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審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2013900048 審決 商標
異議2013900089 審決 商標
異議2013900077 審決 商標
異議2013900044 審決 商標
異議2013900101 審決 商標

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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W091641
管理番号 1279017 
異議申立番号 異議2013-900016 
総通号数 166 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2013-10-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2013-01-21 
確定日 2013-08-29 
異議申立件数
事件の表示 登録第5529767号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5529767号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5529767号商標(以下「本件商標」という。)は、「IMAGINE CHANEL」の欧文字を標準文字で表してなり、平成24年2月23日に登録出願、第9類、第16類及び第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年10月5日に登録査定、同月19日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要旨)
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法第4条1項第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであるとし、その理由を以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし同第21号証を提出した。
(1)申立人について
ア 申立人は、1986年に米国で設立された映画・テレビ制作会社である(甲1及び甲2)。
イ 申立人は、他社との共作も含め、多数の映画・テレビ番組を制作し、それらは米国はもとより日本国内でも公開され、映像記録媒体(例えば、DVD等)の販売がなされている(甲1及び甲2)。
(2)申立人が有する登録商標について
ア 申立人は、日本において別掲のとおりの登録商標を有している(甲3)。
なお、日本国以外においても、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、コロンビア、デンマーク、欧州連合、香港、ニュージーランド、シンガポール、アメリカ合衆国において、登録商標・商標出願(商標「IMAGINE」及び/又は「IMAGINE(Stylized)」を有している。
イ 申立人の制作に係る作品のDVDには、甲第2号証に掲載されている別掲のとおりのロゴマーク(以下「使用商標」という。)が付され、日本国内で販売されている(甲4ないし甲10)。
なお、海外においても、登録商標を付したDVDが販売されている(甲11ないし甲13)。
(3)興行収入・ソフト売上について
・「8 Mile」
興行収入全世界$242875078(甲14)
・「アメリカン・ギャングスター」
興行収入全世界$266465037(甲15)
ソフト売上(日本)$4037000
・「ブルークッラシュ2」
ソフト売上(日本)$285000
・「チャンジリング」
興行収入全世界$113020256(甲16)
ソフト売上(日本)$3180000
・「インサイド・マン」
興行収入全世界$184376254(甲17)
ソフト売上(日本)$3117000
・「ロビン・フッド」
興行収入全世界$321669741(甲18)
・「ペントハウス」
興行収入全世界$142817865(甲19)
ソフト売上(日本)$1641000
・「僕が結婚を決めたワケ」
ソフト売上(日本)$196000
・「フロスト×ニクソン」
ソフト売上(日本)$326000
・「プライド栄光の絆」
ソフト売上(日本)$52000
(4)以上の結果、申立人の使用商標は、本件登録商標の出願日(平成24年2月23日)において、映像記録媒体、映画の制作・配給、映画の興行の企画又は運営等において、日本国内で周知となっている。
(5)商標法第4条第1項第15号の「混同を生じるおそれ」について
ア 本件商標と申立人の使用商標との類似性の程度について
本件商標は、標準文字で「IMAGINE CHANEL」と書されたものであり、「IMAGINE」と「CHANEL」と間の一文字分のスベースは明瞭に認識できる。このため、本件商標は「IMAGINE」と「CHANEL」と欧文字から構成されていることは明確である。
他方、使用商標は「IMAGINE」であり、本件商標と「IMAGINE」部分が同一である。
したがって、本件商標からも使用商標からも「イマジン」の称呼が生じ、両商標は類似する。
イ 使用商標は、申立人が制作に加わった作品には表示されており、提出証拠により、少なくとも2002年から日本国内で使用されていることは明らかである。
また、上述の興行収入、ソフト売上も考慮すると、使用商標は本件商標出願時(平成24年(2012年)2月23日)には、周知・著名である。
ウ 本件商標の指定商品・指定役務と使用商標との関係
使用商標と本件商標の指定商品・指定役務とは密接な関係を有しているといえる。
エ 商品等の消費者及び需要者の共通性、その他の取引の実情
本件商標の消費者と使用商標が付されている商品・役務の消費者とは共通する。
オ まとめ
以上より、使用商標が、本件商標の指定商品・指定役務に使用された場合、異議申立人と密接な営業関係にある営業主の業務に係る商品等と誤信されるおそれがある。

3 当審の判断
(1)使用商標の著名性について
申立人は、1986年に米国で設立された映画・テレビ制作会社であって(甲1)、我が国においてDVD(ブルーレイディスクを含む。以下同じ。)化された映画のジャケットの裏面には、作品のストーリー、キャスト等の表示の下に、映画制作に関わった多数の企業名等と共に、小さく使用商標が表示されていることを認めることができる(甲4ないし甲10)。
しかしながら、これにより申立人が、前記DVDに収録された映画制作に関わったことは認められるものの、当該DVDの発売元として、「ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント」と表示されていることからすれば、これに接する取引者、需要者が、他の企業名等とともに小さく表示された使用商標を当該DVDの出所を表示したものとして認識、把握するとはいえないものである。
その他、申立人の制作に係る映画を収録したDVDに、その出所識別機能として、使用商標が使用されている証拠の提出はない。
また、申立人が提出した甲第14号証ないし項第19号証によれば、申立人が映画制作会社であること及び映画の興行収入(例えば、8Mileの製作会社欄、興行収入全世界$242,875,078 甲14)は確認できるものの、これらの証拠からは申立人が関わったとする映画の制作に、申立人が使用商標を使用している事実は確認できない。
そうすると、使用商標は、本件商標の登録出願日及び登録査定日の時点において、映像記録媒体(例えば、DVD等)、映画の制作・配給、映画の興行の企画又は運営等の我が国における需要者等の間に広く認識されていたとは認められない。
(2)本件商標と使用商標の類否について
本件商標は、上記1のとおり「IMAGINE CHANEL」の欧文字を標準文字で表してなるところ、該文字は同書、同大でまとまりよく一体に表されているものであって、これより生ずる「イマジンシャネル」の称呼も格別冗長というべきものではなく、無理なく一連に称呼し得るものである。
そうすると、本件商標は、殊更、前半部分の「IMAGINE」の文字のみに着目し取引に資されることはなく、その構成全体をもって出所を表示する標章として認識されるものとみるのが相当である。
してみれば、本件商標は、その構成文字に相応して「イマジンシャネル」の一連の称呼のみを生じ、特定の観念を生じさせない一連の造語というべきである。
一方、使用商標は、別掲のとおり「IMAGINE」の欧文字と、該文字の逆さ文字をボーダー柄に薄れさせたごとき構成よりなるところ、その構成全体で「イマジン」の称呼及び「想像する」の観念を生じるものである。
そうすると、本件商標と使用商標は、外観においては、前記のとおりの構成よりなるものであるから、明らかに区別できる差異を有するものである。
次に、称呼においては、本件商標から生じる「イマジンシャネル」の称呼と使用商標から生じる「イマジン」の称呼とは、その構成音数及び音構成に明らかな差異を有するものであるから、両者は、称呼上相紛れるおそれはないものである。
そして、観念については、本件商標は特定の観念を生じないのに対し、使用商標は、「想像する」の観念を生じるものであるから、相紛れるおそれのないものである。
そうとすれば、本件商標と使用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても類似しない非類似の商標というのが相当である。
(4)商標法第4条第1項第15号該当性について
前記(3)のとおり、本件商標は、使用商標と類似する商標ではない。
そして、前記(2)のとおり、使用商標は、申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして、本件商標の登録出願日及び登録査定日の時点において我が国において需要者の間に広く認識されていたものとはいえない。
そうすると、本件商標に接する取引者・需要者は、使用商標を直ちに想起又は連想するものとみることはできない。
してみれば、商標権者が本件商標をその指定商品及び指定役務中、第9類の指定商品及び第41類の指定役務について使用しても、本件商標に接する取引者、需要者は、該商品及び役務が申立人又はこれと何らかの関係のある者の業務に係る商品又は役務であるかのように、商品又は役務の出所について混同を生ずるおそれがある商標ということはできない。
したがって、本件商標が、商標法第4条第1項第15号に該当するとする申立人の主張は理由がない。
(5)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲 申立人所有商標及び使用商標





異議決定日 2013-08-21 
出願番号 商願2012-12968(T2012-12968) 
審決分類 T 1 652・ 271- Y (W091641)
最終処分 維持  
前審関与審査官 大澤 恒介山本 敦子赤星 直昭 
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 大森 健司
前山 るり子
登録日 2012-10-19 
登録番号 商標登録第5529767号(T5529767) 
権利者 シャネル エス アー エール エル
商標の称呼 イマジンシャネル、イマジン、シャネル 
代理人 田中 克郎 
復代理人 池田 万美 
代理人 稲葉 良幸 
代理人 山本 健策 
代理人 石川 大輔 
代理人 森下 夏樹 
代理人 山本 秀策 
復代理人 佐藤 俊司 
代理人 飯田 貴敏 

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