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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない Y09 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない Y09 |
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管理番号 | 1294945 |
審判番号 | 不服2003-23518 |
総通号数 | 181 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2015-01-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2003-12-04 |
確定日 | 2005-12-08 |
事件の表示 | 商願2003- 23037拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「ケイタイビジュアルネットワーク」の文字を標準文字により表してなり、第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極」を指定商品として平成15年3月25日に登録出願されたものである。 2 原査定における拒絶の理由 原査定は、「本願商標は、『ケイタイビジュアルネットワーク』の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、その構成中の『ケイタイ』の文字部分は、『携帯電話』を意味する語として理解・使用されていることが認められるものであり、『ビジュアル』の文字部分は、『視覚の、視覚に訴えるもの』等の意味で一般に使われており、また、『ネットワーク』の文字部分は、指定商品との関係においては『情報通信ネットワーク』を意味する語と認められるから、本願商標は、全体として、『携帯電話機を用いた視覚的な情報通信ネットワークへの接続』といった意味合いを看取させるにすぎず、これを本願指定商品中の例えば『携帯電話機』に使用しても、これに接する取引者・需要者は単に上記意味合いを想起する以上に格別顕著なところはなく、何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、前記に相応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 本願商標「ケイタイビジュアルネットワーク」の文字は、一般に親しまれた「ケイタイ」、「ビジュアル」及び「ネットワーク」の各語の結合よりなると認識されるものである。 そして、その構成中の「ケイタイ」の文字は、「携帯電話」の略称と認識され、また、「ビジュアルネットワーク」の文字は、「動画や映像の送受信網」を表すものと認識されるとみるのが相当である。 このことは、新聞記事やインターネット情報によれば、「ビジュアルネットワーク」の語が多数掲載されており、例えば、上記意味合いで使用されている一例として、以下を挙げることができる。 (1)2004年9月3日付け電気新聞(9頁) 「[防災週間特集]中部電力全社訓練 本店被災時の指揮系確認」の見出しの下、「同社のテレビ会議システム『ビジュアルネットワーク』や全社一斉放送で全事業場に対して『地震警戒体制』を発令し、地震災害警戒本部を本店(名古屋市東区)に設置する段階から始まった。」との記載があること。 (2)2000年11月24日付け日本食糧新聞 「全日食グループ、IT活用で店頭支援強化へ」の見出しの下、「リアルタイム、ビジュアルネットワークの稼働(4)VMNネットワークの先鋭化とアイテムコントロール体制の稼働」との記載があること。 (3)2000年5月15日付け毎日新聞(東京朝刊 14頁) 「[特集]デジタルトレンド2000 トヨタ自動車の『Gazoo』、顧客囲い込みへ」の見出しの下、「トヨタ自動車のビジュアルネットワークシステム『Gazoo(ガズー)』は、専用端末やインターネットを通じて、車を軸にしたコミュニティーを構築、コミュニティーをベースにしたEコマース(電子商取引)を実現しようとしている。」との記載があること。 (4)株式会社村山防災設備(http://city.hokkai.or.jp/ ̄murabo46/net.html)のホームページ 「ビジュアルネットワーク 簡易動画遠隔監視システム」との表示の下、「遠隔地での状況をリアルタイムでキャッチ ビジュアルネットワークは、画像1ページあたり1.5秒という高速伝送。アナログ回線では実現できなかった驚異の再現性を発揮します。」との記載。 (5)日本ビクター株式会社(http://www.jvc-victor.co.jp/pro/featuremenu.html)のホームページ 「製品情報 ビジネス向け製品・サービス」との表示の下、「ビジュアルネットワークシステム ネットワークを通じ遠隔地からカメラコントロールを実現するネットワークカメラシステム『V.NETWORKS』」との記載。 (6)NTT DoCoMo(http://www.nttdocomo.co.jp/)のホームページ 「ケータイ会議ビジュアルネット」との表示の下、「ケータイを利用したテレビ会議サービスです。FOMAでいつでも手軽に低コストなテレビ会議ビジュアルネット」は、電話機能を利用した、最大8人まで参加可能なテレビ電話会議が開催できます。「ケータイ」という手軽なモバイルツールなので、場所や時間を選ばず、いつでもどこでもテレビ電話会議が可能です。」との記載。 ところで、近年、携帯電話が急速に発展、普及したことに伴い、携帯電話を取り扱う業界においては、様々な付加価値機能を有する機種や携帯電話による新しいサービスが行われている。 たとえば、従来、インターネットを利用した動画や映像の配信サービスが行われていたが、さらに、携帯電話によっても上記サービスが行われているところである。 したがって、両語を結合した「ケイタイビジュアルネットワーク」の文字からは、「携帯電話で利用可能な動画や映像の送受信網」の意を容易に認識させるものといえる。 してみれば、本願商標「ケイタイビジュアルネットワーク」に接する取引者・需要者は、前記の意味合いを表したものと理解するに止まり、他に自他商品を識別し得る機能を有するものとは認められないから、そうとすると、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商標であるかを認識することができない商標であると言わざるを得ない。 また、これを上記機能を有する「携帯電話機」以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。 なお、請求人は、「『ケイタイビジュアルネットワーク』の語は、造語であって、辞書にもなく、現実に使用されている例もないから、商標全体として識別性があるものと判断すべきである。」旨主張しているが、たとえ、該語について辞書等になくとも、本願商標に接する取引者・需要者は、前記のように理解・認識するを相当とするから、その主張は採用できない。 また、請求人は、登録例を示して、本願商標が識別力を有する旨主張しているが、本願とは事案を異にするものであるし、本願商標については、前記認定のとおりであるから、この点に関する請求人の主張も採用できない。 したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するとした原査定は妥当であって、これを取り消すべき限りでない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2005-10-12 |
結審通知日 | 2005-10-14 |
審決日 | 2005-10-25 |
出願番号 | 商願2003-23037(T2003-23037) |
審決分類 |
T
1
8・
272-
Z
(Y09)
T 1 8・ 16- Z (Y09) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 平澤 芳行 |
特許庁審判長 |
山田 清治 |
特許庁審判官 |
寺光 幸子 橋本 浩子 |
商標の称呼 | ケイタイビジュアルネットワーク、ケータイビジュアルネットワーク、ケータイビジュアル、ビジュアルネットワーク |
代理人 | 外川 英明 |