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審判番号(事件番号) データベース 権利
不服201316663 審決 商標
不服20139260 審決 商標
不服20139263 審決 商標
不服20139264 審決 商標
不服20139261 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商4条1項7号 公序、良俗 取り消して登録 W2930
管理番号 1286544 
審判番号 不服2013-15754 
総通号数 173 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2014-05-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-08-14 
確定日 2014-03-31 
事件の表示 商願2012- 62733拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「政宗逸品」の文字を標準文字で表してなり、第29類「揚げかまぼこ」及び第30類「調味料」を指定商品として、平成24年8月2日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
本願商標は、「政宗逸品」の文字を標準文字で表してなるものである。ところで、安土桃山・江戸初期の武将である伊達政宗は、我が国において著名な歴史上の人物であり、本願商標構成中の「政宗」の文字は、「伊達政宗」の略称を表したものと認められる。また、「逸品」の文字については、「すぐれた品。絶品。」を意味する語であり、本願指定商品との関係においては、商品の品質誇称表示として認識されるものであるから、自他商品の識別標識としての機能を有していないか、または、その機能が極めて弱い部分といえる。そうすると、本願商標は、構成中の「政宗」の文字部分が、自他商品識別標識としての機能を有していると判断するのが相当である。
ところで、伊達政宗(以下「政宗」という。)ゆかりの地である宮城県仙台市には、政宗が築城した仙台城(青葉城)跡があり、城跡の敷地内には、政宗をはじめとする歴代藩主の甲冑などを収蔵している「仙台市博物館」などがあり、多くの観光客が訪れる仙台市の観光名所となっている。また、大崎市では、「政宗公まつり」が、昭和39年から開催され、毎回、多くの人で賑わっている。このように歴史上の著名な人物ゆかりの地では、その人物名の有する強い顧客吸引力にあやかり、記念館や博物館などが運営されていたり、地元のシンボルとして地域興しや観光振興のためにその人物名を商標として使用したりすることも少なくない。
してみると、歴史上の著名な人物名の略称と認められる「政宗」の文字を有してなる本願商標を、一私人である出願人が自己の商標として登録し、その指定商品について独占使用することは、政宗に対し格別の念を抱く地域の人々の感情を害するおそれがあるばかりでなく、政宗の名を使用した地域興し等の公益的な施策の遂行を阻害し、その利益を損なうおそれもあることから、本願商標は、社会公共の利益に反し、かつ、公正な競業秩序を害するものと認められる。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。

3 当審の判断
本願商標は、「政宗逸品」の文字からなるところ、その構成中の「政宗」の文字は、「伊達政宗」が、安土桃山時代から江戸初期において活躍し、仙台62万石を領した著名な武将であり、「政宗」と略称される場合も少なからずあるから、当該武将を想起するものといえる。また、その構成中の「逸品」の文字は、「すぐれた品」を意味するものである。
ところで、歴史上の著名な人物について、それを地域共有の財産として、その名称を使用して公益的な施策等を行う場合があり、その場合にその名称を指定商品等について、その人物と無関係の者等が独占的に使用することは、その公益的な施策の遂行を阻害し、公共的利益を損なう結果になりうるが、商標の一部にその人物名を使用する場合は、直ちにその指定商品について、その人物名を独占的に使用することにならず、その施策を阻害するものとはいうことができない。
また、商標の一部にその人物名を使用しても、人物名を有することがその人物の名声・名誉を傷つけるおそれがあるとまではいうことができない。
そこで、本願商標についてみると、本願商標は、上記のとおり、「政宗」の文字を有してなるものの、「政宗逸品」の文字は、「伊達政宗のすぐれた品」程の意味合いを認識させるものであって、単に当該人物を認識させるものではない。
そして、「政宗逸品」の文字が、公益的な施策等に使用されている事実も見受けられない。
そうとすれば、本願商標をその指定商品に使用することが、「伊達政宗」に係る公益的な施策の遂行を阻害することにはならないし、また、本願商標は、上記のとおり、「伊達政宗のすぐれた品」程の意味合いを認識させるものであり、その人物の名声、名誉を傷つけるとする事情もうかがえない。
したがって、本願商標をその指定商品に使用することが、社会の公共の利益に反し、かつ、公正な競業秩序を害するものであるとして、本願商標が商標法第4条第1項第7号に該当するとした原査定は妥当でなく、取り消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決日 2014-03-10 
出願番号 商願2012-62733(T2012-62733) 
審決分類 T 1 8・ 22- WY (W2930)
最終処分 成立  
前審関与審査官 藤平 良二 
特許庁審判長 内山 進
特許庁審判官 谷村 浩幸
田中 亨子
商標の称呼 マサムネイッピン、マサムネ、イッピン 
代理人 小田 治親 
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