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審判番号(事件番号) データベース 権利
不服20136362 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 外観類似 登録しない W0305
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W0305
審判 査定不服 観念類似 登録しない W0305
管理番号 1283289 
審判番号 不服2013-13109 
総通号数 170 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2014-02-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-07-09 
確定日 2013-12-12 
事件の表示 商願2012- 58622拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、「ホワイトミューズ」の文字を標準文字で表してなり、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,薫料,つけづめ,つけまつ毛」及び第5類「サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,ビタミン剤,アミノ酸剤,滋養強壮変質剤」を指定商品として、平成24年7月20日に登録出願されたものである。

第2 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下の(1)?(3)のとおりであり、それぞれ、現に有効に存続しているものである。
(1)登録第55296号商標(以下「引用商標1」という。)は、横書きの「MUSE」の欧文字と、その下段に、縦書きの「ミューズ」の片仮名を配した構成からなり、明治45年7月25日に登録出願、第4類「石鹸」を指定商品として、大正元年10月16日に設定登録され、その後、平成15年11月19日に指定商品を、第3類 「せっけん(日本薬局方の薬用せっけんを除く。)」及び第5類「 日本薬局方の薬用せっけん」とする指定商品の書換登録がされたものである。
(2)登録第4264251号商標(以下「引用商標2」という。)は、「MUSE」の欧文字と、「ミューズ」の片仮名とを上下二段に横書きしてなり、平成9年10月16日に登録出願、第3類「せっけん類」を指定商品として、同11年4月16日に設定登録されたものである。
(3)登録第5373375号商標(以下「引用商標3」という。)は、「MUSE」の欧文字と、「ミューズ」の片仮名とを上下二段に横書きしてなり、平成20年8月21日に登録出願、第3類「家庭用洗浄剤,洗濯用抗菌剤,せっけん類,抗菌用せっけん,殺菌消毒用せっけん,手洗いせっけん,ボディーソープ,ヘアシャンプー,身体用シャンプー,身体用の消臭防臭・制汗剤,スキンケア用クリーム・ジェル・ローション,スキンケア用化粧品,ひげそり用剤,歯磨き,口内洗浄剤,拭き取り用繊維・ティッシュ・スポンジに含浸させた家庭用の洗浄剤,拭き取り用繊維・ティッシュ・スポンジに含浸させた肌用の洗浄剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,化粧品,香料類,肌用の薬用クリーム,肌用の薬用ローション,肌用の薬用ジェル状化粧品,抗菌性手洗いせっけん,抗菌性ボディーシャンプー,抗菌性ヘアシャンプー,抗菌性身体用シャンプー 」、第5類「薬剤,ジェル状及び泡状の手の殺菌剤,防腐剤,抗菌剤(工業用及び洗濯用のものを除く),殺菌消毒剤,殺菌剤,使い捨てのおしぼり及びティッシュに含ませた殺菌剤,使い捨てのおしぼり及びティッシュに含ませた抗菌剤(工業用及び洗濯用のものを除く),殺虫剤,ダニ殺虫剤,虫除け剤,空気用・織物用・カーペット用・室内装飾用品用の消臭芳香剤,空気浄化剤,臭気中和剤(工業用及び身体用のものを除く),空気用・織物用・表面用のスプレー式の殺菌剤,アレルゲンの中和・抑制・減少用スプレー式薬剤,中味の入っている救急箱,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド」及び第11類「家庭用・業務用の空気の感知・浄化・殺菌消毒・清浄用の機械器具及びその部品及び付属品,家庭用電気式芳香発生器,家庭用の電気式及び電池式芳香消臭器,芳香発生機能付家庭用空気清浄器,家庭用電熱用品類,暖冷房装置」を指定商品として、平成22年12月3日に設定登録されたものである。
以下、引用商標1?3を一括して、単に「引用各商標」という。

第3 当審の判断
1 本願商標について
本願商標は、「ホワイト」と「ミューズ」の文字とを一連に「ホワイトミューズ」と横書きした構成からなるところ、その構成中の「ホワイト」の文字は、「白、白色」を意味するよく知られている語であり、その指定商品との関係では、商品の色彩や肌の美白効果を表示する語として認識される場合が多く、その出所識別標識としての機能はさほど強いとはいい難い。
一方、「ミューズ」の語は、引用各商標の構成中の「ミューズ」と同じ構成文字からなるものであって、後述するように、当該語は、引用各商標の商標権者の製造・販売する「薬用せっけん」を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているものと認められるものである。
そうしてみると、その構成中の「ミューズ」の部分は、少なくとも、引用各商標と抵触関係にある指定商品「せっけん類」との関係において、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであるから、「ミューズ」の文字部分に着目し、取引に資される場合も多々あるとみるのが相当である。
してみれば、本願商標は、その構成全体から「ホワイトミューズ」の称呼を生ずるほか「ミューズ」の文字部分に相応して、「ミューズ」の称呼及び「ギリシア神話で、人間のあらゆる知的活動をつかさどる女神たち」若しくは「薬用せっけんのブランドとしてのミューズ」程の観念が生ずるというべきである。
また、本願商標は、「ホワイトミューズ」の文字全体からは、特定の親しまれた観念は生ずるものではない。
2 引用各商標について
引用各商標は、前記第2に記載のとおり、「ミューズ」と「MUSE」との文字を組み合わせた構成よりなるところ、それぞれの構成文字に相応して「ミューズ」の称呼を生ずるものである。
また、「ミューズ」の語は、1953年に薬用固形せっけんのブランドとして誕生し、その後、「液体ミューズ」「キッチンミューズ」「ミューズ泡ハンドソープ」等と、商品の種類も増え、その間、テレビコマーシャル、キャンペーンなどを通し当該商品の広告宣伝した結果、現在においては、引用各商標の商標権者の製造・販売する「薬用せっけん」を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているものと認められるものである(http://www.musejapan.jp/、http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BA_%28%E8%96%AC%E7%94%A8%E7%9F%B3%E9%B9%B8%29等)。
そうとすると、引用各商標からは、「ギリシア神話で、人間のあらゆる知的活動をつかさどる女神たち」若しくは「薬用せっけんのブランドとしてのミューズ」程の観念が生ずるというのが自然である。
3 本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用各商標を比較するに、外観においては、両商標はそれぞれ前記のとおりであるから、全体としては異なるものの、本願商標の構成中、要部といえる「ミューズ」の文字と引用各商標の「ミューズ」の文字部分とは、同じ構成文字からなるものであって、類似するものである。
次に、称呼においては、両商標は「ミューズ」の称呼を同一にするものであって、また、観念においても、両商標は「ギリシア神話で、人間のあらゆる知的活動をつかさどる女神たち」若しくは「薬用せっけんのブランドとしてのミューズ」の観念を同一にするものである。
してみれば、前記のとおり、本願商標と引用各商標は、全体の外観において異なるとしても、「ミューズ」の文字部分において類似するものであり、また、その称呼と観念を共通にする、互いに相紛れるおそれのある類似の商標といえる。
また、本願商標の指定商品中の「せっけん類」は、引用商標1の指定商品中の「せっけん(日本薬局方の薬用せっけんを除く。)」、引用商標2の指定商品「せっけん類」及び引用商標3の指定商品中の「家庭用洗浄剤,せっけん類,抗菌用せっけん,殺菌消毒用せっけん,手洗いせっけん,ボディーソープ,ヘアシャンプー,身体用シャンプー,拭き取り用繊維・ティッシュ・スポンジに含浸させた家庭用の洗浄剤,拭き取り用繊維・ティッシュ・スポンジに含浸させた肌用の洗浄剤,抗菌性手洗いせっけん,抗菌性ボディーシャンプー,抗菌性ヘアシャンプー,抗菌性身体用シャンプー」と同一又は類似するものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
4 請求人の主張について
(1)請求人は、引用商標に係る「ミューズ」が周知であること及び「化粧品」等の分野において、「ホワイト」等の色味に関する文字が識別機能が弱いと考えられていることは認めつつ、上記「ミューズ」が周知であるからといって、市場の一商品に関する識別機能の強さが、本願商標の拒絶査定の理由に用いられることは理解できない。出願商標の使用を登録要件としない我が国の商標法下においては、審査は画一的に行われるべきであることは大原則であり、単なる一商品の個別具体的な事情まで審査の判断基準に取り入れられるべきでない旨、主張する。
しかしながら、商標法第4条第1項第11号に係る商標の類否は、同一又は類似の商品又は役務に使用された商標が、その外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して、その商品又は役務に係る取引の実情を踏まえつつ全体的に考察すべきもの(最三小判昭和43年2月27日・民集22巻2号399頁参照)であり、商標審査基準においても、他人の登録商標の周知著名性を考慮し判断すべき旨が規定されている(九、6(6)参照)。そして、請求人は、「単なる一商品の個別具体的な事情まで審査の判断基準に取り入れられては、画一的な審査が成立しない」旨主張するが、請求人の解釈のとおりとするならば、ある商品について拒絶理由がある場合に、その商品のみを指定商品とした商標登録出願は拒絶されるものの、その商品と拒絶の理由を有しない商品とを指定商品とする商標登録出願については、登録されるという矛盾が生ずることとなるのであり、したがって、商標登録出願について、その指定商品の一部について拒絶理由が存する場合であっても、その商標登録出願は、拒絶すべきであり、その拒絶査定は適法とされるべきである(東京高裁 平成15年10月15日言渡し 平成15年(行ケ)第64号参照)。
したがって、請求人の上記主張は採用できない。
(2)請求人は、過去の審決例等を挙げて本願商標も登録されるべきである旨主張しているが、該審決例は、商標の構成、指定商品等において本願とは事案を異にするものであり、それらの審決例をもって、本願商標の登録の適否を判断する基準とするのは必ずしも適切とはいえない。
よって、かかる請求人の主張も採用できない。
5 まとめ
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2013-10-04 
結審通知日 2013-10-08 
審決日 2013-10-29 
出願番号 商願2012-58622(T2012-58622) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (W0305)
T 1 8・ 261- Z (W0305)
T 1 8・ 263- Z (W0305)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 中束 としえ 
特許庁審判長 内山 進
特許庁審判官 小川 きみえ
内藤 順子
商標の称呼 ホワイトミューズ、ミューズ 
代理人 北村 周彦 

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