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審判番号(事件番号) データベース 権利
不服201312374 審決 商標
不服20134724 審決 商標
不服201310613 審決 商標
不服201223695 審決 商標
不服20134725 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W05293032
管理番号 1284294 
審判番号 不服2013-7585 
総通号数 171 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2014-03-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-04-24 
確定日 2014-01-17 
事件の表示 商願2012- 33219拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「大豆のホールフード」の文字を標準文字で表してなり、第5類「大豆を主原料とするバー状・ブロック状・固形状・粉末状又は液状の加工食品,大豆を主原料とするサプリメント,大豆を主原料とする食餌療法用食品,大豆を主原料とする食餌療法用飲料,大豆を主原料とする乳幼児用飲料,大豆を主原料とする乳幼児用食品」、第29類「豆乳,大豆を主原料とする乳製品,大豆」、第30類「大豆を主原料とする菓子,大豆を主原料とするパン,大豆粉」及び第32類「大豆を主原料とする清涼飲料,大豆を加味してなる果実飲料,大豆を主原料とする乳清飲料,大豆を主原料とするビール」を指定商品として、平成24年4月25日に登録出願されたものである。

2 当審において通知した拒絶理由
当審において、平成25年7月24日付けでした、拒絶理由は、以下のとおりである。
(1)本願商標は、上記1のとおり、「大豆のホールフード」の文字を書してなるから、「大豆」の文字と「ホールフード」の文字とを助詞「の」で結合したものと理解されるものである。
そして、その構成中の「大豆」は、本願指定商品又は指定商品の原材料として用いられるものである。
(2)また、構成中の「ホールフード」(ホールフーズ)の文字について、以下の事実がある。
ア コンサイスカタカナ語辞典 第4版(株式会社三省堂発行)の「ホールフード〔wholefood〕」の項に、「有機栽培などによる自然食品.無添加食品.また,その素材を丸ごと利用してつくる料理」と記載されている。
イ JMR生活総合研究所のウェブサイト「J-marketing.net」において、「マーケティング用語集」の「ホールフード」のページに、「ホールフードとは、まるごとの食べ物という意味です。野菜であれば、皮や種、葉っぱ、根っこまで、魚であれば、頭から尻尾まで、『素材まるごと』どこも捨てることなく食べるということです。英国では『自然食品』という意味でも使われています。」と記載されている(http://www.jmrlsi.co.jp/mdb/yougo/my10/my1044.html)。
ウ 養命酒製造株式会社のウェブサイトにおいて、メールマガジン「健康の知恵 健康の雑学 2006年3月号」のページに、「『ホールフード』という言葉をご存知ですか?一言でいうと『丸ごと食べる』、つまり野菜などでも実だけを食べるのではなく、葉や根や皮なども含めて丸のまま食べよう、という考え方です。」と記載されている(http://www.yomeishu.co.jp/genkigenki/trivia/060210/)。
エ 「ローフードスクール ビオ」のウェブサイトにおいて、「ローフード教室『ビオ』でお伝えするローフードは、ナチュラルハイジーンの考えに共感したものです。それは、プラントベース(野菜中心)のホールフード(皮や根など、植物の全体を利用)の食生活です。」と記載されている(http://rawfoodlife.web.fc2.com/rawfood/index.html)。
オ サプマートU.S.Aのウェブサイトにおいて、「ホールフーズ サプリメント」のページに、「ホールフーズ(Whole foods)とは、その名の通り『食物全体』を丸ごと食べるという食生活のこと。安全性の高い海藻、野菜、果実、種実類などの植物を、丸ごと全体加熱調理せずに用いた食品で、植物に含まれる豊富な栄養素を余すことなく摂取できます。植物には、ビタミン、ミネラル、多種多様な酵素、食物繊維、ファイトケミカル、ポリフェノールを含めたフラボノイド類、葉緑素、タンパク質、その他、人の体にとって有益とされる多くの栄養素が含まれ、近年、植物の価値が再評価されています。このホールフーズの考え方をサプリメントに生かしたのが、ホールフーズサプリメント。ホールフーズの基本である“植物全体”の栄養素をベースにした、現代人のためのサプリメントです。」との説明が記載されている。
そして、「このカテゴリのピックアップアイテム」として、各種商品が記載され、「GARDEN OF LIFE」の商品「パーフェクトフード・ベリー/240g」の商品説明に「抗酸化力抜群のベリーを豊富に配合したホールフード!」と記載されている。
「MEGA FOOD」の商品「ワンデリー(鉄なし)/90タブレット」の商品説明に「新鮮な野菜や果物から作られた100%ホールフーズ由来のマルチビタミンミネラル!」と記載されている。
「BIKRAM BALANCE」の商品「ビクラムバランス・オリジナル/9.95オンス(282g)」の商品説明に「ビクラムヨガから生まれた、野菜や果物そのままのホールフーズパウダー!」と記載されている(http://www.supmart.com/sup/wholefoods/)。
カ 「サプー ONLINE SHOP」のウェブサイトにおいて、商品「ホールフード・マルチパック 30パック」ページに、「体へのなじみやすさをグンと高めたホールフード栄養サプリ」「自然の食物をそのまま全体(ホールフード)で摂ることで、バランスのよい体作りを応援する『ホールフード・マルチパック』。」と記載されている(http://www.sapoo.com/whole-food-based-multi-nutrien-11050)。
キ 「エンザイムXバイオ 通販ナビ」のウェブサイトにおいて、商品「エンザイムXバイオ」のページに、その商品説明として「エンザイムXバイオ 酵素サプリ ホールフードについてご紹介します。エンザイムXバイオは、素材そのままの栄養素(ホールフード)にこだわっています。原料に野菜や果物などの食物には、酵素やビタミン・ミネラル以外にも有用な成分が含まれいるので、人間にとって最も自然な形で栄養素を利用できます。天然原料を使用した食べ物は、それそれが持つ栄養素を充分に摂取するすることができます。原料を丸ごと精製しているので、ビタミン・ミネラルの他にも原料に含まれる多くの有用成分が含んでいます。」と記載されている(http://enzymex-bio.seesaa.net/article/364677519.html)。
ク 「びんちょうたんコム」のウェブサイトにおいて、商品「ブラウンパーフェクト」、「緑豆まるごと葉酸」及び「キャロットフィールド」についてその商品説明に「100%オーガニック ホールフードサプリメント」と記載され、「ブラウンパーフェクトの原材料」の項に「ブラウンパーフェクトは、アメリカオーガニック認証団体OTCO認定原材料を100%使用しています。素材そのまま(ホールフード)の状態を出来うる限り守り、丁寧に加工しました。」と記載されている(http://www.binchoutan.com/pure-synergy/brown.html)。
ケ 「海外ブレンダー専門店 ブレンディア」のウェブサイトにおいて、「ホールフードとは?グリーンスムージーと野菜ジュースの違い」についての説明があり、「同じ野菜やフルーツを使いますが、グリーンスムージーと野菜ジュースの違いをご存知でしょうか?野菜ジュースはジューサーを使用して喉を通りにくい皮や種の部分などを取り除いて作るジュースです。グリーンスムージーは、ホールフードのひとつで、普段なら捨ててしまう部分である野菜やフルーツの皮や種の部分まで使います。皮や種の部分に含まれる栄養素や食物繊維も、素材丸ごとを口に入れやすいよう細かくしたものが“グリーンスムージー”です。」と記載されている(http://blendia.jp/?mode=f1)。
コ 「Minori Life ?LOHAS応援ショップ」のウェブサイトにおいて、商品「ホールフードの野菜ジュース 8本セット」が紹介されている(http://www.minorilife.com/products/detail.php?product_id=12704)。
サ 「お菓子作りパン作りの材料と道具の専門店 cuoca」のウェブサイトにおいて、菓子等の原材料である商品「全粒薄力粉907g」の商品説明に、「ふすま、胚芽を残して製粉したもので、精白粉に比べてミネラル・食物繊維を豊富に含んでいます。ホールフード(全体食)として、自然派のお菓子作りにぜひお使いください。」と記載されている(http://recipe.cuoca.com/pc/index.php?cmd=rcpd01_pc&id=2890)。
(3)前記(2)によれば、「ホールフード」の文字は、「素材(の成分)を丸ごと食べること」を意味する語として、サプリメントの分野及び一般の食品分野において広く使用されているものということができる。
上記事実によれば、本願商標「大豆のホールフード」をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「大豆(の成分)を丸ごと食べるもの」であることを表したものと理解するものと解され、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を果たさないものである。
したがって、本願商標は、その指定商品の原材料、品質(加工方法)を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるというべきであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(4)審判請求書における請求人の主張に関して
ア 請求人は、本願商標に含まれる「ホールフード」の語が多義的な語であることから、本願商標は商品の特定の品質を一義的に理解させることのない、自他商品の識別力を有する商標であるといえ、また、「大豆のホールフード」は、「まるごとの形の大豆が加えられた商品」「大豆の成分がすべて加わった商品」「大豆のみを原材料にした商品」「大豆を使った無添加食品」等、「大豆」と「ホールフード」の関係から様々な意味合いが理解できるから、本願商標からは漠然と広範な意味合いが生じ、その指定商品との関係において、商品が有する一定の品質を取引者、需要者に認識させるとはいえない、と主張している。
しかしながら、前記(2)のとおり、「ホールフード」が「素材(の成分)を丸ごと食べるもの」を意味する語として広く使用されているものであり、本願商標は、「大豆(の成分)を丸ごと食べるもの」の意味合いを容易に認識させるものというべきである。なお、仮に「ホールフード」の語が、「自然食品」の意味を有する英語であることから、一部に本願商標について「大豆の自然食品」の意味合いを認識させる場合があるとしても、そのことにより、本願商標がその指定商品に使用されたときに、本願指定商品に係る一般の取引者、需要者は、本願商標を自他商品の識別標識として理解、認識するものということができない。
イ 請求人は、本願の指定商品の取引の場において、「大豆のホールフード」の語が商品の品質を表示する語として一般に使用されている事実はなく、「大豆のホールフード」は、請求人の商品「SOYJOY」の良さをより需要者に訴求するための言葉として請求人により開発された造語であり、取引者、需要者に商品の品質ではなく、請求人の業務に係る商品を表示する商標として理解されているものであり、また、請求人が独占しても問題がない商標といえる、と主張している。
しかしながら、「大豆のホールフード」は、前記(3)のとおり、「大豆(の成分)を丸ごと食べるもの」を理解させるものであり、そして、当該語が請求人によって使用されているとしても、例えば、請求人の提出する第9号証のインターネットの検索結果では、「大豆のホールフード食品SOYJOY」(第9号証1枚目1件目ほか)のように使用されていたり、「・・・大豆タンパク質、大豆イソフラボン、食物繊維など、大豆の栄養素を余すことなく摂取する事ができる大豆のホールフードという。」(同1枚目8件目ほか)、「大豆を丸ごと粉にした携帯性大豆のホールフードなので、大豆タンパク、イソフラボン、食物繊維・・・」(同2枚目1件目ほか)、「大豆を丸ごと粉にした生地にドライフルーツをたっぷり練り込んだ、携帯性大豆のホールフード」(同4枚目1件目ほか)のように使用されていることからすると、請求人の使用する「大豆のホールフード」についても、需要者は、請求人の上記商品が「大豆(の成分)を丸ごと使用した商品」であることを表示するものとして、理解、認識しているというべきであり、請求人の業務に係る商品を表示する商標(識別標識)として理解されているとはいうことができない。
なお、請求人は、「大豆のホールフード」は請求人の考案した造語であると主張しているが、本願指定商品の原材料等である「大豆」と食品分野において広く使用されている「ホールフード」の文字を組み合わせたにすぎないから、「大豆のホールフード」の語は、需要者が容易に前記意味合いを認識するというべきであり、特定人によるその独占を認めるのを公益上適当としないというべきである。
(5)以上のとおりであるから、審判請求書における請求人の主張を検討しても、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものといわざるを得ない。

3 当審の判断
(1)本願商標は、前記1のとおり、食用にされる、穀物の一種である「大豆」と「ホールフード」の文字を助詞「の」により結合したものである。
そして、本願商標に接する需要者は、構成中の「ホールフード」の文字について、その前に位置する「大豆」との関係で捉えるものであり、本願の指定商品は、いずれも大豆を原材料とした商品であるから、前記2で示した証拠によれば、本願商標に接する需要者は、容易に「(当該商品)が大豆を丸ごと使用したもの」であると認識するというべきである。
したがって、本願商標は、その商品の品質、原材料を普通に用いられる方法で表示するものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、拒絶理由通知書に示した事実について、「ホールフード」の語が「丸ごと食べること」と関連して使用されていることは確認できるが、その意味合いは、食べ物自体を意味したり(2(2)ア、イ、カ、ク、コ)、食べ方に関する考え方を意味したり(2(2)ウ、エ、ケ、サ)、食生活を意味したり(2(2)オ)、栄養素のことを意味したり(2(2)キ)と様々であり、「ホールフード」の語自体がわが国において非常に多義的で抽象的な語として理解されていることが知られ、そのため、本願商標中の「ホールフード」の文字から「丸ごと食べること」の意味合いが想起されたとしても、「丸ごと全体が食べられる食品」のことを理解する需要者もいれば「丸ごと全体を食べる食生活」や「丸ごと全体を食べる考え方」又は「丸ごと全体の栄養素」を理解する需要者も存在するといえるので、本願商標は直ちに特定の意味合いを理解させることはないと主張し、また、多義的かつ抽象的な語である「ホールフード」の語に「大豆の」の文字を付加してなる本願商標は、その構成の特異性や当該語から様々な意味合いが理解できることからも、本願商標からは漠然と広範な意味合いが生じ、その指定商品との関係において、商品が有する一定の品質を取引者、需要者に認識させることはないと主張している。
しかしながら、上記事実は、「ホールフード」の語は、正確には、「丸ごと全体を食する食生活」や「丸ごと全体を食べる考え方」の意味で使用される場合のある語であるとしても、いずれも「(素材あるいはその素材の栄養素を)丸ごと食べる」ことを基本として用いられるものであり、また、上記事実(2(2)ア、イ、オ、カ?ク、コ。特にオは、複数の商品について使用されている。)のように素材あるいは栄養素を丸ごと食べるもの程度の意味合いで広く使用されているといえる。そして、本願商標に接する需要者は、前記(1)のとおり、当該「ホールフード」の語を、当該商標構成中の「大豆」との関係で認識するというべきであるからすると、本願商標は、「大豆(の)成分を丸ごと食べるもの」であると理解、認識されるというべきであるから、自他商品の識別力を有するものとは認めることができない。
したがって、請求人の主張はいずれも採用できない。
(3)むすび
以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2013-11-14 
結審通知日 2013-11-20 
審決日 2013-12-06 
出願番号 商願2012-33219(T2012-33219) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W05293032)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 箕輪 秀人 
特許庁審判長 内山 進
特許庁審判官 小川 きみえ
内藤 順子
商標の称呼 ダイズノホールフード、ダイズノホール、ホールフード、ホール 
代理人 特許業務法人三枝国際特許事務所 

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