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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服20141284 審決 商標
異議2013900259 審決 商標
異議2013900096 審決 商標
不服201316013 審決 商標
不服20148420 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) W29
管理番号 1289794 
異議申立番号 異議2013-900344 
総通号数 176 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2014-08-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2013-10-11 
確定日 2014-06-16 
異議申立件数
事件の表示 登録第5597503号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5597503号商標の商標登録を取り消す。
理由 1 本件商標
本件登録第5597503号商標(以下「本件商標」という。)は、「シャキッと玉ねぎ」の文字を標準文字により表してなり、平成24年12月14日に登録出願、第29類「サラダ用の玉ねぎの瓶詰及び袋詰,乾燥玉ねぎ,玉ねぎの漬物」を指定商品として、同25年6月7日に登録査定、同年7月12日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要旨)
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は次の理由でその登録は取り消されるべきである旨主張し、証拠方法として甲第1号証ないし甲第43号証を提出した。
本件商標は、その指定商品との関係においては単に商品の品質を表示するにすぎないものであるから商標法第3条第1項第3号に該当し、商標登録を受けることができないものであるから、その登録は取消しを免れないものである。

3 本件商標に対する取消理由
商標権者に対して、平成26年2月26日付けで通知した本件商標の取消理由は、次のとおりである。
(1)申立人の提出に係る甲各号証及び職権による調査によれば、以下の事実が認められる。
なお、甲第3号証ないし甲第31号証は、インターネットのウェブサイト情報を本件商標登録査定後に印刷したものと認められるところ、その記載内容に照らし、本件商標登録査定前の実情を示すものとみて差し支えないと判断されるので、本件商標の自他商品の識別機能を判断する証拠方法として採用することとした。
ア 本件商標構成中の「シャキッと」の文字について
本件商標は、前記1のとおり「シャキッと玉ねぎ」の文字を標準文字により表してなるところ、その構成中の「シャキッと」の語についてみるに、「シャキッ」は片仮名で表され、「と」は平仮名で表されているものである。
しかして、近時、インターネットのウェブサイトや新聞、書籍・雑誌等において、例えば、副詞「ぴりっと」の語について、「ピリッと辛い!スパイシー野菜おかず」との題号の書籍が存在し(http://www.amazon.co.jp/ピリッと辛い!スパイシー野菜おかず: ヘーマ パレック/dp/4259560980)、「腰のピリッとした痛みの正体は?」とのウェブサイトが存在し(www.yotsu.org/qa/腰のピリッとした痛みの正体は?.html)、副詞「すらっと」の語について、「スラッとした体になりたい!」とのウェブサイトが存在する(http://okwave.jp/qa/q6826197.html)(いずれも職権調査。)ように、本来、平仮名で表記される副詞について、「と」以外の部分を片仮名で表記する方法が普通に用いられていることからすると、本件商標中の「シャキッと」の文字も、副詞「しゃきっと」と同義といい得るものである。
イ 「シャキッと」の語について(下線は合議体が付加。以下同じ。)
(ア)「しゃきっと」について、「〔副〕適度の張りがあって歯切れ・感触が快いさま。」を意味する語との説明がある(甲2:広辞苑第六版)。
なお、副詞は、「名詞以外の内容語(動詞・形容詞・副詞)および文を修飾する語。」である(広辞苑第六版。「副詞」の項。)。
(イ)「うどと新玉ねぎの梅風味マリネ」とのタイトルのもと、「独特な苦みのうど&シャキッとした新玉ねぎの組み合わせ。梅の風味がさわやかです。」との、マリネ料理のレシピがある(甲12)。
(ウ)「玉ねぎ」に関するレシピにおいて、「・さらしたまねぎの作り方」、「・シャキッとさせる場合」として、「切ったたまねぎをざるに入れ、さらにボールに入れて流水でさらします。ざるにあげて水気をきります。辛み、くさみが抜け、歯ざわりよくさわやかな食感になります。」との記載がある(甲13)。
(エ)「新たまねぎを美味しく味わおう!」とのタイトルのもと、「新たまねぎがシャキッとしているのに中がやわらかく甘味が肉の旨みと良いハーモニーを奏でてくれますよ。」との説明がされたテレビ番組が、2011年4月30日に放映された(甲14)。
(オ)「シャキッとみずみずしい新たまねぎ」とのタイトルのもと、各種たまねぎ料理のレシピがある(甲15)。
(カ)「玉ねぎシャキッと簡単サラダ!」とのタイトルのサラダ料理のレシピがある(甲17)。
(キ)「新玉ねぎとトマトのサラダ」とのタイトルのもと、「たっぷり新玉ねぎでシャキッとスイート!」との、サラダ料理のレシピがある(甲21)。
(ク)「泉のたまちゃん(泉州産玉ねぎのお漬物)詰め合わせ」とのタイトルのもと、「・・・種類はやさしい味の醤油漬、ピリッと辛い甘辛漬、意外とあっさりしたキムチ味の3種。すべてに玉ねぎ本来の旨味が息づき、シャキッとしたみごとな食感が楽しめる。」と説明された、玉ねぎの漬物が紹介されている(甲25)。
(ケ)「蔵元直送 蔵工場へようこそ」とのタイトルのもと、「大きなざく切りたまねぎのあまくてシャキッとした食感」との表示により、たまねぎドレッシングが紹介されている(甲27)。
(コ)「淡路島バーガー」とのタイトルのもと、「・・・淡路産タマネギも甘くて歯ごたえシャキッと! 味のある大きめのバンズは、ふっくらして食べごたえ充分です。」との記載により、ハンバーガーが紹介されている(甲28)。
(サ)「オニオンスライスの件ですが、・・・」との書き出しのもと、「オニオンスライスの件ですが、たまねぎのさらし方がどうも悪いようで、いつも苦味が残ります。短時間でたまねぎがシャキッとして苦味もなく、美味しいオニオンスライスを作りたいのですが、ご教授ください。」との質問がされている(甲30)。
ウ 「シャキッと玉ねぎ」の語について
(ア)「シャキッと玉ねぎ天 4枚」とのタイトルのもと、「玉ねぎの自然な甘みとみずみずしい歯ごたえを生かしたさつま揚げです。」との記載がある(甲3)。
(イ)「セゾンファクトリーシャキッと玉ねぎドレッシング」とのタイトルのもと当該商品の写真が表示されている(甲4)。
(ウ)「シャキッと玉ねぎの焼きおかか和え。」とのタイトルのもと、「しゃきしゃきの玉ねぎを香ばしく焼いたおかかで和えて♪ちゃちゃっと作れる1品なので、お鍋のちょっとした箸休めにもいいですよ。」と記載された、玉ねぎ料理のレシピがある(甲5)。
(エ)「鶏ももケチャップ炒め」とのタイトルのもと、「もも肉と相性バッチリのシャキッと玉ねぎ」との、鶏肉料理のレシピがある(甲6)。
(オ)「たっぷり香味野菜とツナの大人サンド」とのタイトルのもと、「シャキッと玉ねぎ、香りいい大葉とワサビも入れて、ちょっと大人なツナサンドです。」との、サンドイッチのレシピがある(甲7)。
(カ)「1行レシピ! シャキッと和風たまねぎサラダ☆わさポン風味」との、サラダ料理のレシピがある(甲29)。
(キ)濃厚鶏白湯にシャキッと玉ねぎが良く合うラーメン」との表示により、ラーメン店が紹介されている(甲31)。
(3)本件商標の自他商品識別機能について
上記(1)のアで判断したように、本件商標構成中の「シャキッと」の文字は、「しゃきっと」の語に通じ、上記(1)のイの(ア)のとおり、「適度の張りがあって歯切れ・感触が快いさま。」を意味する語ということができる。
ところで、本件商標は、副詞「シャキッと」に続けて、名詞「玉ねぎ」が表示されていることから、文法上不自然な構成といえるものではあるが、上記のとおり「シャキッと」の語が「適度の張りがあって歯切れ・感触が快いさま。」を意味する語といえるものであることから、これに「玉ねぎ」の語を結合した本件商標全体としては、「しゃきっとした玉ねぎ」を想起させ、「適度の張りがあって歯切れ・感触が快いさまの玉ねぎ」程の意味合いを認識させるものである。
そして、上記(1)のイの(イ)ないし(サ)のとおり「シャキッと」との語が「玉ねぎ」との関係で「適度の張りがあって歯切れ・感触が快いさま。」を表すものとして、また、上記(1)のウのとおり「シャキッと玉ねぎ」の語が「適度の張りがあって歯切れ・感触が快い玉ねぎ」を表すものとして、それぞれ普通に使用されていることからすれば、本件商標に接する取引者、需要者は、それが「適度の張りがあって歯切れ・感触が快い玉ねぎ」であると、認識し、理解するというのが相当である。
したがって、本件商標は、これを、その指定商品に使用するときには、商品の品質を表示したものと理解されるに止まり、自他商品の識別機能を果たし得ないものというべきである。
(4)結語
以上のとおり、本件商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というべきであるから、商標法第3条第1項第3号に違反して登録されたものである。

4 商標権者の意見
商標権者は、前記3の取消理由に対し、指定した期間内に何ら意見を述べていない。

5 当審の判断
本件商標についてした前記3の取消理由は、妥当なものであるから、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に違反して登録されたものといわざるを得ない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第43条の3第2項により取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2014-05-08 
出願番号 商願2012-106104(T2012-106104) 
審決分類 T 1 651・ 13- Z (W29)
最終処分 取消  
前審関与審査官 矢澤 一幸 
特許庁審判長 土井 敬子
特許庁審判官 野口 美代子
大森 健司
登録日 2013-07-12 
登録番号 商標登録第5597503号(T5597503) 
権利者 吉沢食品工業株式会社
商標の称呼 シャキットタマネギ、シャキット 
代理人 岸田 正行 
代理人 保崎 明弘 
代理人 和田 光子 
代理人 水野 勝文 

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