• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W0105
審判 全部申立て  登録を維持 W0105
審判 全部申立て  登録を維持 W0105
審判 全部申立て  登録を維持 W0105
審判 全部申立て  登録を維持 W0105
審判 全部申立て  登録を維持 W0105
管理番号 1293846 
異議申立番号 異議2014-900052 
総通号数 180 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2014-12-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2014-02-13 
確定日 2014-10-27 
異議申立件数
事件の表示 登録第5631027号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5631027号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5631027号商標(以下「本件商標」という。)は、平成25年7月2日に登録出願、「SMARTAG」の欧文字を標準文字で表してなり、第1類「化学試薬(医療用及び獣医科用のものを除く。),科学用及び研究用の試薬(医療用及び獣医科用のものを除く。),科学用又は研究用の診断用試薬(医療用及び獣医科用のものを除く。),化学品」及び第5類「医療用又は獣医科用の化学試薬,医療用化学薬剤,診断用薬剤,医療用の診断用化学試薬,医療用試薬,薬剤」を指定商品として、同年10月23日に登録査定、同年11月15日に設定登録されたものである。

2 引用商標
本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する商標は、次の(1)ないし(4)のとおり(以下、まとめて「引用商標」という。)であり、(1)及び(2)の商標は、現に有効に存続しているものである。
(1)国際登録第1018694号商標(以下「引用商標1」という。)
商標「SMART」
指定商品 第1類「Chemical reagents for use in scientific research use, other than for medical or veterinary purposes.」(参考訳:科学研究用の化学的試薬(医療用又は獣医科用のものを除く。))
国際商標登録出願日 平成21(2009)年10月27日
優先権主張 2009年10月22日 米国
設定登録日 平成23年12月9日
(2)国際登録第1032952号商標(以下「引用商標2」という。)
商標「SMARTER」
指定商品 第1類「Chemical reagents for use in scientific research use, other than for medical or veterinary purposes.」(参考訳:科学研究用の化学的試薬(医療用又は獣医科用のものを除く。))
国際商標登録出願日 平成22(2010)年3月4日
優先権主張 2009年10月27日 米国
設定登録日 平成24年6月1日
(3)国際登録第1182243号商標(以下「引用商標3」という。)
商標「SMARTER-SEQ」
指定商品 第1類「Reagents for use in scientific or medical research use.」(参考訳:科学研究用又は医療研究用の試薬)
国際商標登録出願日 平成25(2013)年10月11日
優先権主張 2013年6月5日 米国
(国内 未登録)
(4)国際登録第1187692号商標(以下「引用商標4」という。)
商標「SMART-SEQ」
指定商品 第1類「Reagents for use in scientific or medical research use.」(参考訳:科学研究用又は医療研究用の試薬)
国際商標登録出願日 平成25(2013)年10月11日
優先権主張 2013年6月5日 米国
(国内 未登録)

3 登録異議申立ての理由
申立人は、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第10号証(枝番号を含む)を提出した。
(1)申立人の会社の沿革等について
ア 申立人は、1984年(昭和59年)3月23日にアメリカ合衆国において創業し、遺伝子検査・研究用の検査用キット及び試薬の製造・販売を行っている(甲6)。申立人は、2005年9月、タカラバイオ株式会社の連結子会社となり(甲7)、また、遺伝子検査・研究用の試薬についての商標「SMART」及び「SMARTER」の使用をそれぞれ1996年1月12日及び2009年2月18日から開始し、現在も同商品(以下「申立人商品」という。)の提供及び商標の使用を継続している(甲8)。
イ 申立人は、日本において1996年より申立人商品の提供を開始し、現在に至るまで異議申立書5頁及び甲第9号証に示す売上実績を記録している。そして申立人は、自己の商品の販売促進のため、日本において広告宣伝を継続的に行っている(甲10)。
ウ したがって、申立人商標「SMART」及び「SMARTER」は、化学品、とりわけ「遺伝子検査・研究用試薬」の分野においては、当該分野の需要者・取引者に広く認識される商標である。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 指定商品の類否
本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と、同一又は類似である。
イ 本件商標と引用商標との類否
本件商標は、その構成より標章全体が自他商品役務識別力を発揮する要部として認識される。一方、引用商標1及び2は、標章全体、並びに、引用商標3及び4は、標章全体又は「SMARTER」、「SMART」及び「SEQ」の部分が自他商品役務識別力を発揮する商標の要部として認識される。本件商標の要部「SMARTAG」及び引用商標の要部「SMART」及び「SMARTER」とは、類似の商標と判断すべきである。
すなわち、本件商標は、申立人商標「SMART」の語尾に「AG」を組み合わせた構成からなるところ、商標の構成中、語尾における差異が標章全体から生じる称呼の語感に与える影響は小さく、需要者・取引者からして当該部分における差異音の聴取は困難である。したがって、本件商標と申立人商標のそれぞれを一連に称呼するときは、全体の語調、語感が近似したものとなる。
また、本件商標は、既存の英単語「SMART」に文字を付け加えて構成されるものであり、上記のとおり、試薬の分野にて先行して使用され、同商品分野において需要者・取引者に広く認識されるに至っている申立人商標「SMART」を構成に含むことからすれば、本件商標に接した需要者・取引者は、申立人の提供に係る商品「SMART」に端を発する一連の関連商品(シリーズ商品)であると認識し、その出所を混同するおそれがある。
ウ 以上より、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、少なくとも、「化学試薬(医療用及び獣医科用のものを除く。),科学用及び研究用の試薬(医療用及び獣医科用のものを除く。),科学用及び研究用の診断用試薬(医療用及び獣医科用のものを除く。),化学品,薬剤」についての登録を取り消されるべきである。
(3)商標法第4条第1項第15号該当性について
申立人商標は、前述のとおり、申立人の業務にかかる商品「遺伝子検査・研究用の試薬及び検査キット」を表示するものとして、我が国における需要者の間に広く認識されている商標であり、申立人商標は、少なくとも本件商標の登録出願日の時点において、「遺伝子検査・研究用の試薬及び検査キット」の周知な表示として確立していた。
そして、本件商標と申立人商標とは、同一及び類似の関係にある。また、本件商標の指定商品と申立人が提供する商品は、「試薬及び遺伝子研究・検査用のキット」であるから、共通するものであり、本件商標及び申立人の提供に係る商品相互は、取引の実情及び商品相互間の関連性を考慮すれば、取引者及び需要者においても完全に共通する。
そうすると、申立人商品と同一又は類似、若しくは、それらと関連する本件商標の指定商品について申立人商標を含む「SMARTAG」を使用した場合には、需要者、取引者は、本件商標の商品が申立人の業務にかかる商品であるとして、混同するおそれがある。また、申立人の子会社若しくは関連会社の提供に係る商品であるとの緊密な営業上の関係、又は、同一の表示による展開事業を営むグループに属する関係にあると誤信されるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものであり、その全指定商品について、登録を取り消されるべきである。
(4)商標法第4条第1項第19号該当性について
ア 申立人が「遺伝子研究・検査用の試薬、検査用キット」について使用する商標「SMART」、「SMARTER」、「SMARTER-SEQ」及び「SMART-SEQ」は、本件商標の登録出願日の時点において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されていた。
イ 申立人の商標「SMART」、「SMARTER」、「SMARTER-SEQ」及び「SMART-SEQ」は、これらが使用される商品の売上実績及び広告実績(甲9)からすれば、少なくとも「試薬」の分野において、需要者・取引者の間に広く認識されていることは明らかである。
ウ 申立人の商標「SMART」は、既存の英単語であるが、「試薬」との関係においては当該商品の説明的な意味合いをもって認識される表示ではない。また、「SMARTER」、「SMARTER-SEQ」及び「SMART-SEQ」については、本来的に特定の観念を持たない造語である。すなわち、申立人が独自に創作した標章である。そして、先行して使用され、需要者・取引者の間で広く認識されるに至っている申立人商標「SMART」を本件商標の出願人が標章の一部に採択する必然的な理由は、申立人商標に化体した信用にただ乗りする意図以外に想定されない。
エ 申立人の所有に係る商標は、「試薬」の分野においては、申立人の提供に係る「試薬」の表示として広く認識されるに至っている。よって、申立人商標「SMART」、「SMARTER」、「SMARTER-SEQ」及び「SMART-SEQ」に類似する、或いは、申立人商標「SMART」を構成に含む本件商標を使用した場合は、申立人商標に化体した信用、名声及び顧客吸引力にただ乗りし、その信用・名声及び顧客吸引力を利用することが可能である。
オ 以上より、本件商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、日本国内又は外国における需要者の間に広く認識される商標と同一又は類似の商標であって、不正の目的をもって使用するものと認定することには理由がある。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものであり、その全指定商品について、商標登録を取り消されるべきである。
(5)商標法第4条第1項第7号該当性について
本件商標の登録出願時及び登録査定時には、申立人商標「SMART」、「SMARTER」、「SMARTER-SEQ」及び「SMART-SEQ」が、我が国において周知な商標として認識されるに至っていたことは明らかであり、また、本件商標の権利者(以下「商標権者」という。)と申立人とは共通の事業分野に属する者であり、商標権者が本件商標の登録出願の時点で、申立人の商標「SMART」、「SMARTER」、「SMARTER-SEQ」及び「SMART-SEQ」の存在及びその周知性を認識していたことは明らかである。
よって、商標権者は、日本及び外国において広く認識されている申立人の商標の存在を知って本件商標を出願したと推認できる。
したがって、本件商標は、海外において広く認識されている申立人の商標を一部に取り込んだ商標としての認識の下に、出願・登録されたと考えることが自然である。
本件商標の登録を認めることは、周知性を獲得した申立人商標が有する名声、顧客吸引力へのただ乗り(フリーライド)を是認するものであり、また、申立人と無関係の他人が本件商標を使用することは、申立人商標の出所表示力及び顧客吸引力の稀釈化(ダイリューション)を招来するものである。 したがって、本件商標の登録は、商標法の予定する秩序に反するものとして容認し得ないものであり、公正な競業秩序を乱し、ひいては国際信義に反するものであって、公の秩序を害するおそれがある。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当し、その登録を取り消されるべきものである。
(6)結語
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同項第15号、同項第19号又は同項第7号に該当するから、その登録は取り消されるべきである。

4 当審の判断
(1)引用商標の周知性について
申立人は、申立人商標「SMART」及び「SMARTER」は、化学品、とりわけ「遺伝子検査・研究用試薬」の分野においては、当該分野の需要者・取引者に広く認識される商標である旨を主張している。(審決注:申立人商標「SMART」は、引用商標1と、また、申立人商標「SMARTER」は、引用商標2とそれぞれ商標を同じくするものであるから、以下においては、これらの申立人商標も「引用商標1」、「引用商標2」という。)
しかしながら、申立人提出の証拠中の甲第9号証によれば、我が国において、平成8年(1996年)から製品「SMART cDNA Library Construction Kit」等の販売、平成21年(2009年)から製品「SMARTer RACE cDNA Amplification Kit」等の販売が行われたと認められるものの、各年の製品の記載中には、引用商標1及び2以外の「Creator SMART」、「Super SMART」、「in-Fusion SMARTer」及び「SMARTer Ultra Low RNA Kit for Illumina」などの商標が含まれており、また、「単価」については、例えば、1997年10月、1998年12月、2000年8月のように記載されていない箇所がある。
また、甲第10号証の広告宣伝については、平成17年(2005年)12月から同22年11までの5年の間に雑誌8件、カタログ3件、フライヤー・パンフレット10件において、「SMART RACE」又は「SMARTer」に関して行われたことが認められるが、宣伝広告に係る商標の表示態様や使用商品など広告の具体的内容等は不明である。
そうすると、引用商標1及び2については、甲各号証によっては、販売について、各年の売上高を各引用商標別に正確に把握できないこと、市場占有率など他社製品の販売状況との比較ができないこと、販売方法・販売地域などが不明であること、広告についても、広告内容が十分開示されていないばかりか、広告の頻度、数量、地域、広告媒体の種類などにおいて相当程度の広告が行われていたとはいえないことなどを総合すると、引用商標1及び2が、申立人商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
そして、申立人は、引用商標3及び4についても周知性を主張するが、これら引用商標3及び4の使用事実を全く立証していない。
また、職権をもって調査するも、引用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、格別に著名性を獲得したことをうかがわせる事情も見出すことができない。
してみれば、申立人の提出した証拠をもってしては、引用商標が、申立人商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
さらに、申立人は、引用商標について、外国における周知性についても全く立証しておらず、引用商標が外国において周知性を獲得しているとも認めることもできない。
(2)本件商標と引用商標の類否
ア 本件商標
本件商標は、前記1のとおり、「SMARTAG」の欧文字を標準文字で表してなるところ、該文字は「SMART」と「AG」とに分離して把握しなければならない特段の事情は認められず、一連一体のものとして把握される造語と認められるものであるから、該構成文字に相応して「スマータグ」の称呼のみを生じ、観念を生じないものである。
イ 引用商標
引用商標は、前記2のとおり、引用商標1が「SMART」、引用商標2が「SMARTER」、引用商標3が「SMARTER-SEQ」及び引用商標4が「SMART-SEQ」の各欧文字を書してなるものであるところ、引用商標1の「SMART」の文字が「スマート、からだつきや物の形が細くすっきりとしてかっこうが良いさま。」を意味する英語として広く知られているが、その他の引用商標2ないし4はいずれも特定の意味を有しない造語と認められるものであるから、これらからは、「スマート」、「スマーター」、「スマーターエスイーキュー」、「スマートエスイーキュー」の称呼が生じ、引用商標1から「スマート」の観念が生じるほかは、観念を生じないものである。
ウ 本件商標と引用商標との対比
本件商標の外観と引用商標の外観とを比較すると、両者は、「SMART」の文字部分を共通にするが、「AG」、「ER」、「ER-SEQ」又は「-SEQ」の各文字部分の有無において顕著な差異を有するもので十分区別することができるから、外観において相紛れるおそれのないものである。
本件商標から生じる「スマータグ」の称呼と引用商標1から生じる「スマート」の称呼とを比較すると、両者は、冒頭において「スマー」の音を共通にするものの、語尾において「タグ」と「ト」の音が相違するものであるから十分聴別することができ、称呼において相紛れるおそれのないものである。次に、本件商標から生じる「スマータグ」の称呼と引用商標2から生じる「スマーター」の称呼とを比較すると、両者は、冒頭において「スマータ」の音を共通にするものの、共に比較的短い5音構成からなり、語尾において「グ」と「タ」の長音の音が相違するものであるから十分聴別することができ、称呼において相紛れるおそれのないものである。さらに、本件商標から生じる「スマータグ」の称呼と引用商標3から生じる「スマーターエスイーキュー」の称呼及び引用商標4から生じる「スマートエスイーキュー」の称呼とを比較すると、これらは、構成音において顕著な差異を有するから、称呼において相紛れるおそれのないものである。
そして、本件商標と引用商標2ないし4は、いずれも特定の観念を生じないから、観念において、比較することができず、相紛れるおそれはない。また、引用商標1からは、「スマート」等の観念を生じるものの、本件商標が観念を生じないものであるから比較することができず、相紛れるおそれはない。
そうすると、本件商標は、引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
(3)商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は、引用商標1及び2とは、上記(2)のとおり、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
また、本件商標は、引用商標3及び4とは、上記(2)のとおり、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきであり、さらに、引用商標3及び4は、本件商標の商標登録出願の日前の商標登録出願に係る登録商標でないから、本件商標は、引用商標3及び4との関係においても、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(4)商標法第4条第1項第15号該当性について
上記(1)及び(2)のとおり、引用商標は、申立人商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていた商標と認めることはできないものであり、また、本件商標は、引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点についても、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。
そうすると、本件商標に接する取引者、需要者が、引用商標を想起又は連想することはないというべきであるから、本件商標をその指定商品について使用しても、該商品が申立人又はこれと業務上何らかの関係を有する者の取扱いに係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあると認めることはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(5)商標法第4条第1項第19号該当性について
上記(1)及び(2)のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用商標が我が国又は外国において周知性を獲得していたとは認められないものであり、また、本件商標は、引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
そうすると、本件商標は、「不正の目的」をもって使用するものとは推認し得ないものであり、そのほかに本件商標が「不正の目的」をもって使用するものであるとする理由も見いだすことができない。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第19号に該当しない。
(6)商標法第4条第1項第7号該当性について
申立人は、本件商標の登録出願時及び登録査定時には、引用商標は我が国において周知な商標として認識されるに至っていたことは明らかであり、本件商標の登録を認めることは、周知性を獲得した引用商標が有する名声、顧客吸引力へのただ乗り(フリーライド)を是認するものであり、また、申立人と無関係の他人が本件商標を使用することは、引用商標の出所表示力及び顧客吸引力の稀釈化(ダイリューション)を招来するものであるから、本件商標の登録は、商標法の予定する秩序に反するものとして容認し得ないものであり、公正な競業秩序を乱し、ひいては国際信義に反するものであって、公の秩序を害するおそれがある旨主張する。
しかしながら、本件商標は、上記(1)及び(2)のとおり、引用商標とは非類似の商標というべきものであること、引用商標が本件商標の登録出願時及び登録査定時に我が国及び外国において周知性を獲得していたとは認められないこと並びに「不正の目的」をもって使用するとは推認できないことから、商取引の秩序を乱すものであるとはいえず、また、国際信義に反するともいえないものであるから、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標とはいえないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。
(6)結論
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号、同項第11号、同項第15号及び同項第19号に違反してされたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2014-10-17 
出願番号 商願2013-50989(T2013-50989) 
審決分類 T 1 651・ 263- Y (W0105)
T 1 651・ 222- Y (W0105)
T 1 651・ 22- Y (W0105)
T 1 651・ 261- Y (W0105)
T 1 651・ 262- Y (W0105)
T 1 651・ 271- Y (W0105)
最終処分 維持  
前審関与審査官 津金 純子 
特許庁審判長 野口 美代子
特許庁審判官 土井 敬子
原田 信彦
登録日 2013-11-15 
登録番号 商標登録第5631027号(T5631027) 
権利者 キャタレント ファーマ ソリューションズ インコーポレイテッド
商標の称呼 スマータグ、スマートエイジイ 
代理人 前田 大輔 
代理人 藤倉 大作 
代理人 伊藤 孝太郎 
代理人 井滝 裕敬 
代理人 松尾 和子 
代理人 中村 稔 
代理人 加藤 ちあき 
代理人 熊倉 禎男 
代理人 田中 伸一郎 
代理人 石戸 孝 
代理人 辻居 幸一 
代理人 中村 知公 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ