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審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2013900428 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W05
審判 全部申立て  登録を維持 W05
審判 全部申立て  登録を維持 W05
管理番号 1291784 
異議申立番号 異議2014-900067 
総通号数 178 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2014-10-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2014-03-06 
確定日 2014-09-11 
異議申立件数
事件の表示 登録第5633464号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5633464号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5633464号商標(以下「本件商標」という。)は、「Sapari」の欧文字及び「サパリ」の片仮名を二段に横書きしてなり、平成25年7月5日に登録出願、第5類「薬剤(農薬に当たるものを除く。)」を指定商品として、同年10月31日に登録査定、同年11月29日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議の申立ての理由において引用する国際登録第1012695号商標(以下「引用商標」という。)は、「SAPAREX」の欧文字を横書きしてなり、2009年(平成21年)6月25日に、United Kingdomにおいてした商標の登録出願を基礎としてパリ条約第4条による優先権を主張し、2009年8月5日に登録出願、第5類「Pharmaceutical preparations and biopharmaceuticals for the treatment of cancer.」(仮訳:ガンの治療用の薬剤及び生物薬剤)を指定商品として、2010年(平成22年)7月30日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるものである旨申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。
(1)商標の類否について
本件商標は、「Sapari」の欧文字と「サパリ」の片仮名とを二段に書してなるのに対し、引用商標は、「SAPAREX」の欧文字を一連に書してなり、本件商標からは「サパリ」の称呼が、また、引用商標からは「サパレックス」の称呼がそれぞれ生じる。
ところで、商標審査基準(特許庁商標課編)によれば、「商標の類否の判断は商標が使用される商品又は役務の主たる需要者層その他商品又は役務の取引の実情を考慮し、需要者の通常有する注意力を基準として判断しなければならない」と規定されている。
本件商標及び引用商標においては、いずれの商標も薬剤に用いられるものであり、主たる需要者層として医師・看護師・薬剤師が想定される。そして、これら需要者の「通常有する注意力」の基準が問題となるが、社団法人日本医師会発行の「医療従事者のための医療安全対策マニュアル」における「各論 2 もの」の「1.医薬品」の「事例8の類例一覧」において紹介されている「注射剤で医療品名が類似していることによって起こったインシデント、アクシデント事例」によれば、「プロスタンディンとプロスタルモン」、「アクチットとアクトシン」、「オムニカインとオムニスキャン」、「サクシンとサクシゾン」、「セファメジンとセファゾリン」、「ソルダクトンとソルラクト」、「ノバスタンとノバントロン」、「ペルジピンとペルサンチン」といった医薬品名が類似しているとされている。
これらの医薬品名は、いずれも、語頭の2音が共通しており、本件商標と引用商標との関係に類似する。
そして、本件商標と引用商標との比較においては、第3音で「リ」と「レ」という同行音が配置されていることに鑑みると、「薬剤」の需要者及び取引者にとっては、相紛らわしい商標であると思料する。
よって、このような需要者及び取引者並びに取引の実情を考慮して、本件商標と引用商標とを外観、観念及び称呼を総合的に観察した場合には、両商標は類似するといえる。
(2)商品の類否について
本件商標は、「薬剤(農薬に当たるものを除く。)」を指定商品とし、その指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の関係にある。
(3)まとめ
本件商標は、引用商標とは、類似の商標であり、かつ、その指定商品も抵触する関係にあるので、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反してなされたものであるから、取り消されるべきである。

4 当審の判断
(1)本件商標について
本件商標は、上記1のとおり、「Sapari」の欧文字及び「サパリ」の片仮名を二段に横書きしてなるところ、外観上、欧文字と片仮名が、それぞれ同じ書体、同じ間隔(片仮名は大きさでも同じ。)をもって、まとまりよく書してなるものであり、その文字構成も、欧文字が6文字、片仮名が3文字と簡潔なものといえる。そして、本件商標は、その構成中の片仮名部分が欧文字部分の表音と認められるものであり、その構成全体から「サパリ」の称呼が生じ、辞書等に掲載がない、特定の意味合いを生ずることのない造語といえるものである。
(2)引用商標について
引用商標は、上記2のとおり、「SAPAREX」の欧文字を横書きしてなるところ、同じ書体、同じ大きさ、同じ間隔をもって、まとまりよく書してなるものであり、その文字構成も7文字と比較的簡潔なものといえる。そして、引用商標は、その構成文字に相応して「サパレックス」の称呼が生じ、辞書等に掲載がない、特定の意味合いを生ずることのない造語といえるものである。
(3)本件商標と引用商標の類似性について
本件商標と引用商標は、それぞれ上記(1)及び(2)のとおり、辞書等に掲載がない、特定の意味合いを生ずることのない造語といえるものであるから、商品の出所を識別する上においては、相対的に称呼の役割が重要になるといえるところ、本件商標の「サパリ」の称呼と引用商標の「サパレックス」の称呼を比較するに、両者には、たとえ、前半部の「サパ」の音が共通していても、その構成音数が大きく異なり、後半部において「リ」の音と「レックス」の音という明確な差異があるものである。
そして、本件商標と引用商標は、外観上も、称呼における「リ」の音と「レックス」の音の差異をもたらしている「ri」の文字部分と「REX」の文字部分に、大文字と小文字のほか、その綴りに大きな差異があるものである。
また、本件商標と引用商標は、上述のとおり、辞書等に掲載がない、特定の意味合いを生ずることのない造語といえるものであるから、観念上は、比較し得ないものである。
そうすると、本件商標と引用商標は、称呼及び外観においては、いずれも簡潔な構成の中に大きな差異を有するものであり、観念においては、比較し得ないものであるから、これらの称呼、外観及び観念を総合的に考察すると、相紛れるおそれのない非類似の商標ということができる。
(4)請求人の主張について
請求人は、甲第3号証として、社団法人日本医師会発行の「医療従事者のための医療安全対策マニュアル」の一部の写しを提出し、「注射剤で医療品名が類似していることによって起こったインシデント、アクシデント事例」における「注射剤で医薬品名が類似している医薬品リスト」に掲載されている商標名の例について、語頭の2音が共通している旨指摘し、本件商標と引用商標も、薬剤の需要者にとっては相紛らわしいと主張している。
しかしながら、本件商標と引用商標には、称呼及び外観において大きな差異があることは上記(3)のとおりである。しかも、請求人提出に係る社団法人日本医師会発行の「医療従事者のための医療安全対策マニュアル」においても、インシデントやアクシデントの具体的な経緯や原因が記述されているわけではなく、また、語頭の2音が共通するものの多くが類似し、インシデントやアクシデントに至っているとされているわけでもないものであるから、結局、請求人の主張は、掲載事例のうち、語頭の2音が共通する点だけを取り出して、本件商標と引用商標も相紛らわしいと主張しているにとどまるといわざるを得ないものである。
そうすると、本件商標と引用商標の語頭の2音が共通するとしても、それをもって、請求人の主張を採用することはできない。
(5)まとめ
以上のとおり、本件商標は、引用商標とは類似するということができないものであるから、たとえ、その指定商品が引用商標の指定商品と同一又は類似のものであったとしても、商標法第4条第1項第11号に該当するということはできないものである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、商標法第43条の3第4項により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2014-09-02 
出願番号 商願2013-52228(T2013-52228) 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W05)
T 1 651・ 262- Y (W05)
T 1 651・ 263- Y (W05)
最終処分 維持 
前審関与審査官 津金 純子 
特許庁審判長 土井 敬子
特許庁審判官 林 栄二
梶原 良子
登録日 2013-11-29 
登録番号 商標登録第5633464号(T5633464) 
権利者 大正製薬株式会社
商標の称呼 サパリ 
代理人 向口 浩二 
代理人 深見 久郎 
代理人 竹内 耕三 
代理人 森田 俊雄 
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