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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W02
審判 全部申立て  登録を維持 W02
審判 全部申立て  登録を維持 W02
管理番号 1292910 
異議申立番号 異議2014-900142 
総通号数 179 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2014-11-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2014-05-13 
確定日 2014-10-04 
異議申立件数
事件の表示 登録第5660691号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5660691号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件商標は、「ファインクール」の片仮名を標準文字で横書きしてなり、平成25年8月23日に登録出願、第2類「塗料」を指定商品として、同年12月6日に登録査定、同26年4月4日に設定登録されたものである。

2 引用商標
本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用している登録第5430003号商標(以下「引用商標」という。)は、「クールファイン」の片仮名を標準文字で横書きしてなり、平成23年2月24日に登録出願、第2類「塗料,顔料,染料」を指定商品として、同年8月5日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、同法第43条の2第1号により取り消されるべきと申し立て、その理由を要旨以下のとおり主張し、その証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出している。
(1)本件商標と引用商標の類否について
本件商標は、「ファインクール」の片仮名を横書きしてなるところ、その構成中の「ファイン」(fine)の文字(語)は、「みごとな」などの意味を有する外来語として、また、「クール」(cool)の文字(語)は、「涼しいさま」などの意味を有する外来語として、いずれもよく知られ親しまれているものである(大辞林 第三版)。そして、両文字(語)を「ファインクール」と結合してなる本件商標からは、「みごとな涼しいさま」の意味合いを生ずるものである。
一方、引用商標は、「クールファイン」の片仮名を横書きしてなるところ、上記と同様に、その構成中の「クール」(cool)の文字(語)は、「涼しいさま」などの意味を有する外来語として、また、「ファイン」(fine)の文字(語)は、「みごとな」などの意味を有する外来語として、いずれもよく知られ親しまれているものである(大辞林 第三版)。そして、両文字(語)を「クールファイン」と結合してなる引用商標からは、「みごとな涼しいさま」の意味合いを生ずるものである。
すなわち、「ファインクール」の文字からなる本件商標と「クールファイン」の文字からなる引用商標とは、ともに、よく知られている「ファイン」の文字(語)と「クール」(cool)の文字(語)の順序が入れ替わったにすぎないといえるものである。
そして、本件商標は、一体不可分のまとまりある語が形成されているものでもなく、「ファイン」と「クール」の順序を入れ替えることによって、異なる観念を生ずるものでもないから、これに接する取引者、需要者は、引用商標を連想及び想起し得るというべきものである。
そうしてみると、本件商標と引用商標とは、観念を共通にする類似の商標であるばかりでなく、文字の順序を前後に入れ替えたにすぎないものであるから、相紛らわしい類似の商標というのが相当である。
(2)まとめ
本件商標は、上記(1)のとおり、引用商標と類似するものであり、その指定商品も、本件商標の指定商品である第2類「塗料」は、引用商標の指定商品である第2類「塗料,顔料,染料」の一部と同一のものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標と引用商標
本件商標は、「ファインクール」の片仮名を標準文字で表してなるところ、その構成文字の全体が6文字という簡潔な構成のものであり、各文字が同じ書体、同じ間隔をもって、まとまりよく書してなるものであり、その全体から生ずる「ファインクール」の称呼も、簡潔にして、淀みなく一連に称呼し得るものである。
他方、引用商標は、「クールファイン」の片仮名を標準文字で表してなるところ、その構成文字の全体が6文字という簡潔な構成のものであり、各文字が同じ書体、同じ間隔をもって、まとまりよく書してなるものであり、その全体から生ずる「クールファイン」の称呼も、簡潔にして、淀みなく一連に称呼し得るものである。
そして、本件商標と引用商標の構成中にある「ファイン」の片仮名は英語の「fine」の単語の表音と、また、同じく「クール」の片仮名は英語の「cool」の単語の表音と、それぞれ一致するものである。しかし、英語の「fine」及び「cool」の単語については、例えば、「研究社 新英和大辞典」(株式会社研究社)によれば、「fine」の単語には、「立派な」、「すぐれた」、「申し分のない」、「美しい」、「雄大な」、「微細な」、「細い」、「希薄な」、「繊細な」、「天気の良い」、「明るくさわやかな」、「優良な」、「上等な」、「精製した」、「立派に」、「うまく」、「すれすれに」、「澄ませる」、「細かくする」、「鉱石の細粒」、「微粒子」、「晴天」等の意味があり、また、「cool」の単語には、「ほどよく(やや)冷たい」、「涼しい」、「冷静な」、「平然とした」、「すばらしい」、「ずうずうしい」、「全く掛け値なしの」、「冷やす」、「静める」、「?の発達を弱める」、「殺す」、「冷却する」、「涼しい所」、「涼しい時」、「落ち着き」、「冷気」、「洗練」、「上品さ」等の意味があり、いずれの語も形容詞、動詞、名詞などを含め様々な意味を有するものである。
そうすると、本件商標と引用商標に接する取引者、需要者は、それら商標について、「ファイン」の語と「クール」の語が結合したものと認識し得たとしても、直ちに特定の意味合いまでを理解、把握し、その意味合いの観念をもって取引に当たるとは考え難く、むしろ、特定の意味合いを理解、把握しないまま、特定の観念を有しない造語として取引に当たるとみるのがより自然といえる。
イ 本件商標と引用商標の対比
本件商標と引用商標を比較するに、外観においては、本件商標は「ファインクール」の片仮名、引用商標は「クールファイン」の片仮名からなるところ、両者は「ファイン」と「クール」の文字の順番が入れ替わったものではあるが、上述のとおり、両者の構成がいずれも簡潔なものであることを踏まえると、これに接する取引者、需要者は、殊更に、これら商標の構成文字の順番に注意を注ぐことなく、表示された外観のままの商標として理解、把握するとみるのが自然といえる。
そうすると、本件商標と引用商標とは、外観においては、1番目の文字から最後の6番目の文字に至るまで構成文字が相違するものといえるから、相紛れるおそれがあるということはできない。
次に、称呼においては、本件商標からは「ファインクール」の称呼、引用商標からは「クールファイン」の称呼が生ずるところ、両者は「ファイン」と「クール」の称呼の順番が入れ替わったものではあるが、上述のとおり、両者の音構成がいずれも簡潔なものであり、よどみなく一連に称呼し得るものであることを踏まえると、これに接する取引者、需要者は、殊更に、これら称呼の順番に注意を注ぐことなく、表示された文字に沿って称呼するとみるのが自然といえる。
そうすると、本件商標と引用商標とは、称呼においては、明らかに相違するものであるから、相紛れるおそれがあるということはできない。
さらに、観念においては、本件商標と引用商標は、上述のとおり、特定の観念を有しない造語として理解、把握されるとみるのが自然といえるものであるから、両商標が観念において相紛れるおそれがあるということもできないものである。
ウ まとめ
上記ア及びイのとおり、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても、相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、たとえ、その指定商品が同一又は類似のものであったとしても、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するということはできない。
(2)むすび
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2014-09-24 
出願番号 商願2013-65530(T2013-65530) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (W02)
T 1 651・ 261- Y (W02)
T 1 651・ 263- Y (W02)
最終処分 維持  
前審関与審査官 津金 純子 
特許庁審判長 土井 敬子
特許庁審判官 林 栄二
守屋 友宏
登録日 2014-04-04 
登録番号 商標登録第5660691号(T5660691) 
権利者 田政砿業株式会社
商標の称呼 ファインクール 

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