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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服20139242 審決 商標
不服20146330 審決 商標
不服201413821 審決 商標
不服20141568 審決 商標
不服20143800 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W41
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない W41
管理番号 1293792 
審判番号 不服2013-25037 
総通号数 180 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2014-12-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-12-20 
確定日 2014-10-27 
事件の表示 商願2013-2034拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「オンラインカルチャースクール」の片仮名を横書きしてなり、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,書籍の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),教育研修のための施設の提供」を指定役務として、平成25年1月17日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『オンラインカルチャースクール』の文字を普通に用いられる方法で横書きしてなるところ、その構成中の『オンライン』の文字は、『パソコンなどが通信回線やLANによって接続されて、情報が転送できる状態』の意味を表し、『カルチャー』の文字は、『教養。文化』の意味を表し、『スクール』の文字は、『学校』の意味を表すものである。そして、本願に係る指定役務との関係おいては、『カルチャースクール』の語は、『趣味や教養を学ぶ機会を提供する学校(教室)』を表すものとして、普通に使用され、さらに、インターネットを利用したオンラインによるカルチャースクールの提供も行われている実情があるから、本願商標全体として、『オンラインによる趣味や教養を学ぶ機会を提供する学校(教室)』程の意味合いを表すものと認められる。そうすると、本願商標をその指定役務中、例えば、『オンラインによるカルチャースクールにおける技芸・スポーツ又は知識の教授,オンラインによるカルチャースクールにおけるセミナーの企画・運営又は開催』などに使用したときには、単に役務の質、提供の場所を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるため、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について
本願商標は、「オンラインカルチャースクール」の片仮名を横書きしてなるところ、その構成中の前半部の「オンライン」の文字は、「パソコンなどが通信回線やLANによって接続されて、情報が転送できる状態。」を意味するものであり、また、後半部は、「カルチャー」の文字が「教養。文化。」の意味を、「スクール」の文字が「学校」の意味(「広辞苑第六版」岩波書店)を有し、「カルチャースクール」の語としては、「教養文化講座。」を意味し(「カタカナ新語辞典」学習研究社)、本願商標の指定役務を取り扱う分野において、「社会人のための社会教育の機会を提供する教養講座(外国語、歴史、美術、音楽、運動など)」を表すものとして、一般に使用され、親しまれているものである。そして、教養文化講座は、従来、受講者が講師の下へ通い、その会場において提供されているが、近年は、別掲のインターネット情報が示すとおり、オンラインを利用して教養文化講座が提供される実状も認められる。
以上のことからすると、本願商標は、「オンライン」の文字と「カルチャースクール」の文字からなることが容易に理解され、「オンラインを利用して提供される教養文化講座」程の意味合いを認識させるものというのが相当である。
そうすると、本願商標をその指定役務中のオンラインを利用して提供される「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,教育研修のための施設の提供」に使用する場合、これに接する需要者は、本願商標が「オンラインを利用した技芸・スポーツ又は知識の教授,オンラインを利用したセミナーの企画・運営又は開催,オンラインを利用した教育研修のための施設の提供」であることを表すものとして理解するものといえるから、本願商標は、役務の質を表示するものと認識されるにとどまるものといえる。
したがって、本願商標は、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
また、本願商標を、前記オンラインを利用した役務以外の「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,教育研修のための施設の提供」に使用するときには、該役務があたかも「オンラインを利用した技芸・スポーツ又は知識の教授,オンラインを利用したセミナーの企画・運営又は開催,オンラインを利用した教育研修のための施設の提供」であるかのように、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当するものである。
(2)請求人の主張について
請求人は、本願商標は、まとまりよく一体的に表され、全体として特定の観念を生じさせない一種の造語であって、一般に使用されていないものであるから、自他役務識別力を有する旨主張している。
しかしながら、「オンラインカルチャースクール」の文字は、上記(1)のとおり、「オンライン」の語と「カルチャースクール」の語から成るものと容易に理解されるものであり、本願の指定役務を取り扱う業界における実状を踏まえれば、「オンラインを利用して提供される教養文化講座」の意味合いを表すものと、理解、認識させるものというのが相当である。
そして、商標登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号の役務の質の表示に該当するというためには、取引者、需要者が役務の質を表示するものとして認識するものであれば足りるといえるのであって、実際に役務の質を表示するものとして使用されていることまでは必ずしも必要としないと解されるものである。(平成13年(行ケ)第207号 東京高裁平成13年12月26日判決言渡参照)
したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。
また、請求人は、「オンライン」と「?スクール」の語が普通に結合してなる過去の登録例をあげ、本願商標についても商標全体を不可分一体のものとして取引者、需要者に認識されると判断されるべき旨述べているが、それらの登録例は、商標の構成において本願とは事案を異にするものであり、さらに、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かは、当該登録出願の査定時又は審決時における、指定役務や取引の実情等を勘案して個別具体的に判断されるべきものであるから、請求人の主張は、採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
ア「ワオ!カルチャー」のウェブサイト
「ワオ!カルチャーとは」のウェブページ中に、「『!(驚きと感動)』がみつかるオンラインカルチャースクール」及び「『ワオ!カルチャー』は“5分で人生を楽しく豊かに”をコンセプトに、さまざまなジャンルの知的レクチャーを集めた、オンライン動画のプチカルチャースクールです。一つひとつのレッスンは5?10分ほどの動画なので、通勤などのスキマ時間を利用して学ぶもよし、自宅でじっくり学ぶもよし、レッスンの時間も進度も自由に決められます。」の記載がある。
(https://culture.wao.ne.jp/statics/)
イ「コーチング講座」のウェブサイト
「コーチング通信講座・無料講座・短期講座」のウェブページ中の「通信・ネット講座」の項に、「らくらすねっと らくらくeラーニングオンラインカルチャースクールのらくらくねっとは、eキャリアコーチング株式会社が運営しているオンライン総合スクールです。ここではカラーコーディネーターのスキルアップとして、カラーコーチング(基礎編)のオンライン講座があり、30分無料で体験出来ます。」の記載がある。
(http://coaching.mmquest.com/2006/06/post_6.html)
ウ「小さなカルチャースクール ひだまり」のウェブサイト
「講座紹介」の見出しの下、「この講座はそのTOEICのスコア向上に特化したレッスンをインターネットを使ったオンラインで提供します。わざわざ遠く離れたスクールに通うことなくご自宅のパソコンを講師と結んでリアルタイムで対話しながら、しかもマンツーマンで講座を受講することができます。」の記載がある。
(http://www.hidamari-cul.com/toeic_online.html)
エ「エルバインターネットスクール」のウェブサイト
「インターネットでリアルタイム受講できるカルチャースクール」の見出しの下、「エルバインターネットスクールは、株式会社エルバメディカルサポートが運営する全く新しいスタイルのWEBカルチャースクールです。最新の双方通信システムの導入により、動画配信画ではない、リアルタイムでのライブ授業をご提供しています。」の記載がある。
(http://www.erba-school.com/)
オ「CAMBEE online culture-school」のウェブサイト
「パソコンがあれば、自宅が教室になる。」の見出しの下、「CAMBEEとは、インターネットでカルチャー教室を受講するサービスです。」及び「オンラインカルチャー教室CAMBEEとは・・・ パソコンで、全国どこからでも、気軽にレッスン♪」の記載がある。
(http://cambee.media-r.jp/)


審理終結日 2014-08-20 
結審通知日 2014-08-22 
審決日 2014-09-12 
出願番号 商願2013-2034(T2013-2034) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W41)
T 1 8・ 272- Z (W41)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 石井 亮山本 敦子 
特許庁審判長 林 栄二
特許庁審判官 内藤 順子
原田 信彦
商標の称呼 オンラインカルチャースクール、オンラインカルチャー 
代理人 福島 三雄 

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