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審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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異議2013900293 | 審決 | 商標 |
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審決分類 |
審判 一部申立て 登録を維持 W363742 審判 一部申立て 登録を維持 W363742 審判 一部申立て 登録を維持 W363742 審判 一部申立て 登録を維持 W363742 |
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管理番号 | 1284378 |
異議申立番号 | 異議2013-900155 |
総通号数 | 171 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2014-03-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2013-05-27 |
確定日 | 2014-01-30 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5559811号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5559811号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5559811号商標(以下「本件商標」という。)は、「Renoα(リノアルファ)」の文字を表してなり、平成24年8月22日に登録出願、第16類、第36類、第37類及び第42類に属する別掲(1)に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同25年2月5日に登録査定、同月22日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下の(1)及び(2)のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続している。以下、これらをまとめていうときは「引用各商標」という。 (1)登録第5479170号商標(以下「引用商標1」という。) 商標の構成:ReNOA(標準文字) 登録出願日:平成23年10月20日 設定登録日:平成24年 3月16日 指定役務 :第36類、第37類及び第42類に属する別掲(2)に記載のとおりの役務 (2)登録第5439559号商標(以下「引用商標2」という。) 商標の構成:リノア(標準文字) 登録出願日:平成23年 3月18日 設定登録日:平成23年 9月16日 指定役務 :第36類、第37類及び第42類に属する別掲(3)に記載のとおりの役務 3 登録異議申立ての理由(要旨) 申立人は、本件商標は、引用各商標と類似するものであり、本件商標の指定商品及び指定役務中の第36類、第37類及び42類の役務と引用各商標の指定役務とは同一又は類似するものであって、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきものであると主張し、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第50号証(枝番号を含む。)を提出している。 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標の「Renoα」部分及び「リノアルファ」部分は、それぞれ単独で自他役務の識別標識として機能するものであり、本件商標の「Renoα」部分は、単独で他の商標との類否判断の対象となりうる。 ラテン語アルファベットの「a/A」とギリシア語アルファベットの「α/A」は本質的に近似した文字であることから、両者を置き換えて使用することは珍しくなく、本件商標の「Renoα」部分を英語風又はローマ字風に発音して、「リノア」又は「レノア」と読むことに特段の困難はない。 また、引用各商標はその構成から「リノア」又は「レノア」の称呼を生じる。 してみれば、本件商標は引用各商標と称呼を同じくする。 さらに、本件商標と引用商標1は、大文字・小文字の差異はあるものの、構成文字5字中4文字までもが同一であり、語尾の「α」及び「A」も極めて近似した文字であることから、視覚上酷似した印象を与える。 加えて、引用各商標が周知であることを考慮すれば、本件商標と引用各商標との間で出所の混同が生ずるおそれがあることは明らかであって、両者は類似し、指定役務においても相互に同一又は類似の役務を含むものである。 よって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。 (2)商標法第4条第1項第15号について 申立人が膨大な労力と費用を投じて引用各商標を「建物の売買」等に使用し、広告宣伝を行ってきた結果、本件商標の出願・登録時点において、引用各商標は取引者及び需要者間に広く知られていた。 引用各商標の独創性の高さ、本件商標と引用各商標の称呼上又は外観上の近似性の高さ等を総合的に判断すれば、本件商標をその指定役務に使用するときは、当該役務が申立人の業務にかかる役務であるかのように、あるいは、申立人と緊密な営業上の関係にある営業主の業務にかかる役務であるかのように、役務の出所の混同が生じるおそれがあることは明らかである。 よって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号について ア 本件商標 本件商標は、前記1のとおり、欧文字(ローマ字とギリシャ文字)と括弧書きを有する片仮名により「Renoα(リノアルファ)」と一体的に表してなるところ、その構成中、「リノアルファ」の文字部分は、「Renoα」の文字部分の読みを特定したものと無理なく認識し得るものであるから、本件商標は、その構成文字全体に相応し、「リノアルファ」の称呼のみを生ずるとみるのが相当である。また、「Renoα」「リノアルファ」は、ともに、特定の観念を生じない造語といえるものである。 イ 引用商標 (ア)引用商標1は、前記2(1)のとおり、「ReNOA」の文字を横書きしてなるものであるから、その構成文字に相応して、「レノア」又は「リノア」の称呼を生ずるものであり、また、特定の観念を生じない造語といえるものである。 (イ)引用商標2は、前記2(2)のとおり、「リノア」の文字を横書きしてなるものであるから、「リノア 」の称呼を生ずること明らかであり、また、特定の観念を生じない造語といえるものである。 ウ 本件商標と引用商標との対比 本件商標が括弧書きを含む欧文字(ローマ字とギリシャ文字)と片仮名の組み合わせからなるのに対し、引用各商標は、欧文字のみ又は片仮名のみからなるものであるから、両商標は、外観上明らかに相違するものである。 また、本件商標から生ずる「リノアルファ」の称呼と引用各商標から生ずる「レノア」又は「リノア」の称呼とは、その構成音数及び音構成に明らかな差異を有するものであるから、それぞれの称呼を一連に称呼した場合においても、称呼全体の語調、語感が著しく相違したものとなり、称呼上互いに紛れるおそれはないものである。 さらに、本件商標と引用各商標は、いずれも造語からなるものであるから、観念上比較することはできず、観念上類似するところはない。 したがって、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。 エ 申立人の主張について 申立人は、本件商標中の「Renoα」部分が独立して自他役務の識別標識として機能し得るものであり、「Renoα」の構成において、引用各商標と称呼及び外観が類似であること。また、引用各商標が周知であることをもって本件商標と引用各商標とが類似する旨を主張する。 しかしながら、本件商標は、上記のとおり、全体として一体のものと認識されるものであり、「リノアルファ」が「Renoα」の称呼を特定したものであって、これを「リノア」及び「レノア」と称呼する余地はない。 また、仮に「Renoα」の部分を抽出し、外観について、引用商標1「ReNOA」と比較しても、「noα」と「NOA」の部分に明らかな相違を有するものであるから、両商標の外観が紛れるおそれはない。 さらに、引用各商標が周知であるとの主張についても、以下の(2)のとおり、その周知性は認められない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (2)商標法第4条第1項第15号について 申立人提出の証拠によれば、申立人は、既存のマンションに、修繕・改修を加えた「リノベーションマンション」を販売する事業を営み、これまでに東京、千葉、神奈川、埼玉の13か所において、「ReNOA MOTOSUMIYOSHI」、「ReNOA TAMA-PLAZA」、「リノア南行徳」等、引用各商標と地名とを結合して、「ReNOA+地名」、「リノア+地名」のように、申立人のリノベーションマンション名に使用し、これらの物件をチラシやパンフレットを用いて宣伝していること、日経アーキテクチャや住宅新報などの雑誌や新聞に、これらの物件が取り上げられていることなどが認められる(甲19、甲20、甲22、甲24、甲34ないし甲46)。 しかしながら、上記のような「ReNOA」、「リノア」の文字の使用例をもって、引用各商標が申立人の主張する「建築物の売買」の役務について周知になっているとはいうことはできない。 さらに、本件商標は、前記(1)のとおり、引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても、互いに相紛れるおそれのない非類似の商標であるというべきものである。 そうとすると、商標権者が本件商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者・需要者をして引用各商標を連想又は想起させるものとは認められず、その役務が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その役務の出所について混同を生じさせるおそれはないものというべきである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 (3)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 (1)本件商標の指定商品及び指定役務 第16類「印刷物,文房具類」 第36類「預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,資金の貸付け及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定着物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受け,債券の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務,信用購入あっせん,有価証券の売買,有価証券指数等先物取引,有価証券オプション取引,外国市場証券先物取引,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券市場における有価証券の売買取引・有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,外国有価証券市場における有価証券の売買取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券先渡取引・有価証券店頭指数等先渡取引・有価証券店頭オプション取引若しくは有価証券店頭指数等スワップ取引又はこれらの取引の媒介・取次ぎ若しくは代理,有価証券等清算取次ぎ,有価証券の引受け,有価証券の売出し,有価証券の募集又は売出しの取扱い,株式市況に関する情報の提供,生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出,保険情報の提供,保険に関する助言,建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与並びにこれに関する指導・助言及び情報の提供,建物の売買並びにこれに関する指導・助言及び情報の提供,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供,建物及び土地の有効活用に関する企画・指導及び助言,資産の管理・運用に関する指導・助言及び情報の提供,財務に関する相談,税務相談に関する情報の提供」 第37類「リノベーション工事・リフォーム工事・その他の建設工事,建設工事に関する履歴情報の提供,建設工事に関する相談・指導・助言及び情報の提供,建物及び設備の修繕及び修復工事ならびにこれらに関する情報の提供,建築工事に関する助言,建物の空調設備・電気設備・給湯設備・発電設備・ガス設備・給排水設備・通信設備の点検・整備・修理又は保守,その他の建築設備の運転・点検・整備,火災報知機の点検・整備・修理又は保守,暖冷房装置の点検・整備・修理又は保守,機械式駐車装置の点検・整備・修理又は保守」 第42類「建築物の設計,建築物の設計に関する情報の提供・指導・助言,測量,地質の調査,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,建築物のデザインの考案・インテリアデザインの考案及びこれに関する情報の提供・指導・助言,その他のデザインの考案,コンクリート構造物の調査・診断,住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく住宅性能評価,耐震性その他の住宅の性能に関する調査及び評価,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,省エネルギーに関する情報の提供,住宅性能保証制度又は住宅完成保証制度に基づく住宅建設現場の進行状況に関する確認・報告及び証明」 (2)引用商標1の指定役務 第36類「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供」 第37類「建設工事,建築工事に関する助言,リフォーム工事,リフォーム工事に関する助言,建築工事の受注及び受注の仲介,リフォーム工事の受注及び受注の仲介,建築物の修理又は保守,建物の内装の修理又は保守,建物の電源設備・空調設備・衛生設備・消火設備の修理又は保守,建築設備の運転・点検・整備」 第42類「建築物の設計,建築物の設計に関する助言,建築物のリフォーム設計,建築物のリフォーム設計に関する助言,測量,デザインの考案,デザインの考案に関する助言,建築物のデザインの考案,建築物のデザインの考案に関する助言」 (3)引用商標2の指定役務 第36類「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供」 第37類「建設工事,建築工事に関する助言,リフォーム工事,リフォーム工事に関する助言,建築工事の受注及び受注の仲介,リフォーム工事の受注及び受注の仲介,建築物の修理又は保守,建物の内装の修理又は保守,建物の電源設備・空調設備・衛生設備・消火設備の修理又は保守,建築設備の運転・点検・整備」 第42類「建築物の設計,建築物の設計に関する助言,建築物のリフォーム設計,建築物のリフォーム設計に関する助言,測量,デザインの考案,デザインの考案に関する助言,建築物のデザインの考案,建築物のデザインの考案に関する助言」 |
異議決定日 | 2014-01-22 |
出願番号 | 商願2012-67665(T2012-67665) |
審決分類 |
T
1
652・
271-
Y
(W363742)
T 1 652・ 262- Y (W363742) T 1 652・ 261- Y (W363742) T 1 652・ 263- Y (W363742) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 田口 善久 |
特許庁審判長 |
小林 由美子 |
特許庁審判官 |
前山 るり子 渡邉 健司 |
登録日 | 2013-02-22 |
登録番号 | 商標登録第5559811号(T5559811) |
権利者 | 株式会社大京リアルド |
商標の称呼 | リノアルファ、レノアルファ |
代理人 | 井上 博人 |
代理人 | 小暮 君平 |
代理人 | 長谷川 芳樹 |
代理人 | 瀧野 秀雄 |
代理人 | 工藤 莞司 |