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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2013685010 審決 商標
異議2013900085 審決 商標
異議2012900371 審決 商標
異議2013900070 審決 商標
異議2013900119 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W03
審判 全部申立て  登録を維持 W03
審判 全部申立て  登録を維持 W03
審判 全部申立て  登録を維持 W03
管理番号 1279026 
異議申立番号 異議2013-900044 
総通号数 166 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2013-10-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2013-02-08 
確定日 2013-09-12 
異議申立件数
事件の表示 登録第5536026号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5536026号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5536026号商標(以下「本件商標」という。)は、「ADOR」の欧文字と「アドール」の片仮名とを二段に横書きしてなり、平成24年6月7日に登録出願、第3類「化粧品,せっけん類」を指定商品として、同年10月15日に登録査定、同年11月16日に設定登録されたものである。その後、平成25年7月11日に、本件指定商品中の「化粧品(毛髪用ウェーブ剤,パーマネントウェーブ用中和剤を除く。),せっけん類」について商標権の登録の一部抹消がされた。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4268572号商標(以下「引用商標1」という。)は、「J’ADORE」の欧文字を標準文字で表してなり、1997年8月29日にスイス連邦においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、平成10年2月20日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同11年4月30日に設定登録されたものである。
(2)登録第4376886号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成11年5月7日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同12年4月14日に設定登録されたものである。
(以下、引用商標1及び2をまとめていうときは「引用各商標」という。)

3 登録異議の申立ての理由(要点)
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、欧文字「ADOR」と片仮名「アドール」の二段書きからなる商標であって、引用各商標に類似する商標であり、その指定商品も引用各商標の指定商品の一部と同一又は類似の商品に使用する商標である。
(2)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、申立人が香水に使用する商標として、我が国においては勿論のこと世界的に著名性を獲得している引用各商標と称呼及び外観において酷似した商標である。
これらの事情を考慮すると、本件商標がその指定商品に使用されるときには、これに接する取引者・需要者は、あたかも申立人若しくは申立人と組織的または経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかの如く認識し、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるというべきである。
(3)むすび
以上のことから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するというべきであり、その登録は取り消されるべきものである。

4 当審の判断
(1)引用各商標の著名性について
ア 申立人の異議申立て理由及び提出に係る甲第4号証ないし甲第31号証によれば、引用各商標は、フランスの著名なファッションデザイナーである「Christian Dior(クリスチャン ディオール)」を創始者とするフランス国法人である申立人の業務に係る香水に使用されている商標であり、1999年に販売が開始され、2001年に第29回FIFI賞(1973年にアメリカフレグランス協会が始めたフレグランス界のシンボル的な賞)スター・オブ・ザ・イヤー(全米女性香水部門)を獲得し(甲9)、2000年度版ないし2002年度版の香水図鑑(甲10、甲12、甲13)、2006年度版及び2008年の香水図鑑(甲18、甲19)並びに2002年1月5日発行の雑誌「男と女の香水選び 完全FILE」(甲11)及び2008年度版の雑誌「MY BEST 香水」(甲20)に香水「ジャドール」(以下「本件商品」という。)が紹介され、前記2001年度版の香水図鑑(甲13)には、「20世紀最後の、これが売れた!人気の香りベスト10」なる記事が掲載され、本件商品が、(東京)伊勢丹新宿店における「人気の香りベスト10」の10位であったことが確認できる。また、@cosmeの商品情報(甲24)あるいはYAHOO!JAPANのコスメ/クチコミ検索(甲25)のクチコミの投稿日時あるいは記載内容からすれば、2012年(平成24年)5月頃及び2013年(平成25年)2月ないし5月頃に本件商品が紹介され、販売されていたと認められるものであるから、本件商品は、登録査定時において継続して取引されていたものと推認できる。
なお、インターネットで本件商品が紹介されているとする甲第14号証は、日付の記載、説明等がなく、いつのものかを確認することができない。
イ 前記アで認定した事実によれば、引用各商標は、申立人に係る香水の商標として、本件商標の登録出願日(平成24年6月7日)及びその登録査定日(平成24年10月15日)の時点において、我が国の需要者の間に一定程度知られていたものと推認することができる。

(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記1のとおり、「ADOR」及び「アドール」の文字を二段に横書きしてなるところ、該構成文字に相応して「アドール」の称呼を生じ、また、該語は、特定の意味を有する語とは認められないものであるから、特定の観念が生じない造語として認識されるとみるのが相当である。
一方、引用各商標は、前記2あるいは別掲のとおりの構成からなるものであり、「J’ADORE」あるいは「j’adore」の各文字は、仏語で「大好き」等の意味を有し、「ジャドール」と発音されるものであるから、これより「ジャドール」の称呼及び「大好き」の観念を生ずるものである。
そこで、本件商標と引用各商標との類否について検討するに、外観については、本件商標の欧文字部分「ADOR」と、引用各商標の「J’ADORE」及び「j’adore」の文字部分とは、語頭において「J’」又は「j’」の文字及び語尾において「E」又は「e」の文字の有無という明らかな差異を有するものであるから、通常の注意力をもってすれば、その外観を見誤ることはないものというべきである。
次に、称呼についてみるに、本件商標から生ずる「アドール」の称呼と引用各商標から生ずる「ジャドール」の称呼とは、語頭部分において、「ア」と「ジャ」の音の差異を有するものであるところ、該差異音「ア」は有声の開放音で、明瞭に発せられる音であるのに対し、「ジャ」は濁音「ジ」を含む摩擦音であり、その音質を明らかに異にするものである。
そうとすれば、両称呼は、ともに4音という比較的短い音構成にあって、称呼における識別上重要な要素を占める語頭部分において、明らかに音質を異にするものであるから、これらの音の差異が両称呼全体に与える影響は決して小さいものとはいえず、両者は、これをそれぞれ一連に称呼するも、互いに聞き誤るおそれはないものというべきである。
また、本件商標からは特定の観念が生じないものであるから、観念において類似するものということはできない。
してみれば、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(3)商標法第4条第1項第15号について
引用各商標が前記(1)のとおり、香水の分野において、ある程度知られているものであるとしても、本件商標は、前記(2)のとおり、引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても、互いに相紛れるおそれのない非類似の商標であって、十分に区別し得る別異の商標というべきものである。
そうすると、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして引用各商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
別掲



別掲(引用商標2)(色彩については原本参照)


異議決定日 2013-09-02 
出願番号 商願2012-45912(T2012-45912) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (W03)
T 1 651・ 263- Y (W03)
T 1 651・ 261- Y (W03)
T 1 651・ 271- Y (W03)
最終処分 維持  
前審関与審査官 平松 和雄 
特許庁審判長 野口 美代子
特許庁審判官 村上 照美
高橋 幸志
登録日 2012-11-16 
登録番号 商標登録第5536026号(T5536026) 
権利者 タカラベルモント株式会社
商標の称呼 アドール、アドル、アドア 
復代理人 佐藤 俊司 
代理人 稲葉 良幸 
復代理人 春田まり子 
代理人 田中 克郎 
復代理人 田中 景子 
代理人 瀧野 文雄 
代理人 瀧野 秀雄 
代理人 川崎 隆夫 
代理人 宮川 美津子 
代理人 今井 貴子 

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