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審判番号(事件番号) データベース 権利
不服201311182 審決 商標
不服201314968 審決 商標
不服201317865 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W09
審判 査定不服 商3条2項 使用による自他商品の識別力 登録しない W09
管理番号 1288655 
審判番号 不服2013-4334 
総通号数 175 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2014-07-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-03-06 
確定日 2014-05-14 
事件の表示 商願2012-3940拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、「協約寸法SPD」の文字を標準文字で表してなり、第9類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成24年1月24日に登録出願されたものであり、その後、本願の指定商品については、原審における同年7月4日付け手続補正書により、第9類「JIS協約の寸法に準拠した低圧電源用のサージ電圧保護器」と補正されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『協約寸法SPD』の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の『協約寸法』の文字は、『JIS(日本工業規格)の協約による寸法、JIS協約形配線用遮断器寸法』の意味合いを認識されるものであり、同『SPD』の文字は、その指定商品との関係において、『サージ防護デバイス』の略として認識されるものである。そして、本願商標全体からは『JIS協約の寸法に準拠したサージ防護デバイス』程の意味合いを認識するものであるから、これをその指定商品『JIS協約の寸法に準拠した低圧電源用のサージ電圧保護器』に使用しても、単に商品の用途及び品質を表示するにすぎないものと認める。また、出願人は、本願商標が商標法第3条第2項により登録される旨主張しているが、提出された資料を総合的に考慮するも、本願商標は、出願人の業務に係る商品の出所表示として広く認識されているとはいえず、これを出願人がその指定商品に使用した結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至ったものとは認められないから、出願人の上記主張を採用することができない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、かつ、同法第3条第2項の要件を具備しない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「協約寸法SPD」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「協約寸法」の文字は、取付上の互換性を持たせるために「JIS(日本工業規格)が規定する寸法」を認識させるものであり、同「SPD」の文字は、本願の指定商品との関係において、「サージ防護デバイス(Surge Protective Device)」の略語と理解されるものである。
そして、これらの文字を組み合わせてなる本願商標は、その構成全体から「JIS協約の寸法に準拠したサージ防護デバイス」程の意味合いを認識させるものである。
してみれば、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、上記意味合いを理解し、その商品の用途、品質を表示したものと理解するにとどまるというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
2 商標法第3条第2項該当性について
請求人は、本願商標は、商標法第3条第2項の規定により、商標登録を受けることができる旨主張し、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第28号証を提出している。
そこで、本願商標が商標法第3条第2項の要件を具備するか否かについて検討するに、請求人の提出に係る甲各号証によれば、請求人(出願人)は、昭和21年(1946年)5月に設立され、避雷器及び避雷器関連製品の開発、製造、販売を行っており、本願の指定商品「JIS協約の寸法に準拠した低圧電源用のサージ電圧保護器」を含む避雷器の我が国におけるトップメーカーであり、平成21年(2009年)頃には、電力業界における避雷器のシェアの約60パーセントを占めており(甲10?甲13)、「JIS協約の寸法に準拠した低圧電源用のサージ電圧保護器」について、本願商標「協約寸法SPD」を、平成16年(2004年)頃から現在に至るまで使用しており、該商標が用いられた商品について、新聞、雑誌への記事の掲載及び広告宣伝が行われたことは認められる(甲1,甲2,甲15,甲18?甲25号,甲28)。
しかしながら、請求人が提出する全ての新聞記事において、請求人の提供に係る避雷器の写真が掲載(不鮮明で「協約寸法SPD」の文字は、確認できない。)されているものの、記事本文中に「協約寸法SPD」の文字が用いられているのは、甲第15号証と甲第18号証のみであり、そのほかの記事においては、例えば、「協約寸法用」と「分電盤用」として紹介されている(甲16)。
そして、請求人が提出する避雷器の広告において、「協約寸法SPD」の文字は、避雷器のタイプを表したものと理解される「分電盤用SPD」、「電源用クラス2SPD」(「2」はギリシャ数字を表す。)等の文字と同様に併記されており(甲19?甲21)、請求人が「協約寸法SPD」の広告が掲載されたと主張するその他の広告を含めた掲載期間も平成18年(2006年)ないし平成22年(2010年)の4年余りにすぎず、それらは、各紙面(誌面)における具体的な掲載方法(態様)も明らかではない(甲22)。
また、請求人は、次世代スーパーコンピュータ「京」の電源設備に請求人の避雷器が用いられ、国土交通省航空局管制保安部管制技術課/空港エンジニアリング株式会社発行の「航空保安無線施設等の雷害対策に関する知識」の「(4)SPD選定上の留意点」の頁に請求人の避雷器の写真が掲載されていることから、本願商標「協約寸法SPD」が周知著名性を有していることを裏付けている旨主張しているが(甲3,甲4)、それらは、請求人の避雷器の写真が掲載されているにすぎず、本願商標の周知著名性に係る具体的な言及はないものである。
さらに、甲各号証において認められる「協約寸法SPD」の文字は、請求人の社名「音羽電機工業株式会社」又はその略称と認められる「OTOWA」等の文字と共に使用されているものである。
そうすると、本願商標は、同業他社が使用していないとしても、その取引者、需要者が避雷器のタイプ(用途、品質)を表したものと理解するものにすぎず、請求人の業務に係る商品であることを認識することができるものとは認めがたく、その他、本願商標の使用による識別性を明らかにする証左は認められない。
してみれば、本願商標が、その指定商品に使用された結果、取引者、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至ったとは認めることはできない。
したがって、請求人の主張は、採用することができない。
3 むすび
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、かつ、同法第3条第2項の要件を具備するものではないとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであり、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2014-03-07 
結審通知日 2014-03-10 
審決日 2014-04-02 
出願番号 商願2012-3940(T2012-3940) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W09)
T 1 8・ 17- Z (W09)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 堀内 真一 
特許庁審判長 酒井 福造
特許庁審判官 原田 信彦
山田 和彦
商標の称呼 キョーヤクスンポーエスピイデイ、キョーヤクスンポー、エスピイデイ 
代理人 熊野 剛 
代理人 田中 秀佳 
代理人 城村 邦彦 

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