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審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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不服201221126 | 審決 | 商標 |
不服20135362 | 審決 | 商標 |
不服201217750 | 審決 | 商標 |
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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X35 |
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管理番号 | 1278884 |
審判番号 | 不服2012-15406 |
総通号数 | 166 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2013-10-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2012-08-08 |
確定日 | 2013-08-12 |
事件の表示 | 商願2011-63052拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「通販薬局」の文字を標準文字で表してなり、第35類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成23年9月2日に登録出願され、その後、指定役務については、原審における同24年3月5日受付の手続補正書により、第35類に属する別掲1のとおりの役務に補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標『通販薬局』の構成中『通販』の文字は、『通信販売の略。』を意味する語として、『薬局』の文字は、『薬剤師が調剤する場所、また併せて医薬品の販売を行う店。』等の意味を有する語として、いずれも一般的に使用されている。そうすると、本願商標は全体として『通信販売を行う薬局』程の意味合いを容易に理解させるものであり、これをその指定役務に使用しても、これに接する取引者・需要者は、『通信販売を行う薬局により提供される役務』であると理解するに止まり、単に役務の質を普通に用いられる方法で表示するにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審における手続の経緯 当審において、平成25年4月12日付けの証拠調べ通知書により、請求人に対し、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、別掲2のとおり、本願の指定役務に係る業界において、名称中に「薬局」を使用したインターネット上のショップ等で、本願の指定役務中の取扱商品を含む様々な商品が通信販売(提供の方法)により販売されている事実を挙げて、意見を求めたところ、請求人は、同年5月24日に意見書を提出した。 4 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号該当性について 本願商標は、前記1のとおり、「通販薬局」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「通販」の文字は、「通信販売の略。」を意味し、「薬局」の文字は「薬剤師が調剤する場所、また併せて医薬品の販売を行う店。」の意味を有する既成語(以上、広辞苑第六版)であって、広く一般に親しまれた語であると認められる。 そして、別掲2に挙げた証拠によれば、「通信販売」は「無店舗販売の一形態。新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、インターネット、カタログなどを通じて商品を紹介し、電話、FAX、ウェブサイト、Eメールなどで顧客からの注文を受け、小包郵便や宅配便などの郵送手段で注文品を配達する販売方法。」を意味する語であり、また、本願の指定役務に係る業界において、名称中に「薬局」を使用したインターネット上のショップ等が、本願の指定役務中の取扱商品を含む様々な商品を、インターネットや電話、FAX等の通信販売により販売している事実が認められる。 してみれば、本願商標は、これをその指定役務について使用するときは、これに接する取引者、需要者をして、「通信販売を行う薬局」程の意味合いを認識・理解させるに過ぎないから、役務の質、提供の方法を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と判断するのが相当である。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。 (2)請求人の主張について ア 請求人は、当審で提示されたインターネット情報が全て「インターネット通販を行っている薬局」であって、「インターネット上で薬が買える薬局」を一般に「オンライン薬局」と称していること、「通販薬局」の語が「通信販売を行う薬局」との意味合いで使用されている例がほとんど見当たらないこと、並びに、インターネットにおいて「通販薬局」を自他役務識別標識として使用しているのは主に請求人であること等を総合勘案すると、本願商標は、十分、自他役務の識別標識として取引者・需要者に認識し得るものである旨主張する。 しかしながら、別掲2で挙げた証拠のインターネット情報によれば、インターネット経由ではない電話やFAX等による注文も受け付け、薬以外の商品も取り扱っている薬局も存在すること、また、「通販薬局」の文字を請求人以外の者がほとんど使用していないとしても、上記(1)のとおり、本願商標は指定役務の質等を表示するにとどまるものであって、自他役務の識別標識として機能するものではないことからすれば、本願商標についての商標法第3条第1項第3号の適用を免れることはできないというべきである(昭和60年(行ツ)第68号、昭和61年1月23日最高裁判所第一小法廷判決 参照)。 イ 請求人は、過去の登録例を挙げ、本願商標も同様に登録されてしかるべきである旨主張する。 しかしながら、本願商標が、自他役務の識別標識としての機能を果たすものであるか否かは、本願商標自体の具体的な構成とその指定役務との関係から、審決時において、指定役務の取引の実情等を考慮して個別かつ具体的に判断されるべきものであって、他の商標登録の事例の存在によって、本件の判断が左右されるものではない。 したがって、請求人の主張は、いずれも採用することができない。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものとした原査定は、妥当であって、取り消すことができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲1(本願商標の補正後の指定役務) 第35類 「薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,酒類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,食肉の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,食用水産物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,野菜及び果実の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,米穀類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,牛乳の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,清涼飲料及び果実飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,空気清浄器及び家庭用空気清浄用マイナスイオン発生器の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,歩数計及び電子体重計の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」 別掲2(平成25年4月12日付けの証拠調べ通知書により通知した事実) 以下の例のとおり、本願の指定役務に係る業界において、名称中に「薬局」を使用したインターネット上のショップ等で、本願の指定役務中の取扱商品を含む様々な商品が通信販売(提供の方法)により販売されている事実が窺える。 〔インターネット情報関係〕 ア ナガエ薬局のウェブサイト 「ナガエ薬局へようこそ!」の見出しの下、「ナガエ薬局ではいろんな成分やメーカーのサプリメントなどの健康食品の通販をはじめ、漢方薬やビタミン剤関連の医薬品、ラプレシアやアルージェなどの化粧品、ステッキや腰痛ベルトといった介護用品、国旗など幅広い商品を取り扱っています。」との記載がある。 (http://www.nagae-ph.com/) イ ウイング薬局のウェブサイト 「化粧品・医薬品・日用品・介護用品・健康食品の通販を行うウイング薬局」との記載がある。 (http://wing-pharmacy.com/) ウ ますだ薬局のウェブサイト 「健康食品の通販(通信販売)」及び「マスク・膏薬・入浴剤・馬油の通販(通信販売)」との記載がある。 (http://www12.ocn.ne.jp/~masuda7/) エ 松浦薬局のウェブサイト 「通信販売」の見出しの下、「松浦薬局では、MY PHARMACY STORE松浦薬局として通信販売しております。」との記載がある。 (http://www.mypharmacy.jp/) オ 世伸堂薬局のウェブサイト 「漢方生薬、漢方薬酒通信販売 漢方のことならご相談下さい」との記載がある。 (http://www.seisindou.jp/) カ あゆみ薬局のウェブサイト 「ご注文は電話、FAXでも承っております。」及び「通信販売会員について」との記載がある。 (http://www.sanwa-medical.co.jp/) キ まつもと薬局のウェブサイト 「通信販売による商品購入方法」のページにおいて、「低たんぱく質食品」等の商品が通信販売されており、「《腎臓病食品等通信販売のご利用について》」や「ご注文方法は下記を参照に、TEL・FAX・メールよりご都合の良い方法をお選び下さい。」との記載がある。 (http://www.matumoto.info/shokuhin/order.html) ク 漢方のサツマ薬局のウェブサイト インターネット・ショッピングモール楽天市場内に開設されたウェブサイトにおいて医薬品等を通信販売しており、また、「医薬品通信販売の届出」や「通信販売に従事するその他の専門家」などの記載がある。 (http://www.rakuten.co.jp/satuma/) (参考)「通信販売」の意味 ○「現代用語の基礎知識2013」(2013年1月1日発行)591頁 「通信販売」の項において、「無店舗販売の一形態。新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、インターネット、カタログなどを通じて商品を紹介し、電話、FAX、ウェブサイト、Eメールなどで顧客からの注文を受け、小包郵便や宅配便などの郵送手段で注文品を配達する販売方法。」との記載がある。 |
審理終結日 | 2013-06-18 |
結審通知日 | 2013-06-19 |
審決日 | 2013-07-02 |
出願番号 | 商願2011-63052(T2011-63052) |
審決分類 |
T
1
8・
13-
Z
(X35)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 浦崎 直之 |
特許庁審判長 |
村上 照美 |
特許庁審判官 |
冨澤 武志 梶原 良子 |
商標の称呼 | ツーハンヤッキョク、ツーハン |
代理人 | 茅原 裕二 |