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審判番号(事件番号) データベース 権利
不服201322311 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 外観類似 登録しない W30
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W30
審判 査定不服 観念類似 登録しない W30
管理番号 1292875 
審判番号 不服2014-3191 
総通号数 179 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2014-11-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-02-20 
確定日 2014-10-08 
事件の表示 商願2013-77391拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、「幸せはこぶコウノトリあいす」の文字を標準文字で表してなり、第30類「アイスクリーム」を指定商品として、平成25年10月4日に登録出願されたものである。

第2 引用商標
原査定において、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5404248号商標(以下「引用商標」という。)は、「幸せを運ぶコウノトリソフトクリーム」の文字を標準文字で表してなり、平成22年5月11日に登録出願、第30類「ソフトクリーム,ソフトクリームのもと」を指定商品として、同23年4月8日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

第3 当審の判断
1 本願商標について
本願商標は、「幸せはこぶコウノトリあいす」の文字を標準文字で表してなるものであるところ、その全体は、13文字という冗長な文字構成からなり、その全体から生じる「シアワセハコブコウノトリアイス」の称呼も15音と冗長であり、しかも、全体をもって特定の意味合いを生ずるということもできないものである。
そして、その構成中の片仮名の後に位置する平仮名である「あいす」の文字部分が、指定商品との関係を踏まえると、「アイスクリーム」の略称(広辞苑 第六版)であって、商品の普通名称といえる「アイス」に通じると認められるものである一方で、当該部分の前にある「幸せはこぶコウノトリ」の文字部分は、例えば、以下(1)ないし(3)に示すとおり、コウノトリが幸せを運ぶ鳥として親しまれていることを踏まえるならば、「幸せを運ぶコウノトリ」の観念を生ずるものといえる。
そうすると、本願商標に接する取引者、需要者は、冗長な構成全体をもって取引に当たるばかりでなく、その構成中、指定商品の普通名称として認識される「あいす」の文字部分を省略して、「幸せはこぶコウノトリ」の文字部分を要部として注目し、「シアワセハコブコウノトリ」の称呼及び概ね「幸せを運ぶコウノトリ」程度の観念をもって取引に当たることも少なくないといえる。
(1)JX日鉱日石エネルギーのウェブページに、「コウノトリ物語」の見出しの下、「『第3話 中央アジア・ヨーロッパ・アフリカのコウノトリ』よく『コウノトリは赤ちゃんを運んでくる』と言われますが、その伝説の源はヨーロッパのコウノトリにあるようです。・・・コウノトリが『幸せを運んできてくれる』ということから、幸せのシンボル『赤ちゃん』を連れてきてくれる。という言い伝えになっていったのだと思われます。」との記載がある。
(http://www.noe.jx-group.co.jp/kounotori/03.html)
(2)大船渡市のウェブページに、「コウノトリ情報」の見出しの下、「12月3日頃から13日までの約10日間、市内の河川敷にコウノトリが飛来していました。『幸せを運んでくる』と言われている“コウノトリ”が初めて飛来したことで、内外から多くの方が見学に訪れ、大船渡市全体が明るい話題に包まれました。」との記載がある。
( http://www.city.ofunato.iwate.jp/www/contents/1102564828500/)
(3)三次市のウェブページに、「コウノトリ情報」の見出しの下、「ヨーロッパでは、コウノトリは幸せを運ぶ鳥と言われています。ドイツでは、コウノトリは春になると北アフリカから渡ってきて、秋になるとまたアフリカへと帰ります。渡ってきたコウノトリは、人家や教会の屋根に巣を作り、ヒナを育てます。コウノトリが巣を作った家は火災や雷に遭うことがないと言われ、またその家は豊かに長生きして暮らせるという言い伝えもあります。」との記載がある。
(http://www.cgr.mlit.go.jp/miyoshi/haizuka/kounotori/index.htm)
2 引用商標について
引用商標は、「幸せを運ぶコウノトリソフトクリーム」の文字を標準文字で表してなるところ、その全体は17文字という冗長な文字構成からなり、その全体から生ずる「シアワセヲハコブコウノトリソフトクリーム」の称呼も19音と冗長であり、しかも、全体をもって特定の意味合いを生ずるということもできないものである。
そして、その構成中の後半部の「ソフトクリーム」の文字部分が、引用商標の指定商品との関係を踏まえると、商品の普通名称といえるものである一方で、前半部の「幸せを運ぶコウノトリ」の文字部分は、上記2の(1)ないし(3)に示すとおり、コウノトリが幸せを運ぶ鳥として親しまれていることを踏まえるならば、概ね「幸せを運ぶコウノトリ」程度の観念を生ずるものである。
そうすると、引用商標に接する取引者、需要者は、冗長な構成全体をもって取引に当たるばかりでなく、その構成中、指定商品の普通名称として認識される「ソフトクリーム」の文字部分を省略して、「幸せを運ぶコウノトリ」の文字部分を要部として注目し、「シアワセヲハコブコウノトリ」の称呼及び「幸せを運ぶコウノトリ」の観念をもって取引に当たることも少なくないといえる。
3 本願商標と引用商標との類否について
本願商標は、上記1のとおり、その構成中の「幸せはこぶコウノトリ」の文字部分が注目され、「シアワセハコブコウノトリ」の称呼及び「幸せを運ぶコウノトリ」の観念を生ずるものといえる。
他方、引用商標は、上記2のとおり、その構成中の「幸せを運ぶコウノトリ」の文字部分が注目され、「シアワセヲハコブコウノトリ」の称呼及び「幸せを運ぶコウノトリ」の観念を生ずるものといえる。
そこで、本願商標の要部といえる「幸せはこぶコウノトリ」の文字部分と引用商標の要部といえる「幸せを運ぶコウノトリ」の文字部分とを比較するに、外観においては、3文字目の助詞の「を」の有無と、「はこぶ」を平仮名で表しているか漢字で表しているかが異なっているにすぎず、しかも、観念においては、両者はその文意である「幸せを運ぶコウノトリ」の観念を共通にするものである。
さらに、称呼においては、本願商標の該要部からは「シアワセハコブコウノトリ」の称呼が生じ、引用商標の該要部からは「シアワセヲハコブコウノトリ」の称呼を生じ、12音と13音と共に冗長な称呼の中にあって、第5音の「ヲ」の音の有無が異なるにすぎず、しかも、該差異音が前音の「セ」の音の母音に続いて発せられる母音であるために、明瞭に聴取することができないものであるから、相紛らわしい類似のものといえる。
してみれば、本願商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛らわしい類似の商標ということができる。
4 両商標の指定商品の類否について
本願商標の指定商品である「アイスクリーム」と、引用商標の指定商品である「ソフトクリーム」を比較すると、例えば、「調理用語事典」(発売元 株式会社調理栄養教育公社)には、「ソフトクリーム」について「半凍結の状態で食用とする、口当たりが滑らかなやわらかいアイスクリーム」とあるとおり、両商標の指定商品は、同一又は類似のものである。
5 むすび
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、本願商標が同号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2014-08-08 
結審通知日 2014-08-11 
審決日 2014-08-22 
出願番号 商願2013-77391(T2013-77391) 
審決分類 T 1 8・ 263- Z (W30)
T 1 8・ 262- Z (W30)
T 1 8・ 261- Z (W30)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大渕 敏雄 
特許庁審判長 林 栄二
特許庁審判官 内藤 順子
原田 信彦
商標の称呼 シアワセハコブコウノトリアイス、シアワセハコブコーノトリアイス、シアワセハコブコーノトリ、シアワセハコブ、コーノトリアイス、コーノトリ 
代理人 佐藤 富徳 

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