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審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2013900403 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W43
管理番号 1291765 
異議申立番号 異議2014-900030 
総通号数 178 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2014-10-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2014-01-24 
確定日 2014-08-28 
異議申立件数
事件の表示 登録第5626104号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5626104号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
登録第5626104号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおり、構成中に「BEEF KITCHEN」の文字を有してなるものであり、平成25年5月30日に登録出願、第43類「飲食物の提供」を指定役務として、同年9月13日に登録査定、同年10月25日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当するとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。
(1)申立人が引用する商標
申立人が引用する商標は、「Beef Kitchen」の文字からなる商標(以下「引用商標」という。)であり、「焼き肉の提供」について使用している。
(2)引用商標の周知性について
申立人は、引用商標を使用して「焼き肉の提供」を行っているものであり、2008年7月2日に中目黒店を、2009年9月1日に横浜店をオープンした(甲2)。特に、中目黒店は、口コミグルメサイトの口コミ数が多く、飲食店激戦区において人気店であり(甲3)、横浜店は、8つの路線が通る横浜駅からすぐそばの場所にある人気店といえるものである(甲4)。また、中目黒店は、2010年10月22日に放映された日本テレビ系列「金曜スーパープライム」の「肉ばか 今夜決定!東京23区で1番うまいお肉料理」の番組で目黒区の第1位を獲得し、一躍有名な店舗となったものであり(甲5)、2012年10月ないし2013年9月の集客集計表によれば、中目黒店は、席数78席に対して土日の客数が平均90件であり、土日に最も多くの客が訪れている(甲6)。
以上のとおり、申立人が使用する引用商標は、「焼き肉の提供」について周知である。
(3)本件商標と引用商標との類否
本願商標及び引用商標は、それぞれ「ビーフキッチン」の同一の称呼を生じ、両者の表記は異なるが、それぞれに「BEEF KITCHEN」、「BeafKitchin」の文字を含むことにより、その外観において類似し、また、それぞれ「肉牛(牛肉)の台所(調理場)」程の観念を生じるものであり、観念において同一であるから、本願商標と引用商標とは、その称呼、外観、観念のいずれにおいても同一又は類似する。
さらに、本件商標の指定役務は、第43類「飲食物の提供」であり、引用商標に係る役務は、「焼き肉の提供」であるから、本件商標の指定役務と引用商標に係る役務は類似する。
(4)むすび
したがって、本件商標は、他人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている引用商標と類似する商標であって、その役務と類似する役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものである。

3 当審の判断
(1)引用商標の周知性について
申立人の提出に係る甲各号証によれば、申立人は、焼き肉店「Beaf Kitchin」を、平成20年(2008年)7月、東京都目黒区に中目黒店を、同21年(2009年)9月、神奈川県横浜市に横浜店を、それぞれ、開店したものであり(甲2ないし甲4)、平成22年(2010年)10月22日には、そのうちの中目黒店が、日本テレビ系列の情報番組「金曜スーパープライム」において紹介されたことが認められる(甲5)。
してみると、申立人は、本件商標の登録出願の前から引用商標を、申立人の業務に係る「焼き肉の提供」を表示するものとして使用していたことを認めることができる。
しかしながら、申立人の業務に係る焼き肉店がテレビ番組において紹介されたのは、上記番組における1回にとどまるものであって、実際に放映された具体的な紹介内容は不明であるところ、申立人の提出に係る「価格.com テレビ紹介情報」(甲5)の記事によれば、「肉ばか 今夜決定!東京23区で1番うまいお肉料理」の番組タイトルの下において、中目黒店は、「目黒区肉ばかランキング第1番」とされているものの、都内23区の多数の肉料理店のうちの一つとして紹介されているにすぎないものであり、当該店舗が、番組で紹介されている他の飲食店に比して際立ったものであるものとする記載はない。また、中目黒店及び横浜店が掲載されているグルメサイトにおける口コミ数をみると、各店舗一月について1?2件程度の投稿であり(甲3、甲4)、決して多いということはできないものであり、それらの内容も、単に、前記各店舗の立地、料理の味、価格等についての投稿者の感想が掲載されているものであって、他の記載内容をみても、当該グルメサイトの記事により、需要者の引用商標の認識の程度を把握することはできない。
その他に、引用商標が本件商標の登録出願までに申立人の業務を表示するものとして、その宣伝広告が行われた事実は、確認できず、新聞・雑誌、その他のマスコミの記事等においても、取り上げられたなどの事実は確認できない。
してみると、申立人の提出に係る甲各号証を総合してみても、引用商標は、本件商標の登録出願日前に、申立人の業務に係る役務「焼き肉の提供」を表示するものとして、需要者の間に広く認識されるに至っていたと認めるに足る事実は見いだせない。
なお、申立人は、平成24年10月から同25年9月における各店舗の「客数集計表」を提出しているが(甲6)、当該来客数の市場における占有率等は不明であって、これによって引用商標の周知性を客観的、具体的に裏付ける証拠が提出されたとはいえない。
よって、引用商標が本件商標の登録出願の日(平成25年5月30日)前から、申立人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されるに至っていた商標とは認めることができない。
(2)商標法第4条第1項第10号について
本件商標と引用商標は、その構成において、「BEEF KITCHEN(Beaf Kitchin)」の文字を共通にすることにより、該文字から生じる称呼及び観念が同一になるから、両商標は類似する商標であって、本件商標の指定役務「飲食物の提供」と申立人が引用商標を使用する役務「焼き肉の提供」は同一又は類似する。
しかしながら、上記(1)のとおり、引用商標が本件商標の登録出願の時において、申立人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標とは認めることができないから、本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当するものとは認められない。
(3)結論
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲(本件商標)



異議決定日 2014-08-19 
出願番号 商願2013-41136(T2013-41136) 
審決分類 T 1 651・ 25- Y (W43)
最終処分 維持  
前審関与審査官 杉本 克治 
特許庁審判長 林 栄二
特許庁審判官 堀内 仁子
内藤 順子
登録日 2013-10-25 
登録番号 商標登録第5626104号(T5626104) 
権利者 株式会社スティルフーズ
商標の称呼 ビーフキッチン、ビーフ、キッチン 
代理人 辻田 朋子 
代理人 大橋 弘 

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