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審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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不服20135204 | 審決 | 商標 |
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審決分類 |
審判 査定不服 外観類似 登録しない X43 審判 査定不服 称呼類似 登録しない X43 審判 査定不服 観念類似 登録しない X43 |
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管理番号 | 1283306 |
審判番号 | 不服2013-15027 |
総通号数 | 170 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2014-02-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2013-08-05 |
確定日 | 2013-12-26 |
事件の表示 | 商願2011- 91088拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第43類「飲食物の提供」を指定役務とし、平成23年12月19日に登録出願されたものである。 2 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、拒絶の理由に引用した登録第3074810号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成4年8月26日に登録出願、第42類「飲食物の提供」を指定役務として、同7年9月29日に設定登録がされ、その後、同17年6月21日に商標権の存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。 3 当審の判断 (1)本願商標と引用商標との類否について 本願商標は、別掲1のとおり、「欅」の漢字の木偏の上部をフォークの先のような図柄で表し、その右側の位置に、シルエットのシェーカー、フォーク及びスプーンとおぼしき図形並びに橙色で塗りつぶしたグラスの図形を並べて表してなるところ、該「欅」の文字部分は、その一部が図案化されてはいるが、明らかに漢字の「欅」として理解されるものである。 そして、該「欅」の文字部分は、「ニレ科の落葉高木である欅。」の意味を有するものとして一般に親しまれている語であり、シェーカー、フォーク、スプーン及びグラスの図形部分(以下「図形部分」という。)と観念上のつながりは認められず、分離して観察することが不自然といえるほどに密接に結びついたものということもできない。また、該文字部分と図形部分とを常に一体のものとして把握し、認識しなければならないとすべき特段の事情も見受けられないものである。 そうすると、本願商標に接する取引者、需要者が、構成中の「欅」の文字部分に着目し、該文字より生ずる称呼及び観念を頼りに役務の識別に当たる場合も決して少なくないといえるものであるから、該「欅」の文字部分は、独立して自他役務の出所識別標識としての機能を果たし得るものである。 してみれば、本願商標は、該「欅」の文字部分から「ケヤキ」の称呼を生じ、「欅」の観念を生じるものである。 他方、引用商標は、別掲2のとおり、上部に、樹木とおぼしき図形、中央に、ややデザイン化された「KEYAKI」の欧文字、その下に、途切れたアンダーライン、そして、行書体の漢字、また、その漢字の上部を挟むように小さく「JAPANESE」と「CUISINE」の欧文字を書してなるところ、中央に書された「KEYAKI」の欧文字は、その下に書された漢字の読みとして無理なく看取されるものであるから、その行書体で表された漢字は、「ニレ科の落葉高木である欅。」を意味する漢字の「欅」と理解され、認識されるものである。 そして、引用商標に接する看者は、太字で顕著に表された「欅」と中央に大きく書された「KEYAKI」の文字部分に注目し、これをもって役務の提供に資することも決して少なくないものというのが相当であるから、両文字部分は、独立して自他役務の出所識別標識としての機能を果たし得るものである。 してみれば、引用商標は、該「欅」及び「KEYAKI」の文字部分から「ケヤキ」の称呼を生じ、「欅」の観念を生じるものである。 そこで、本願商標と引用商標とを比較するに、外観においては、それぞれ上記のとおりの構成よりなるものであり、互いに区別し得るものであるが、いずれも「ケヤキ」の称呼及び「欅」の観念を共通にするものである。 してみれば、これらを総合的に判断するに、本願商標と引用商標とは、外観上区別できるとしても、称呼及び観念を共通にする互いに紛らわしい類似の商標というのが相当である。 また、本願商標の指定役務は、引用商標の指定役務と同一のものである。 (2)請求人の主張について ア 請求人は、「本願商標は、商標構成要素の全体の横幅の約1/3を占める大きさに際立たせて配置するフォークと、商標を構成する全体の高さの約2/5の大きさで上部の横に整然と並べられたシェーカー、フォーク、スプーン、ワイングラスの図形から、『西洋料理』、あるいは『ダイニングバー』という称呼が生じると見ることができる。・・・さらに、巨大なフォークの柄の部分の『木』と図形化された部分と、楷書体の『擧』という文字を組み合わせて『欅』とするならば、『ケヤキ』という称呼が図形に加わり、『ヨウショクケヤキ』、あるいは『ダイニングバーケヤキ』という称呼が生じると考えることができる。」及び「本願商標は、商標全体の左端に大きく描かれたフォークと、シェーカーと、フォーク、スプーンと、ワイングラスとによって『西洋料理』を提供し、カクテルやワインなどの『洋酒』を提供する店舗を観念させ、本願商標の図形からなる部分からは、『西洋料理』と『洋酒』を提供する『西洋料理バー』、あるいは『ダイニングバー』という観念が生じ、『欅』という文字からは、植物の『ケヤキ』の木という観念される。そうすると、本願商標は、商標全体からは、店舗内に『ケヤキ』の木を盆栽の木のように小さい植物として、不断に使った内装の小綺麗な、洒落た『西洋料理』を提供する店舗、しかも、カクテル、ワインを提供する『ダイニングバー』を想起(観念)させる。あるいは、店舗内の『ケヤキ』の木で創ったカウンターを設けて、このカウンターの上で『西洋料理』やカクテル、ワインを提供する『ダイニングカウンター』を想起(観念)させる。」並びに「引用商標は、上部に描かれた樹木、中央に横幅一杯に描かれた『kEYAkI』の欧文字と『JAPANESE CUISINE』という欧文字、そして下部に描かれた書体不明の文字とからは、『ジュキ・ケヤキ・ジャパニーズクイジーン』、『ジュキ・ケヤキ・ジャパニーズ』、『ジュキ・ケヤキ・クイジーン』、『ジュモク・ケヤキ・ジャパニーズクイジーン』、『ジュモク・ケヤキ・ジャパニーズ』、『ジュモク・ケヤキ・クイジーン』のいずれかの称呼が生じる。」及び「引用商標は、商標全体の上部に描かれた『樹木』の図形からは、単に葉が生い茂った大木という観念が生じる。また、『kEYAkI』という欧文字からは、『欅』という観念が生じる。さらに、『JAPANESE CUISINE』からは、『日本料理』、あるいは『和食』という観念が生じる。そして、下部に描かれた書体不明で何の文字を示すのか不明の文字からは、観念が生じ得ない。」旨主張する。 しかしながら、本願商標及び引用商標の称呼及び観念については、上記(1)で認定したとおりの称呼及び観念が生じるものであって、請求人の主張は牽強付会であって、両商標の図形部分から導かれた不自然な称呼及び観念を加えたものが、それぞれの称呼及び観念として生ずるとは認められないものである。 イ 請求人は、「本願商標の指定役務である『飲食物の提供』は、通常の商品に付する商標の指定商品とは異なり、商品に付されるものではなく、飲食店の名称である。すなわち、営業している飲食店の看板としての名称である。したがって、このような『飲食物の提供』に使用される商標は、通常の商標とは異なり、店舗の入り口に配されるもので、その店舗の印象を一瞬にして獲得する要素を持つものである。飲食店の看板としての名称の重要さは、外観にあり、文字商標だけの場合は別であるが、図形と文字の組み合わせに係る場合は、図形と文字の組み合わせた全体としての外観の印象が重要となる。」旨主張する。 しかしながら、識別標識としての商標の外観が重要であることは認められるとしても、「飲食物の提供」の役務において、本願商標に接する取引者、需要者が、構成中の文字部分に着目し、該文字より生ずる称呼及び観念を頼りにその役務の識別に当たる場合も決して少なくないといえるものであって、「飲食物の提供」の役務であるからといって、本願商標が図形部分と常に一体として認識されなければならないとすべき特段の事情は見受けられない。 してみれば、本願商標と引用商標とは、外観の相違を考慮しても、その称呼及び観念において紛らわしい類似の商標であるといわざるを得ない。 ウ 請求人は、10件の証言を提出し、「本願商標と引用商標とは、両商標が使用されても、出所の混同を生じることはなく、類似する商標ではないことを、現に本願商標を見て本願商標の付けられた店舗を利用する一般需要者の意見を聴取し、本願商標と引用商標との非類似性を証明することにした。」旨主張する。 しかしながら、提出された10件の「意見陳述書」は、書式が全て同じであって、日付、住所及び氏名について手書きされ、押印がなされている。そして、その内容は、印刷された文書であって、表現を変えてはいるものの、両商標の外観及びその印象を述べている点などが大体において共通しており、個々の証言者が作成したとは思えないものであって、信憑性に欠けるものである。 エ 請求人は、「引用商標以外の登録商標との審査の均衡性からも本願商標が、引用商標に対して非類似とされてしかるべきものである。」旨主張する。 しかしながら、商標の類否は、対比する商標の具体的な構成とその指定商品及び指定役務との関係から、個別かつ具体的に判断がなされるべきものであって、他の商標登録の事例により本件の判断が左右されるものではない。 よって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。 (3)まとめ したがって、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとして拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲1(本願商標:色彩については原本参照) 別掲2(引用商標) |
審理終結日 | 2013-10-15 |
結審通知日 | 2013-10-22 |
審決日 | 2013-11-14 |
出願番号 | 商願2011-91088(T2011-91088) |
審決分類 |
T
1
8・
263-
Z
(X43)
T 1 8・ 262- Z (X43) T 1 8・ 261- Z (X43) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 海老名 友子 |
特許庁審判長 |
井出 英一郎 |
特許庁審判官 |
内藤 順子 小川 きみえ |
商標の称呼 | ケヤキ、キョ |
代理人 | 小林 保 |