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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服201324010 審決 商標
不服20139242 審決 商標
不服201413821 審決 商標
不服20141568 審決 商標
不服20143800 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W42
管理番号 1293707 
審判番号 不服2014-6330 
総通号数 180 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2014-12-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-04-07 
確定日 2014-10-20 
事件の表示 商願2013-44438拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「スマホチケット」の文字を標準文字で表してなり、第35類、第41類及び第42類に属する願書に記載のとおりの役務を指定役務とし、平成24年12月10日に登録出願された商願2012-99851に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同25年6月11日に登録出願されたものであり、その後、本願の指定役務については、同年10月7日付け手続補正書をもって、第42類「携帯無線通信端末装置を利用したイベント会場の入場管理用コンピュータプログラムの提供,携帯無線通信端末装置を利用したイベントの電子チケット管理用コンピュータプログラムの提供,携帯無線通信端末装置を利用した入場管理用コンピュータプログラムの提供,携帯無線通信端末装置を利用した電子クーポンの管理用コンピュータプログラムの提供,電子チケットシステムで用いるコンピュータプログラムの設計・作成又は保守,アプリケーションサービスプロバイダーによるコンピュータプログラムの提供,アプリケーションサービスプロバイダーによるデータ通信端末機用プログラムの提供」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『スマートフォン』の略称である『スマホ』の文字と『チケット』の文字とを普通に用いられる方法で『スマホチケット』と一連に書してなるものであるから、その構成全体として、『スマートフォンを利用したチケット』を認識させるものであるところ、スマートフォンを利用してチケットの販売が行われている実情がある。そうすると、本願商標をその指定役務に使用するときは、『スマートフォンを利用したチケット』を取り扱うための役務(コンピュータプログラムの設計・作成又は保守、コンピュータプログラムの提供)の提供であることを認識させるにすぎないから、本願商標は、単に役務の質(内容)を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであり、また、本願商標を上記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「スマホチケット」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、その文字構成に照らせば、看者をして、パソコンに近い性能を持った携帯電話機であることを表す「スマートフォン」の略語として一般に広く用いられている「スマホ」の文字と「切符、入場券」等の意味を有する外来語として一般に広く慣れ親しまれている「チケット」の文字とを組み合わせてなるものと容易に看取、理解されるものである。
ところで、近年、スマートフォン(スマホ)の普及に伴い、そのアプリケーション・ソフトウェアのダウンロードを通じた様々なサービスの提供が行われているところ、従来、紙媒体による発券がされていたイベントの入場券(チケット)等についても、スマートフォン(スマホ)を利用した入場券(チケット)等の予約及び発券が一般に広く行われていることは、原審における拒絶理由通知において示した情報のほか、別掲において示す情報によっても裏付けられるところであり、また、最近では、個人を含むイベント等の主催者が、一定の手数料の支払い等を条件に、上記入場券(チケット)等の予約及び発券のみならず、その入場券(チケット)等に係る入場管理、販売状況及び購入者情報の確認等といった管理をもすることができるアプリケーション・ソフトウェアの提供が一般に行われている実情にあり、さらに、上記のようなアプリケーション・ソフトウェアの提供に当たり、「スマートフォンチケット」又は「スマホチケット」の語を用いることもあることが別掲に示す情報から見いだせる。
そうすると、本願商標をその指定役務について使用した場合、これに接する需要者は、その役務の提供に係るコンピュータプログラムがスマートフォン(スマホ)を利用した入場券(チケット)等の予約及び発券や、その入場券(チケット)等に係る入場、販売状況及び購入者情報の確認等といった管理をするためのものであること、すなわち、役務の質(内容)、用途を表したものと認識するにとどまるとみるのが相当である。
してみれば、本願商標は、役務の質、用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というべきものであり、よって、商標法第3条第1項第3号に該当する。
なお、請求人は、本願の指定役務は企業向けのものであって、その役務に係るプログラムの設計・作成・保守・提供の分野において、本願商標が役務の質を示すものとして需要者に認識されることはなく、また、本願の指定役務と同じ指定役務についての登録例を挙げて、本願商標も同様に登録されるべきである旨主張するが、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かは、該商標の査定時又は審決時において、該商標の構成態様及び指定商品又は指定役務に基づき、該商標が使用される商品又は役務に係る取引の実情等を考慮し、個別具体的に判断されるべきものであるところ、本願商標が、その指定役務に係る取引の実情に鑑みれば、需要者をして、役務の質(内容)、用途を表したものと認識されるにとどまるものであること、上記認定、判断したとおりであり、また、上記登録例に係る商標は、本願商標と構成態様を異にするものであるから、該登録例が存することをもってその判断が左右されることはない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
(1)2011年(平成23年)11月18日付け「日経MJ(流通新聞)」(9頁)に、「ぴあ、チケット販売、スマホ専用の新サイト、会員登録不要に」の見出しの下、「チケット販売最大手のぴあはスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)専用のチケット販売サイトを新設した。(中略)決済方法はクレジットカード、『セブンイレブン』店頭での支払い、電子商取引決裁代行のイーコンテクストの活用の3種類に対応する。」との記載がある。
(2)2012年(平成24年)10月30日付け「日本経済新聞」(朝刊、12頁)に、「電子チケット、読み取り機不要、イープラス、管理者が画面タッチで入場」の見出しの下、「チケット販売のエンタテインメントプラス(イープラス、東京・品川)はスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)を使い、入場時に専用の読み取り機がいらない電子チケットサービスを始める。(中略)購入者はまず無料のチケット専用アプリをスマホにダウンロード。専用サイトでイベントを選択して決裁するとアプリ内に電子チケットが保存される。会場スタッフがスマホに表示されたチケットの画像をこすると手続きが完了。同時にインターネットを通じてサーバーに入場記録が残る。(中略)イープラスはチケット1枚の販売につき、額面の7%と80円を手数料として受け取る。」との記載がある。
(3)2013年(平成25年)3月28日付け「日本経済新聞」(夕刊、7頁)に、「イベント運営思いのまま??告知から電子チケットまで(ネットナビ)」の見出しの下、「来年から新年度。新しく加わったメンバーの歓迎会を開く職場も多いだろう。そんな時に幹事が重宝しそうなイベント支援サービスが増えている。(中略)チケットの大半は紙に印刷してSEEKのメンバーらが販売したが、一部はイベント支援サービス『PeaTiX(ピーティックス)』経由で電子チケットとして販売した。(中略)料金は男性が3000円、女性が1500円だが、前払いのため当日にお金のやりとりはない。スマートフォンなら電子チケットを保存でき、利用者はイベント会場で画面に表示するQR(2次元)コードと受け付け番号を見せるだけで出席確認ができる。」との記載がある。
(4)2013年(平成25年)4月10日付け「日本経済新聞」(朝刊、9頁)に、「ヤフー、チケット事業参入、紙使わず、スマホで発券・入場チェック」の見出しの下、「ヤフーはチケット販売事業に参入する。スマートフォン(スマホ)で購入した電子チケットを見せれば、紙のチケットなしでイベント会場に入れる。(中略)11日をメドにチケットサービス『パスマーケット』を始める。代金はクレジットカードの口座から引き落とす。電子チケットはスマホに配信され、会場の入口でチケットに対応する『QRコード』をスマホの画面に表示する。会場の係員はスマホのカメラでコードを撮影して入場可能かどうかを確認する。(中略)主催者がチケット販売サービスを利用するには一般的に登録料が数万円かかるほか、チケットの価格の10%前後の販売手数料がかかるが、ヤフーのサービスは登録料が無料で、手数料率は5%に設定する。」との記載がある。
(5)2013年(平成25年)8月27日付け「毎日新聞」(地方版/茨城、23頁)に、「全国高校総合文化祭:茨城大会 スマホかざして入場 10月のプレ大会で試行/茨城」の見出しの下、「来年7月に開催される第38回全国高校総合文化祭茨城大会『いばらき総文2014』で、県教育委員会は入場チケットを電子化し、スマートフォン(多機能携帯電話)などの画面に表示される二次元コードを専用スキャナーにかざして入場する方法を採用する。(中略)入場の際、これまでは受付で紙のチケットと名簿を突き合わせて本人確認を行っていた。二次元コードで照合することで、同室は『当日の混乱や間違いを避け、ペーパーレス化にもつながる』と期待する。」との記載がある。
(6)2013年(平成25年)10月30日付け「日経MJ(流通新聞)」(3頁)に、「映画・イベント、スマホで入場??顧客属性、O2Oに活用、参入増加で手数料下げも」の見出しの下、「チケット販売会社が主に扱う前売り券は、ぴあ、エンタテインメントプラス、ローソンの3社がシェアの大半を占める。スマートフォン(スマホ)の普及で電子チケットが拡大すれば、O2O(オンライン・ツー・オンライン)への活用も加速しそうだ。(中略)電子チケットサービスの提供者も増えている。従来は投資費用などがかかるため、大手に限られていた。現在はリクルートライフスタイル(東京・千代田)の『イベントアテンド』や米PeaTiX(カリフォルニア州)の提供するピーティックスなど新顔のサービスが利用を伸ばしている。」との記載がある。
(7)2014年(平成26年)3月3日付け「日経MJ(流通新聞)」(第2部、2頁)に、「第2部eリテール特集??送客に技あり、スマホで電子チケット、個別にイベント通知も」の見出しの下、「スマートフォン(スマホ)を使った電子チケットのサービスが広がっている。(中略)電子チケットは紙のチケットが不要になるだけでなく顧客管理にも優れる。マーケティングに生かす動きも出ている。(中略)主催者はイベントの来場者を主催者向けの専用画面で管理できる。来場者が受け付けを済ませたかどうかわかるほか、売り上げデータを一括で見られる。受け付けを済ませていない来場者にメールで来場を促したり、イベント終了後のアンケートをサイト上で実施したりできる。イベントに参加した人の属性が把握できるため、これまでのデータを踏まえて次のイベントの宣伝を個別に通知することもできるようになる。」との記載がある。
(8)2014年(平成26年)6月4日付け「日本経済新聞」(朝刊、13頁)に、「電子チケット、個人も販売、ヤフー、手数料は最低水準」の見出しの下、「ヤフーは4日から、個人が電子チケットを簡単に販売できるようにする。スマートフォン(スマホ)を使い、イベントを企画した人は誰でもインターネット上でチケットを販売できる。(中略)昨年4月から提供している電子チケットサービス『パスマーケット』を一般に開放する。これまで一定の基準に基づく審査が必要だった。一般には10%程度の手数料も一段と下げ、利用者を年内にも現在の4倍の100万人に引き上げる考え。イベントの主催者は内容やチケットの販売枚数、価格などを専用サイトに登録。利用者はヤフーのIDがあれば、サイト上でチケットを購入できる。会場では利用者のスマホに配信された電子チケットを、主催者のスマホなどで読み取って確認する。大学のサークルのパーティーや趣味の個展など数人から数万人規模のイベントまで対応が可能。主催者は専用サイトでチケットの売り上げなどが随時把握できる。購入者にメールなどで来場を促したり、イベント終了後にアンケートを実施したりすることもできる。」との記載がある。
(9)2014年(平成26年)7月11日付け「日経産業新聞」(7頁)に、「USJ、優先権を電子化」の見出しの下、「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ・大阪市)は10日、事前購入してアトラクションの待ち時間を軽減できる優先チケットを電子化したと発表した。NECがシステムを構築した。利用者は会員ページからチケットを購入。アトラクションの入り口でスタッフにスマートフォン(スマホ)の画面上のQRコード(2次元バーコード)を提示して入場できる。」との記載がある。
(10)「独立行政法人日本芸術文化振興会」に係る「国立劇場スマートフォンチケット」のウェブサイトにおいて、「このサイトはチケット販売専用サイトです。 チケット購入には会員登録が必要です。」との記載(http://ticket.ntj.jac.go.jp/m/)、「国立劇場チケットセンターでは、以下の方法により、国立劇場(大・小劇場)、国立演芸場、国立能楽堂、国立文楽劇場の主催公演のチケットを購入・予約することができます。」として、その方法の1つに「インターネットサイト上で購入・予約ができます。ご利用には、インターネット会員(NTJメンバー:入会金・年会費無料)に会員登録する必要があります。すでにあぜくら会・文楽劇場友の会会員の方は、インターネットユーザー登録を行う必要があります。」との記載(http://ticket.ntj.jac.go.jp/smartguide/first.html)があり、さらに、これらに関連する「インターネットでのチケット申し込み画面操作について」として、「STEP.1 公演を探す」(http://ticket.ntj.jac.go.jp/smartguide/operationindex.html)ないし「STEP.8 購入完了」(http://ticket.ntj.jac.go.jp/smartguide/operation_8.html)の間の各段階におけるスマートフォン画面表示例及びその操作方法についての説明が掲載されている。
(11)「エイベックス・ライヴ・クリエイティヴ株式会社」の運営に係る「Livepocket ticket」のウェブサイトにおいて、「スマホチケットとは?」の見出しの下、「サイトで購入したスマホチケットを専用アプリにダウンロードして利用する発券が不要なチケットです イベント当日は、受付でアプリの画面を見せるだけで簡単に入場できます」の記載とともに、「アプリの使い方」として、専用アプリのダウンロードや入場方法に関するスマートフォン画面表示例及びその操作方法についての説明が掲載されており(https://t.livepocket.jp/help/about_appli?id=tutorial)、また、イベント主催者向けの情報として、「5つのやさしいメリット」の見出しの下、「5%/販売手数料は販売価格の5% つまり入場無料のイベントなら手数料は無料!」、「かんたん/WEBからイベント情報を入力するだけ。スピーディなチケット販売が可能です。」、「いつでも/販売状況や購入者情報の確認、アクセス解析などが管理画面から行えます。専用アプリで当日の入場管理もサポート。」、「つながる/メルマガ配信やアンケートの実施が可能。ユーザーとのコミュニケーションやマーケティングにも役立ちます。」及び「スムーズ/ユーザーはPCやスマホ、フューチャーフォンからお好みの決済方法で手軽に購入。ペーパーレスでチケットの受け渡しも簡単。」との記載とともに、「チケット販売をはじめよう/初期費用無料」の記載のあるハイパーリンク表示がある(https://t.livepocket.jp/regist_navigation)。
(12)「モギー株式会社」のウェブサイトにおいて、「お得なチケットをスマホで利用! “装置不要のデジタルチケットサービス”」、「誰でも簡単にデジタルチケットが発行/販売/管理できます!」、「紙のチケットがスマホの中に!」及び「紙のようにモギれるチケットサービス/moggyアプリで利用できるデジタルチケット・クーポン・回数券を誰でも簡単に発行できるサービスです。チケットを紙と同じように“モギるだけ”で、いつどこで誰がどのチケットを利用したかを、読取り端末不要で確認することができる次世代のデジタルチケットサービスです。」との記載があるほか、「導入のメリット」、「利用料金」、「導入までの流れ」との記載とともに、「moggy お申し込み今すぐコチラ!」の記載のあるハイパーリンク表示がある(https://moggy.in/)。

審理終結日 2014-08-28 
結審通知日 2014-08-29 
審決日 2014-09-09 
出願番号 商願2013-44438(T2013-44438) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W42)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 海老名 友子 
特許庁審判長 今田 三男
特許庁審判官 田中 敬規
谷村 浩幸
商標の称呼 スマホチケット、スマホ 
代理人 松下 昌弘 

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