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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服201316120 審決 商標
不服201319477 審決 商標
異議2013900185 審決 商標
不服201311273 審決 商標
不服20141819 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) W11
管理番号 1289796 
異議申立番号 異議2013-900392 
総通号数 176 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2014-08-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2013-11-19 
確定日 2014-06-30 
異議申立件数
事件の表示 登録第5609507号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5609507号商標の商標登録を取り消す。
理由 第1 本件商標
本件登録第5609507号商標(以下「本件商標」という。)は、「ピークカット」の文字を標準文字で表してなり、平成25年4月30日に登録出願、同25年7月31日に登録査定、第11類「業務用石油給湯機,業務用ガス給湯機,業務用電気給湯機,業務用ヒートポンプ式給湯機,その他のボイラー(動力機械部品・機関用のものを除く。),温水暖房装置,ヒートポンプ式温水暖房装置,電気式温水暖房装置,業務用加湿機,業務用空気清浄機,業務用除湿機,中央式空気調和装置,放熱器,窓掛け式空気調和装置,路面暖房装置,その他の暖冷房装置,冷凍機械器具,太陽熱利用温水器,衣類乾燥器,加湿器,空気清浄器,除湿機,扇風機,電気カーペット,電気こたつ,電気こんろ,電気ストーブ,電気足温器,電気火鉢,電磁調理器,ルームクーラー,家庭用電気温水器,家庭用ヒートポンプ式電気給湯機,家庭用自然冷媒(CO2)ヒートポンプ式電気給湯機,その他の家庭用電熱用品類,家庭用ガス給湯機,家庭用石油給湯機,その他のガス湯沸かし器,ガスストーブ,石炭ストーブ,石油ストーブ,石油ストーブしん,暖炉,火鉢,その他のストーブ類(電気式のものを除く。)」を指定商品として、同年8月23日に設定登録されたものである。

第2 登録異議申立人「小針正次」(以下「申立人A」という。)の登録異議の申立ての理由
本件商標は、「ピークカット」の文字を普通に用いられる方法で表示したにすぎないから、指定商品中、「ピークカット機能を備えている商品」に使用しても商品の品質を表示するにすぎず、自他商品識別標識として機能を果たし得ない。また、該商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものである。

第3 登録異議申立人「三菱電機株式会社」(以下「申立人B」という。)の登録異議の申立ての理由
本件商標は、「ピークカット」の片仮名を標準書体で表示したにすぎないから、その指定商品中、「最大使用電力を削減する機能を有する商品」に使用しても商品の品質(機能)を表示するにすぎず、自他商品識別標識として機能を果たし得ない。また、該商品以外の商品に使用するときは商品の品質(機能)の誤認を生じさせるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものである。

第4 本件商標に対する取消理由
商標権者に対して、平成26年3月26日付けで通知した本件商標の取消理由(要旨)は、次のとおりである。
1 申立人A及び申立人Bの提出に係る証拠によれば、以下の事実がある。(なお、申立人A及びBが提出した証拠は、「A甲第○号証」及び「B甲第○号証」と記載し、これを略すときは、「A甲○」及び「B甲○」のように記載する。下線は、合議体による。)
(1)A甲第2号証は、「広辞苑第6版」であり、「ピークカット」について「電力需要の最も多い時間帯の需要を抑え込むこと。」の意味を有することが記載されている。
A甲第4号証は、「エネルギーの百科事典」(丸善出版株式会社 2001年9月発行)であり、「ピークカット」について、「電力負荷は日中にピークを迎える。これに対応するために総発電設備容量は、ピーク時の負荷よりも大きくなければならない。しかし、夜間は電力需要が低減し、使用されない発電所が多くなる。この非効率を改善するために、ピーク時の負荷を削減することをいう。」の意味を有することが記載されている。
(2)ウェブページにおける商品の紹介において、機能や特徴を説明する中で、「ピークカット」の文字が使用されているもの。
ア(ア)A甲第30号証は、「ダイキン工業株式会社」の「省エネ・節電エアコン 『Eco-ZEAS80』シリーズ」(2012年1月26日)についての商品紹介(CORPORATE NEWS)であり、「商品の特長」の項に、「1.これからの”快適な節電”を強力にサポートする様々な機能/ 1)ワンタッチ操作で、自動的に約15%ピークカットする『スマート学習節電』/ 『スマート学習節電』は、日々の運転状態を学習し、過去の運転データを元に当日の最大消費電力を予測して自動でピークカットします。」の記載がある。
(イ)A甲第32号証は、「ダイキン工業株式会社」の「大型業務用ヒートポンプ給湯機 新型『MEGA・Q(メガキュー)』を発売」(2012年6月13日)についての商品紹介(CORPORATE NEWS)であり、「MEGA・Q(メガキュー)」の項に、「本商品は、・・・また、夏季の節電機能として搭載した『省エネモード』により、加熱能力を抑制し、消費電力を低減するピークカット運転が可能です。」及び「その他の特長」の項に、「◆ハイブリッド接続端子装備/ 温水ボイラ等の他熱源とのハイブリッド接続がおこなえ、既設給湯機と本商品の併用により、電力負荷のピークカットに役立ちます。さらには導入コストを抑制できます。」の記載がある。
(ウ)B甲第10号証は、「ダイキン工業株式会社」の「業務用エコキュート」(2012年4月25日)についての商品紹介(CORPORATE NEWS)であり、「商品の特長」の項に、「1)『ピークカット運転』で消費電力23%抑制/ 加熱能力を7.5kWから6.0kWへ高効率なピークカット運転をすることができ、通常運転と比較して消費電力を23%低減し、ピーク電力量を抑制できます。節電する時間帯を任意に設定できるので、昼夜問わず節電しながら沸き上げます。」の記載がある。
イ A甲第33号証及びB甲第13号証は、「三菱電機」の「三菱IHクッキングヒーター T32/G32HNシリーズ/Hシリーズ」(2012年8月20日現在)についての商品紹介であり、「三菱こだわりの安心機能」の項に、「最大消費電力の削減 ピークカット機能/ 定格消費電力を5800Wから4800Wに切り替えられる電力設定機能を搭載。電気が多く使われる時間帯に最大消費電力量を抑えることができ、電力ピークカットに貢献できます。」の記載がある。
ウ(ア)A甲第31号証及びB甲第12号証は、「株式会社東芝」の「エアコン RAS-251ND」及び「エアコン RAS-361ND」(平成24年4月現在)についての商品紹介であり、「商品情報」の項に、「ポイント2 便利な機能いろいろ/ ●ピークカット機能(パワーセレクト)/ 『パワーセレクト』ボタンを押すだけで、最大電流の上限値を約半分にし、電力を抑えた運転をします。」の記載がある。
(イ)A甲第34号証及びB甲第14号証は、「株式会社東芝」の「ドラム式洗濯乾燥機 TW-Z9500L」(平成24年10月現在)についての商品紹介であり、「商品情報」の項に、「ポイント1 ecoモードで、節電・節水・節時間/ ●さらに節電をサポート ・・・ ピークカットモード:あらかじめ設定しておくと、脱水時の最大消費電力を抑えて運転する機能です。」の記載がある。
エ A甲第35号証及びB甲第9号証は、「パナソニック株式会社」の「家庭用自然冷媒(CO2)ヒートポンプ給湯器『エコキュート』」(2013年4月8日)についての商品紹介(プレスリリース)であり、「特長」の項に、「(3)節電意識に配慮した『ピークカット機能』を搭載/ 夏場の昼間時間帯など、電力使用が集中する時間帯などに沸き上げを抑える設定をすることで、節電要請に貢献します。」の記載がある。
オ B甲第11号証は、「株式会社富士通ゼネラル」の「業務用追加型マルチエアコン『AIRSTAGE』」(2012年1月20日)についての商品紹介(プレスリリース)であり、「主な特長」の項の「1.」に、「iii. 使用状況に応じた省エネ管理機能を搭載/ 冷やし過ぎ暖め過ぎを防ぐ『室温の上下限設定』機能、夏場の酷暑時などピーク時に上昇する電力消費量をカットする『ピークカット』機能、業務終了時に消し忘れが多い廊下や会議室などの『消し忘れ防止タイマー』機能などさまざまな省エネ管理機能により、電気代を節約します。」の記載がある。
(3)商品カタログにおける商品の紹介において、機能を説明する中で、「ピークカット」の文字が使用されているもの。
A甲第38号証は、「株式会社東芝」の「エアコン 総合カタログ 2013-春夏号」(平成25年4月現在)についての商品紹介であり、「ナビリモコン」の項に、「●ピークカット機能(パワーセレクト)/ あらかじめエアコンの最大電流の上限値(75%・50%)を設定して電力を抑えた運転をします。」の記載がある。
上記各証拠によれば、「エアコン、給湯器、クッキングヒーター、洗濯機」などの商品について、「ピークカット、ピークカット機能、ピークカット運転」など、「ピークカット」の文字及び該文字を含んだ文字が、「節電のために電力消費量を抑える機能」というほどの意味合いを理解させるものとして、複数の電機メーカーにより使用されている実情がある。
2 商標法第3条第1項第3号の該当性について
本件商標は、「ピークカット」の文字を表してなるところ、該文字は、「電力需要の最も多い時間帯の需要を抑え込むこと。」等の意味を有する語であって、上記1(2)及び(3)のとおり、本件指定商品との関係においては、「節電のために電力消費量を抑える機能」を表すものとして使用されている実情があることから、この種商品の取引者や需要者の間においては、「ピークカット」の文字(語)は、少なくとも本件商標の登録査定時には、商品の品質及び機能を表すものとして理解、把握されていたものということができる。
してみれば、本件商標をその指定商品について使用するときは、「節電のために電力消費量を抑える機能」であることを容易に理解、認識させるにすぎず、商品の品質及び機能を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と認められる。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

第5 商標権者の意見
本件商標について、前記第4の取消理由を通知し、相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者は、何ら意見を述べるところがない。

第6 当審の判断
本件商標についてした前記第4の取消理由は、妥当なものと認められるものである。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項により、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲
異議決定日 2014-05-22 
出願番号 商願2013-32342(T2013-32342) 
審決分類 T 1 651・ 13- Z (W11)
最終処分 取消  
前審関与審査官 佐藤 松江 
特許庁審判長 内山 進
特許庁審判官 田中 亨子
井出 英一郎
登録日 2013-08-23 
登録番号 商標登録第5609507号(T5609507) 
権利者 株式会社コロナ
商標の称呼 ピークカット 
代理人 加藤 恒 

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