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審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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異議2014900036 | 審決 | 商標 |
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審決分類 |
審判 一部申立て 登録を維持 W0305 審判 一部申立て 登録を維持 W0305 審判 一部申立て 登録を維持 W0305 |
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管理番号 | 1292901 |
異議申立番号 | 異議2014-900121 |
総通号数 | 179 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2014-11-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2014-04-28 |
確定日 | 2014-08-07 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5644554号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5644554号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5644554号商標(以下「本件商標」という。)は,「NEODERMYL」の文字を標準文字で書してなり,平成25年1月25日に登録出願,第1類,第3類及び第5類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同年12月17日に登録査定,平成26年1月24日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する国際登録第999567号商標(以下「引用商標」という。)は,「NEODERMA」の文字を肉太の活字体で横書きしてなり,2008年12月17日に欧州連合においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し,2009年(平成21年)2月18日に国際商標登録出願,第3類,第5類,第8類,第10類,第21類及び第44類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として,平成22年8月13日に設定登録されたものである。 3 登録異議申立ての理由 本件商標は,その指定商品中の第3類「香料,薫料及び香水類,精油,化粧品,ヘアローション,せっけん類」及び第5類「薬剤,食餌療法用食品・飲料・薬剤」について,商標法第4条第1項第11号に該当する。 本件商標と引用商標は,その大部分が「NEODERM」であり,「NEODERM」は,「新しい皮膚」や「復活した皮膚」を意味する語として広く周知されている一方で,これに付された接尾語は特に意味を持たず,取引者や需要者の注意を引くものでもないため,両商標は,いずれも「NEODERM」を要部とする商標である。 したがって,本件商標と引用商標は,外観上類似する商標である。 また,本件商標の称呼は「ネオダーミル」であり,引用商標の称呼は「ネオダーマ」であるが,このうち共通する「ネオダー」の部分は強音であるのに対し,相違点である「ミル」と「マ」は子音を共通にする弱音であるから,両商標の称呼は全体として音感が近似するものである。 したがって,両商標は,称呼上類似する商標である。 さらに,両商標はいずれも「新しい皮膚」や「復活した皮膚」の意味を持つため,観念上類似する商標である。 また,本件商標の指定商品中,登録異議の申立てに係る指定商品と引用商標の指定商品は,互いに抵触するものである。 以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから,取り消されるべきものである。 4 当審の判断 (1)本件商標と引用商標の類否について ア 本件商標と引用商標の構成等 本件商標は,前記1のとおり,標準文字で「NEODERMYL」と書してなるものであるところ,該文字は,同一の書体をもって,同一の大きさ,同一の間隔で,外観上まとまりよく表されているばかりでなく,構成文字全体から生ずると認められる「ネオダーミル」の称呼もよどみなく称呼し得るものである。 一方,引用商標は,前記2のとおり,肉太の活字体で「NEODERMA」の文字を横書きしてなるものであるところ,該文字は,同一の書体をもって,同一の大きさ,同一の間隔で,外観上まとまりよく表されているばかりでなく,構成文字全体から生ずると認められる「ネオダーマ」の称呼もよどみなく称呼し得るものである。 そうすると,本件商標及び引用商標において,その構成中の「NEODERM」の文字部分が,申立人主張のように,「新しい皮膚」や「復活した皮膚」の意味を有するものであるとしても,上記のごとく外観及び称呼上の一体性を有する本件商標及び引用商標の各構成態様にあって,その構成中の「YL」ないし「A」の文字部分を排除し,「NEODERM」の文字部分のみを抽出して,これを本件商標及び引用商標における要部とみなして,両者を対比すべきものではない。その他,本件商標及び引用商標について,それぞれの構成中の「NEODERM」の文字部分のみを分離,抽出して観察しなければならない特段の理由は見いだせない。 してみると,本件商標は,構成全体をもって,「ネオダーミル」とのみ称呼される一体不可分の造語を表したと認識されるとみるのが相当であり,また,引用商標は,構成全体をもって,「ネオダーマ」とのみ称呼される一体不可分の造語を表したと認識されるとみるのが相当である。 したがって,本件商標は,その構成文字に相応して,「ネオダーミル」の一連の称呼のみを,また,引用商標は,その構成文字に相応して,「ネオダーマ」の一連の称呼のみを,それぞれ生ずるものといわなければならない。 イ 対比 (ア)外観 前記アのとおり,本件商標と引用商標は,いずれも構成全体をもって一体不可分の商標を表したと理解されるとみるのが相当であるから,末尾部分において「YL」の文字と「A」の文字の差異を有するものであることからすれば,両商標を時と所を異にして離隔的に観察した場合においても,通常の注意力をもってすれば,互いに紛れるおそれはないというべきである。 したがって,本件商標と引用商標とは,外観上類似する商標ということはできない。 (イ)称呼 本件商標から生ずる「ネオダーミル」の称呼と引用商標から生ずる「ネオダーマ」の称呼は,「ネオダー」の音を同じくするものであるとしても,末尾部分において,「ミル」の音と「マ」の音の顕著な差異を有するものであるから,これら差異音が,冗長ともいえない音構成からなる両称呼全体に及ぼす影響は決して小さいものではなく,両称呼をそれぞれ全体として称呼した場合においても,その語調,語感が相違したものとなり,互いに紛れるおそれはないというべきである。 したがって,本件商標と引用商標とは,称呼上類似する商標ということはできない。 (ウ)観念 本件商標と引用商標は,前記認定のとおり,いずれも特定の観念を有しない造語からなるものであるから,観念上比較することができない。 ウ 以上によれば,本件商標と引用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれの点についても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 したがって,本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとする申立人の主張は理由がない。 (2)むすび 以上のとおり,本件商標の登録は,登録異議の申立てに係る指定商品について,商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,維持すべきものである。 よって,結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2014-07-29 |
出願番号 | 商願2013-4382(T2013-4382) |
審決分類 |
T
1
652・
263-
Y
(W0305)
T 1 652・ 261- Y (W0305) T 1 652・ 262- Y (W0305) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 加園 英明 |
特許庁審判長 |
渡邉 健司 |
特許庁審判官 |
小林 由美子 大森 健司 |
登録日 | 2014-01-24 |
登録番号 | 商標登録第5644554号(T5644554) |
権利者 | インダッヒム ホールディング アーゲー |
商標の称呼 | ネオダーミル、ネオデルミル、ダーミル、デルミル |
代理人 | 北口 貴大 |
代理人 | 下田 昭 |
代理人 | 城山 康文 |
代理人 | 岩瀬 吉和 |