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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W33
審判 全部申立て  登録を維持 W33
審判 全部申立て  登録を維持 W33
審判 全部申立て  登録を維持 W33
審判 全部申立て  登録を維持 W33
管理番号 1289791 
異議申立番号 異議2013-900297 
総通号数 176 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2014-08-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2013-09-05 
確定日 2014-06-26 
異議申立件数
事件の表示 登録第5589082号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5589082号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5589082号商標(以下「本件商標」という。)は、「CASA MATEO」の欧文字を標準文字で表してなり、平成25年2月1日に登録出願、第33類「日本酒,洋酒,ぶどう酒,その他の果実酒,酎ハイ,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同年5月9日に登録査定、同年6月7日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4699034号商標(以下「引用商標」という。)は、「MATEUS」の欧文字を標準文字で表してなり、平成14年7月5日に登録出願、第33類「洋酒,果実酒」を指定商品として、同15年8月8日に設定登録、その後、同25年5月14日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、登録異議の申立ての理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第5号証を提出している。
(1)商標法第4条第1項第11号該当性
引用商標が本件商標の先願先登録の商標であって、現に有効に存続しているものであることは明らかであり、また、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とが抵触することも明らかである。
そして、本件商標と引用商標との類否についてみるに、本件商標の構成中の「MATEO」は、イタリア語で「マタイ(男性の名前イエス・キリストの十二使徒の1人の名前として我が国でよく知られている。)」を意味するものであるのに対し、引用商標を構成する「MATEUS」も、ポルトガル語では同じ「マタイ」を意味するものである(甲3)。
したがって、本件商標と引用商標とは、観念において類似するものであり、よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同項第15号該当性
引用商標は、ポルトガル・ワインのブランドとして、我が国においても周知、著名なものとなっている(甲4及び甲5)。また、該ワインには「Casa de Mateus マテウス邸(マテウス館)」が表示されたラベルが貼付されてきたところ、申立人は、「Casa de Mateus マテウス邸(マテウス館)」側にロイヤリティーを支払って、そのラベルの表示を行ってきており(甲4)、その結果、「Casa de Mateus マテウス邸(マテウス館)」も、該ワインのブランドとして、著名なものとなっていた。
そして、「Casa de Mateus」と本件商標とは、いずれも「マタイの館」を意味するものであるので、両者は、観念上、類似する。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものである。
さらに、本件商標がその指定商品に使用された場合、該商品が申立人又は同人と人的若しくは資本的に関係のある者並びに「Casa de Mateus マテウス邸(マテウス館)」側にロイヤリティーを支払った者の業務に係るものであるかのように、商品の出所について混同するおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1項により、取り消されるべきである。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は、前記1のとおり、「CASA MATEO」の欧文字を標準文字で表してなるところ、該欧文字は、同じ書体及び大きさをもって、等間隔に表されており、視覚上、一体的にまとまりあるものとして看取、把握されるものであって、その構成全体に相応して生ずると認められる「カーサマテオ」の称呼も、よどみなく一連に称呼し得るものである。
また、本件商標の構成中の「CASA」及び「MATEO」の各文字は、イタリア語の辞典によれば、前者が「家、住宅」等の意味を、後者が「聖マタイ」の意味を、それぞれ有する語として載録されているものの、我が国におけるイタリア語の普及度に鑑みれば、本件商標に接する取引者、需要者が、その構成中の「CASA」及び「MATEO」の各文字について、上記意味を有するイタリア語として理解するとはいい難い。
そうとすると、本件商標は、その構成全体をもって、特定の意味合いを生ずることのない一連の造語を表したものとして認識されるとみるのが相当である。
したがって、本件商標は、その構成文字全体に相応する「カーサマテオ」の称呼を生じ、特定の観念を生ずることのないものである。
イ 引用商標
引用商標は、前記2のとおり、「MATEUS」の欧文字を標準文字で表してなるところ、該欧文字は、ポルトガル語で「マタイ」の意味を有する語(甲3)とはいい得るものの、我が国におけるポルトガル語の普及度に鑑みれば、引用商標に接する取引者、需要者が、該欧文字について、上記意味を有するポルトガル語として理解するとはいい難い。
そうとすると、引用商標は、特定の意味合いを生ずることのない造語の一種として認識されるとみるのが相当である。
したがって、引用商標は、その構成文字に相応する「マテウス」の称呼を生じ、特定の観念を生ずることのないものである。
ウ 本件商標と引用商標との類否
本件商標と引用商標とは、それぞれ上記ア及びイのとおりの構成からなるものであるところ、両商標は、その文字構成において明らかな差異を有するものであるから、外観上、両商標を見誤るおそれはない。
また、本件商標は「カーサマテオ」の称呼を生ずるものであるのに対し、引用商標は「マテウス」の称呼を生ずるものであるところ、両称呼は、その音の構成及び数において明らかな差異を有するものであるから、それぞれを一連に称呼しても、語感、語調が相違し、互いに聴き誤るおそれはない。
さらに、本件商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生ずることのないものであるから、観念上、両商標が相紛れるおそれはない。
エ 小括
上記のとおり、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同項第15号該当性について
申立人は、本件商標と引用商標とが類似することを前提に、本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当する旨主張するが、両商標は、上記(1)において認定、判断したとおり、相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、この点についての申立人の主張は、その前提において失当である。
また、申立人は、引用商標が、ポルトガル・ワインのブランドとして、我が国においても周知、著名なものとなっていることは、甲第4号証及び甲第5号証によっても明らかである旨主張する。
しかしながら、甲第4号証及び甲第5号証をみても、「Mateus Rose(マテウス・ロゼ)」と称する商品がポルトガル・ワインの一種であること、該ワインのボトルには「MATEUS」の文字のほか、「Casa de Mateus(マテウス邸、マテウス館)」と称する建物の絵図が描かれたラベルが付されていること、などをうかがい知ることはできるものの、例えば、引用商標の使用期間及びその地域、引用商標を使用する商品に係る生産及び販売の数量並びに売上高、該商品を取り扱う店舗数及び営業地域、該商品に係る広告宣伝の方法、回数及び内容等について具体的に把握することはできない。
その他、引用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていたと認めるに足る事実は見いだせない。
そして、本件商標と引用商標とが非類似の商標であって、互いに紛れるおそれのない別異の商標であることは、上記(1)において認定、判断したとおりである。
してみれば、本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者をして、引用商標を連想、想起することはないというべきであり、該商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれのある商標と認めることはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に該当するものではない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2014-06-17 
出願番号 商願2013-6192(T2013-6192) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (W33)
T 1 651・ 263- Y (W33)
T 1 651・ 261- Y (W33)
T 1 651・ 271- Y (W33)
T 1 651・ 25- Y (W33)
最終処分 維持  
前審関与審査官 北口 雄基齋藤 貴博 
特許庁審判長 今田 三男
特許庁審判官 田中 敬規
谷村 浩幸
登録日 2013-06-07 
登録番号 商標登録第5589082号(T5589082) 
権利者 ソシエダード アグリコラ レキングア リミターダ
商標の称呼 カーサマテオ、マテオ 
代理人 田島 壽 
代理人 恩田 博宣 
代理人 青木 篤 
代理人 恩田 誠 

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