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審決分類 審判 全部無効 観念類似 無効とする(請求一部成立)取り消す(申し立て一部成立) X30
審判 全部無効 外観類似 無効とする(請求一部成立)取り消す(申し立て一部成立) X30
審判 全部無効 称呼類似 無効とする(請求一部成立)取り消す(申し立て一部成立) X30
審判 全部無効 商品(役務)の類否 無効とする(請求一部成立)取り消す(申し立て一部成立) X30
管理番号 1276450 
審判番号 無効2012-890072 
総通号数 164 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2013-08-30 
種別 無効の審決 
審判請求日 2012-08-22 
確定日 2013-07-01 
事件の表示 上記当事者間の登録第5104068号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第5104068号の指定商品中「第30類 氷砂糖,水あめ」についての登録を無効とする。 その余の指定商品についての審判請求は成り立たない。 審判費用は、その2分の1を請求人の負担とし、2分の1を被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5104068号商標(以下「本件商標」という。)は、「FITNESS」の欧文字と「フィットネス」の片仮名を上下二段に書してなり、平成19年4月11日に登録出願、第30類「茶,ウースターソース,グレービーソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,角砂糖,果糖,氷砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ,ごま塩,食塩,すりごま,セロリーソルト,うまみ調味料,香辛料,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類」を指定商品として、平成19年12月6日に登録査定、同20年1月11日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
請求人が本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する登録第1272717号商標(以下「引用商標」という。)は、「FITNESS」の欧文字を書してなり、昭和49年11月27日に登録出願、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同52年5月30日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録が3回なされ、さらに、平成19年6月20日に第30類「菓子,パン」を指定商品とする書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

第3 請求人の主張
請求人は、本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第8号証を提出した。
1 利害関係について
請求人は、引用商標の所有者であるところ、これに近似する本件商標の使用に由来する商品の出所の混同を防止するため、また、シリーズ商標「Fitness+図形」(国際登録第1101458号)の暫定的拒絶理由を解消するために(甲第5号証及び甲第6号証)、無効審判の請求を行うものである。
よって、請求人は、本件審判請求を行うことについての利害関係を有する。
2 無効理由
本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して商標登録されたものであるから、その登録は、同法第46条に基づき無効とされるべきものである。
3 具体的理由
(1)商品の類否
商品の類否を判断するに際しては、生産部門・販売部門・原材料及び品質・用途・需要者の範囲が一致するかどうかを基準に総合的に考慮し、原則として、類似商品・役務審査基準によって判断すべきである(甲第7号証)。
本件商標の指定商品中「氷砂糖,水あめ」は、その用途によって、「菓子」と「調味料」にまたがって例示されており(甲第8号証)、これらの商品が、引用商標の指定商品「菓子」と類似することは明らかである。
(2)商標の類否
本件商標は、欧文字「FITNESS」と片仮名「フィットネス」を上下二段に書してなる。これに対し、引用商標は欧文字「FITNESS」からなることから、両者は、称呼及び観念を共通にする類似の商標であることも明らかである。
(3)小結
引用商標の登録出願日は昭和49年11月27日であり、本件商標の登録出願日(平成19年4月11日)より前であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
4 まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するにもかかわらず登録されたものであるから、その登録は同法第46条第1項第1号に基づき無効とされるべきである。

第4 被請求人の答弁
被請求人は、何ら答弁していない。

第5 当審の判断
1 利害関係について
無効審判の請求人は、審判請求をするについて法律上の利益を有することを要すると解されるところ、請求人は、上記「引用商標」の所有者であると認められる。
そして、請求人は、本件商標の存在によって、自己の商標及びその管理すべき商標との間で直接的な影響を受けることがあり得るとみられるから、本件審判の請求について利害関係を有する者というべきである。
2 本件商標と引用商標の類否について
(1)商標の類否について
本件商標は、「FITNESS」の欧文字と「フィットネス」の片仮名文字を上下二段に書してなるものであるから、その構成各文字に相応して「フィットネス」の称呼及び「適切、健康」等の観念を生じるものである。
これに対し、引用商標は、「FITNESS」の欧文字を書してなるものであるから、その構成文字に相応して「フィットネス」の称呼及び「適切、健康」等の観念を生じるものである。
そして、本件商標と引用商標とは、「FITNESS」の文字構成において外観上共通にするものである。
そうすると、本件商標と引用商標とは、「フィットネス」の称呼、「適切、健康」等の観念及び「FITNESS」の外観を共通にする類似の商標というべきである。
(2)商品の類否について
ア 指定商品「氷砂糖,水あめ」について
(ア)省令別表(第6条関係)〔商標法施行規則の一部を改正する省令(平成18年10月27日経済産業省令第95号)〕における掲載
第30類中「四 調味料」の下位に「(三)角砂糖 果糖 氷砂糖 砂糖 麦芽糖 はちみつ ぶどう糖 粉末あめ 水あめ」の掲載がある。
また、第30類中「十二 菓子及びパン」の下位、「(一)和菓子」中に「甘栗 … 氷砂糖 … 水あめ … らくがん」の掲載がある。
(イ)「類似商品・役務審査基準〔国際分類第9版対応〕」における掲載
第30類「調味料」(類似群コード:31A01?31A05)の下位の点線の枠内に「角砂糖 果糖 氷砂糖 砂糖 麦芽糖 はちみつ ぶどう糖 粉末あめ 水あめ」(類似群コード:31A03)の掲載がある。
また、第30類「菓子及びパン」(類似群コード:30A01)の「1 和菓子」の下位に「甘栗 … 氷砂糖 … 水あめ … らくがん」の掲載がある。
イ そうすると、上記省令別表及び類似商品・役務審査基準において、指定商品「氷砂糖,水あめ」は、その用途により、調味料として取引される「氷砂糖,水あめ」と菓子として取引される「氷砂糖,水あめ」が例示されているということができる。
ウ 本件商標の指定商品中の「氷砂糖,水あめ」について
本件商標の指定商品は、上記第1のとおり、第30類「茶,…,角砂糖,果糖,氷砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ,…,食用粉類」であるところ、前記ア(ア)及び(イ)に例示されている商品と同一の商品が同一の記載順で指定されていることからすると、本件商標の指定商品中の「氷砂糖,水あめ」は、調味料としての商品を指定したものというのが相当である。
エ 引用商標の指定商品中の「菓子」について
引用商標の指定商品中には、「菓子」があり、菓子には前記ア(ア)及び(イ)によれば、菓子としての 「氷砂糖,水あめ」が含まれているということができる。
オ ところで、「氷砂糖」については、「【氷砂糖】 純度の高い砂糖を溶かし、時間をかけて大粒に結晶させたもの。料理・果実酒などに用い、またそのまま食べる。」(広辞苑第6版)と記載されており、また、インターネット情報のウィキペディアによれば、「氷砂糖(こおりざとう)は砂糖の一種で、純度の高いショ糖の大きな結晶である。外観が氷とよく似ているため、この名がある。」の記載、さらに、用途の項に「梅酒などの果実酒は、梅の青い実やカリン、レモンなどと氷砂糖を焼酎で漬けてつくられる。そのままで、非常食や、飴に似た菓子(ただし飴は氷砂糖と異なり結晶ではなくアモルファスである)として食用にもする。」と記載されている。
また、「みずあめ」については、「【水飴】粘液状の飴。汁飴。」(広辞苑第6版)と記載されており、また、インターネット情報のウィキペディアによれば、「水飴(みずあめ)は、デンプンを酸や糖化酵素で糖化して作られた粘液状の甘味料。ブドウ糖、麦芽糖、デキストリンなどの混合物で、主成分は麦芽糖である。常態ではほぼ透明だが、混練して空気を含ませると銀白色を呈する。」の記載、さらに、概要の項に「…飴としてそのまま食べるほか、調理材料として広範に利用される。砂糖が日本に伝来する前には主要な甘味料として利用されていたが、今でも和菓子では甘味料のひとつとして使われている。…」と記載されている。
カ 以上よりすると、本件商標の指定商品中の調味料としての「氷砂糖,水あめ」と、引用商標の指定商品中の「菓子」の範ちゅうに属する「氷砂糖,水あめ」とは、前者が「調味料」として用いられる商品であり、後者が菓子(和菓子)として用いられる商品であって用途が異なるとしても、商品の製造部門が同一であり、また、原材料も同じくする場合があり、その他、販売場所、需要者の範囲においても密接な共通性ないし関連性を有するものであるから、類似する商品というのが相当である。
なお、仮に、本件商標の指定商品中の「氷砂糖,水あめ」が、「菓子」の範ちゅうに属する「氷砂糖,水あめ」であるならば、引用商標の指定商品と類似する商品であること明らかである。
(3)そして、被請求人は、請求人の主張に対し何ら答弁していない。
(4)小結
以上のとおりであるから、本件商標は、その指定商品中「氷砂糖,水あめ」について、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
3 むすび
したがって、本件商標は、その指定商品中「氷砂糖,水あめ」については、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定により、無効とすべきものである。
しかしながら、本件商標の指定商品中「氷砂糖,水あめ」以外の指定商品については、引用商標の指定商品と同一又は類似する商品とは認められないものであり、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、それらについての登録を無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2013-02-05 
結審通知日 2013-02-07 
審決日 2013-02-21 
出願番号 商願2007-35708(T2007-35708) 
審決分類 T 1 11・ 264- ZC (X30)
T 1 11・ 263- ZC (X30)
T 1 11・ 261- ZC (X30)
T 1 11・ 262- ZC (X30)
最終処分 一部成立  
前審関与審査官 田口 善久 
特許庁審判長 野口 美代子
特許庁審判官 大森 健司
内山 進
登録日 2008-01-11 
登録番号 商標登録第5104068号(T5104068) 
商標の称呼 フィットネス 
代理人 黒川 朋也 
代理人 工藤 莞司 
代理人 清水 尚人 
代理人 長谷川 芳樹 
代理人 森川 邦子 
代理人 小暮 君平 

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