ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 一部申立て 登録を維持 W1435 審判 一部申立て 登録を維持 W1435 審判 一部申立て 登録を維持 W1435 |
---|---|
管理番号 | 1290779 |
異議申立番号 | 異議2013-900310 |
総通号数 | 177 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2014-09-26 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2013-09-06 |
確定日 | 2014-08-07 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5589382号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5589382号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5589382号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成24年6月27日に登録出願、第9類、第14類、第24類及び第35類に属する別掲(2)に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同25年3月13日に登録査定、同年6月14日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する、登録第5532858号商標(以下「引用商標」という。)は、「SKIN」の欧文字を標準文字で表してなり、平成24年4月26日に登録出願、第14類「貴金属,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,キーホルダー,宝石箱,身飾品,貴金属製靴飾り,時計」を指定商品として、同年11月2日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 3 登録異議の申立ての理由(要旨) 申立人は、その申立ての理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第29号証を提出した。 (1)本件商標は「ややデザイン化された字体の欧文字『S』を円形枠で括り、これに続いてややデザイン化された字体の欧文字にて『SKINS』と記載した」態様の商標であるが(甲第1号証)、「円形枠で括った部分」(以下「枠部分」という。)が枠で括られていることから、枠部分と「ややデザイン化された字体の欧文字にて『SKINS』と記載した部分」(以下「該文字部分」という。)とが常に一体不可分のものとして把握されるという事情は存在せず、むしろ、枠部分と該文字部分とは分離・独立して別々に出所表示機能を果たしていると把握されるものである。 (2)該文字部分である「SKINS」と引用商標「SKIN」について 「SKIN」は、称呼は「スキン」であり、観念は「皮膚、肌、皮」等であること、及び、「SKINS」は、「SKIN」の複数形であって、称呼は「スキンズ」であり、観念は「皮膚、肌、皮」等であることについて、わが国の取引者・需要者は熟知しているものである。 (3)観念について 日本語においては、別段名詞について単数・複数を区別することがないために、該文字部分からも引用商標からも「皮膚、肌、皮」といった観念が生じるので、該文字部分と引用商標とは観念上同一である。 (4)称呼について 該文字部分からは「スキンズ」の称呼が生じる。 他方、引用商標からは「スキン」の称呼が生じる。 両者を比較すると、両者の相違点は、聴者にとって最も印象に残りにくい末尾に「ズ」の音が存在するか否かの相違だけであるところ、該「ズ」の音は比較的聴取され難い語尾に位置することと、それ自体響きの弱い有声摩擦子音「z」と母音「u」の結合した音であること、複数形を示す音は明瞭に発音され聴取され印象に残るわけではないことを考えれば、両者は、その語調・語感が極めて近似するものである。 よって、該文字部分と引用商標とは称呼上類似する。 (5)外観について 該文字部分は、ややデザイン化された欧文字を用いて記されているものの、容易に「SKINS」と判読できるものであり、引用商標は「SKIN」であるから、両者とも「S」「K」「I」「N」の4文字を共通にするものであって、両者の相違点は、観者にとって、最も注意が行き届かない語の末尾に「S」の文字が存在するか否かの相違だけである。 よって、時と場所を異にする離隔的観察によれば、両者は、その外観が極めて近似しており、本件商標と引用商標とは外観上類似する。 (6)むすび 以上のとおり、本件商標は、第14類の指定商品中「時計,キーホルダー,身飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,宝石箱,貴金属,貴金属合金」及び第35類の指定役務中「履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,時計及び眼鏡の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,キーホルダーの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に関する限り、商標法第4条第1項第11号に該当するから、本件商標の登録は、これら指定商品、指定役務については、同法第43条の3第2項によって、取り消されるべきものである。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本件商標 本件商標は、前記1のとおり、「S」と思しき文字をあしらった円状の図形部分と、やや図案化された「SKINS」の欧文字の文字部分からなるところ、その構成に照らすならば、図形部分と文字部分は常に一体不可分のものとしてのみ把握されるというよりは、むしろ、それぞれが独立して自他商品・役務の識別標識としての機能を果たし得るとみるのが自然といえるものである。 そして、その構成中の「SKINS」の欧文字は、辞書上は、「皮膚、肌、皮」等の意味を有する「SKIN」の複数形を表す英語として掲載されているものであるが、直ちに複数形までが理解できるほどに知られているとまではいえないことから、特定の観念が生じることはないというのが相当である。 よって、本願商標からは、その構成中の文字部分に相応して、「スキンズ」の称呼が生じ、特定の観念は生じないといえるものである。 イ 引用商標 引用商標は、「SKIN」の欧文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、「皮膚、肌、皮」等の意味を有する既成の英語であるから、その構成文字に相応して、「スキン」の称呼を生じ、「皮膚、肌、皮」の観念を生じるものである。 ウ 本件商標と引用商標との類否 (ア)外観について 本件商標は、前記1のとおり、円状の図形部分と、やや図案化された「SKINS」の欧文字の文字部分からなるものであり、引用商標は「SKIN」の標準文字からなるものであるから、両商標は、その構成に照らすならば、外観においては、明らかに区別し得るものである。 (イ)称呼について 本件商標は、「スキンズ」の称呼を生じるものであるのに対し、引用商標は「スキン」の称呼を生じるものであるところ、両称呼は、語尾において「ズ」の音の有無の差異を有し、該差異音の「ズ」の音は摩擦音であって、鼻音にして弱音である「ン」の音の後に位置するため、強く、明瞭に発音され、聴取されるものである。 そして、いずれの称呼も4音と3音と短い音数で構成されるものであることを勘案するならば、「ズ」の音の差異が称呼全体に及ぼす影響は小さくなく、それぞれを一連に称呼するときには、語調、語感が相違し、互いに聴き誤るおそれはないものといえる。 (ウ)観念について 引用商標からは「皮膚、肌、皮」の観念が生じるのに対し、本件商標からは特定の観念が生じないものであって、観念上、両商標を比較することはできないから、観念において両商標が相紛れるおそれがあるということはできない。 (2)以上によれば、本件商標と引用商標とは、観念において、比較することができず、外観及び称呼においては区別し得るものであるから、これらを総合的に考慮すると、両商標は、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。 してみれば、本件商標は、たとえ、その指定商品が引用商標の指定商品と同一又は類似のものであっても、商標法第4条第1項第11号に該当するということはできないものである。 (3)まとめ したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 (1)本件商標 (2)本件商標の指定商品及び指定役務 第9類「眼鏡,家庭用テレビゲーム機用プログラム,携帯用液晶画面ゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,レコード,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる音楽ファイル,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物,運動用保護ヘルメット」 第14類「時計,キーホルダー,身飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,宝石箱,貴金属,貴金属合金,記念カップ,記念たて」 第24類「タオル,ハンカチ,布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布,織物製テーブルナプキン,ふきん,シャワーカーテン,織物製トイレットシートカバー,織物製椅子カバー,織物製壁掛け,カーテン,テーブル掛け,どん帳」 第35類「織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,運動具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,おもちゃ・人形及び娯楽用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,時計及び眼鏡の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,キーホルダーの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,広告業,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,輸出入に関する事務の代理又は代行,商取引の受注管理」 |
異議決定日 | 2014-07-29 |
出願番号 | 商願2012-51680(T2012-51680) |
審決分類 |
T
1
652・
262-
Y
(W1435)
T 1 652・ 261- Y (W1435) T 1 652・ 263- Y (W1435) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 鈴木 斎 |
特許庁審判長 |
林 栄二 |
特許庁審判官 |
原田 信彦 内藤 順子 |
登録日 | 2013-06-14 |
登録番号 | 商標登録第5589382号(T5589382) |
権利者 | 伊藤忠商事株式会社 株式会社デサント |
商標の称呼 | スキンズ、エス |
代理人 | 田中 克郎 |
代理人 | 石田 昌彦 |
代理人 | 稲葉 良幸 |
代理人 | 吉村 仁 |