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審決分類 |
審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Z01 |
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管理番号 | 1293830 |
審判番号 | 取消2014-300048 |
総通号数 | 180 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2014-12-26 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2014-01-23 |
確定日 | 2014-11-04 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4564902号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第4564902号(以下「本件商標」という。)は、「アースロック」の片仮名を標準文字で表してなり、平成11年11月12日に登録出願、第1類「アルカリ類,酸化物,化学剤」を指定商品として、同14年5月28日に設定登録、その後、同24年11月20日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。 なお、本件審判の請求の登録は、平成26年2月12日にされている。 第2 請求人の主張 請求人は、本件商標の指定商品「アルカリ類,酸化物,化学剤」を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由として、本件商標は、上記請求に係る指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれもが使用した事実がないから、上記請求に係る指定商品についての登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである旨主張し、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。 なお、請求人は、被請求人の答弁に対し、何ら弁駁していない。 第3 被請求人の主張 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第5号証(枝番号を含む。)を提出した。 1 理由の要旨 被請求人は、片仮名「アースロック」を標準文字で書してなる本件商標を、その指定商品中の「アルカリ類」であり、また「酸化物」であり、さらに「化学剤」でもある「充填材」(以下「本件商品」という。)について、本件審判請求の予告登録日である平成26年2月12日より前3年以内に現実に使用している(乙1の1ないし4の2)。 2 本件商標の使用 被請求人は、2012年1月17日から2013年9月30日にかけて、本件商標が付された顧客からの注文書(乙1の1ないし18)に対して、本件商標を付した納品書(控)(乙2の1ないし18)及び請求書(控)(乙3の1ないし18)を用いて本件商品を販売している。 また、本件商標を付した接地改修工事の報告書(写)(乙4の1及び2)を顧客に提出している。 なお、これらの注文書、納品書及び請求書並びに報告書に記載されている「充填材」とは、電信柱をはじめとする電力設備や通信設備における接地(アース)工事の際に、接地極を埋設するための溝に水で溶いて注入して固化させることで接地極を安定化させるものであり、具体的には生石灰(酸化カルシウム、CaO)を主成分(78%?84%)とする粉末状のアルカリ類であり、酸化物であり、化学剤である。この「充填材」は、作業前に包装袋(乙5)から取り出して、缶等の容器に移し、水と混ぜて水溶液として使用するものである。 請求人のこれらの行為は、商品に関する取引書類に標章を付して頒布する行為(商標法第2条第3項第8号)に当たり、本件商品についての本件商標の使用に該当する(同項柱書き)。 3 まとめ 以上のとおり、本件商標は、被請求人により、本件審判請求の予告登録前3年以内に本件商品について現実に使用されていたものであり、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものではない。 第4 当審の判断 1 被請求人(商標権者)が提出した乙第1号証ないし乙第5号証(枝番号を含む。)によれば、以下の記載がある。 (1)乙第1号証の7は、株式会社CESから被請求人に宛てた発注年月日を平成24年10月11日とする注文書であるところ、発注書No.「20121011-1」、件名「アースロック(充填剤)」、商品名「アースロック」、単位「kg」、数量「200」との記載がある。 (2)乙第2号証の7は、被請求人から株式会社CESに宛てた平成24年10月15日付けの納品書(控)であるところ、品名「アースロック(充填剤)/(株)CES 事務所送り/発注書No.20121011-1」、数量「200」、単位「Kg」との記載がある。 (3)乙第3号証の7は、被請求人から株式会社CESに宛てた平成24年10月31日付け請求書(控)であるところ、品名「アースロック(充填剤)/(株)CES 事務所送り/発注書No.20121011-1」、数量「200Kg」との記載がある。 2 前記によれば、被請求人は、「アースロック」(以下「使用商標」という。)の表示のもとに、少なくとも平成24年10月11日に株式会社CESから、200kgの充填剤(以下「使用商品」という。)の注文を受け、同月15日に納品書及び同月31日に請求書を株式会社CES宛てに発行し、使用商品を納品し、該商品の代金の請求を行ったと優に推認し得るものである。 3 判断 (1)使用者について 前記1より、被請求人(商標権者)が使用者である。 (2)使用商標について 前記1(2)及び1(3)の納品書及び請求書に表示(記載)された「アースロック」と、前記第1のとおり「アースロック」の文字を標準文字で表した本件商標とは、その構成文字を共通にするから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標といえる。 (3)使用商品について 使用商品は、本件審判の請求に係る指定商品中、「化学剤」の範ちゅうに含まれる商品とみるのが相当である。 (4)使用時期について 前記1(2)及び1(3)の納品書及び請求書を頒布した、平成24年10月15日及び同月31日は、本件審判の請求の登録前3年以内である。 (5)まとめ 以上のことからすれば、商標権者は、本件審判の請求の登録前3年以内に我が国においてその請求に係る指定商品中「化学剤」の範ちゅうに属する商品「充填剤」に関する取引書類に本件商標を付して頒布した(商標法第2条第3項第8号)というべきである。 4 むすび 以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者がその請求に係る指定商品中「化学剤」の範ちゅうに属する商品「充填剤」について本件商標の使用をしていることを証明したといわなければならない。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審理終結日 | 2014-08-22 |
結審通知日 | 2014-08-27 |
審決日 | 2014-09-22 |
出願番号 | 商願平11-104137 |
審決分類 |
T
1
31・
1-
Y
(Z01)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 大島 康浩、野上 サトル、大橋 信彦 |
特許庁審判長 |
渡邉 健司 |
特許庁審判官 |
前山 るり子 大森 健司 |
登録日 | 2002-05-10 |
登録番号 | 商標登録第4564902号(T4564902) |
商標の称呼 | アースロック、アース、ロック |
代理人 | 菅原 弘志 |
代理人 | 井上 浩 |
代理人 | 古谷 聡 |
代理人 | 義経 和昌 |