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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W10
審判 全部申立て  登録を維持 W10
審判 全部申立て  登録を維持 W10
管理番号 1293865 
異議申立番号 異議2014-900130 
総通号数 180 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2014-12-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2014-05-07 
確定日 2014-11-15 
異議申立件数
事件の表示 登録第5646692号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5646692号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5646692号商標(以下「本件商標」という。)は、「ぬくだま」の平仮名を標準文字で表してなり、平成25年10月3日に登録出願、第10類「おしゃぶり,氷まくら,三角きん,支持包帯,手術用キャットガット,吸い飲み,スポイト,乳首,氷のう,氷のうつり,哺乳用具,魔法哺乳器,綿棒,指サック,人工鼓膜用材料,補綴充てん用材料(歯科用のものを除く。),睡眠用耳栓,防音用耳栓,業務用美容マッサージ器,マッサージ機器,医療用機械器具,家庭用電気マッサージ器,医療用手袋」を指定商品として同26年1月16日に登録査定され、同月31日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録商標は、以下のとおりである。
(1)国際登録第1108659号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、2010年(平成22年)9月29日にEuropean Unionにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2011年3月29日に国際商標登録出願、第10類、第16類及び第35類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成25年9月20日に設定登録されたものである。
(2)登録第5046895号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成16年1月15日に登録出願、第9類ないし第11類、第20類、第21類及び第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同19年5月11日に設定登録されたのものである。
(3)登録第4830763号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲3のとおりの構成からなり、平成16年1月15日に登録出願、第10類及び第44類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同17年1月7日に設定登録されたのものである。
(4)国際登録第1037294号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲4のとおりの構成からなり、2009年(平成21年)9月10日にGermanyにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2010年3月9日に国際商標登録出願、第10類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成22年12月3日に設定登録されたものである。
(5)国際登録第800157号商標(以下「引用商標5」という。)は、別掲5のとおりの構成からなり、2002年(平成14年)8月8日にGermanyにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2003年2月3日に国際商標登録出願、第10類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成16年4月30日に設定登録されたものである。
上記引用商標1ないし5は、いずれも現に有効に存続しているものであり、以下、これらを一括して単に「引用商標」ということがある。

3 登録異議申立ての理由の要点
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。
本件商標は、「ぬくだま」の標準文字から構成されるところ、後半部の「だま」の文字が玉状の商品を表示するものとして普通に使用されており、商品の形状又は品質を表示するにすぎず、自他商品識別標識としての機能が生じないか、極めて弱いとみるべきであるから、本件商標に接する取引者、需要者等は、語頭から顕著に表された「ぬく」の文字に着目して、「ヌク」の称呼をもって商取引にあたることも少なくないといえる。
他方、引用商標1は、「NUK」の欧文字で構成され「ヌク」の称呼が生じるのは明らかであり、引用商標2ないし5は、構成中の「NUK」の欧文字部分から「ヌク」と称呼される可能性が高いものである。
そうすると、本件商標と引用商標とは、「ヌク」の称呼を同一にするものであるから、称呼において相紛らわしい類似する商標である。
また、申立人は、引用商標の商標権者であるから「NUK」の語が申立人のブランドとして確立していることは明白であるところ、本件商標が「ぬく」と「だま」の2語の組み合わせからなるものであり、申立人のブランドであり「ヌク」と称呼される「NUK」と商品の形状を説明する「だま」の組み合わせであることからすれば、本件商標と引用商標とは、構成においても相紛らわしい類似する商標である。
そして、本件商標と引用商標の指定商品は、同一又は類似の商品であり抵触するものである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものである。

4 当審の判断
(1)本件商標について
本件商標は、前記1のとおり、「ぬくだま」の平仮名を標準文字で表してなるところ、各構成文字は、同じ大きさ、同じ書体、等間隔に、まとまりよく一体的に表されているものである。
そして、「ぬくだま」の語は、国語辞典等に載録されている語ではなく、また、その構成中の「だま」の文字が玉(球)状の商品を表す語として使用される場合があるとしても、かかる構成からなる本件商標において、これに接する需要者等が「だま」の文字部分を商品の品質(形状)を表したものと直ちに認識し、「ぬく」の文字部分をもって取引に資するとはいい難いものであるから、本件商標は、構成全体として一種の造語からなるものとして認識し、把握されるものというべきであり、その構成文字に相応して、「ヌクダマ」の称呼を生じるものというのが相当である。
そうすると、本件商標は、全体として既成の観念を有しない一連一体の造語と認識されるものであって、「ヌクダマ」の一連の称呼のみを生じるものである。
(2)引用商標について
引用商標1は、前記2(1)のとおり、「NUK」の欧文字を横書きしてなるところ、該語は、英語辞書等に載録されている語ではなく、一種の造語からなるものとして認識し、把握されるものであり、このような欧文字の3文字を大文字で表した造語からなる商標の称呼については、アルファベット読みで称呼されるのが自然といえるから、その構成文字に相当して、「エヌユーケー」の称呼を生じるものというのが相当であって、特定の観念が生じないものである。
引用商標2は、前記2(2)のとおり、「NUK Premium CHOICE」の欧文字を、また、引用商標3は、前記2(3)のとおり、「NUK Medic Pro」の欧文字を、さらに、引用商標5は、前記2(5)のとおり、「NUK STARLIGHT」の欧文字を横書きしてなるところ、各構成文字は、同じ大きさ、同じ書体で、まとまりよく一体的に表されており、かつ、これらから生じる「エヌユーケープレミアムチョイス」、「エヌユーケーメディックプロ」及び「エヌユーケースターライト」の称呼もよどみなく称呼できるものであることからすれば、引用商標2、3及び5は、いずれも、その構成全体で特定の観念を有しない一種の造語からなるものとして認識し、把握されるものであり、各構成中の「NUK」の文字部分から生じる称呼のみをもって商取引に資されることはないものであるというのが相当である。
引用商標4は、前記2(4)のとおり、17個の小さな円図形で囲んだ「NUK」の欧文字と、その下に「AIR SYSTEM」の欧文字を書してなるところ、構成中の「AIR SYSTEM」の文字部分は「空気系統」ほどの意味を認識させるものであり、その指定商品との関係において、独立して自他商品の識別標識としての機能を発揮するとまではいい難く、これに接する需要者等は、中央に大きく赤色で顕著に表された「NUK」の文字部分に着目して取引きに資する場合があるとみるのが相当であるから、引用商標4からは、「エヌユーケー」の称呼をも生じ得るものであり、特定の観念が生じないものである。
(3)商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標と引用商標の類否について検討するに、本件商標と引用商標の外観は、それぞれの構成態様に照らし、明らかな差異を有するものであるから、外観上、明確に区別できるものである。
そして、本件商標から生じる「ヌクダマ」の称呼は、引用商標1及び4から生じる「エヌユーケー」の称呼、並びに、引用商標2、3及び5から生じる「エヌユーケープレミアムチョイス」、「エヌユーケーメディックプロ」及び「エヌユーケースターライト」と、その構成音及び構成音数が明らかに相違するものであるから、称呼上、相紛れるおそれがないものである。
また、本件商標と引用商標は、特定の観念を生じないものであるから、類似するとはいえないものである。
そうとすれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても非類似の商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(4)申立人の主張について
申立人は、本件商標と引用商標とは、「ヌク」の称呼を同一にするものであるから、両者は、称呼上類似の商標である旨主張する。
しかしながら、平仮名4字をまとまりよく一体的に表してなる本件商標において、これに接する需要者等が「ぬく」の文字部分をもって取引に資するとはいい難く、本件商標から「ヌク」の称呼は生じないこと前記(1)のとおりである。
また、たとえ、引用商標の構成中の「NUK」の欧文字について、語頭の「NU」をローマ字風に「ヌ」と称呼し、語尾の「K」を英語風に「ク」と称呼することによって、全体として「ヌク」と称呼される場合があるとしても、引用商標2、3及び5が構成中の「NUK」の文字部分から生じる称呼のみをもって商取引に資されることはないこと前記(2)のとおりであるから、引用商標2、3及び5から「ヌク」の称呼は生じない。
そして、引用商標1及び4から「ヌク」の称呼が生じるものとして、本件商標から生じる「ヌクダマ」の称呼と比較しても、両称呼の2音又は4音という比較的短い音構成において、「ダマ」の音の有無が称呼全体に及ぼす影響は小さいとはいえず、両称呼は、互いに相紛れるおそれがないものである。
よって、申立人の主張は採用することができない。
(5)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲

1 引用商標1


2 引用商標2


3 引用商標3


4 引用商標4(色彩は原本参照)


5 引用商標5



異議決定日 2014-11-06 
出願番号 商願2013-77377(T2013-77377) 
審決分類 T 1 651・ 263- Y (W10)
T 1 651・ 262- Y (W10)
T 1 651・ 261- Y (W10)
最終処分 維持  
前審関与審査官 松浦 裕紀子 
特許庁審判長 関根 文昭
特許庁審判官 根岸 克弘
寺光 幸子
登録日 2014-01-31 
登録番号 商標登録第5646692号(T5646692) 
権利者 加納 由美
商標の称呼 ヌクダマ 
代理人 酒井 一 
代理人 蔵合 正博 

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