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審判番号(事件番号) データベース 権利
不服20142228 審決 商標
不服20141283 審決 商標
不服20138602 審決 商標
不服20131572 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項5号 簡単でありふれたもの 登録しない X28
管理番号 1284356 
審判番号 不服2013-650002 
総通号数 171 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2014-03-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-01-11 
確定日 2013-12-03 
事件の表示 国際登録第1099581号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第28類「Rackets,covers for rackets.」を指定商品として、2011年(平成23年)5月12日にEuropean Unionにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、同年11月8日に国際商標登録出願されたものである。
2 原査定における拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、『RL12』の欧文字及び数字を横書きしてなるところ、これは、商品の品番、規格、形式等を表示するための記号・符号として一般に採択、使用されている欧文字2字と数字の組みあわせにすぎないものであるから、本願商標は、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標と認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、別掲のとおり、欧文字「RL」と数字「12」とを結合し、「RL12」と横書きしたものであるところ、これは、欧文字フォントの一種で、文字から「ひげ」や「うろこ」等の装飾的要素を省いたフォントのサンセリフ体と認識される書体によるものであるから、全体として特殊な態様からなるものということはできないものである。
そして、本願商標の指定商品の分野をはじめとする様々な商品分野において、自己の製造、販売に係る各種製品について、その製品の管理又は取引の便宜性等の事情から、欧文字の1文字ないし2文字と数字とを組みあわせた文字は、商品の品番、規格、形式等を表示するための記号・符号として、取引上普通に採択、使用されているのが実情である。
このことは、例えば、テニスラケットを販売するウェブサイトにおいて、「品番:DR00907」(http://sportsman.jp/shop/dunlop/sports/tennis/racket/hard/sct-12/6_1.html)、「品番:SR21201」(http://sportsman.jp/shop/srixon/sports/tennis/racket/hard/sct-12/6_1.html)等の記載があることからも十分裏付けられるものである。
そうすると、本願商標は、「RL12」の欧文字及び数字を、一般に用いられる書体で横書きしてなるものであって、用いられる文字の形や組合せ方法に特徴があるわけでもないものであり、本願商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、商品の品番、規格、形式等を表示するための記号又は符号として看取、認識するにとどまり、自他商品の識別標識とは認識し得ないとみるのが相当であるから、結局、本願商標は、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなるものというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当する。
なお、請求人は、本願商標に接する取引者、需要者は、本願商標構成中の欧文字「RL」から請求人の創業者である「Rene Lacoste(ルネ・ラコステ)」氏、同じく、数字「12」から請求人の有名なポロシャツである「L12.12」を、それぞれ想起し、全体として、請求人のテニスラケットの「RL」シリーズであることを認識し得るものであるから、本願商標は、単なる記号・符号をはるかに超えたブランドイメージと識別性を醸し出すものであって、自他商品識別標識として十分に機能するものである旨主張し、甲第2号証ないし甲第15号証を提出している。
そこで、検討するに、提出された甲各号証によれば、今日、フランスのアパレルブランドとして知られている請求人は、フレンチ・オープン、ウィンブルドン、USオープンを制覇した名テニスプレイヤーであったルネ・ラコステ氏により創業され(甲第3号証及び甲第6号証)、1980年代までに、「RL07」、「RL08」及び「RL10」と称するテニスラケットを提供しており(甲第7号証)、2011年6月3日掲載の英文のインターネット記事中に、「RL12」と称するテニスラケットが2012年に入手可能となる旨記載されていること(甲第15号証の13ページ)、請求人の提供に係る「L12.12(L1212)」と称されるシャツが、ファッション雑誌等において、ポロシャツの元祖、定番商品などと称されていること(甲第2号証ないし甲第4号証及び甲第8号証ないし甲第14号証)、請求人の公式ウェブサイト及び2011年6月3日に米国の英文ウェブサイト「Luxurious PROTOTYPE」に掲載された記事中に、テニスラケット「RL12」の名称の由来として、「RL」は、ルネ・ラコステ氏、「12」は、請求人の提供に係る「L12.12(L1212)」と称されるシャツを意味するものである旨の記載があること(甲第2号証及び甲第15号証の13ページ)が認められる。
しかしながら、上記請求人の提出に係る甲各号証からは、請求人が、「L12.12(L1212)」と称されるポロシャツを継続的に販売していること、過去に「RL07」、「RL08」及び「RL10」と称するテニスラケットを提供していたことは認められるものの、「RL12」と称するテニスラケットに関する記事は、フランス、アルゼンチン、スペイン、米国において発行されたフランス語、スペイン語及び英語により記載されたもののみであり、その発売の事実も明らかではないことに加え、テニスラケット「RL12」の名称の由来を日本語で記載したものは、請求人のウェブサイトのみであることからすると、本願商標に接した我が国のテニスラケットの需要者が、直ちにルネ・ラコステ氏及び「L12.12(L1212)」と称されるシャツを名前の由来とする請求人の提供に係るテニスラケットであると理解、認識するものとは認め難く、本願商標は、自他商品識別標識としての機能を有さないというのが相当である。
したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。
以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第5号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 【別記】

審理終結日 2013-07-02 
結審通知日 2013-07-12 
審決日 2013-07-23 
国際登録番号 1099581 
審決分類 T 1 8・ 15- Z (X28)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大井手 正雄 
特許庁審判長 酒井 福造
特許庁審判官 原田 信彦
山田 和彦
商標の称呼 アアルエルイチニ、アアルエルジューニ 
代理人 加藤 あい 
代理人 工藤 莞司 
代理人 黒川 朋也 
代理人 小暮 君平 

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