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審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2012900307 審決 商標
異議2012900220 審決 商標
異議2012900265 審決 商標
異議2012900206 審決 商標
異議2012900292 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X36
審判 全部申立て  登録を維持 X36
審判 全部申立て  登録を維持 X36
管理番号 1274088 
異議申立番号 異議2012-685005 
総通号数 162 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2013-06-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2012-03-16 
確定日 2013-04-18 
異議申立件数
事件の表示 国際登録第1039905号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 国際登録第1039905号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件国際登録第1039905号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、2009年10月22日にGermanyにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条の規定による優先権を主張して、2010年(平成22年)4月22日に国際商標登録出願、同年6月17日に国際商標登録出願とみなす我が国を領域指定する通報がされ、第36類「Insurance underwriting;financial consultancy;financial evaluation [insurance,banking,real estate];financial management;capital investments;exchanging money;fund investments;securities brokerage;stocks and bonds brokerage;real estate affairs.」を指定役務として、同23年8月15日に登録査定、同年12月22日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する登録商標は、以下(1)ないし(4)のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第5353980号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成21年7月14日に登録出願、第9類、第16類、第35類、第36類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同22年9月17日に設定登録されたものである。
(2)登録第4594994号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲3のとおりの構成からなり、1998年8月3日にスイス連邦においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、平成11年2月3日に登録出願、第9類、第16類及び第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同14年8月16日に設定登録され、その後、同24年4月3日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。
(3)登録第5353981号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲4のとおりの構成からなり、平成21年7月14日に登録出願、第9類、第16類、第35類、第36類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同22年9月17日に設定登録されたものである。
(4)登録第5426866号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲5のとおりの構成からなり、平成21年7月14日に登録出願、第9類、第16類、第35類、第36類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同23年7月22日に設定登録されたものである。
以下、これらをまとめて「引用商標」という場合がある。
3 登録異議申立ての理由
申立人は、本件商標が商標法第4条第1項第11号、同第10号及び同第15号に該当するものであるから、本件商標の登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきものと主張し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第20号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)引用商標の著名性について
ア 申立人の親会社であるザ・トラベラーズ・インシュアランス・カンパニーは、1864年にアメリカ合衆国で設立され、1865年に生命保険業の提供サービスを開始しており、今日のアメリカ合衆国では、営利損害保険及び代理店を通しての個人保険のいずれについても、2番目に位置する大手の売り手であって、従業員数は3万人に及び、直接的及び間接的にアメリカ合衆国及び世界各国の個人、法人、団体に保険、金融サービスを提供し続けており、申立人関連業社は、世界90カ国以上にネットワークを有し、アメリカ合衆国内だけでも1万3千の代理店がある。
イ 傘のロゴマーク商標は、1960年から現在までの約50年間、継続して使用された結果、本件商標の国際登録日前に、申立人に係るものとして、日本を含み世界的に著名な商標となっている。
ウ 傘のロゴマークを含む商標は、保険業務を中心に、申立人に係るものとして、長年に亘り、世界各国で使用されている。
エ 以上の事実からすると、少なくとも保険業務に関連する商品・役務では、一般需要者は、傘のロゴマークは、申立人に係る商品・役務を指し示すものであると理解する可能性が非常に高い。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「傘」を表したものと一見して認識できるから、「傘」の称呼及び観念が生じるものである。
引用商標1ないし引用商標3は、「傘」を表したものと一見して認識できるから、「傘」の称呼及び観念が生じ、また、引用商標4は、「TRAVELLERS」の欧文字と「傘」の図形とから構成されるものと認識できるから、該図形部分に相応して、「傘」の称呼及び観念を生じるものである。
そうすると、本件商標と引用商標1ないし引用商標3とは、外観、称呼及び観念において類似するものであり、また、本件商標と引用商標4とは、称呼及び観念において類似するものである。
また、本件商標に係る指定商品及び指定役務と引用商標に係る指定商品及び指定役務とは、類似するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第10号及び同項第15号について
前記(1)及び(2)のとおり、本件商標と引用商標とは、類似するものであり、また、傘のロゴマークを含む商標は、保険及び金融関連の商品及び役務の分野においては、申立人に係る役務を指し示すものと理解されているというのが取引の実態である、などの状況下で、傘のロゴマークをなした本件商標が、その指定商品又は指定役務に使用された場合、当該商品又は役務の出所が申立人であると誤認混同されるおそれがあることは明らかである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号又は同項第15号に該当する。
(4)まとめ
前記(2)及び(3)のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第10号又は同第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1項の規定により、その登録を取り消されるべきものである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は、前記1のとおり、線書きで表された右上に約45°傾けた半円と、その直径となる線の中心点から直角に直線を伸ばし、その先端を反転した「J」のように表した図形からなるところ、該先端の図形部分が傘の柄のように曲がっていることから、全体として傘と思わせる構成からなるものの、傘と特定できるほど写実的に表されたとはいえないものであるから、本件商標からは特定の称呼又は観念を想起させないものというべきである。
イ 引用商標
引用商標1ないし4は、それぞれ別掲2ないし5の図形からなるところ、引用商標1は、黒塗りで表された下向きのほぼ半円形の、直径となる線を3等分し、その3等分の1つづつを上向きの弧線で表し、そして、中心から下に直線を伸ばし、その先端を「J」のように表した図形からなるものである。引用商標2は、引用商標1の図形に、半円の頂点部分には突起を加え、引用商標3は、引用商標1の図形と同じであるが、朱塗りで表されている。そして、引用商標4は、その構成中の図形部分は、引用商標1の図形と同じであり、また、その左には「TRAVELLERS」の文字を配した構成からなるものである。
そうとすると、引用商標2は、かなり傘の特徴をとらえた図形ということができ、図案化してなる黒色の傘を表したものと認識されるものの、特定の称呼及び観念を生ずるとまではいい難く、同じく、引用商標1、3及び引用商標4の図形部分においても同様のことがいえ、特定の称呼及び観念を生じないものである。また、引用商標4はその構成中の「TRAVELLERS」の文字に相応する「トラベラーズ」の称呼及び「旅行者」の観念を生ずるものである。
ウ 本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標とを比較すると、本件商標と引用商標とは、前記したとおり、明らかな差異を有することから、外観上、区別し得るものである。
次に、称呼及び観念においては、前記したとおり、本件商標と引用商標1ないし3及び引用商標4の図形部分からは特定の称呼又は観念を想起させず、さらに、引用商標4の文字部分から生ずる「トラベラーズ」の称呼及び「旅行者」の観念との比較においても紛れるおそれのないものである。
そうとすれば、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点からみても、何ら相紛れるおそれのない非類似の商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同項第15号該当性について
申立人は、引用商標が同人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されていると主張し、甲第6号証ないし甲第20号証を提出する。
しかしながら、上記証拠は、引用商標が申立人に係るインターネットウェブサイトに掲載されていることや、外国において登録していることを紹介するにとどまり、申立人がいう傘のロゴマークが使用された結果、これが申立人の業務に係る商品及び役務(特に保険業務に関連するもの)の出所を表す事実を証する書面、例えば、我が国における、販売又は役務の提供に関する場所、数量、期間などの具体的に周知著名性を裏付ける証拠の提出はないものである。
また、本件商標は、前記(1)の認定のとおり、引用商標とは何ら相紛れるおそれのない、非類似の商標であって、別異の商標であるから、これをその指定役務について使用しても、申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係にある者の業務に係る役務であるかのごとく、役務の出所について混同を生ずるおそれはない。
そうすると、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品及び役務を表示する商標として、我が国において需要者の間に広く認識されていたものということができない。
してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当しない。
(4)結び
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号のいずれにも該当しないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 【別記】





異議決定日 2013-02-28 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (X36)
T 1 651・ 26- Y (X36)
T 1 651・ 25- Y (X36)
最終処分 維持  
前審関与審査官 今田 尊恵 
特許庁審判長 関根 文昭
特許庁審判官 田中 亨子
野口 美代子
登録日 2010-04-22 
権利者 Tjark Auerbach
代理人 アインゼル・フェリックス=ラインハルト 
代理人 加藤 義明 
代理人 太田 誠治 
代理人 齋藤 宗也 
代理人 北村 修一郎 
代理人 村井 康司 
代理人 山崎 和香子 

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