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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2013900128 審決 商標
異議2013900100 審決 商標
異議2013900123 審決 商標
異議2013900145 審決 商標
異議2012900296 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W30
審判 全部申立て  登録を維持 W30
管理番号 1279033 
異議申立番号 異議2013-900103 
総通号数 166 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2013-10-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2013-04-19 
確定日 2013-09-20 
異議申立件数
事件の表示 登録第5550014号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5550014号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
登録第5550014号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおり、赤い地色の正方形の中に、「まきびかんちゃ」の平仮名と「薪火寒茶」の漢字を上下二段に書してなり、平成24年8月2日に登録出願、同年11月19日に登録査定され、第30類「緑茶,番茶,緑茶飲料,番茶飲料」を指定商品として、同25年1月18日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由の要点
本件商標は、茶の一種である「寒茶」を薪火で作るという生産方法を示しているに過ぎず、自他商品識別力を有しない。
また、本件商標は、指定商品として「緑茶,番茶,緑茶飲料,番茶飲料」を指定しているところ、これらの茶は「寒の季節に収穫しない、『寒茶』以外の茶」を含むものであるため、「寒茶」を含む本件商標を、「寒茶」以外の茶に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号、同第4条第1項第16号違反に該当するものであるから、登録を取り消されるべきである。

3 当審の判断
(1)登録異議申立人の提出に係る証拠(甲2ないし甲14)によれば、日本茶は、その収穫時期により、立春より数えて八十八夜(5月上旬)の一番茶をはじめとして、順次、二番茶、三番茶、四番茶(10月頃)があるほか、特に茶葉を真冬(寒)に摘むことからその収穫期に由来して「寒茶(かんちゃ)」との名称をもって呼ばれている茶があることが認められる。
そして、徳島県海陽町宍喰地区では、自生の山茶から「寒茶(かんちゃ)」を生産していたが、1989年に組合を作って商品化することとし、その茶が毎年生産されて、「宍喰寒茶」と称されていることが認められる。また、徳島県以外でも、例えば、兵庫県篠山市後川地方で「丹波寒茶」、愛知県豊田市足助地区で「足助寒茶」と呼ばれる茶などが生産されていること、さらに、「寒茶(かんちゃ)」は、寒の時期以外の時期に摘まれた茶葉に比すると、カフェインやタンニンが少ないとされていること、などが認められる。
また、茶葉を蒸す際に、薪を燃料としている写真が示されている(甲4及び甲11の1)。
(2)本件商標は、別掲のとおり、赤い地色の正方形の中に、「まきびかんちゃ」の平仮名と「薪火寒茶」の漢字(決定注:「薪」及び「茶」の冠部は旧字体(4画)の草冠である。以下同じ。)を二段に書してなるところ、その構成は、該「薪火寒茶」の各漢字の上部に「まき」「び」「かん」「ちゃ」を小さな文字でルビ風に表したものである。
そして、「薪火」の文字が「薪を焚いた火」程の意味合いを看取させることがあり、また、上記のとおり「寒茶」の文字が「真冬に摘まれる茶葉から作る茶」程の意味合いを理解させる文字であるとしても、これらの文字を、一連に表した「薪火寒茶」の文字は、茶の生産方法等を表す特定の具体的な意味合いを看取させるものとは認められない上、提出された全証拠を徴しても、茶を取扱う業界において、茶の生産方法等を表した文字として普通に用いられているとの実情をみいだすことはできない。
なお、茶葉を蒸す際に薪を燃料としている写真が示されているものの、これら2事例をもって直ちに、「寒茶(かんちゃ)」の生産に必須で固有の製法を示す文字であると認めることはできない。
してみれば、本件商標は、これをその指定商品に使用しても、商品の生産方法、品質を表示するものとはいえず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものというべきであるから、商標法第3条第1項第3号に該当しない。
(3)また、本件商標は、その構成中に「寒茶」の文字を有するが、該「寒茶(かんちゃ)」の文字が茶葉の収穫時期に由来する名称の一であると理解されることがあるとしても、茶葉の収穫時期が「寒(の時期)」であると認識させるに止まり、特定の具体的な商品の品質を表したものとして、需要者に認識されると認めるに足りる証左はみいだせない。
してみれば、本件商標をいずれの指定商品に使用しても、本件商標の構成中に「寒茶(かんちゃ)」の文字部分が存することをもって、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるとすることはできないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当しない。
(4)以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲(本件商標:色彩については原本参照)



異議決定日 2013-09-10 
出願番号 商願2012-66198(T2012-66198) 
審決分類 T 1 651・ 13- Y (W30)
T 1 651・ 272- Y (W30)
最終処分 維持  
前審関与審査官 安達 輝幸石井 亮 
特許庁審判長 内山 進
特許庁審判官 小川 きみえ
井出 英一郎
登録日 2013-01-18 
登録番号 商標登録第5550014号(T5550014) 
権利者 オーサワジャパン株式会社
商標の称呼 マキビカンチャ、タキギビカンチャ、シンカカンチャ、マキビカン、タキギビカン、シンカカン、マキビ、タキギビ、シンカ、カンチャ、カン、サム 
代理人 豊栖 康弘 
代理人 豊栖 康司 

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