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審決分類 |
審判 一部申立て 登録を維持 W07 審判 一部申立て 登録を維持 W07 審判 一部申立て 登録を維持 W07 審判 一部申立て 登録を維持 W07 |
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管理番号 | 1281586 |
異議申立番号 | 異議2013-900092 |
総通号数 | 168 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2013-12-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2013-04-11 |
確定日 | 2013-11-08 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5547611号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5547611号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5547611号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成24年6月25日に登録出願、第7類「土木機械器具,土木用のコンクリート・アスファルト製造用混合機,化学機械器具,化学製品製造用混合機,食料加工用又は飲料加工用の機械器具,食料・飲料製造用混合機,ゴム製品製造機械器具,ゴム製品製造用混合機,塗装機械器具,塗料製造用混合機,プラスチック加工機械器具,プラスチック製品製造用混合機,動力機械器具(陸上の乗物用のもの及び「水車・風車」を除く。),陸上の乗物用の動力機械の部品」を指定商品及び第35類並びに第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同年11月14日に登録査定、同25年1月11日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する国際登録第828837号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、2003年(平成15年)12月19日に国際商標登録出願され、第7類「Agricultural machines (excluding chick brooders and incubator for eggs); woodworking machines; glue guns electric; wood planing machines; saws (machines) for lumbering, woodworking, or vemeer or plywood making; engraving machines for lumbering, woodworking, or veneer or plywood making; engraving machines for stone working; elevating apparatus; cutting machines for mining; cutting machines for construction or loading-unloading; cutting machines for food or beverage processing; cutting machines for textile; cutting machines for lumbering, woodworking, or veneer or plywood making; cutting machines for pulp making, papermaking or paper-working; cutting machines for printing or bookbinding; cutting machines for plastic processing; cutting machines for stone working; cutting machines for glassware manufacturing; lawnmowers; grass trimmers; hedge trimmers; apparatus for dressing for lumbering, woodworking or veneer or plywood making; apparatus for dressing for plastic processing; apparatus for dressing for stone working; drilling machines for mining; drilling machines for construction or loading-unloading; drilling machines for lumbering, woodworking, or veneer or plywood making; drilling machines for stone working; drilling bits (parts of machines) for mining; drilling bits (parts of machines) for construction or loading-unloading; drilling bits (parts of machines) for lumbering, woodwordking, or veneer or plywood making; drilling bits (parts of machines) for stone working; drilling heads (parts of machines) for mining; drilling heads (parts of machines) for construction or loading-unloading; drilling heads (parts of machines) for lumbering, woodworking, or veneer or plywood making; drilling heads (parts of machines) for stone working; machines and apparatus for polishing (electric) for lumbering, woodworking, or veneer or plywood making; machines and apparatus for polishing (electric) for stone working; spray guns for paint; hot air guns; pumps (parts of machines, engines or motors); blowers; compressed air machines; machines and apparatus for cleaning (electric) for industrial purposes; vehicle washing installations; cleaning apparatus for textile; electric disintegrator for mining; electric disintegrator for construction or loading-unloading; electric distingrator for food or beverage processing; electric disintegrator for pulp making, papermaking or paper-working; waste crushing machines; hydraulic door openers and closers (parts of machines).」及び第8類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成19年2月2日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第7類の全指定商品について商標法第4条第1項第7号及び同項第11号に該当するとの申立ての理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第5号証(枝番を含む。)を提出している。 1 商標法第4条第1項第11号該当性について 本件商標は、別掲1のとおり、全体にやや図案化され、語頭の「m」の文字が一回り大きく描かれた黒色の「mix」の文字と、青色の「worx」の文字とを横書きしてなるものであるところ、両文字は、色彩が異なることから、視覚上明らかに分離して看取されるものであり、不可分的に結合しているとは認められない。 また、本件商標の構成中の「mix」の文字は、「(いくつかの物を)混ぜる,混合する,かき混ぜる,(諸成分を混ぜて)作る,混成する,調合する」等を意味する英単語であるのに対し、本件商標の構成中の「worx」の文字は、辞書等に掲載されている既成の語句ではなく、一種の造語として認められるものであるから、「mix」の文字と「worx」の文字との間に観念上の密接な関連性は認められず、全体の文字をもって特定の意味合いを有するものともいえないから、「mix」と「worx」の各文字を常に一体のものとして把握すべき特段の事情は認められない。 さらに、本件商標の構成中の「mix」の文字は、「まぜること。混合。混和。所定の材料などをまぜたもの。」を意味する語として広く親しまれているものであり、本件商標に係る第7類の指定商品との関係においては、「物(原材料)を混ぜ合わせること」、「物(原材料)を混ぜ合わせる機械器具」ほどの意味合いを容易に認識、理解させるものであって、単に商品の用途、機能を表示するにとどまるものである。また、本件商標の指定商品を取り扱う分野において、該文字は、「混合(機)、撹拌(機)」を意味する語として一般に使用されていることが、インターネット情報などからも容易にうかがえる(甲第5号証)。 これらの事実からも、本件商標の構成中の「mix」の文字は、本件商標の指定商品との関係において、商品の用途、機能などを表示するものであり、自他商品の識別機能を有しないか、あるいは有するとしても、非常に弱いものとして認識されるものである。 一方、本件商標の構成中の「worx」の文字は、一種の造語として認められるものであり、本件商標の指定商品との関係において、十分に商品の出所識別標識としての機能を果たし得るものであって、該文字部分は、取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものである。 してみれば、簡易迅速を尊ぶ取引の実際にあっては、本件商標に接する取引者、需要者は、その構成中、識別力を有しない「mix」の部分を省略し、目立つように青色で表された識別力を有する「worx」の文字部分に着目し、これより生じる称呼をもって取引にあたる場合も少なくないというべきである。 そうすると、本件商標は、その構成全体より「ミックスワークス」の称呼を生じるほか、その要部である「worx」の文字部分に相応して、「ワークス」の称呼を生じるものである。 他方、引用商標は、別掲2のとおりの構成からなるところ、「WORX」の欧文字部分に相応して「ワークス」の称呼を生じるものである。 以上からすると、本件商標と引用商標とは、「ワークス」の称呼を共通にするものであり、また、本件商標の構成中の「worx」の文字と引用商標を構成する「WORX」の文字は、小文字、大文字の別はあるものの、両者は、綴りを同一にし、極めて近似した印象、連想を生じさせることは明らかである。 そして、本件商標に係る指定商品中、第7類「土木機械器具,土木用のコンクリート・アスファルト製造用混合機,化学機械器具,化学製品製造用混合機,食料加工用又は飲料加工用の機械器具,食料・飲料製造用混合機,塗装機械器具,塗料製造用混合機,プラスチック加工機械器具,プラスチック製品製造用混合機」と引用商標に係る指定商品中、第7類「エレベーター装置,建設用又は荷役用の切断装置,食糧加工用又は飲料加工用の切断装置,プラスチック加工用仕上げ装置,建設用又は荷役用のボール盤,建設用荷役用のドリルビット,建設用又は荷役用のドリルヘッド(機械部品),塗装用スプレーガン,建設用又は荷役用の電気式粉砕機,食料又は飲料加工用の電気式粉砕機」とは、それぞれ同一又は類似する商品である。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 2 商標法第4条第1項第7号該当性について 引用商標を構成する「WORX」の文字は、造語としてその独自性が認められるものであるところ、本件商標は、上記のとおり、「mix」の文字と「worx」の文字から構成され、その構成中に引用商標と同一の綴りからなる文字を含み、これが偶然に一致したとは考え難いものである。 さらに、本件商標は、「worx」の文字部分を「mix」の文字とは異なる色に着色し、殊更に「worx」の文字部分を強調した態様となっている。 このような構成態様からなる本件商標は、他人の創案に係る造語である引用商標を剽窃するものであって、引用商標が有する強い顧客吸引力に便乗しようとする意図が容易に見受けられるものである。 引用商標と何ら関係のない第三者が本件商標の登録を受けることは、公正な競業秩序を乱すおそれがあり、また、引用商標に形成されたある種の企業イメージを理由なく利用するものであって、商取引上の信義則にも反するものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。 3 結語 以上のとおり、本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第7類の全指定商品について、商標法第4条第1項第7号及び同項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により取り消されるべきである。 第4 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本件商標について 本件商標は、別掲1のとおり、語頭の「m」の文字を一回り大きくした「mix」の文字を黒色で表し、「worx」の文字を青色で表し、全体の文字は、同一デザインの書体で、等間隔に「mixworx」と横書きしてなるものである。 そして、本件商標の構成中の「mix」の文字についてみると、「mix」の文字が「(いくつかの物を)混ぜる,混合する,かき混ぜる,(諸成分を混ぜて)作る,調合する」などの意味を有する語(「研究社新英和大辞典」:第4号証)として広く親しまれているものである。 また、攪拌機及び混合機について、例えば、「商品大辞典」(1996年4月15日 東洋経済新報社発行)における一般機械器具(248頁)には、「攪拌(かくはん)・混合装置(agitator&mixer)」との記載、「攪拌(かくはん)機(agitator)」及び固体混合機(mixer)」との記載があり、また、「JIS工業用語大辞典【第5版】」(2001年3月30日 財団法人日本規格協会発行)における英和索引の2962頁には、「mix 混合物」との記載、「mixer 混合機」との記載がある。 さらに、申立人が提出する証拠をみると、攪拌機に「アルミックス」及び「UL-MIX」(第5号証の1)、ミキサーに「MIX-500」(第5号証の2)など、密閉容器回転攪拌機に「Full-Mix」(第5号証の3)、コーヒーをブレンドする機械に「MIX機」(第5号証の4)、ミキサーに「MIX-150」(第5号証の5)、グラウトミキサーに「MIX-200」(第5号証の6)、ミキサーに「Mix Feeder」(第5号証の7)、双曲面形撹拌機に「PABIO Mix(パビオミックス)」(第5号証の9)、万能型振動攪拌機に「AD-MIX」(第5号証の11)と使用され、また、日工株式会社のホームページ(第5号証の8)には、「MIX-混合-」の見出しの下、「ミキサとは原料を砕いたり、混合、撹拌といった意味で、ミキサ以外にも、ブレンダー、ミルなどと呼ばれることもあります。」との記載、佐竹化学機械工業株式会社のホームページ(第5号証の10)には、「高性能インペラスーパーミックスシリーズ」の見出しの下、「・・・このようにして生まれた撹拌翼をスーパーミックスシリーズと呼びます。」との記載が認められる。 しかしながら、上記のような「MIX」、「Mix」及び「ミックス」の文字を含む使用例は、必ずしもミキサー(混合機)や攪拌機を表示するものとして使用しているとはいえなく、本件商標の上記構成においては、「mix」の文字部分が商品の品質等を具体的に表示するものとして直ちに理解され得るものともいい難く、また、該文字部分を捨象し、その構成中の「worx」の文字部分のみをもって取引に資するとみるべき特段の事情も見いだし得ない。 してみれば、本件商標は、その構成全体をもって一体不可分のものとして認識し、把握されるとみるのが相当であるから、その構成文字に相応する「ミックスワークス」の称呼を生じ、特定の観念は、生じないものである。 (2)引用商標について 引用商標は、別掲2のとおり、細線で表した帯状の枠内に「WORX」の各欧文字を結合させて極太で横書きした構成からなるところ、「WORX」の欧文字部分に相応して「ワークス」の称呼を生じるものである。 (3)本件商標と引用商標との類否について 本件商標と引用商標とを比較するに、両商標は、それぞれ上記のとおりの構成からなるものであって、外観において明らかに区別し得るものであるから、相紛れるおそれはない。 また、本件商標から生じる「ミックスワークス」の称呼と引用商標から生じる「ワークス」の称呼とは、その音構成及び構成音数に明らかな差異を有するものであるから、両者をそれぞれ一連に称呼するときは、称呼上相紛れるおそれはないものというべきである。 さらに、本件商標及び引用商標からは特定の観念を生じないから、本件商標と引用商標とは、観念上類似するとはいえないものである。 してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 2 商標法第4条第1項第7号該当性について 申立人は、「本件商標は、他人の創案に係る造語である引用商標を剽窃するものであって、引用商標が有する強い顧客吸引力に便乗しようとする意図が容易に見受けられるものであり、引用商標と何ら関係のない第三者が本件商標の登録を受けることは、公正な競業秩序を乱すおそれがあり、また、引用商標に形成されたある種の企業イメージを理由なく利用するものであって、商取引上の信義則にも反する。」旨主張している。 しかしながら、申立人の提出に係る証拠を総合してみても、本件商標の登録出願の経緯において、引用商標を剽窃するなどの社会的妥当性を欠くものがあったことを認めるに足る事実を見いだすことができず、ほかに、本件商標をその指定商品について使用することが、社会の一般的道徳観念に反するような事情、あるいは、登録を認めることが商標法の予定する公正な競業秩序の維持に反し、商取引上の信義則に反するものとして到底容認し得ないとすべき事情などは見受けられない。 そして、本件商標は、「mixworx」の欧文字を表してなるものであるから、その構成自体において公序良俗に違反するものでないことは明らかである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。 3 まとめ 以上のとおり、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る第7類の全指定商品について、商標法第4条第1項第7号及び同項第11号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲1(本件商標)![]() (色彩については、原本参照。) 別掲2(引用商標) ![]() |
異議決定日 | 2013-10-28 |
出願番号 | 商願2012-51071(T2012-51071) |
審決分類 |
T
1
652・
261-
Y
(W07)
T 1 652・ 262- Y (W07) T 1 652・ 263- Y (W07) T 1 652・ 22- Y (W07) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 山本 敦子 |
特許庁審判長 |
寺光 幸子 |
特許庁審判官 |
手塚 義明 根岸 克弘 |
登録日 | 2013-01-11 |
登録番号 | 商標登録第5547611号(T5547611) |
権利者 | 旭有機材工業株式会社 |
商標の称呼 | ミックスワークス、ミックスワーキス |
代理人 | 特許業務法人北青山インターナショナル |
代理人 | 弁護士法人 衞藤法律特許事務所 |