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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服20143215 審決 商標
不服20139242 審決 商標
不服201413821 審決 商標
不服20139304 審決 商標
不服201323737 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない W33
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W33
管理番号 1293827 
審判番号 不服2013-21228 
総通号数 180 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2014-12-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-10-31 
確定日 2014-11-07 
事件の表示 商願2012-91283拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「ジュレのお酒」の文字を標準文字で表してなり、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,酎ハイ,中国酒,薬味酒」を指定商品として、平成24年11月9日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『ジュレのお酒』の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中『ジュレ』の文字部分は『ゼリー』の意味を表し、『酒』の文字部分は『アルコール分を含み、飲むと酔う飲料の総称。』の意味を表すことから、本願商標全体として『ゼリーのお酒』程の意味合いを容易に認識させるものである。そして、飲食料品を取り扱う業界において、ゼリー状の飲料が製造、販売されており、さらに、ゼリー状の酒も一般に製造、販売されている実情をうかがい知ることができる。そうすると、本願商標をその指定商品中『ゼリー状の商品』に使用しても、単に商品の品質、形状を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「ジュレのお酒」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「ジュレ」の文字部分は、たとえ、請求人が主張するように「ジュレ」の表音を有する外国語が他にあるとしても、別掲1の各種文献の記載によれば、本願の指定商品との関係においては、「ゼリー、ゼリー状のもの」を意味する仏語「gelee」の表音である「ジュレ」を表したものとして認識されるというのが相当であるから、その構成全体として「ゼリー状の酒」の意味合いを容易に認識させるものである。
そして、別掲2のとおり、本願の指定商品を取り扱う業界において、「ゼリー状の酒」が実際に取引され、該商品を表すものとして「ジュレのお酒」の文字が使用されている実情がある。
そうとすれば、「ジュレのお酒」の文字からなる本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、これを「ゼリー状の酒」であること、すなわち、商品の品質を表示したものとして認識するにとどまるといえるから、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と判断するのが相当であり、また、「ゼリー状の酒」以外の商品に使用するときは、該商品が「ゼリー状の酒」であるかのように商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
以上のとおりであるから、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
1 各種文献に記載された「ジュレ」の意味
(1)コンサイスカタカナ語辞典(第4版 三省堂)
ジュレ[フgelee] ゼリー
(2)現代用語の基礎知識2012(2012年版自由国民社)
ジュレ[仏 gelee] ゼリー。ゼリー状のもの。肉の煮こごり。果物などのゼリー。
(3)改訂調理用語辞典(全国調理師養成施設協会)
ジュレ[仏gelee] =ゼリー
(4)ランダムハウス英和大辞典(第2版 小学館)
gelee (特に化粧品・食品の)ゼリー状物質
(5)クラウン仏和辞典(第6版 三省堂)
gelee[ジュレ] (肉などの)煮こごり,ジュレ,ゼリー;(果物の)ゼリー

2 本願の指定商品を取り扱う業界において、「ゼリー状の酒」が取引されている実情、及び「ジュレのお酒」の文字が使用されている実情(下線は合議体が付加した。)
(1)「ゼリー状の酒」が取引されている実情
ア 2011年3月9日付け日刊工業新聞には、「菊水酒造、地元産ユズで新製品-ゼリー状のお酒、米女性が発案」の見出しの下、「ゼリータイプのお酒はいかが-。地元の高知県産のユズなどを使ったゼリー状のリキュール『文旦&小夏のお酒』と『ゆずのお酒』を紹介するのは、菊水酒造企画営業課のベルテ・デーナさん。」と記載されている。
イ 2010年9月15日付けFujiSankei Business i.には、「中小の酒販会社 若者、女性に照準 ネーミング・独創性で需要喚起」の見出しの下、「◆食べるお酒 お酒をゼリー状にした商品の提供を始めたのは酒類販売業の『Build-UP(ビルドアップ)』(大阪市中央区)だ。」と記載されている。
ウ 2010年4月2日付け日本食糧新聞には、「ペルノ・リカール・ジャパン、『ディタ・スプリング・ジュレカクテル』を提案」の見出しの下、「ペルノ・リカール・ジャパンは今春、ヒアルロン酸入りゼリーの食感が楽しめる『ディタ・スプリング・ジュレカクテル』を提案していく。ターゲットはトレンドに敏感な若い女性に絞っている。・・・カクテルは、フランス産リキュール『ディタライチ/グアバ』で創作する。ゼリーの食感に加え、優しい色合いや、さわやかな香りが特徴だ。」と記載されている。
エ 2009年2月16日付け日本食糧新聞には、「盛田、『ふるっシュ』2品、『尾張乃國 鬼のひや酒 しぼりたて』発売」の見出しの下、「ジャパン・フード&リカー・アライアンスグループの盛田は2月24日からコンビニエンスストアで新感覚リキュール『ふるっシュ 白ワインテイスト』『ふるっシュ サングリアテイスト』を発売する。この2商品はベースとなる炭酸リキュールをゼリー状に仕上げ、炭酸の『シュワッ』としたそう快感とゼリーの『プルン』としたのど越しが同時に味わえる新感覚の低アルコールリキュール。開栓前に強く振り、固まった状態のゼリーをクラッシュ状にして飲むのが特徴で、炭酸でありながら『振って飲む』という意外性が楽しめる。」と記載されている。
オ 2007年12月7日付け西日本新聞(朝刊)には、「福岡県/お取り寄せ=久留米市三潴町『池亀酒造』『ゼリー梅酒』/ぽしぇっと/別刷り」の見出しの下、「梅酒をぷるぷるのゼリーの食感で楽しめる『池亀酒造』の『ゼリー梅酒』は、完熟させた桃のような香りの『木なり完熟梅』を使い、フルーティーに仕上げた酒。・・・グラスに注いだときはゼリー状、口に含むとさらりと舌の上で溶け、香りとともにのどを通ります。」と記載されている。
(2)「ゼリー状のお酒」を表すものとして「ジュレのお酒」の文字が使用されている実情
ア サントリーホールディングス株式会社のホームページにおいて、商品情報のページに、「贅沢ジュレのお酒 新食感!デザート感覚で楽しめるゼリーのお酒」と記載されている。
(http://www.suntory.co.jp/rtd/zeitaku/)
イ 「地もの・産地直送 地モール」のウェブサイトにおいて、「★送料無料★ 【和歌山】 つぶつぶジュレのお酒『Orangelee オランジュレ』 500ml」の見出しの下、「大人のデザートドリンク つぶつぶジュレのお酒 ♪ みかんの里から とろーり濃厚なジュレのお酒できました!! とろーりとしたジュレタイプのお酒です。」と記載されている。
(http://www.tw-net.jp/products/detail.php?product_id=425)


審理終結日 2014-08-27 
結審通知日 2014-09-03 
審決日 2014-09-26 
出願番号 商願2012-91283(T2012-91283) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W33)
T 1 8・ 272- Z (W33)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 石井 亮齋藤 貴博 
特許庁審判長 土井 敬子
特許庁審判官 梶原 良子
高野 和行
商標の称呼 ジュレノオサケ、ジュレ 
代理人 特許業務法人みのり特許事務所 

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