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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W42
審判 一部申立て  登録を維持 W42
審判 一部申立て  登録を維持 W42
管理番号 1274082 
異議申立番号 異議2012-900295 
総通号数 162 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2013-06-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2012-10-09 
確定日 2013-05-24 
異議申立件数
事件の表示 登録第5506574号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5506574号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5506574号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成24年2月14日に登録出願され、第42類「気象情報の提供,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,デザインの考案,電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,機械器具に関する試験又は研究,コンピュータサイトのホスティング(ウェブサイト),電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」を指定役務として、同年7月6日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人が、引用する登録第4811820号商標(以下「引用商標」という。)は、「across」の欧文字を書してなり、2002年12月10日に域内市場における調和のための官庁(商標及び意匠)においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、平成15年3月10日に登録出願され、第9類「電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、同16年10月22日に設定登録されたものである。

3 登録異議の申立ての理由の要点
本件商標と引用商標とは、「アクロス」の称呼を同一にする類似の商標であり、また、本件商標の指定役務中の「電子計算機用プログラムの提供」は、引用商標の指定商品中の「電子計算機用プログラム」と類似するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであり、その登録は取り消されるべきものである。

4 当審の判断
(1)本件商標について
本件商標は、別掲のとおり、オレンジ色に彩色された二重円様の図形の中央部にローマ字の「A」を表し、それに続けて「’」(アポストロフィー)及び「CROSS」の文字を配してなるところ、「A」の文字部分のみが上記図形の内部に収まっており、「A」の文字部分と「CROSS」の文字部分とは「’」の記号によって分離された印象を与えるものであって、本件商標を構成する上記の図形、記号並びに「A」及び「CROSS」の文字は、外観上、それぞれが有機的な関係を有するものとして、看取、把握されるとみるのが相当である。
そして、本件商標は、その構成中の図形部分からは、特定の観念及び称呼が生じないと認められるところ、「’」(アポストロフィー)が「欧文で省略や所有格などを表す記号。」であり、「CROSS」の文字が「十字形、十字架、横切る」の意味を有する英語として、また、その読みである「クロス」の語は外来語として、一般に広く知られていることからすれば、「A’CROSS」の文字及び記号の部分は、全体として、特定の観念は生じないものの、「Aのクロス」程の意味合いを認識させるものであり、その構成文字・記号に相応して、「エイクロス」の称呼が生じるとみるのが相当である。
また、本件商標から「アクロス」の称呼も生ずることも有り得るものである。
(2)引用商標について
引用商標は、前記2のとおり、「across」の文字からなるところ、該文字は、「・・・を横切って、・・・の向こう側に」の意味を有する英語として一般に広く知られているものであるから、その構成文字に相応して、上記意味の観念及び「アクロス」の称呼を生じるものである。
(3)本件商標と引用商標との類否について
ア 外観
本件商標と引用商標とは、それぞれ別掲及び前記2のとおりの構成からなるところ、引用商標が「across」の欧文字(小文字)のみで構成されているのに対し、本件商標は「A」及び「CROSS」の欧文字が大文字で表されているばかりでなく、それらと有機的な関係を有する図形及び「’」(アポストロフィー)が存在しているものであり、これらの差異により、外観上、容易に区別し得るものである。
イ 観念
本件商標は、特定の観念は生じないものの、「Aのクロス」程の意味合いを認識させるものであるのに対し、引用商標は、「・・・を横切って、・・・の向こう側に」の観念を生じるものであるから、観念上、両者が紛れるおそれはない。
ウ 称呼
本件商標から生じる「エイクロス」の称呼と引用商標から生じる「アクロス」の称呼とを比較するに、称呼における識別上重要な要素を占める語頭部において、「エイ」の音と「ア」の音という明らかな差異を有するものであるから、称呼上、相紛れるおそれはない。
また、本件商標から「アクロス」の称呼が生じる場合は、引用商標から生じる「アクロス」の称呼と共通するものである
エ 小括
以上によれば、本件商標と引用商標とは、例え、「アクロス」の称呼において共通する場合があるとしても、外観において顕著な差異を有するものであり、観念において紛れるものではないことから、外観、称呼及び観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標をそれぞれの指定商品・役務について使用しても、商品・役務の出所について誤認、混同を生ずるおそれがなく、非類似の商標というのが相当である。
(4)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
本件商標

(色彩については、原本を参照のこと。)

異議決定日 2013-05-15 
出願番号 商願2012-10349(T2012-10349) 
審決分類 T 1 652・ 261- Y (W42)
T 1 652・ 262- Y (W42)
T 1 652・ 263- Y (W42)
最終処分 維持  
前審関与審査官 海老名 友子 
特許庁審判長 関根 文昭
特許庁審判官 酒井 福造
手塚 義明
登録日 2012-07-06 
登録番号 商標登録第5506574号(T5506574) 
権利者 株式会社フォーティス
商標の称呼 アクロス、エイクロス、クロス 
代理人 杉本 明子 
代理人 齋藤 宗也 
代理人 山崎 和香子 
代理人 アインゼル・フェリックス=ラインハルト 
代理人 平野 泰弘 

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