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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服201319477 審決 商標
不服201223467 審決 商標
不服201316120 審決 商標
不服201220419 審決 商標
不服201322746 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W42
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない W42
管理番号 1290631 
審判番号 不服2013-19478 
総通号数 177 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2014-09-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-10-07 
確定日 2014-07-16 
事件の表示 商願2012-103268拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「パッシブエネルギー」の文字を標準文字で表してなり、第42類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成24年12月20日に登録出願され、その後、指定役務については、原審における平成25年5月31日付けの手続補正書により第42類「自然換気システムを活用した建築物の設計,自然換気システムを活用した建築物のリフォーム設計,自然換気システムを活用した建築物の設計に関する助言・指導・コンサルティング及び情報の提供,測量,自然換気システムを活用した建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,デザインの考案,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,機械器具に関する試験又は研究,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,地質の調査」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は『パッシブエネルギー』の文字を、標準文字で表してなるところ、インターネットのウェブサイトでは、建築物の設計等の分野において、『太陽の熱や光、雨や風など自然界に存在するエネルギー』が『パッシブエネルギー』と称されている実情がある。そうとすれば、本願商標をその指定役務中『自然界に存在するエネルギーを利用した建築物の設計』等に使用する場合には、単に役務の質を表示するにすぎないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「パッシブエネルギー」の文字を標準文字で表してなるところ、本願指定役務を取り扱う建築関連の業界では、太陽の光や熱、雨、地中の熱、風など自然に存在するエネルギーを利用する建築物や建築手法が存在し、そこで利用される自然のエネルギーを表すものとして「パッシブエネルギー」の文字が普通に使用されているところである。
そして、上記実情は、別掲のインターネット情報からも窺い知ることができる。
そうすると、該「パッシブエネルギー」の文字は、「太陽の光や熱、雨、地中の熱、風など自然に存在するエネルギー」を意味するものとして、理解、認識されるものというのが相当である。
してみれば、本願商標をその指定役務中の「自然換気システムを活用した建築物の設計,自然換気システムを活用した建築物のリフォーム設計,自然換気システムを活用した建築物の設計に関する助言・指導・コンサルティング及び情報の提供,自然換気システムを活用した建築又は都市計画に関する研究,デザインの考案」等について使用しても、これに接する取引者、需要者をして、「パッシブエネルギー(太陽の光や熱、雨、地中の熱、風など自然に存在するエネルギー)を換気システムに活用した役務」であることを表したものとして、理解されるものであって、その役務の質を表示するにすぎないものであるから、本願商標は自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、「パッシブエネルギー」の文字が、補正後の指定役務である「自然換気ステム」に関係する役務についての質等を、直接的かつ具体的に表示したものと理解されるとはいい難いものであり、むしろ、構成全体をもって一体不可分の一種の造語として認識されるものとみるのが相当である旨を述べている。
しかしながら、上記(1)のとおり、本願商標の指定役務を含む建築関連の業界においては、「太陽の光や熱、雨、地中の熱、風など自然に存在するエネルギー」の意味で、「パッシブエネルギー」の文字が普通に使用されており、また、「自然換気システム」は、「自然の風の力を利用する建物の換気のための技術」であるところ、「自然の風の力」に関しては、「パッシブエネルギー」の一つといえることからすれば、たとえ、本願商標を「自然換気システムに関係する役務」に使用しても、取引者、需要者は「パッシブエネルギーを換気システムに活用した役務」という程の意味合いを理解し、その役務の質を表示するものとして認識されるものである。
したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
ア「(有)門松建築」のウェブサイト
「スタッフ紹介」のウェブページ中の 「パッシブデザインって、何?【2012.03.27】」の項に、「『パッシブ』を直訳すると『自分からは積極的に働きかけないさま。受動的。消極的』という意味になります。建築業界では『パッシブエネルギー』『パッシブデザイン』などとしてすでに取り入れられています。『パッシブエネルギー』とは、太陽の熱や光、雨や風など、自然界に存在するエネルギーのこと。」の記載がある。
(http://www.ie-kdmt.com/article/14341355.html)

イ「日本外断熱総合研究所」のウェブサイト
「太陽と風のパッシブハウス」のウェブページ中の「パッシブハウスの時代」の項に、「パッシブエネルギーを特別な設備に頼らずに利用できるのは、日差し=太陽エネルギー(ダイレクトゲイン)を暖房エネルギーとして使うことと、室温より低くなった夜風を取り入れて室内の温度を下げ、冷房エネルギーの使用量を減らすことです。」の記載がある。
(http://www.sotodan-souken.com/passive/)

ウ「エコハウスさいたま店」のウェブサイト
「Baubiologie」のウェブページ中の「パッシブエネルギーの活用」の項に、「パッシブエネルギーとは、手を加えることなく自然な状態で利用することができる自然エネルギーのこと。たとえば、太陽エネルギーや風のエネルギー、地表熱エネルギーなどがパッシブエネルギーと言えます。エコハウスでは、パッシブエネルギーを積極的に取り入れるように心がけています。」及び「通気通風に配慮したプランニングを行うことはとても大切です。しかし、リフォームを行う際にお客さまのご要望を組み込んでいくと、間取りの都合上、どうしても風が通りにくい部屋が出来てしまうこともあります。そんなときは、クローゼットをウォークスルータイプにしたり、壁に小窓を設けたりするだけで、家の中に風の通り道ができます。風通しが悪いと湿気やニオイがこもり、家の傷みの原因になり、少なからず心身にも悪い影響を及ぼします。空気の循環を考えることは、健康的な住まいをつくる第一歩なのです。」の記載がある。
(http://www.eco-ohmiya.com/baubiologie/index.html)

エ「成和建設株式会社」のウェブサイト
「太陽光発電」のウェブページ中に、「太陽の光や熱、雨、地中の熱、風など自然にもともと存在するエネルギーが、パッシブエネルギーです。パッシブエネルギーは、いくら利用しても二酸化炭素を出すことはありません。自然界のものですからね。この自然エネルギーを、特別な機械に頼ることなく利用するシステムがパッシブシステムです。」の記載がある。
(http://www.seiwaom.jp/solar.html)

オ「さぬきエコ住宅の会」のウェブサイト
「自然エネルギー利用」のウェブページ中の「パッシブエネルギーとは?」の項に、「パッシブの言葉の意味は受動的、つまり、手を加えることなく自然な状態で利用することが可能な自然エネルギーのことをパッシブエネルギーと言っているようです。具体的には、太陽エネルギー や風のエネルギー、あまり馴染みのない地表熱エネルギーがパッシブエネルギーと言えます。」の記載がある。
(http://kagawaeko.web.fc2.com/side1.html)

カ「安田工務店」のウェブサイト
「新築をお考えの皆様へ」のウェブページ中の「エアサイクル工法とは」の項に、「一言で表現すれば自然の力(パッシブエネルギー)を利用するパッシブデザイン工法の1つです。パッシブエネルギーとは太陽の光や熱、雨、地熱、風などの自然に存在しているエネルギーを指します。この自然のエネルギーを上手く誘導し、住環境を整えるシステムをパッシブシステムといいます。」の記載がある。
(http://www4.ocn.ne.jp/~yasuda.k/build.html)

キ「香川県の工務店・建築家・設計事務所・住宅会社とのベストな出会いの場を提供する住まいの結婚相談所」のウェブサイト
「住まいの結婚相談所 香川県の工務店・建築家・設計事務所・住宅会社とのベストな出会いブログ」のウェブページ中の「パッシブデザインって、何?」の項に、「『パッシブ』を直訳すると『自分からは積極的に働きかけないさま。受動的。消極的』という意味になります。建築業界では『パッシブエネルギー』『パッシブデザイン』などとしてすでに取り入れられています。『パッシブエネルギー』とは、太陽の熱や光、雨や風など、自然界に存在するエネルギーのこと。『パッシブデザイン』とは、パッシブエネルギーを最大限に利用するための建築デザインのことです。」の記載がある。
(http://www.archipro.co.jp/archi0211/21526.html)


審理終結日 2014-05-09 
結審通知日 2014-05-12 
審決日 2014-06-03 
出願番号 商願2012-103268(T2012-103268) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W42)
T 1 8・ 272- Z (W42)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 海老名 友子 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 田中 亨子
内藤 順子
商標の称呼 パッシブエネルギー 
代理人 佐藤 富徳 

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