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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を取消(申立全部取消) W03 |
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管理番号 | 1291791 |
異議申立番号 | 異議2013-900321 |
総通号数 | 178 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2014-10-31 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2013-09-18 |
確定日 | 2014-09-03 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5599091号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5599091号商標の商標登録を取り消す。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5599091号商標(以下「本件商標」という。)は、「MEN’S LUSH」の欧文字及び「メンズラッシュ」の片仮名を上下二段に横書きしてなり、平成24年11月12日に登録出願、第3類「かつら装着用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,つけまつ毛用接着剤,口臭用消臭剤,動物用防臭剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,薫料」を指定商品として、同25年6月19日に登録査定、同年7月12日に設定登録されたものである。 第2 引用商標等 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、登録異議の申立ての理由において、以下の2件の登録商標(以下、2件の登録商標を総称する場合は「引用商標」という。)及び1件の未登録の使用商標(以下「使用商標」という。)を引用している。 1 登録第4479169号商標 登録第4479169号商標は、「LUSH」の欧文字を横書きしてなり、平成8年12月6日に登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」を指定商品として、同13年6月1日に設定登録され、その後、同年9月13日に指定商品中の「香料類」について一部放棄による抹消の登録がされ、現に有効に存続しているものである。 2 登録第5013148号商標 登録第5013148号商標は、「ラッシュ」の片仮名を横書きしてなり、平成18年6月1日に登録出願、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品」を指定商品として、同年12月22日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 3 使用商標 使用商標は、別掲のとおりの構成からなり、申立人が通常使用権の再許諾を承諾した株式会社ラッシュジャパン(以下「ラッシュジャパン」という。)の業務に係る商品について使用されているものである。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、登録異議の申立ての理由を要旨次のように述べ、本件商標の登録を取り消すべきであると申し立て、その証拠方法として、甲第1号証ないし甲第158号証を提出している。 1 商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、男性用を意味する「MEN’S」又は「メンズ」の文字及び引用商標と同一の「LUSH」又は「ラッシュ」の文字の構成からなり、外観及び称呼が類似する類似の商標である。また、本件商標の指定商品の一部は引用商標の指定商品と同一である。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。 2 商標法第4条第1項第10号について 引用商標及び使用商標は、本件商標の登録出願時には、ラッシュジャパンの商品を示すものとして、既に需要者に広く認識された商標であり、本件商標と引用商標及び使用商標は類似し、両商標が使用される商品は同一又は類似である。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものである。 3 商標法第4条第1項第15号について 引用商標及び使用商標は、ラッシュジャパンの商品を示すものとして周知のものであるから、これと類似する本件商標がその指定商品に使用された場合、取引者、需要者は、引用商標及び使用商標を連想又は想起し、その商品が、ラッシュジャパンの商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。 第4 当審において通知した取消理由の要旨 当審においては、平成26年5月22日付けをもって、商標権者に対して、本件商標の取消理由を通知したところ、その取消理由の通知は、本件商標と引用商標等について前記第1及び第2のとおり提示した上で、要旨次のとおりの内容を通知したものである。 1 申立人提出の甲各号証について 申立人は、登録異議の申立てにおいて、甲第1号証ないし甲第158号証を提出しているところ、その証拠を総合勘案すれば、以下の事実が認められる。 (1)本件商標の構成中の「MEN’S」及び「メンズ」の文字について 本件商標の構成中の「MEN’S」及び「メンズ」の文字は、「紳士用・男性向きであること」を意味する語であり、男性用ファッション誌の題号(例えば、「MEN’S NON-NO/メンズノンノ」、「MEN’S EX」、「MEN’S CLUB/メンズクラブ」、「MEN’S Precious/メンズプレシャス」等)、男性向け商品の小売店の名称(例えば、「阪急MEN’S TOKYO/阪急メンズ東京」、「ISETAN MEN’S ONLINE SHOP」等)、男性向け美容サービスの名称、男性用せっけん類等男性用の商品又は役務を示す表示(例えば、「メンズエステティックMEN’S TBC」、「メンズヘルス」、「花王Men’S Biore(メンズビオレ)」、「Men’s SLIM」等)として一般的に使用されているものである(甲第5及び第6号証)。 そして、本件商標の指定商品に関連する化粧品の分野では、「メンズ」(MEN’S)の文字は、「メンズコスメ(男性化粧品)」、「メンズスキンケア」、「メンズ化粧品」、「メンズケア」等として男性用の商品であることを示すために普通に用いられている(甲第7号証)。 そうすると、本件商標の構成中の「MEN’S」及び「メンズ」の文字部分は、本件商標に接する取引者、需要者には、商品の用途、品質等を表示するものとして認識し理解されるに止まり、自他商品の識別力を有しないか又は極めて弱いといえるものである。 (2)引用商標及び使用商標の周知・著名性について 申立人から通常使用権を許諾されたものと推認されるLUSH Ltd.(以下「ラッシュリミテッド」という。)は、ヘアケア、スキンケア商品等の製造販売を目的に英国において設立され、1995年に英国プール市に第1号店を開店し、現在では世界49カ国約800店舗を展開している(甲第13及び第14号証)。 ラッシュリミテッドが通常使用権を再許諾したと推認されるラッシュジャパンは、自社ブランド(LUSH)化粧品の製造・販売・輸出を事業内容として1998年10月1日に設立され、翌1999年3月4日に、スキンケア、ボディケア、ヘアケア、浴用化粧品等を販売する日本1号店を東京・自由が丘に開店して以来、順次、北海道地方から九州地方に至るまで店舗を増やし、国内では155店舗(平成24年1月現在)を展開している(甲第12及び第15号証)。 ラッシュジャパンの売上金額は、平成22年6月期が約123億円、平成23年6月期が約120億円、平成24年6月期が約149億円、平成25年6月期が約152億円であり、株式会社富士経済による「化粧品・美容サービスの業態別分析調査2012」には、「ライフスタイル提案型ブランド」として「ラッシュ」(ラッシュ ジャポン)が取り上げられ、同じく「新・化粧品マーケティング要覧2012No.3」においても「ボディクリーム・ローション市場は、『ロクシタン』(ロクシタン ジャポン)、『ラッシュ』(ラッシュ ジャパン)などライフスタイル提案型ブランドが牽引することで拡大が続いている。」等と記載されている(甲第16ないし第18号証)。 ラッシュジャパンの取り扱いに係るせっけん、シャンプー、ボディトリートメント、ボディローション、入浴剤等の浴用化粧品、クリーム、スキンケア・ボディケア・へアケア化粧品、口紅、アイシャドウ、香水、消臭化粧品等の商品並びにラッシュジャパン及びその店舗については、「LUSH」又は「ラッシュ」として、本件商標の登録出願前から現在に至るまで継続して、各種雑誌、新聞、インターネット、テレビ放送、ラジオ放送等において多数紹介されている。また、上記商品の容器の多くには、使用商標が付されている(甲第20ないし第157号証)。 そうすると、引用商標及び使用商標は、ラッシュジャパンの業務に係るせっけん類、浴用化粧品、スキンケア用・ボディケア用・ヘアケア用・消臭用化粧品、香水等の商品を表示する商標として、本件商標の登録出願時には、既に取引者、需要者の間に広く認識されており、その周知・著名性は本件商標の査定時においても変わりないものと推認し得るものである。 2 本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当することについて 本件商標は、前記第1のとおりの構成からなるものであるところ、その構成中の「MEN’S」及び「メンズ」の文字部分は、上記1(1)のとおり、本件商標に接する取引者、需要者によって、商品の用途、品質等を表示するものとして認識し理解されるに止まり、自他商品の識別力を有しないか又は極めて弱いものといえる。 また、「LUSH」又は「ラッシュ」の文字からなる引用商標及び使用商標は、上記1(2)のとおり、ラッシュジャパンの業務に係るせっけん類、浴用化粧品、スキンケア用・ボディケア用・ヘアケア用・消臭用化粧品、香水等の商品を表示する商標として、本件商標の登録出願時及び登録査定時には、既に取引者、需要者の間に広く認識されていたといえるものである。 そうすると、本件商標は、常に、その構成全体が不可分一体のものとして認識、把握されるものではなく、「MEN’S」及び「メンズ」と「LUSH」及び「ラッシュ」との二語からなるものとして認識し把握される場合が決して少なくないというべきであり、同時に、その構成中の「LUSH」及び「ラッシュ」の文字部分に看者の注意が強く惹かれるものといえる。 そして、引用商標及び使用商標は、せっけん類、浴用化粧品、スキンケア用・ボディケア用・ヘアケア用・消臭用化粧品、香水等について使用されているものであるところ、本件商標の指定商品には、これら引用商標及び使用商標の使用に係る商品が含まれているほか、これら以外の指定商品も、当該使用に係る商品とは目的、用途、需要者等を共通にする場合が少なくないものといえる。そうすると、本件商標の指定商品と引用商標及び使用商標の使用に係る商品とは、同一又は類似のものを含め、関連性の高いものというべきである。 以上を総合勘案すると、本件商標を指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、その構成中の「LUSH」及び「ラッシュ」の文字部分に着目して、引用商標及び使用商標ないしはラッシュジャパンを連想、想起し、該商品がラッシュジャパン又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものというべきである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号の規定に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定に基づき、その登録を取り消すべきものである。 第5 本件商標の商標権者の意見 本件商標権者は、前記第4の取消理由の通知に対し、何ら意見を述べるところがない。 第6 当審の判断 本件商標についてした先の取消理由は、妥当なものと認められる。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたといわざるを得ないから、申立人のその余の申立理由について検討するまでもなく、本件商標の登録は、同法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲(使用商標) (色彩については、原本参照のこと。) |
異議決定日 | 2014-07-25 |
出願番号 | 商願2012-91829(T2012-91829) |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Z
(W03)
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最終処分 | 取消 |
前審関与審査官 | 中束 としえ |
特許庁審判長 |
土井 敬子 |
特許庁審判官 |
林 栄二 梶原 良子 |
登録日 | 2013-07-12 |
登録番号 | 商標登録第5599091号(T5599091) |
権利者 | 株式会社桃谷順天館 |
商標の称呼 | メンズラッシュ |
代理人 | 佐藤 恒雄 |