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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2013685010 審決 商標
異議2013900046 審決 商標
異議2013685009 審決 商標
異議2013900150 審決 商標
異議2012900360 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) W09
管理番号 1283347 
異議申立番号 異議2013-900068 
総通号数 170 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2014-02-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2013-03-08 
確定日 2013-12-24 
異議申立件数
事件の表示 登録第5543546号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5543546号商標の商標登録を取り消す。
理由 1 本件商標
本件登録第5543546号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に示すとおりの構成からなり、平成24年6月28日に登録出願、第9類「オートバイ用ヘルメット及びその他の保安用ヘルメット,スノーボード用ヘルメット・スキー用ヘルメット及びその他の運動用保護ヘルメット」を指定商品として同24年12月14日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のとおりである(以下、これらを総称するときは「引用商標」という。)。
(1)登録第2395970号商標
商標の構成:別掲(2)のとおり
登録出願日:昭和62年5月29日
設定登録日:平成4年3月31日
書換登録日:平成16年3月17日
指定商品 :第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(2)登録第2661951号商標
商標の構成:別掲(2)のとおり
登録出願日:平成3年9月30日
設定登録日:平成6年5月31日
書換登録日:平成17年8月31日
指定商品 :第6類、第9類、第15類、第18類?第22類、第24類、第25類、第27類、第28類及び第31類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(3)登録第5197663号商標
商標の構成:別掲(2)のとおり
登録出願日:平成20年6月19日
設定登録日:平成21年1月16日
指定商品 :第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品

3 登録異議の申立ての理由
(1)商標法第4条第1項第15号について
引用商標は、申立人の商標として周知著名であり、これと相紛らわしい本件商標が、その指定商品に使用された場合、該商品が申立人又は申立人と組織的・経済的に密接な関係がある者の業務に係る商品であるかのように、その出所について混同を生ずるおそれがある。
(2)商標法第4条第1項第7号について
本件商標は、申立人の引用商標と相紛らわしいところ、これが申立人の業務に係る商品を示すものとして世界的に周知著名であると承知の上で、引用商標に化体した信用・名声及び顧客吸引力に便乗し、不当な利益を得る等の目的をもって出願し登録を受けたものであるから、商取引の秩序を乱すものである。

4 本件商標に対する取消理由
商標権者に対して、平成25年9月10日付けで通知した取消理由は、次のとおりである。
(1)本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 引用商標の周知・著名性
申立人の主張の全趣旨及び提出に係る証拠によれば、申立人は、スポーツシューズ、スポーツウェア、スポーツ用品、バッグ等を製造販売する世界的に知られたドイツ連邦共和国の企業であって、我が国においては、1972年から2002年まで、申立人の業務に係る商品のうち、靴、バッグ、アクセサリーについてはコサ・リーベルマン株式会社が、アパレル関連についてはヒットユニオン株式会社が、ライセンシーとして、引用商標を使用した商品を販売し、2003年からは、申立人の日本法人であるプーマジャパン株式会社が同事業を継承したこと、引用商標を使用した商品は、スポーツシューズのメーカー別国内出荷額をみると、2008年に183億9,800万円、2009年に168億800万円、2010年に159億3,000万円であり、いずれの年も市場占有率は第5位であること、引用商標を表示した広告は、本件商標の登録出願前である2010年及び2011年に発行された多数の雑誌に掲載されていること、申立人はスポーツ大会のスポンサーになっていること、引用商標が付されたラグビー用ヘルメットが販売されているほか、モータースポーツの分野においても「オートバイ用シューズ・ウェア」等が販売されていることなどが認められる。
これらを総合すると、引用商標は、本件商標の登録出願時には既に申立人の業務に係るスポーツシューズ、スポーツウェア、スポーツ用品、バッグ等を表示する商標として、我が国の取引者・需要者の間で広く認識されていたものというべきであり、その状態は本件商標の登録査定時においても継続していたものと認められる。
イ 本件商標と引用商標との類似の程度
本件商標は、別掲(1)に示すとおり、脚を伸ばし左上方に跳躍するネコ科の動物及びこれと同一形状で右向きの動物を、これら2匹の動物の尻尾をつないで線対称で表し、これを青色でシルエット風に描いたものである。
他方、引用商標は、別掲(2)に示すとおり、脚を伸ばし左上方に跳躍するネコ科の動物を、黒色でシルエット風に描いたものである。
そこで、本件商標と引用商標とを対比すると、両商標は、動物の数及び色彩等に違いはあるものの、共に、脚を伸ばし跳躍するネコ科の動物をシルエット風に描いたものである点において、構成全体として似通った印象を与えるものであり、また、その各動物の細部に着目した場合においても、跳躍の角度、前脚と後ろ脚の位置、頭部の向き、胸・背中から脚にかけての曲線等、各部位の配置がほぼ同じであって、動物の輪郭全体も近似しているから、各動物の図形においても酷似した印象を与えるものである。
そうしてみると、両商標は、子細にみれば、動物の数及び色彩等に違いはあるとしても、上記共通点が強く印象づけられるから、これを離隔的に観察した場合には、その共通の印象によって、その類似性は高いというべきである。
ウ 本件商標の指定商品と引用商標が使用されている商品との関連性
本件商標の指定商品である「スノーボード用ヘルメット・スキー用ヘルメット及びその他の運動用保護ヘルメット」と、引用商標が使用されている「ラグビー用ヘルメット」を含む「スポーツシューズ、スポーツウェア、スポーツ用品」等のスポーツ関連商品とは、その用途、目的、販売場所、需要者等を同じくする関連性の程度が高いものである。
また、本件商標の指定商品である「オートバイ用ヘルメット及びその他の保安用ヘルメット」についてみるも、これもまた、引用商標が使用されている「オートバイ用シューズ・ウェア」等と用途・目的・販売場所、需要者等を同じくする関連性の程度が高いものということができる。
混同を生ずるおそれ
前記事情を総合すると、本件商標をその指定商品に使用する場合には、これに接する取引者、需要者は、跳躍するネコ科動物のシルエット風図形に着目し、周知著名となっている引用商標または申立人を連想、想起し、当該商品が申立人又は申立人と組織的・経済的に密接な関係がある者の業務に係る商品であるかのように、その出所について混同を生ずるおそれがあるものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものである。
(2)まとめ
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、その登録を取り消すべきものである。

5 商標権者の意見
上述した取消理由の通知に対し、商標権者は意見書を提出していない。

6 当審の判断
本件商標について通知した上記4の取消理由は、妥当なものと認められる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものであるから、同法第43条の3第2項の規定に基づき、これを取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲(1)
本件商標

(色彩は原本参照)

別掲(2)
引用商標


異議決定日 2013-11-14 
出願番号 商願2012-52346(T2012-52346) 
審決分類 T 1 651・ 271- Z (W09)
最終処分 取消  
前審関与審査官 小松 孝 
特許庁審判長 内山 進
特許庁審判官 内藤 順子
小川 きみえ
登録日 2012-12-14 
登録番号 商標登録第5543546号(T5543546) 
権利者 太田 里美
代理人 岡田 稔 
代理人 鈴木 昇 
代理人 曾我 道治 
代理人 坂上 正明 
代理人 田中 二郎 

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