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審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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異議2013900294 | 審決 | 商標 |
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審決分類 |
審判 一部申立て 登録を維持 W2841 審判 一部申立て 登録を維持 W2841 審判 一部申立て 登録を維持 W2841 審判 一部申立て 登録を維持 W2841 |
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管理番号 | 1288808 |
異議申立番号 | 異議2013-900351 |
総通号数 | 175 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2014-07-25 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2013-10-21 |
確定日 | 2014-05-26 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5600254号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5600254号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5600254号商標(以下「本件商標」という。)は、「e-Reha」の文字を標準文字で表してなり、平成25年1月25日に登録出願、第28類「運動用具(登山用・サーフィン用・水上スキー用・スキューバダイビング用のものを除く。)」及び第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,運動施設の提供」を含む第9類、第10類、第39類、第43類及び第44類に属する別掲1のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年6月5日に登録査定、同年7月19日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、次の(1)及び(2)のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。 (1)登録第5069508号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成18年6月6日に登録出願、第18類、第25類及び第28類に属する別掲3のとおりの商品を指定商品として同19年8月10日に設定登録されたものである。 (2)登録第5069509(以下「引用商標2」という。)は、「エレア」の片仮名を標準文字で表してなり、平成18年6月6日に登録出願、第18類、第25類及び第28類に属する別掲3のとおりの商品を指定商品として同19年8月10日に設定登録されたものである。 以下、引用商標1及び引用商標2をまとめていうときは、「引用商標」という。 第3 申立て理由の要旨 1 商標法第4条第1項第11号の該当性について 本件商標と引用商標は、称呼において類似する商標であり、また、指定商品も互いに抵触する。 (1)指定商品の抵触 本件商標は、その指定商品のうち第28類「運動用具(登山用・サーフィン用・水上スキー用・スキューバダイビング用のものを除く。)」が、引用商標の指定商品のうち、少なくとも第28類「ゲーム用ボール,運動競技用ボール,すね当て(運動用具),ひざ当て,運動用具」と類似する。 (2)本件商標及び引用商標より生じる称呼 本件商標は、「e-Reha」の文字よりなるところ、該文字は特定の読みをもって親しまれた語ではないから、英語風読みにした「イーリハ」の称呼のほかに、ローマ字読みの「エレハ」の称呼が生じる(甲4)。 これに対し、引用商標1は、「errea」の文字部分から「エレア」の称呼を生じ、引用商標2も「エレア」の称呼を生じる。 (3)本件商標と引用商標の称呼の対比 本件商標と引用商標から生じる称呼「エレハ」と「エレア」を比較すると、両称呼は、母音「ア」を共通にする「ハ」と「ア」の差異にすぎない。しかも、「ハ」は響きの弱い子音「h」と明確に響く母音「ア」よりなるから、「ア」の近似音として聴取される。更に、該差異音は、聴取し難い語尾に位置することをかんがみれば、両称呼は相紛わらしいものといえる。 (4)取引の実情 商標の類否判断は、商標が使用される商品の主たる需要者層その他の商品の取引の実情を考慮し、需要者の通常有する注意力を基準として判断しなければならない(甲7)。ここでいう「取引の実情」には引用商標の周知・著名性も含まれ、引用商標の周知・著名性は、具体的な取引の下では、出所の混同のおそれを増幅させるものとなる。 申立人は、1988年にイタリアで設立されたスポーツメーカーであり、世界36か国に製品を展開しているグローバル企業である(甲8?甲12)。 申立人の主力商品は、チームユニフォームであり、すね当てやボールなどの運動用具も扱う(甲11?甲16)。そして、引用商標は、申立人のスポーツウェア、ゲーム用ボール、すね当て等の商品名に使用している(甲11?甲20)。申立人は、プロサッカーリーグ「セリエA」のパルマなど、世界各国のプロチームに引用商標を表示したユニフォームを提供しており、スポンサー活動を通じた宣伝広告を行っている(甲21?甲24)。その結果、引用商標は世界的に広く知られたスポーツブランドとして人気がある。日本においても全国61箇所の店舗やインターネット上で盛んに取り扱われており、スポーツ分野におけるその周知・著名性は明らかである(甲25?甲27)。 (5)小括 以上のとおり、本件商標と引用商標とは、称呼上、相紛わらしい類似の商標であり、その指定商品も類似の関係にある。加えて、引用商標の周知・著名性を考慮すれば、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであり、その登録は取り消されるべきものである。 2 商標法第4条第1項第15号の該当性について (1)引用商標の周知・著名性 引用商標の周知・著名性については、前記1(4)のとおりである。 日本においては、2006年に専門商社の豊島とマスターライセンス契約を結び全国61箇所の店舗で商品の販売を行うほか、サブライセンシーであるイグシと共同で日本版ホームページを立ち上げ、オンライショップ等を通じた通信販売も行っている(甲24?甲26、甲29、甲30)。また、2009年には日本のサッカーチーム「FC琉球」にオフィシャルウェアを提供するなど、積極的な販促活動にも力を入れており、2010年には、学販ルートに強いクレーマージャパンとの提携によって同ブランドを拡大してきた(甲31?甲35)。その結果、初年度の売上高は3億円以上、2012年には卸売ベースで7億円を見込むまで成長した(甲24、甲36)。 そうとすれば、引用商標は、遅くとも本件商標の出願日より前に取引者・需要者に広く認識されるに至ったことは明らかである。 (2)本件商標と引用商標の類似性 本件商標と引用商標とは、前記1(3)のとおり、「エレハ」と「エレア」の称呼において相紛らわしい類似の商標である。また「イーリハ」と「エレハ」とは近似する類似性がある商標である。 (3)商品・役務及び営業上の関連性 申立人は、引用商標をスポーツ用品に使用しており、引用商標は周知・著名となっている。そして、本件商標の指定商品である「運動用具(登山用・サーフィン用・水上スキー用・スキューバダイビング用のものを除く。)」及び指定役務「技芸・スポーツ又は知識の教授、運動施設の提供」は、全てスポーツ関連のものであり、「生産部門」「販売部門」「原材料及び品質」「用途」「需要者の範囲」において一致しているものである。したがって、両者は商品及び役務として関連性を有している。 (4)混同のおそれ 引用商標の周知・著名性、独創性、申立人の事業実態、両商標が使用される商品又は役務及びその需要者や取引者の共通性をかんがみれば、本件商標が指定商品「運動用具(登山用・サーフィン用・水上スキー用・スキューバダイビング用のものを除く。)」及び指定役務「技芸・スポーツ又は知識の教授,運動施設の提供」に使用された場合、それがあたかも周知・著名ブランドである引用商標の関連商品であるかの如く誤認させ、商品及び役務の出所混同が生じるおそれが極めて高い。 (5)日本国内での商標登録 申立人は、その略称であって、かつ、申立人にとって重要な商標「errea」及び「エレア」に関する商標出願を世界各国で行っており、日本でも登録している(甲37?甲40)。 (6)小括 したがって、本件商標がその指定商品中、第28類「運動用具(登山用・サーフィン用・水上スキー用・スキューバダイビング要のものを除く。)」及びその指定役務中、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授、運動施設の提供」に使用された場合、申立人の周知・著名商標に係る商品と出所の混同を生ずるおそれが高いものであり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。 3 結論 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は、取り消されるべきである。 第4 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号の該当性について (1)本件商標 本件商標は、「e-Reha」の欧文字及び記号を標準文字で表してなるところ、全体として、我が国において特定の意味及び読みを有する語として知られているものではなく、また、その構成中の「Reha」の文字部分についても特定の意味及び読みを有する語として知られているものではない。 ところで、一般に、特定の読みが知られていない欧文字表記は、英語風の読み又はローマ字読みされているものであるが、「e-mail」が「イーメール」、「e-commerce」が「イーコマース」、「e-learning」が「イーラーニング」と読まれることからすると、「e-○○」のうちの「e-」の部分は、「イー」と称呼されるとみるのが自然であって、該部分が「エ」と称呼されるとみるべき特段の事情はみいだせない。 また、「Reha」の文字については、英語「rehabilitation」が「リハビリテーション」と読まれることからすると、該文字は、英語風の読みでは「リハ」と称呼されるとみるのが自然であり、ローマ字読みでは「レハ」と称呼されるとみるのが自然である。 そうすると、本件商標から生じる自然な称呼は、「イーリハ」又は「イーレハ」というべきである。 そして、本件商標は、造語と認められるから、観念を生じないものである。 なお、申立人は、「e-○○」の表記のうちの「e-」の部分を「エ」の称呼をも生ずるとした審決例を引用し(甲4)、本件商標からは「エレハ」の称呼を生ずる旨主張するが、同審決は、本件商標とは異なる短い構成の「e-NA」からなる商標に関するものであるから、これを本件の参考とするには適切でなく、この点に関する申立人の主張は採用することができない。 (2)引用商標 引用商標1は、別掲2のとおり、図形と「a」の文字部分がややデザイン化された「errea」の欧文字とを二段に表してなるところ、その構成中の図形部分は特定の称呼及び観念を生じないものであり、また、同欧文字部分も特定の意味を有する語としては知られていない造語とみるべきであるから、その構成文字に相応して「エレア」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 引用商標2は、「エレア」の片仮名を標準文字で表してなるところ、該文字は、特定の意味を有する語としては知られていない造語とみるべきであるから、その構成文字に相応して「エレア」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 (3)本件商標と引用商標との類否について 本件商標の外観と引用商標の外観とを比較すると、両者は、図形の有無、欧文字と片仮名の差異及び構成する欧文字の差異において構成が著しく相違するから、十分区別し得るものであり、外観において相紛れるおそれはない。 次に、本件商標から生じる「イーリハ」の称呼と引用商標から生じる「エレア」の称呼とを比較すると、両者は、その構成音の全てが相違するものであるから、称呼において相紛れるおそれはない。 また、本件商標から生じる「イーレハ」の称呼と引用商標から生じる「エレア」の称呼とを比較すると、両者の構成音は、本件商標が4音であるのに対して引用商標が3音であるから、構成音数において相違し、さらに、構成音が共通するのは比較的弱く聴取される中間音における「レ」の音のみであり、その他の構成音の全てが相違することからすると、両者を一連に称呼するときは、語調、語感が異なり、十分聴別することができるから、称呼において相紛れるおそれはない。 そして、本件商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念において相紛れるおそれはない。 そうすると、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない、非類似の商標であり、別異の商標というべきものである。 (4)小括 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 2 商標法第4条第1項第15号の該当性について 申立人の主張及び提出された証拠によれば、引用商標は、運動用具などについてある程度知られているものといえる。 しかしながら、本件商標と引用商標は、上記1(3)のとおり、類似しない別異の商標というべきものである。 そうすると、商標権者が本件商標をその指定商品中、「運動用具(登山用・サーフィン用・水上スキー用・スキューバダイビング用のものを除く。)」及び指定役務中、「技芸・スポーツ又は知識の教授、運動施設の提供」について使用したとしても、取引者・需要者は、引用商標を想起することはなく、その商品又は役務が申立人あるいは申立人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品又は役務であるかのように商品又は役務の出所について混同を生じさせるおそれはないというべきである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 3 結論 以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品中、第28類「運動用具(登山用・サーフィン用・水上スキー用・スキューバダイビング用のものを除く。)」及び指定役務中、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授、運動施設の提供」について、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反してされたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲1(本件商標の指定商品及び指定役務) 第9類「リハビリテーションのための運動技能訓練用シミュレーター」 第10類「医療用機械器具(「歩行補助器・松葉づえ」を除く。),歩行補助器,松葉づえ」 第28類「運動用具(登山用・サーフィン用・水上スキー用・スキューバダイビング用のものを除く。)」 第39類「車両による輸送」 第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,運動施設の提供」 第43類「宿泊施設の提供,飲食物の提供,高齢者用入所施設の提供(介護を伴うものを除く。)」 第44類「美容,理容,入浴施設の提供,あん摩・マッサージ及び指圧,医療情報の提供,介護,リハビリテーション用機械器具の貸与,リハビリテーションに関する情報の提供,老人・病人・障害者又は後遺症患者に対するリハビリテーション,老人・病人・障害者又は後遺症患者に対するリハビリテーションの指導」 別掲2(引用商標1) 別掲3(引用商標1及び引用商標2の指定商品) 第18類「 スポーツバッグ,キャリーバッグ,ショルダーバッグ,ジムバッグ,アスレチックバッグ,靴類運搬用バッグ,ダッフルバッグ,ハンドバッグ,キーケース,皮革製又は擬革製バッグ,乳児運搬用バッグ,ビーチバッグ,ベルトバッグ,携帯用化粧道具入れ,旅行かばん,トランク,旅行用小型手提げかばん,リュックサック,傘,つえ,身体に身に着けて使用する乳児用キャリア,ビーチパラソル,ゴルフ用傘,ブリーフケース,名刺入れ,小銭入れ,スーツケース,札入れ,財布,かばん類,袋物,皮革製包装用容器,ステッキ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具,皮革」 第25類「被服,帽子,ベレー帽,婦人用帽子,バスローブ,ストッキング及びユニホーム用ストッキング,吸汗性ストッキング及び吸汗性ユニホーム用ストッキング,スリッパ,ソックス,パンティーストッキング,ジャージー製被服,スポーツジャージー及び競技用ジャージー,タンクトップ,スウェットシャツ,プルオーバー型セーター及びプルオーバー型シャツ,バンダナ,ショーツ,トラックスーツ,手袋,トレーニング用トラックスーツ,履物,ヘッドバンド,スウェットバンド,レインコート,ジャケット,ティーシャツ,バミューダパンツ,運動用特殊衣服,運動用特殊靴,サッカー靴,バスケットボール靴,バレーボール靴,ラグビー靴,フットボール靴,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,おんぶ・だっこ用ひも」 第28類「サッカー用具持ち運び用バッグ,ラグビー用具持ち運び用バッグ,バスケットボール用具持ち運び用バッグ,バレーボール用具持ち運び用バッグ,フットボール用具持ち運び用バッグ,テニス用具持ち運び用バッグ,ゴルフバッグ(車付・車のないもの),体操用具,トレーニング用機械器具,ボディービルディング用器具,ゲーム用ボール,運動競技用ボール,ゴールキーパー用手袋,スポーツ用グローブ又は手袋,すね当て(運動用具),ひざ当て,ウェットスーツ運搬用バッグ,運動競技用ボール運搬用バッグ,重量挙げ用ベルト,運動用具」 |
異議決定日 | 2014-05-16 |
出願番号 | 商願2013-4407(T2013-4407) |
審決分類 |
T
1
652・
262-
Y
(W2841)
T 1 652・ 263- Y (W2841) T 1 652・ 261- Y (W2841) T 1 652・ 271- Y (W2841) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 宮川 元 |
特許庁審判長 |
野口 美代子 |
特許庁審判官 |
大森 健司 土井 敬子 |
登録日 | 2013-07-19 |
登録番号 | 商標登録第5600254号(T5600254) |
権利者 | パナソニック株式会社 |
商標の称呼 | イイレハ、イイリハ、レハ、リハ |
代理人 | 工藤 莞司 |
代理人 | 寺内 伊久郎 |
代理人 | 小暮 君平 |
代理人 | 川島 麻衣 |
代理人 | 藤井 兼太郎 |
代理人 | 長谷川 芳樹 |
代理人 | 内藤 浩樹 |