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審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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不服201220681 | 審決 | 商標 |
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審決分類 |
審判 査定不服 称呼類似 登録しない X09 審判 査定不服 観念類似 登録しない X09 |
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管理番号 | 1275248 |
審判番号 | 不服2012-17812 |
総通号数 | 163 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2013-07-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2012-09-12 |
確定日 | 2013-05-30 |
事件の表示 | 商願2011-81061拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「Entry Tablet」の欧文字を標準文字で表してなり、第9類「電子計算機,電子計算機用プログラム,その他の電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具,電子出版物」を指定商品として、平成23年11月11日に登録出願してなるものである。 2 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。 (1)登録第1697674号商標は、「ENTRY」及び「エントリー」の各文字を上下2段に表してなり、昭和56年12月3日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同59年6月21日に設定登録され、その後、平成6年11月29日及び同16年4月13日の2回にわたって商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同年12月1日に指定商品を第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,電池」とする指定商品の書換登録がされたものである。 (2)登録第2506887号商標は、「ENTRY」の文字を表してなり、平成2年2月9日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同5年2月26日に設定登録され、その後、同15年2月25日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同年6月18日に指定商品を第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,電池」とする指定商品の書換登録がされたものである。 以下、これらをまとめて引用商標という。 3 当審の判断 (1)本願商標 本願商標は、前記1のとおり、「Entry Tablet」の欧文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字に照らせば、「Entry」の語と「Tablet」の語とを組み合わせてなるものと看取されるものである。 ところで、本願の指定商品を取り扱う業界においては、近年の情報技術の発達に伴い、いわゆるタブレット型のコンピュータ(端末)の普及が進んでいるところ、そのようなコンピュータ(端末)を指称する語として、「Tablet」あるいは「タブレット」の語が一般に広く用いられているのが実情であり、また、商品展開にあたり、共通の商品名ないしは商標に「Tablet」や「タブレット」の語を付記して、該商品がタブレット型のコンピュータ(端末)であることを表示する事実もうかがわれる(別掲1ないし9参照)。 してみれば、本願商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、その構成中の「Tablet」の語について、該商品がタブレット型のコンピュータ(端末)あるいは同コンピュータ(端末)用のものであることを表示するものとして看取、認識する場合も決して少なくないとみるのが相当である。 他方、本願商標の構成中の「Entry」の語については、「エントリー」の読み及び「競技会・コンテストなどへの参加の申し込み。」等の意味を有する語として、一般に慣れ親しまれているものといえるものの、これが、本願の指定商品との関係において、特定の商品の具体的な品質等を表示するものとして看取、認識されるとはいい難い。 以上を踏まえれば、上記構成からなる本願商標は、その構成中の「Tablet」の語から、出所識別標識としての称呼及び観念を生じることはなく、該語以外の「Entry」の語が出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものというべきである。 してみれば、本願商標は、その構成中の「Entry」の語が出所識別標識としての要部たり得るから、該語に相応して、「エントリー」の称呼及び「競技会などへの参加の申し込み」の観念を生じるものと認める。 (2)引用商標 引用商標は、前記2のとおり、それぞれ「ENTRY」及び「エントリー」の各文字を上下2段に表してなるもの及び「ENTRY」の文字を表してなるものであるから、本願商標における場合と同様に、その構成文字に相応する「エントリー」の称呼及び「競技会などへの参加の申し込み」の観念を生じるものである。 (3)本願商標と引用商標との類否 本願商標と引用商標とは、それぞれ上記のとおりの構成からなるものであるから、その構成全体の比較においては相違するものの、本願商標の構成中の「Entry」の文字部分は、引用商標の「ENTRY」と文字の綴りを同一にするものであるから、両商標は、外観上、近似した印象を与えるものである。 また、本願商標は、上記のとおり、その構成中の「Entry」の文字部分が、出所識別標識としての要部たり得るものであり、これより、該文字部分に相応する「エントリー」の称呼を生じ、かつ、「競技会などへの参加の申し込み」の観念を生じるものであるところ、該称呼及び観念は、引用商標から生じる称呼及び観念と同一である。 そうすると、本願商標と引用商標とは、外観上、近似した印象を与えるものであり、称呼及び観念を同一にするものであるから、これらを総合勘案すれば、本願商標と引用商標とは、互いに紛れるおそれがある類似の商標というべきである。 そして、本願の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品を含むものである。 なお、請求人(出願人)は、登録例を挙げて、本願商標もこれらと同様に登録されるべきである旨主張するが、登録出願に係る商標の類否の判断は、過去の登録例、審決例等に拘束されることなく、該出願についての査定時又は審決時において、その判断の対象となる商標が使用される商品に係る取引の実情等をも併せ考慮して、個別具体的に判断されるべきものであるところ、本願商標と引用商標とは、両者に共通する指定商品に係る取引の実情をも総合勘案したときに、互いに紛れるおそれがある類似の商標であることは、上記においてした認定、判断のとおりであるから、請求人の主張を採用することができない。 (4)まとめ 以上によれば、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであり、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 1 2012年9月6日付け「日本経済新聞」(地方経済面 北陸 8頁)に「エイブルコンピュータ、ネット上に保存したデータ、移動や管理、簡単に。」の見出しの下、「ソフト発売へ/ソフトウエア開発のエイブルコンピュータ(石川県能美市)は複数の『オンラインストレージ』に保存した様々なデータを1つの画面上で移動や管理ができるソフトを、スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)やタブレット向けに年内にも発売する。」の記載がある。 2 2013年1月17日付け「日経産業新聞」(5頁)に「iPadで業務効率化、富士ゼロックス、複合機を統合操作。」の見出しの下、「富士ゼロックスは16日、米アップルのタブレット(多機能携帯端末)『iPad』を複合機やクラウドサービスと連携するための企業向けソフトウエアの新製品を発表した。文書の編集や印刷をタブレットから統合的に操作することで業務の効率化が見込める。」の記載がある。 3 2013年2月22日付け「ニッキン」(4頁 都長銀信託・証券保険)に「みずほ銀行、邦銀初のタブレット専用アプリ、大画面で分かりやすく」の見出しの下、「みずほ銀行は、2月7日から個人顧客向けに『みずほ銀行アプリfor Tablet』の提供を開始した。タブレット端末はスマートフォン(高機能携帯電話)に比べて大画面で見やすいことが特徴で、様々な情報を分かりやすく提供する。(省略)対象端末は、Android OS2.2以上を搭載したタブレット端末から先行して提供。最初は同行のホームページからダウンロードして利用する。」の記載がある。 4 「日経パソコン2011年4月25日(No.624)」(日経BP社発行)の48頁に「タブレットが開く新世界」の見出しの下、「ノートパソコンとスマートフォンの中間サイズで、タッチ操作で使うタブレット端末が増えつつある。(省略)タブレットの魅力を探ってみよう。」の記載がある。 5 「日経パソコン2011年10月24日(No.636)」(日経BP社発行)の50頁に「最新タブレットの選びの勘所」の見出しの下、「タッチパネルで快適操作。薄型で手軽に持ち運べる。そんなタブレット端末の新製品が次々と登場している。」の記載がある。 6 「ソニーマーケティング株式会社」のウェブサイトにおいて、「XPERIA/Sony Tablet」に係る「楽しみが広がる」の見出しの下、「NFC対応のXperia(TM)スマートフォン*なら、Xperia(TM)Tablet Zにかざすだけでコンテンツのやりとりが簡単。」の記載がある(http://www.sony.jp/tablet/solution/smp.html)。 7 「株式会社東芝」のウェブサイトにおいて、「レグザタブレット/REGZA Tablet」の見出しの下、商品のラインアップとして複数のタブレット型のコンピュータ(端末)が紹介されるとともに、「映像コンテンツの楽しみ方がひろがるREGZA WORLD」の見出しの下に「高画質を/楽しむ REGZA」、「録画を/楽しむ REGZA/レグザブルーレイ」、「音響に/こだわる REGZA/レグザラック」及び「PCで/楽しむ dynabook/REGZA PC」の記載がある(http://www.toshiba.co.jp/regza/tablet/index_j.htm)。 8 「日本ヒューレット・パッカード株式会社」のウェブサイトに係る「HPビジネスノートブック総合カタログ」において、「タブレットで使う/HPビジネスノートブックPC」の見出しの下、「HP EliteBook 2760p Tablet PC」と称する商品が紹介されるとともに、「最高のパフォーマンスを発揮する/プロフェッショナルモデル」の見出しの下、「HP EliteBook 2170P(/CT) Notebook PC」と称する商品が紹介されている(http://h50146.www5.hp.com/lib/doc/catalog/notebook/jpt07211_11.pdf)。 9 「レノボ・ジャパン株式会社」のウェブサイトにおいて、「ノートパソコン&ネットブック」の見出しの下、「THINKPAD」と称する商品が紹介されるとともに、「タブレット」の見出しの下、「THINKPAD TABLETS」と称する商品が紹介されている(http://shopap.lenovo.com/jp/products/)。 |
審理終結日 | 2013-03-29 |
結審通知日 | 2013-04-02 |
審決日 | 2013-04-16 |
出願番号 | 商願2011-81061(T2011-81061) |
審決分類 |
T
1
8・
263-
Z
(X09)
T 1 8・ 262- Z (X09) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 久保田 正文 |
特許庁審判長 |
寺光 幸子 |
特許庁審判官 |
田中 敬規 池田 佐代子 |
商標の称呼 | エントリータブレット、エントリー |
代理人 | 特許業務法人北青山インターナショナル |