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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W2930
管理番号 1293859 
異議申立番号 異議2014-900149 
総通号数 180 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2014-12-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2014-05-20 
確定日 2014-11-07 
異議申立件数
事件の表示 登録第5651275号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5651275号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5651275号商標(以下「本件商標」という。)は、「スペシャリテ」の片仮名を標準文字により表してなり、平成25年9月3日に登録出願、第29類「乳飲料」及び第30類「茶,コーヒー,ココア」を指定商品として、同年12月25日に登録査定、同26年2月21日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第3条第1項第3号に該当するから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第24号証を提出した。
(1)申立ての理由
本件商標は、「スペシャリテ」の片仮名を標準文字により書してなるところ、これは「スペシャリティ」、「スペシャルティ」とほぼ同義であって、飲食料品を取り扱う分野においては、特製、特別のものであるということを表示・表現するために普通に使用されているものと認められるとともに(甲1ないし甲5)、「コーヒー豆」、「コーヒー」の分野においては、良質なものや高グレードのものをいうと理解されているということができる(甲6ないし甲16)。
また、本願の指定商品中「コーヒー,コーヒー風味の乳飲料」の取引分野においても、原料に良質のコーヒー豆を使用したと理解させ得る「スペシャリテ」、「スペシャリティ」、「スペシャルティ」等の文字用例は少なくない(甲17及び甲18)。
そうとすれば、本件商標は、その指定商品との関係においては、商品が「特製・特別のもの」という程のことを表示したものと理解されるにすぎないものであり、また、特に指定商品中の「コーヒー,コーヒー風味の乳飲料」との関係においては、特別良質なコーヒー豆を使用したということを誇称表示したと理解されるにすぎないものといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであり、商標法第15条第1項の規定に違反して登録されたものであるから、その登録は同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきものである。

3 当審の判断
申立人は、本件商標が商標法第3条第1項第3号に違反して登録されたものであると主張しているので、以下、検討する。
(1)本件商標は、前記1のとおり、「スペシャリテ」の片仮名を標準文字により表してなるものであるところ、この語について、「日本語になった外来語辞典」(甲2)には掲載されてはおらず、当審において職権をもって調査したところでも、広辞苑、大辞林、日本語大辞典、イミダス、知恵蔵、コンサイスカタカナ語辞典などの主要な辞書類においては、「現代用語の基礎知識」2013年版において「[仏 specialite](ある店)の特製品、名物料理」との記載が認められる以外には、該語についての掲載は認められないものである。
そして、「スペシャリテ」の語が、飲食物の提供におけるメニューが特別料理であること、又は提供する料理が特別料理であること等の意味合いで使用されていることが認められるとしても(甲3ないし甲5)、そのことを示す事例は、わずか3件にとどまるものである。
また、甲第6号証ないし甲第18号証において、本件商標の指定商品との関係で「スペシャリテ」の文字が使用されていることを示すものは、甲第8号証における「スペシャリテコーヒーストア」及び甲第18号証における「アロマックス ラテスペシャリテ」のみであって、そのほかの甲各号証は、「スペシャリティーコーヒー」又は「スペシャリティコーヒー」との表示にかかるものであり、「スペシャリテ」の文字を使用する事例ではないから、その表示のみをもって、「スペシャリテ」の語が商品の品質、内容を誇称して表示しているものといえる具体的・直接的な証拠とみることはできない。
その他、職権をもって調査するも、「スペシャリテ」の文字をその指定商品の分野において、品質を表示するものとすべき事情も見出すことができない。
してみれば、本件商標は、その指定商品に使用したときは、それに接する取引者、需要者が、当該商品が「特製・特別のものである」こと、すなわち、その商品の品質を表すものとして直ちに認識するとまでいうことはできない。
加えて、申立人は、「スペシャリテ」の語は、外来語の「スペシャリティ」又は「スペシャルティ」とほぼ同義であると主張しているが、その主張を裏付ける証拠の提出はない。
そうであれば、「スペシャリティー(スペシャルティー)」(甲2)の語に関する甲号証があるとしても、上記のとおり、それをもって、「スペシャリテ」の文字からなる本願商標を直ちに指定商品の品質や内容を具体的に表示するものということはできないとみるのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当しない。
(2)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2014-10-29 
出願番号 商願2013-68614(T2013-68614) 
審決分類 T 1 651・ 13- Y (W2930)
最終処分 維持  
前審関与審査官 矢澤 一幸 
特許庁審判長 林 栄二
特許庁審判官 中束 としえ
梶原 良子
登録日 2014-02-21 
登録番号 商標登録第5651275号(T5651275) 
権利者 アサヒ飲料株式会社
商標の称呼 スペシャリテ 
代理人 中村 仁 
代理人 楠 和也 
代理人 土生 真之 
代理人 河野 誠 
代理人 河野 生吾 

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