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審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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異議2013900048 | 審決 | 商標 |
異議2013900089 | 審決 | 商標 |
異議2013900077 | 審決 | 商標 |
異議2013900044 | 審決 | 商標 |
異議2013900101 | 審決 | 商標 |
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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X1825 審判 全部申立て 登録を維持 X1825 審判 全部申立て 登録を維持 X1825 審判 全部申立て 登録を維持 X1825 |
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管理番号 | 1279024 |
異議申立番号 | 異議2013-900057 |
総通号数 | 166 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2013-10-25 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2013-02-21 |
確定日 | 2013-08-30 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5540057号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5540057号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5540057号商標(以下「本件商標」という。)は、「KIIRA」の欧文字と「キーラ」の片仮名を2段に横書きしてなり、平成23年10月5日登録出願、第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ」及び第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,帽子,防暑用ヘルメット,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」を指定商品として、同24年11月2日に登録査定、同年11月30日に設定登録されたものである。 2 本件登録異議申立ての理由 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1項の規定に基づいてその登録は取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第47号証を提出した。 (1) 申立人が引用する商標 ア 登録第4994620号商標(以下「引用商標1」という。)は、「KILLAH」の欧文字を標準文字で表してなり、平成17年9月26日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同18年10月13日に設定登録されたものであり、現に有効に存続するものである。 イ 登録第5206196号商標(以下「引用商標2」という。)は、「KILLAH」の欧文字を標準文字で表してなり、平成19年5月8日に登録出願、第14類「貴金属,キーホルダー,身飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,時計」及び第18類「かばん金具,がま口口金,蹄鉄,愛玩動物用被服類,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,革ひも,毛皮」を指定商品として、同21年2月20日に設定登録されたものであり、現に有効に存続するものである。 ウ 国際登録第710479A号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、2000年(平成12年)9月6日に国際商標登録出願(事後指定)、第9類「Spectacles and sunglasses.」(眼鏡及びサングラス)を指定商品として、平成15年4月4日に設定登録されたものであり、現に有効に存続するものである。 以下、これらをまとめて「引用商標」という場合がある。 (2) 商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、「KIIRA」と「キーラ」の文字列より「キーラ」の称呼を生ずる。これに対して、引用商標1は、「KILLAH」の文字列より「キラー」の称呼を生ずる。両称呼を対比すると、「キ」、「ラ」の音を共通にし、長音の位置に差異を有するにすぎないものである。長音は、前音を発音したままの状態で伸ばす音であり、前音の余韻として感じられる程度のものであって明確には聴取され難いものである。 したがって、両者の称呼における前記差異が、その称呼全体に及ぼす影響は小さいものであって、全体として語感語調が極めて近似し、称呼上、相紛らわしく聞き誤るおそれがある。 なお、本件商標と引用商標1とは、本件商標の指定商品中、第25類の全指定商品と引用商標1の指定商品とが類似する。 よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。 (3) 商標法第4条第1項第15号について 引用商標は、イタリアのシックスティ・グループの一ブランドとして、少なくとも1998年には衣料品、アクセサリー、履物類について使用開始され、現在に至るまで継続して使用しているところ、イタリア発祥のファッションブランドとして、日本国内外の一般の取引者・需要者に認識され、また、業界紙やウェブサイトにおいて多数掲載されている。シックスティ・グループは、全世界的に商標登録を取得し、世界共通ブランドとして使用することで、ファション業界において一定の評判を獲得していることがわかる。更に、その店舗数は、世界各国で517店舗以上と拡大していることを考慮すれば、引用商標は、本件商標の登録出願日には既にファッションに関する業界における取引者・需要者において、広く認識されているものということができる。また、引用商標が申立人に移転されていることから、その長年にわたり商標に蓄積された信用は、申立人に引き継がれたものと考えるのが自然である。 そこで、本件商標と、引用商標を比較するに、本件商標は、「KIIRA/キーラ」の文字列より「キーラ」の称呼を生ずる。これに対して、引用商標は、欧文字の文字列より「キラー」の称呼を生ずる。両称呼を対比すると、「キ」,「ラ」の音を共通にし、長音の位置に差異を有するにすぎないものである。長音は、前音を発音したままの状態で伸ばす音であり、前音の余韻として感じられる程度のものであって明確には聴取され難いものである。 したがって、両者の称呼における前記差異が、その称呼全体に及ぼす影響は小さいものであって、全体として語感語調が極めて近似し、称呼上、相紛らわしく聞き誤るおそれがある。したがって、両者は明らかに称呼上、類似する商標である。 そして、引用商標が使用される多岐に亘るファッション関連の商品は、本件商標の指定商品については、若い女性を中心とした需要者層が共通することから、密接な関連性を有し、申立人の業務に係る商品と混同を来たすおそれがあることから、商標法第4条第1項第15号に該当する。 以上のように、引用商標は周知著名な商標であり、第三者が同一或いは類似の商標を使用した場合は、あたかも該商品が申立人の業務と何らかの関係にある商品であるかの如く見なされ、従って本件商標は、該商品の出所の混同を生ずるおそれのあるものに該当するといえる。 よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものである。 3 当審の判断 (1) 引用商標の周知性について 申立人提出の証拠及び同人の主張によれば、イタリアを本拠地とする国際的なファッショングループであるシックスティ・グループは、1989年にイタリアで設立され、デニムとファッションの共存を目指した製品を世界中のブティック、デパート、旗艦店で販売しており、同グループが抱えるブランドには、「Killah」の他、「MISS SIXTY」及び「ENERGIE」等がある。そして、引用商標についての商標登録は、シックスティ インターナショナル エス アー(以下「シックスティ」という。)の名義で行った後、申立人に譲渡を行っていること(甲9ないし甲12)、「Killah」に関する商標について、シックスティを商標権者又は出願人とする商標登録又は登録出願を世界中(中国、タイ、ベネルクス等)で35件有していること(甲17)、申立人を商標権者又は出願人とする商標登録又は登録出願を世界中(シンガポール、フィリピン、台湾等)で21件有していること(甲18)、シックスティの「KILLAH」商標を付した製品の年間売上高は、2008年に1,413,047ユーロ、2009年に985,856ユーロ、2010年に437,200ユーロ及び2011年が1,407,040ユーロを売上げ、年間宣伝広告費は、2000年に18,315,688ユーロから2008年に42,431,859ユーロ、2010年に20,313,458ユーロとなっていること(甲22)、シックスティの取引書類(インボイス)の右端には、「Killah」を含む8種の標章が表示されていること(甲23及び甲24)がうかがえる。 そして、我が国においては、2011年(平成23年)1月27日配信のBIGLOBE Kirei Styleニュースのウェブサイトにおいて、「イタリア発信のファッションブランド『KILLAH』日本初上陸」の見出しのもと、「イタリアのSIXTY GROUP(シックスティーグループ)が運営するファッションブランド『KILLAH(キラ)』が日本に初上陸する。」との記載があり、同日に、同内容の記事が「Fashionsnap.comNews」のウェブサイト及び「エル・ガール・オンライン」においても記載された(甲40ないし甲42)。また、2011年(平成23年)2月17日配信の「エル・ガール・オンライン」のウェブサイトにおいて、「KILLAHのショップでお買い物するとBIGなチャンスが!」の見出しのもと、「ファッショニスタの間で上陸がウワサされていたイタリア初の注目ブランド、KILLAH(キラ)が、満を持してこの春日本初上陸!・・・」の記載(甲43)及び日付は不明であるが、「Killah(キラ)」商品を紹介するウェブサイトが認められる(甲44及び甲45)。 しかしながら、提出された証拠は、本件商標の登録査定(2013年5月23日)の後に紙出力されたものであるところ、引用商標が被服に使用されていることは認められるものの、すべてが英語で記載されているため、その具体的な内容は不明である。そして、甲第22号証において、「KILLAH」商標を付した製品の年間売上高及び年間広告宣伝費を表した一覧表を提出しているが、この表から、我が国における売上高等を把握することはできないものである。 また、我が国においては、2011年(平成23年)2月19日に、国内第1号店がオープンする予定とのニュースがある(甲40ないし甲42)が、職権調査によれば、「FASHION PRESS」のウェブサイトにおいて、「きら:KILLAH」の項に、「『キラ(KILLAH)』はイタリアのデニムを中心とするファッションブランド。キラはシックスティ・グループのブランドで、1998年にスタートする。・・・2011年2月に日本初上陸しラフォーレ原宿に最初のショップをオープンするが、同年7月には店舗を閉店。日本から事実上撤退した。」との記載が認められる(http://www.fashion-press.net/brands/2582)。 さらに、申立人が、我が国において、引用商標を使用して、自己の業務に係る商品を販売、宣伝広告するなどした事実は見当たらない。 してみれば、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたものということはできない。 (2) 商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本件商標 本件商標は、前記1のとおり、「KIIRA」の欧文字と「キーラ」の片仮名を2段に横書きしてなるところ、上下段の構成各文字は、辞書等に掲載されていない造語と認められ、下段「キーラ」は、上段「KIIRA」の表音といえるものであるから、本件商標は、その構成文字に相応して「キーラ」の称呼が生じ、特定の意味合いを有するものではないから、観念は生じないものである。 イ 引用商標1 引用商標1は、前記2(1)アのとおり、「KILLAH」の欧文字を標準文字で表してなるところ、これより「キラー」若しくは「キラ」の称呼が生じるものであって、辞書等に掲載されていない造語と認められ、特定の意味合いを有するものではないから、観念は生じないものである。 ウ 本件商標と引用商標1の類否について 本件商標と引用商標1との類否について検討するに、外観においては、両商標は、上記ア及びイのとおり、外観上十分に区別できるものである。 また、称呼においては、本件商標が「キーラ」の称呼であるのに対し、引用商標1は、「キラー」又は「キラ」の称呼であるから、両称呼は、長音の位置が第2音目か第3音目の相違、若しくは、長音の有無の相違であって、わずか2音又は3音という短い音構成にあっては、該差異音が全体の称呼に及ぼす影響は少ないとはいえないから、両者をそれぞれ一連に称呼するときは、その語感、語調が相違し、互いに聴き誤るおそれはないというべきである。 さらに、観念においては、両商標共に、特定の観念を生じないものであるから、比較すべきところがない。 してみれば、本件商標と引用商標1とは、その外観、称呼及び観念のいずれからみても、何ら相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (3)商標法第4条第1項第15号について 前記(2)の認定のとおり、本件商標と引用商標1とは、何ら相紛れるおそれはない。 また、引用商標2は引用商標1と同一の商標と認められることから、本件商標とは、何ら相紛れるおそれはない。 さらに、引用商標3は、別掲のとおり、図案化された籠字で書された「KillaH」の欧文字とその右側にスペード様の図形を配してなるものであるから、外観においては、本件商標と明らかに区別できるものである。そして、「KillaH」の文字から生じる称呼においては、引用商標1及び2と同様、何ら相紛れるおそれはないものであり、観念においても相紛れるおそれはない。 そうとすると、本件商標と引用商標は、別異の商標であるばかりでなく、上記(1)の認定のとおり、引用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時に、需要者の間に広く知られているとまでは認めることができないから、本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者・需要者が引用商標を連想、想起するとはいえず、申立人又は申立人と経済的・組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものということはできない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号にも該当しない。(4) 結び 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
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異議決定日 | 2013-08-22 |
出願番号 | 商願2011-74564(T2011-74564) |
審決分類 |
T
1
651・
263-
Y
(X1825)
T 1 651・ 261- Y (X1825) T 1 651・ 262- Y (X1825) T 1 651・ 271- Y (X1825) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 渡辺 潤、小田 明 |
特許庁審判長 |
村上 照美 |
特許庁審判官 |
高橋 幸志 梶原 良子 |
登録日 | 2012-11-30 |
登録番号 | 商標登録第5540057号(T5540057) |
権利者 | 小林 慎一郎 |
商標の称呼 | キーラ、キイラ |
代理人 | 森下 賢樹 |
代理人 | 恩田 博宣 |
代理人 | 村田 雄祐 |
代理人 | 恩田 誠 |
代理人 | 高橋 菜穂恵 |