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審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2012900296 審決 商標
異議2012685007 審決 商標
異議2013900128 審決 商標
異議2013900197 審決 商標
無効2012890071 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) W09384142
管理番号 1282419 
異議申立番号 異議2013-900081 
総通号数 169 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2014-01-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2013-03-22 
確定日 2013-11-18 
異議申立件数
事件の表示 登録第5543156号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5543156号商標の商標登録を取り消す。
理由 第1 本件商標
本件登録第5543156号商標(以下「本件商標」という。)は,「デコメ帳」の片仮名及び漢字を標準文字で表してなり,平成24年5月15日に登録出願,同年10月16日に登録査定,第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,家庭用テレビゲーム機用プログラム,携帯用液晶画面ゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,レコード,インターネットを利用して受信し,及び保存することができる音楽ファイル,インターネットを利用して受信し,及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」,第38類「電気通信(「放送」を除く。),放送,報道をする者に対するニュースの供給,電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」,第41類「電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),娯楽施設の提供,インターネット・携帯電話による通信を用いて行うゲームの提供,電子計算機端末又は移動体電話による通信を用いて行うカラオケのための画像・楽曲・歌詞の提供」及び第42類「気象情報の提供,デザインの考案,電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」を指定商品及び指定役務として,同年12月14日に設定登録されたものである。

第2 登録異議申立人の使用に係る商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第4728342号商標(以下「引用商標」という。)は,「デコメ」の片仮名を標準文字で表してなり,第9類「携帯用通信機械器具,携帯電話端末用ストラップ,カーナビゲーション装置及びその部品,その他の電気通信機械器具,電子計算機端末装置,電子計算機端末による通信を通じてダウンロード可能な電子応用機械器具用コンピュータプログラム,移動体電話による通信を通じてダウンロード可能な移動体電話機用コンピュータプログラム,その他の電子応用機械器具及びその部品,携帯情報端末,携帯用通信機械器具・電話機・携帯情報端末・電子計算機端末装置・カメラその他の写真機械器具・コンピュータプログラムに関する印刷物の文字データ・画像データ等を記録したフロッピーディスク・CD-ROM等の記録媒体,携帯用通信機械器具・電話機・携帯情報端末・電子計算機端末装置・カメラその他の写真機械器具・コンピュータプログラム等の技術に関する印刷物の文字データ・画像データ等を記録したフロッピーディスク・CD-ROM等の記録媒体,ダウンロード可能な電子出版物,カメラその他の写真機械器具」,第38類「移動体電話による通信,電子計算機端末による通信,無線呼出し,インターネットによる通信ネットワークへの接続の提供,その他の通信ネットワークへの接続の提供(移動体電話・電子計算機端末によるものを含む。),無線LANによる通信ネットワークへの接続の提供,電子メールその他の電子計算機端末による通信,電子掲示板通信,付加価値通信網による通信,電子計算機によるメッセージ・音声・画像・データの伝送交換,その他の電気通信(放送を除く。),電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与,インターネットによる映像及びそれに伴う音声その他の音響を送る放送」並びに第41類及び第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を,指定商品及び指定役務として,同15年11月21日に設定登録され,その後,同25年5月28日に商標権の存続期間の更新登録がなされ,現に有効に存続しているものである。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するものであるから,取り消されるべきものである旨申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として,甲第1号証ないし甲第22号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は,その構成中に著名商標である引用商標「デコメ」を含むものであり,本件商標の指定商品及び指定役務と,引用商標の指定商品及び指定役務は,同一又は類似である。
よって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 商標法第4条第1項第15号該当性について
本件商標は,その構成中に著名商標「デコメ」と同一の文字構成からなる「デコメ」を含むものであり,本件商標の指定商品及び指定役務が属する分野の需要者と著名商標「デコメ」で提供される「装飾メールサービス」の需要者とが一致することから,本件商標は,申立人の業務に係る商品及び役務と混同を生ずるおそれがある。
よって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。

第4 当審における取消理由
当審において,商標権者に対して平成25年8月6日付けで通知した取消理由の内容は,別掲のとおりである。

第5 商標権者の意見
前記第4の取消理由に対し,商標権者は何ら意見を述べるところがない。

第6 当審の判断
本件商標についてした前記第4の取消理由は,妥当なものと認められる。
したがって,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第15号に違反してされたものであるから,商標法第43条の3第2項の規定により,取り消すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲 (当審における取消理由)

1 申立人の引用商標「デコメ」の著名性について
(1)申立人の主張及び提出された証拠によれば,「デコメ」の著名性について,以下の事実が認められる。
ア 「デコメ」は,携帯端末による電子メール通信において,申立人のiモードメールの追加機能の一つで,絵文字や背景,文字色など様々な装飾をメールに追加できるサービス(以下「デコメサービス」という場合がある。)であり,同時に「デコメール」ともいわれているものである(甲5)。
なお,申立人は,2001年から提供を開始したと主張するが,開始時期を確認できる記載は見あたらない。
イ 該デコメサービスについて,2006年(平成18年)12月7日付けの日経産業新聞によれば,「iモード2000億円市場に」の表題の下,「動きのあるイラストを添付したり,色つきの文字でメールを作成したりできる『デコメール』の素材を販売するサイト。情報料は月額五億円強だが,女子高生を中心とした若者に圧倒的な人気を誇っている。デコメールはすでに月に一億通以上送受信されている。」の記載があり(甲6),また,一般社団法人電気通信事業者協会によれば,2012年11月末の「NTT DOCOMO」の契約数は,6,000万件を超えるものである(甲12)。
ウ 申立人は,この「デコメ」が,携帯端末による電子メール通信のコミュニケーションツールの名称のみならず,同サービスにおいて,絵文字などの装飾のために用いる画像データ等の素材(以下「装飾メール素材」という。)についても「デコメ」と称されることから,該「デコメ」について商標登録を取得すると共に,「デコメ」の表示について,「装飾メール素材の提供サービス」を展開するいくつもの各公式サイトに対して,引用商標の使用を許諾し,各公式サイトの管理者との間で,「デコメ」表示のガイドラインを定めている(「ドコモの登録商標・商標の取り扱いについて【iモードCP様向け商標利用ガイドライン】」2010年4月1日付け)。
そして,該ガイドラインでは,「デコメ」を表示する場合,登録商標であることを示す記号(○の中にRを表示)を付けて記載し,また,「『デコメ』『デコメール』は株式会社NTTドコモの登録商標です。」等のように帰属表示を行うこととしていることが認められる(甲5,甲9ないし11,甲14の1及び2)。
エ 「デコメ」と同様の装飾メール素材を利用する電子メール通信のサービスを提供する「au」は,「デコレーションメール」という名称を,また「ソフトバンクモバイル」は,「デコレメール」という名称を使用し,それぞれの差別化が図られている(甲7及び8)。
(2)以上によれば,引用商標「デコメ」は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る役務「携帯端末による電子メール通信」の名称及び装飾メール素材を表示するものとして,需要者に広く認識されているものと認められる。

2 本件商標と引用商標の類似性の程度について
本件商標は,「デコメ帳」の片仮名及び漢字からなるものであるところ,これは,「デコメ」の文字と「帳」の文字とを結合してなるものと容易に看取されるものである。
そして,その構成中,「デコメ」文字は,申立人の業務に係る役務「携帯端末による電子メール通信」の名称及び装飾メール素材として,需要者に広く知られていることからすれば,本件商標は,該「デコメ」の文字部分が取引者,需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであって,該部分が独立して自他商品・役務の識別標識としての機能を果たし得るものである。
そこで,本件商標の構成中「デコメ」の文字部分と「デコメ」の文字からなる引用商標を比較すると,両者は外観において「デコメ」の文字を,また,称呼においては「デコメ」の称呼をそれぞれ共通にし,さらに,申立人の業務に係る役務「携帯端末による電子メール通信」の名称及び装飾メール素材としての「デコメ」の観念をも共通にするものである。
そうとすれば,本件商標と引用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれの点からみても類似する商標と認められる。

3 本件商標の指定商品及び指定役務と引用商標を使用する商品及び役務との関連性の程度,需要者の共通性等
申立人は,一般消費者を需要者とする「移動体電話による通信」の役務を中心に,これに関連する商品及び役務について幅広く事業を行っていることが認められ,また,本件商標の指定商品(電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品等)及び指定役務(電気通信(「放送」を除く。)等)も,関連する商品及び役務として取り扱われるものであるから,本件商標の指定商品及び指定役務と引用商標を使用する商品及び役務とは,需要者を共通にし,関連性を有するものと認められる。

4 出所の混同のおそれ
本件商標は,「デコメ帳」の片仮名及び漢字からなるものであり,その構成中,「デコメ」の文字部分は,前記1の認定のとおり,申立人の業務に係る役務「携帯端末による電子メール通信」の名称及び装飾メール素材として使用される商標として,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,我が国の携帯電話による通信の分野並びにその関連する商品及び役務の取引者,需要者の間に広く認識されていた「デコメ」と同一の文字よりなるものである。
また,本件商標の指定商品は,「電気通信機械器具及び電子応用機械器具」等であり,その指定役務は,「電気通信(「放送」を除く。)」等であることから,申立人に係る携帯電話の商品群及び関連するサービスとその需要者層を共通にするものである。
そうすると,本件商標をその指定商品及び指定役務について使用した場合,これに接する取引者,需要者は,その構成中の「デコメ」の文字部分が強く印象づけられ,著名な商標である引用商標を連想,想起して,該商品及び役務が,申立人から引用商標についての使用許諾を受けた者など,申立人に係る商品及び役務又は同人と営業上何らかの関係がある者の業務に係る商品及び役務であるかのように,商品及び役務の出所について,混同を生ずるおそれがあるものと認められる。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。


異議決定日 2013-10-07 
出願番号 商願2012-38549(T2012-38549) 
審決分類 T 1 651・ 271- Z (W09384142)
最終処分 取消  
前審関与審査官 海老名 友子 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 田中 亨子
谷村 浩幸
登録日 2012-12-14 
登録番号 商標登録第5543156号(T5543156) 
権利者 株式会社デクー
商標の称呼 デコメチョー、デコメ 
代理人 浜田 廣士 
代理人 森川 邦子 
代理人 長谷川 芳樹 
代理人 望月 宣武 
代理人 工藤 莞司 

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