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審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2014900106 審決 商標
異議2014900067 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W05
審判 全部申立て  登録を維持 W05
審判 全部申立て  登録を維持 W05
管理番号 1292888 
異議申立番号 異議2013-900428 
総通号数 179 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2014-11-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2013-12-18 
確定日 2014-10-03 
異議申立件数
事件の表示 登録第5619300号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5619300号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件商標は、「ミサムロ」の片仮名および「MISAMLO」の欧文字を二段に横書きしてなり、平成25年4月17日に登録出願、第5類「薬剤」を指定商品として、同年8月9日に登録査定、同年10月4日に設定登録されたものである。

2 引用商標
本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用しているのは、次の2件の登録商標である(以下、2件の登録商標を総称するときは、「引用商標」という。)。
(1)登録第5341236号商標(以下「引用商標1」という。)は、「MICAMLO」の欧文字を標準文字で横書きしてなり、平成22年2月23日に登録出願、第5類「薬剤」を指定商品として、同年7月30日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(2)登録第5344941号商標(以下「引用商標2」という。)は、「ミカムロ」の片仮名を標準文字で横書きしてなり、平成22年6月3日に登録出願、第5類「薬剤」を指定商品として、同年8月13に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するから、その登録は、同法第43条の2第1号により取り消されるべきと申し立て、その理由を要旨以下のとおり述べ、その証拠方法として、甲第1号証ないし甲第6号証を提出している。
(1)本件商標と引用商標の対比
本件商標は、上段に「ミサムロ」の片仮名を、下段に「MISAMLO」の大文字表記の欧文字7文字を書してなるところ、これより「ミサムロ」の称呼を生ずる(甲第1号証)。
これに対し、引用商標1は、「MICAMLO」の大文字表記の欧文字7文字を書してなり、「ミカムロ」の称呼を生ずる(甲第2号証)。
また、引用商標2は、「ミカムロ」の片仮名を書してなり、「ミカムロ」の称呼を生ずる(甲第3号証)。
そして、これらの商標は、その指定商品が同一又は類似である。
そうすると、本件商標は、その構成文字数が引用商標1と一致しており、その表記も、大文字表記である点が共通し、3文字目の「S」と「C」の1文字を除く6文字が共通するので、外観上、類似の商標である。
また、その称呼は、2音目において母音「a」が共通する「サ」と「カ」の1音が相違するだけで、その他の音は、語頭音を始めとする「ミ」、「ム」、「ロ」の音が一致するために、本件商標と引用商標とは称呼上類似の商標である。
したがって、本件商標がその指定商品について使用されたときは、両商標の指定商品の取引者、需要者が同一である以上、引用商標を付した商品との間で出所の混同を生ずるおそれが極めて高いものである。
(2)指定商品の取引実情
引用商標は、高血圧治療薬に使用されており、例えば、「高血圧治療における併用療法」などの文献において、「レザルタス」、「エックスフォージ」、「ユニシア」と並び、主要な高血圧治療薬の名称として紹介されているものである(甲第4号証及び甲第5号証)。
この中において紹介されている引用商標以外の代表的な3つの治療薬の名称をみれば、本件商標が、如何に引用商標と外観及び称呼が近似しているか容易に把握できる。
また、近年、販売名が類似する後発品について、取違えによる事故防止のための対策が求められており、目的が同じ薬の場合でも、その副作用に注意が必要である(甲第6号証)。
すなわち、本件商標と引用商標とは、外観において、文字種、構成文字、そして、その配列が共通、近似するだけでなく、その称呼も近似するものであるから、これらの相似点を考慮すれば、指定商品の「薬剤」に使用されるときに、双方の間で混同を生ずるおそれが極めて高い。
したがって、本件商標がその指定商品に使用されたときは、取引者、需要者が同じである以上、引用商標を付した商品との間で出所の混同を生ずるおそれは避けられない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標は、引用商標と類似の商標であり、かつ、その指定商品も同一又は類似のものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は、取消しを免れないものである。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は、上記1のとおり、「ミサムロ」の片仮名及び「MISAMLO」の欧文字を二段に横書きしたものであるところ、上段の片仮名部分が下段の欧文字部分の音を表したものと認められ、その構成文字に相応して「ミサムロ」の称呼が生じ、特定の観念が生ずることのない造語と認識されるものである。
他方、引用商標は、上記2のとおり、引用商標1が「MICAMLO」の欧文字を標準文字で横書きしたものであり、また、引用商標2が「ミカムロ」の片仮名を標準文字で横書きしたものであるところ、その構成文字に相応して、ともに「ミカムロ」の称呼が生じ、特定の観念が生ずることのない造語と認識されるものである。
そこで、本件商標と引用商標を比較検討するに、本件商標の「ミサムロ」の称呼と引用商標の「ミカムロ」の称呼は、ともに4音構成と簡潔な音構成からなり、第2音目において、「サ」の音と「カ」の音を異にするものである。そして、その差異となっている両音は、前者が摩擦音、後者が破裂音であって、音質が異なるばかりでなく、その前に位置する「ミ」の音が通鼻音、また、その後に位置する「ム」の音が鼻音という弱音の間に位置して、強く聴取される音といえるものであるから、それぞれを一連に称呼したときは、明瞭に、発声、聴取されるといえるものである。そうすると、本件商標と引用商標をそれぞれ一連に称呼したときは、簡潔な音構成の中にあっては、該差異音が称呼の全体に与える影響は少なくなく、両者は明瞭に聴別し得るものといえる。
次に、外観においては、本件商標は、二段で構成されているのに対し、引用商標は、一段のみで構成されているから、本件商標と引用商標とは外観において顕著な差異を有する。また、本件商標の片仮名部分及び欧文字部分のみの外観をそれぞれ引用商標2及び引用商標1と比較しても、本件商標は、片仮名部分が4文字、欧文字部分が7文字で構成され、また、引用商標は、引用商標2が4文字、引用商標1が7文字で構成されるものであり、称呼の簡潔さとも相俟って、簡潔な文字構成からなるといえるものである。そして、本件商標の片仮名部分と引用商標2には、第2文字目において「サ」の文字と「カ」の文字、本件商標の欧文字部分と引用商標1には、第3文字目において「S」の文字と「C」の文字の差異があり、簡潔な文字構成の中にあっては、該差異の外観全体に与える影響は少なくなく、明瞭に区別し得るものといえる。
さらに、観念においては、本件商標と引用商標とは、ともに特定の観念が生ずることのない造語と認識されるものであるから、観念においても、相紛れるおそれがあるとはいえないものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、その称呼、外観及び観念のいずれにおいても、相紛れるおそれのない非類似の商標ということができる。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する商標と認めることはできない。
(2)申立人の主張について
申立人は、「高血圧治療における併用療法」(甲第5号証)という文献において、引用商標が「レザルタス」、「エックスフォージ」、「ユニシア」と並んで紹介されているところ、これら商標と引用商標に比べ、本件商標と引用商標は近似している旨、さらに、その指定商品を取り扱う分野においては、医薬品取違えの防止が求められている旨を指摘した上で、本件商標が指定商品に使用された場合、引用商標を付した商品との間で出所の混同が生ずるおそれがあると主張している。
しかし、申立人が提示する「高血圧治療における併用療法」という文献で提示している薬品名は、商標による出所の混同を来すか否かの事例として掲載されているものではなく、また、申立人が医薬品の取違えに関して提出した甲第6号証も、医薬品の取違えの詳細な原因や経緯等までが示されているわけではないから、これらに掲載されている商標の近似性を基準に、本件商標と引用商標の類否を判断しなければならないということはできない。
そして、本件商標と引用商標の類否は、上記(1)のとおり、判断されるものである。
したがって、かかる申立人の主張は、採用することができない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2014-09-24 
出願番号 商願2013-32609(T2013-32609) 
審決分類 T 1 651・ 263- Y (W05)
T 1 651・ 261- Y (W05)
T 1 651・ 262- Y (W05)
最終処分 維持  
前審関与審査官 加園 英明 
特許庁審判長 土井 敬子
特許庁審判官 林 栄二
守屋 友宏
登録日 2013-10-04 
登録番号 商標登録第5619300号(T5619300) 
権利者 高田製薬株式会社
商標の称呼 ミサムロ 
代理人 齋藤 宗也 
代理人 アインゼル・フェリックス=ラインハルト 
代理人 山崎 和香子 

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