、本願商標の欧文字の表音表記が引用商標の片仮名と一致することをも踏まえると、自他商品の識別標識としては、その差異の影響は必ずしも大きくないものといえる。
さらに、観念においては、本願商標は、特定の観念を有しないものであることから、本願商標と引用商標とを観念において比較することはできないものである。
そして、本願商標を構成する「PHLEX」の欧文字は、上記(1)のとおり、辞典や辞書に掲載がなく、造語として認識、把握されるものであり、その綴りに馴染みがないことを踏まえると、看者をして、外観において、その構成文字の綴りの一字一字が明確に把握、認識されるとは考え難く、しかも、本願商標の欧文字の表音表記は、引用商標の片仮名と一致しているものである。加えて、本願商標は、特定の観念を有しないものであるから、引用商標の観念とは比較し得ないものである。そうすると、本願商標と引用商標の対比においては、外観、称呼及び観念の中でも、称呼の影響が大きくなるとみるのが相当である。
以上の点を踏まえ、本願商標と引用商標について、その外観、称呼及び観念を総合的に考察すると、両商標は相紛らわしい類似の商標ということができる。
(4)本願の指定商品と引用商標の指定商品との対比について
本願の指定商品である第1類「ペイント及び塗料の製造に用いる中和剤」は、その表示に照らし、かつ、商標法施行規則別表第1類中の「一化学品(二十七)化学剤」に属する商品として「中和剤」が例示されていることからすると、第1類の「化学品」の範ちゅうに属する商品というべきものである。
他方、引用商標1及び3の指定商品には、第1類「化学品」が明示されており、また、引用商標2の指定商品は、いずれも第1類「化学品」の範ちゅうに属する商品といえるものである。
したがって、本願の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似のものというべきである。
(5)むすび
以上のとおりであるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2014-07-03 
結審通知日 2014-07-09 
審決日 2014-07-23 
出願番号 商願2012-82433(T2012-82433) 
審決分類 T 1 8・ 264- Z (W01)
T 1 8・ 263- Z (W01)
T 1 8・ 261- Z (W01)
T 1 8・ 262- Z (W01)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 平松 和雄 
特許庁審判長 土井 敬子
特許庁審判官 梶原 良子
林 栄二
商標の称呼 フレックス 
代理人 渡邊 隆 
代理人 志賀 正武 
代理人 高柴 忠夫 

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