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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服201321557 審決 商標
不服201311517 審決 商標
不服201316054 審決 商標
不服20137406 審決 商標
不服201315595 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない(当審拒絶理由) W0305
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない(当審拒絶理由) W0305
管理番号 1288738 
審判番号 不服2013-13365 
総通号数 175 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2014-07-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-06-12 
確定日 2014-05-28 
事件の表示 商願2012-55903拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「藍」の漢字を書してなり、第3類「化粧品」及び第5類「サプリメント」を指定商品として、平成24年6月27日に登録出願されたものである。

2 当審において通知した拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「藍」の文字を書してなるところ、該文字は、「タデ科の一年草」を表す語であって、葉や茎から藍染めの染料をとることがよく知られており、「大辞泉 増補・新装版」(株式会社小学館発行)には、「果実は漢方で解熱・解毒に使う。」との記載もある。また、近時、藍の機能や効能に着目して、例えば、別掲(1)のように、これを染料以外の用途でも活用し、商品化する実情が認められる。
そして、本願の指定商品中、「化粧品」を取り扱う業界においては、別掲(2)のように、藍の抽出物を原材料とした商品が広く販売されており、また、その指定商品中、「サプリメント」を取り扱う業界においても、別掲(3)のように、藍の抽出物を原材料とした商品が販売されている事実が認められる。
してみれば、本願商標は、これを、その指定商品である「化粧品,サプリメント」に使用するときは、看者をして、「藍の抽出物を使用した化粧品,藍の抽出物を使用したサプリメント」を看取、理解するものというのが相当であり、単にその商品の品質又は原材料を表示するにすぎないものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、また、上記「藍」の文字に照応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。

3 請求人の意見
前記2の拒絶の理由に対し、請求人は、何ら意見を述べていない。

4 当審の判断
本願商標は、前記2のとおり、判断するのが相当である。すなわち、本願商標は、「藍」の意味するところ並びにその藍が持つ機能及び効能に、本願の指定商品を取り扱う業界における藍の抽出物を原材料とした商品が販売されている実情を併せみれば、これをその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者をして、藍の抽出物を使用した商品であることを看取、理解させるにすぎないものであるから、本願商標は、商品の品質又は原材料を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といわざるを得ず、また、本願商標を上記「藍」の文字に照応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、本願は、この拒絶の理由によって拒絶をすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
(1)藍をその機能や効能に着目して商品化する実情について
ア 2006年6月6日付け「毎日新聞」(地方版/島根 22頁)に、「ちゅうごく経済:藍を化粧品原料に メラニン抑えて美白効果 /中国」の見出しの下、「林原生物化学研究所(本社・岡山市)は、藍(あい)染に使われるタデ科の藍の抽出液を原料にした機能性化粧品原料『藍ルーロス』を発売した。メラニン色素の生成を抑える美白効果があり、大手化粧品メーカーが製品への応用を検討している。同社は染料としてでなく、薬用植物として藍に注目し、アレルギーや炎症などを抑える効果があることを解明してきた。今回は葉や茎の抽出液の美容効果を研究した。」との記載がある。
イ 2013年5月13日付け「日経産業新聞」(20頁)に、「サンスター、タデ藍成分で湿疹ケア、20?30代向け化粧品」の見出しの下、「サンスターは20?30代向けの基礎化粧品ブランドを立ち上げた。・・・新しいブランド名は『Qiana(キアナ)』。・・・藍染め染料として使われる『タデ藍』と呼ばれる植物から採れる物質が持つ、ニキビのような赤い湿疹を減らす効果を応用した。サンスターと弘前大学は抗菌性を持つ物質『トリプタンスリン』を藍から抽出する技術を共同研究で確立した。」との記載があり、「SUNSTAR」のウェブサイトにおいて、「キアナ」の見出しの下、「Qiana ・・・サンスターが昔からの知恵を基に、藍潤エキス(保湿成分)というすばらしい成分を得て生み出したスキンケアライン『Qiana(キアナ)』。・・・キアナ洗顔石けん/キアナ ローション/保湿成分:藍潤エキス(アイ葉/茎エキス)・・・/キアナ クリーム/保湿成分:藍潤エキス(アイ葉/茎エキス)・・・」との記載がある。
(http://jp.sunstar.com/products/brand/qiana/)
ウ 2013年10月26日付け「日本経済新聞」(地方経済面 四国 12頁)に、「藍の研究チーム設置、徳島県、染料以外の用途開発。」の見出しの下、「徳島県は25日、特産品の藍染めの原料である藍について、含有成分の機能や効能を研究するプロジェクトチームを31日に設置すると発表した。・・・染料以外の新たな用途開発を推進して企業の商品開発を支援し、農業振興につなげる。・・・藍は染料としての機能に加え、古くから解毒効果や防虫効果を持つとされている。チームを通じて今後、藍に含まれる成分を分析し、効能の科学的な解明を目指す。新たに活用できる効能があれば、製品化に向けた企業の支援も手掛ける。藍には保湿性があることから、県外の化粧品メーカーがエキスを使ったせっけんや化粧品を商品化している。」との記載がある。
(2)「化粧品」を取り扱う業界における「藍」の文字の用例
ア 「株式会社コーセー」が運営する「雪肌精SUPREME」のウェブサイトにおいて、「『肌純度』その3 和漢植物でアプローチ/藍エキス(保湿)/古来より藍染の染料として広く用いられる、たで科の藍のエキスは、皮膚に対する保湿効果にすぐれています。」との記載がある。
(http://www.sekkiseisupreme.jp/concept/detail/03.html)
イ 「LURIBIO」のウェブサイトにおいて、「藍の美容液【限定品】」の見出しの下、「藍染として馴染みの“藍”。その作業をしている人の手はつるつるして美しいと云われています。『藍の美容液』はエラスチン(弾力繊維)保護作用をもつ藍のエキスをベースに、ハリや弾力を高める成分が配合された若いお顔へと導く美容液です。/全成分/・・・アイ葉/茎エキス・・・」との記載がある。
(http://www.luribio.co.jp/products/ex/entry-635.html)
ウ 「Dr.AQUA」のウェブサイトにおいて、「ナチュラル・アイ・ローション」の見出しの下、「圧倒的な浸透力を持つ『超純水』に藍エキスを配合しました。藍エキスの成分トリプタンスリンが本来の健康なお肌へと導きます。・・・/成分/・・・アイエキス・・・/アイエキスって?/アイエキスは天然藍の抽出物。抗菌作用、抗酸化作用、抗炎症作用に優れた有効成分を含んでおり、藍染に従事されている方の手が、驚くほどつるつるなのは有名な話です。また、メラニンの生成を抑制する作用があるので、美白効果にも優れています。」との記載がある。
(http://shop.dr-aqua.jp/skincare.html#nal)
エ 「フォレスト・ラボ」のウェブサイトにおいて、「お肌に潤いを与える化粧水」の見出しの下、「クリームウォーターの特徴/『超純水』をベースに、潤い成分『スクワラン』・『ヒアルロン酸』と、植物成分のキメを整える『藍エキス』・・・を配合!/配合成分/・・・藍エキス・・・」との記載がある。
(http://www.forest-labo.com/products/cream-water/index.html)
オ 「日本化粧品成分表示名称事典 第3版」(株式会社薬事日報社発行)の「アイ」の項目に、「定義:本品は、アイ Polygonum tinctoriumの全草である。」との記載、「アイエキス」の項目に、「〔改正表示名称〕アイ葉/茎エキス」との記載、及び「アイ葉/茎エキス」の項目に、「定義:本品は、アイ Polygonum tinctoriumの葉及び茎のエキスである。配合目的:皮膚コンディショニング剤(未分類)/混合物商品名:AA-2G溶液(藍)(一丸ファルコス)/藍ルーロス(林原)/取扱業者:一丸ファルコス、イワキ、岩瀬コスファ、大阪佐々木化学、カネダ、木村産業、久木田薬品工業、ケーアイケミカル、壽商会、佐々木化学、三陽商会、シバハシケミファ、東振化学、ホシケミカルズ、マツモト交商」との記載がある。
カ 「化粧品成分用語事典2012」(中央書院発行)の「アイ(藍)エキス」の項に、「藍の葉及び茎のエキス。・・・肌荒れに対しても古くからその効果が知られている。藍抽出成分であるトリプタンスリンには抗炎症・抗菌作用があることが見出されている。また、メラニンの生成を抑制する作用もあり、美白効果にも優れている。」との記載がある。
(3)「サプリメント」を取り扱う業界における「藍」の文字の用例
ア 「H+B はるもにあハウス」のウェブサイトにおいて、「藍(アイ)(120粒)」の見出しの下、「商品詳細/藍のエキスを抽出し、食べやすい粒に仕上げたサプリメントです。藍とは、東南アジア原産植物で、タデ科の一年草です。葉は藍色の染料として用いられます。民間では古くから、健康維持のために利用されてきました。」との記載がある。
(http://www.harmonia-house.com/pc/web/e/01902/)
イ 「ホロンライフサイエンス」のウェブサイトにおいて、「藍の力/1箱ハードカプセル100粒入り/徳島・阿波の地に育った貴重品の『藍』/・・・藍の有用成分をマカとパフィアが効果的に体のすみずみへ送り、全身の血気水を充実させます。・・・/サプリメントの最高峰/素材の『藍』は阿波藍の加工品『すくも』を粉末化、マカ、パフィアも純粋抽出に成功しました。『藍の力』はこれらの希少な素材から作られたサプリメントの最高峰です。/藍の力 詳細/原材料名 阿波すくも藍抽出液粉末(国産)」との記載がある。
(http://www.holon-ls.co.jp/productIPower.html)
ウ 「株式会社 日本抗酸化」のウェブサイトにおいて、「藍プロポリスA」の見出しの下、「日本の貴重な植物阿波藍、有名なブラジル産プロポリスとアガリクス茸の粉末化した抽出成分に、トレハロース糖を組み合わせて製造した期待の健康食品。/[原材料の特長]/阿波藍/蓼科の一年草。・・・藍は染料の高級原料としてだけでなく、健康食品の画期的素材として世界に誇る逸品であることが近年再発見され、現在第一線の研究が進められています。本品は、佐藤阿波藍製造所が80日間に及ぶ熟練した技と根気の発酵作業を続けて製造した最高級”すくも藍”(染料原料)の抽出成分を粉末化して使用しています。」との記載がある。
(http://www.sod-japan.com/ai.html)
エ 「藍の畑」のウェブサイトにおいて、「昔から藍の本場は徳島です。その徳島で藍作り農家と藍染めのもと、?(すくも)を作り日本各地の紺屋さんにお届けしています。・・・藍に関する全て(藍染関連商品。抽出藍エキスによるヘルス&コスメ。栄養食品、その他)を幅広く取り扱いしております。」との記載がある。
(http://ainohatake.com/)


審理終結日 2014-03-13 
結審通知日 2014-03-28 
審決日 2014-04-08 
出願番号 商願2012-55903(T2012-55903) 
審決分類 T 1 8・ 13- WZ (W0305)
T 1 8・ 272- WZ (W0305)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 鴨田 里果箕輪 秀人 
特許庁審判長 酒井 福造
特許庁審判官 原田 信彦
浦辺 淑絵
商標の称呼 アイ、ラン 

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