現在、審決メルマガは配信を一時停止させていただいております。再開まで今暫くお待ち下さい。

  • ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X05
審判 全部申立て  登録を維持 X05
審判 全部申立て  登録を維持 X05
審判 全部申立て  登録を維持 X05
審判 全部申立て  登録を維持 X05
管理番号 1274081 
異議申立番号 異議2012-900246 
総通号数 162 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2013-06-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2012-08-16 
確定日 2013-05-27 
異議申立件数
事件の表示 登録第5497493号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5497493号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5497493号商標(以下「本件商標」という。)は、「ネオキシテープ」の片仮名と「NEOXY TAPE」の欧文字とを上下2段に書してなり、平成23年12月2日に登録出願、第5類「貼付用薬剤,ばんそうこう,包帯,はえ取り紙,防虫紙,創傷被覆材」を指定商品として、同24年5月18日に登録査定、同年6月1日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する国際登録第1095865号商標(以下「引用商標1」という。)は、「OXYNEO」の欧文字を横書きしてなり、2011年8月3日にSwitzerlandにおいてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、2011年(平成23年)9月19日に国際商標登録出願され、第5類「Pharmaceutical products and substances, particularly analgesics, excluding cosmetic and dermatological pharmaceutical preparations.」を指定商品として、平成24年7月27日に設定登録されたものである。
同じく、登録第5479557号商標(以下「引用商標2」という。)は、「オキシネオ」の片仮名を標準文字により表してなり、平成23年9月9日に登録出願、第5類「鎮痛剤,その他の薬剤」を指定商品として、平成24年3月16日に設定登録されたものであり、同じく、登録第5479556号商標(以下「引用商標3」という。)は、「オキネオ」の片仮名を標準文字により表してなり、平成23年9月9日に登録出願、第5類「鎮痛剤,その他の薬剤」を指定商品として、平成24年3月16日に設定登録されたものである。
以下、引用商標1ないし引用商標3を一括して、単に「引用各商標」ということがある。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、その申立ての理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第17号証を提出している。
1 引用商標に関連する背景事情について
(1)申立人及び申立人の提携先企業の事業について
申立人は、1957年にスイス国バーゼルで設立された後、その活動の範囲を広げ、ムンディファーマ ラボラトリーズ社とムンディファーマ メディカル社とともに、独立関連企業であるパーデューファーマ(米国、カナダ)/ムンディファーマ(ドイツ)/ナップ・ファーマシティカル(英国)を含む、慢性疼痛、呼吸器疾患の治療薬、消毒薬などを専門領域とする製薬企業グループのための国際貿易とライセンス関連の業務を行う会社として機能するようになった。そして、申立人は、100カ国以上にわたり、各国の有力企業と業務提携を行い、提携企業に対する特許・商標に関するライセンスの供与を通じて製品の販売を行うというビジネスモデルを推進し、今日に至っては、世界規模のライセンス・物流ネットワークを有するまでになった。
日本においては、1998年にムンディファーマ・ファーマシューティカルズGmbHが日本事務所(東京・丸の内)を開設し、さらに、2002年には、日本法人であるムンディファーマ株式会社(以下「ムンディファーマ」という。)を発足させ、臨床開発・承認申請・マーケティングまでを独自に一貫して行う体制を構築した。
ムンディファーマは、わが国の有力な製薬会社と業務提携を行い、企業間の協力関係において、慢性疼痛治療薬等の主力商品の製造・販売を行っている。
例えば、ムンディファーマ発足前の1989年より、塩野義製薬株式会社(以下「塩野義製薬」という。)との業務提携を通じて持続性癌疼痛治療剤(硫酸モルヒネ徐放錠「MSコンチン」)を長年にわたって製造・販売し、2003年には、同じく塩野義製薬を通じて持続性癌疼痛治療剤(塩酸オキシコドン徐放錠、商品名:OxyContin(オキシコンチン))の製造・販売を開始し、鎮痛剤(医療用麻薬)としての効能はそのままに、副作用が比較的軽いなどのすぐれた効果があることも手伝って、売り上げも急拡大し、癌疼痛治療薬のスタンダードであった「MSコンチン」に取って代わる主力商品に成長するに至り、「OxyContin(オキシコンチン)」は、癌疼痛治療を必要とする多くのがん患者のクオリティ・オブ・ライフ改善に貢献することができるようになった(甲第9号証)。
(2)癌疼痛治療薬(鎮痛薬)に関する取引の実情について
「MSコンチン」や「OxyContin(オキシコンチン)」の主原料として紹介したモルヒネやオキシコドン、加えてフェンタニルと呼ばれる物質は医療用麻薬の一種であって、神経組織内にあるオピオイド受容体に結合することで脊髄と脳への伝達を遮断することにより、痛みを和らげる医療用鎮痛剤として知られており、これらは総称としてオピオイド鎮痛薬とも呼ばれる(甲第10号証)。
ア 鎮痛薬OxyContin(オキシコンチン)について
「塩酸オキシコドン」を有効成分とする鎮痛薬「オキシコンチン(OxyContin)」は、従来のオピオイド鎮痛薬の主役であった「モルヒネ」に比べて、幻覚症状が出にくいという優れた点があり、徐々に「モルヒネ」を有効成分とする癌疼痛治療薬に代わるオピオイド治療薬の主役になっていった(甲第11号証)。
日本における「OxyContin(オキシコンチン)」の、2009年度におけるオピオイド鎮痛薬全体におけるマーケットシェアは、25.7パーセントにのぼる。また、年間の売上高は、発売当初の2003年度には、約9億円程であったものが、2010年度においては96億円に達し、それにつづく2011年度においても89億円となり依然として高い売上高を誇っている(甲第12号証及び甲第13号証)。
イ 「OxyContin(オキシコンチン)」の商品ラインナップ拡充
ムンディファーマは、さらに「塩酸オキシコドン」を含有する癌疼痛治療薬のラインナップを拡充するべく、塩野義製薬との提携の下、「オキシコンチン(OxyContin)」では対応できなかった、がん患者に突然発現する痛み(突出痛)を速やかに治療する薬である「オキノーム(OxiNorm)」なる商品を開発し、2006年10月20日に製造販売承認を取得し、2007年2月5日に発売した(甲第14号証)。
「オキノーム(OxiNorm)」がラインナップに加わったことにより、持続的な疼痛への治療薬である「オキシコンチン(OxyContin)」に加えて、突出痛への治療薬である「オキノーム(OxiNorm)」の両方を選択することが可能になった。そして、WHOで推奨されている「有効成分と投与経路が同一の、持続性と即効性の鎮痛薬を組み合わせて使用すること」が可能となり、「オキシコンチン(OxyContin)」は、「オキノーム(OxiNorm)」とともに代表的なオピオイド鎮痛薬(医療用麻薬)と位置づけられるようになった。
甲第15号証として提出する「がんサポート情報センターホームページ内の「痛み緩和」「鎮痛薬全書」(「2007年5月号」の記載がある)によれば、オピオイド鎮痛薬のなかでも、オキシコドンは近年使用頻度が飛躍的に増加しているとの記述がみられるとともに、商品名として「オキシコンチン(OxyContin)」と「オキノーム(OxiNorm)」のみが記載されているが、これらはいずれもムンディファーマと塩野義製薬との業務提携により販売している商品である。
また、甲第16号証として提出する「がんサポート情報センターホームページ内の「薬剤」「患者のためのがんの薬事典」(「2007年10月号」の記載がある)によれば、「がんの疼痛緩和に最も多く用いられている麻薬」である「オキシコドン(一般名)」の代表的な商品としてムンディファーマ及び提携先企業である塩野義製薬の製造、販売に係る「オキシコンチン(OxyContin)」と「オキノーム(OxiNorm)」が挙げられている。
してみると、ムンディファーマ及び提携先企業である塩野義製薬の製造、販売に係る商品「オキシコンチン(OxyContin)」「オキノーム(OxiNorm)」は、鎮痛薬の名称としてわが国で広く認知されていたものと考えられる。
ウ 「OxyContin(オキシコンチン)」関連の新商品開発
オピオイド鎮痛剤は麻薬の一種であって、アヘンから生成された薬物(へロインなど)と同じような反応を神経系にもたらす場合があるが、これを服用した場合に、中毒症状などを起こすことなく、癌などの疼痛に長時間作用するよう、OxyContin(オキシコンチン)などは、ごく少量のオキシコドンを含有するよう設計されており、しかも除放錠として有効成分が患者の体内でごく微量ずつ放出されるように作られている。
ところが、海外では、OxyContin(オキシコンチン)が麻薬の一種であるオキシコドンを含有していることに着目して、何らかの方法でこれを手に入れた者が、これを粉砕等し、オキシコドンのみを抽出して、これを乱用した者が麻薬中毒になる例がみられた。
そこで、このような誤った使用例を未然に防止するべく、OxyContin(オキシコンチン)の新たな商品ラインナップとして、万が一、錠剤の粉砕等がなされた場合であっても、有効成分で麻薬の一種であるオキシコドンの抽出が困難な構造としていることが特徴であり、人気商品であるOxyContin(オキシコンチン)が抱えている問題点を解消する新たな商品を開発した(甲第17号証)。
新商品のその名称(商標)として採択したのが、引用商標1「OXYNEO」であり、その日本名(音訳)として採択したのが、引用商標2「オキシネオ」又は引用商標3「オキネオ」である。
2 本件商標と引用商標の類否について
(1)本件商標について
本件商標は、「ネオキシテープ」の片仮名を上段に配し、下段には「NEOXY TAPE」の欧文字を配した2段書きの構成よりなるところ、構成中の「テープ」「TAPE」の文字は、「幅が狭く、長い帯状の布・紙など。」の意を表す外来語「テープ」(株式会社小学館発行「大辞泉」)とその英語「TAPE」を表すものである。本件商標の指定商品は、「貼付用薬剤、ばんそうこう、包帯、はえ取り紙、防虫紙、創傷被覆材」であって、いずれの商品も細長い帯状の布又は紙のような商品の形態を有してなることが容易に想定されるところから、商品の形状等の品質を普通に用いられる方法で表示したにすぎないものである。よって、本件商標の構成中の「テープ」「TAPE」の部分は、自他商品の識別機能を有していないか、当該機能が極めて低いといわざるを得ず、当該部分からは出所表示としての称呼、観念が生じないと認められる。
よって、本件商標は、その構成中の「ネオキシ」及び「NEOXY」の各文字が独立して自他商品識別標識としての機能を果たす要部として理解、把握されるとみるのが自然なものである。
そこで、本件商標の要部である「ネオキシ」及び「NEOXY」は、欧文字「NEOXY」とその読みを表すとみられる片仮名を組み合わせたとみられるものであり、これよりは「ネオキシ」の称呼が生ずる。
そうして、これら「ネオキシ」及び「NEOXY」の前半部を構成する「NEO(ネオ)」は、「(外来語の上に付いて、)『新しい』」という意を表す語であり(株式会社小学館「大辞泉」)、その余の「XY」は、何らの観念を有しないローマ字2文字であるが、前記「NEO」が、通常、他の外来語と結合して造語化されて「新しい○○○」のように理解される点に鑑みれば、「NEO」の文字が記号・符号等を表す類型として知られる「XY」のような単なるローマ字2文字が付されたとは理解し難いものである。むしろ、「XY」は元来、他の文字(すなわち、直前に位置する「NEO」に含まれる欧文字「O」)が重複して記載されていたものが省略されたと理解するのが自然である。
しかして、「NEO」と「OXY」の両語は、その意味合い又は語法上において、専ら一方が他方を修飾するというような主従・軽重の差は見いだせないから、かかる場合、本件商標に接する取引者、需要者は、該構成を前記2語の任意的組合せとして把握するとともに、熟語的な意味合いを直ちに想起し得ないが「新しいオキシ(シリーズ)」のような漠然とした連想、印象を生じさせる場合も少なくないといえる。
(2)引用商標について
引用商標1は、「OXYNEO」の欧文字、引用商標2は「オキシネオ」の片仮名、引用商標3は「オキネオ」の片仮名よりなり、それぞれ、「オキシネオ」「オキネオ」の称呼が生ずるものであるところ、引用商標2「オキシネオ」及び引用商標3「オキネオ」は、引用商標1「OXYNEO」の音訳(日本語表記)として採択されたものである。
そうして、引用各商標を構成する文字も「OXY(オキシ、オキ)」と「NEO(ネオ)」とからなるといえるので、本件商標と同様の理由により、引用各商標に接する取引者、需要者は、該構成を前記「OXY(オキシ、オキ)」と「NEO(ネオ)」の任意的組合せとして把握するとともに、熟語的な意味合いを直ちに想起し得ないが、前記説明したとおりの取引の実情から、「新しいオキシ(シリーズ)」のような漠然とした連想、印象を生じさせる。
(3)本件商標と引用各商標の比較
本件商標の要部である「ネオキシ」及び「NEOXY」と引用商標1及び引用商標2の類否についてみるに、両商標は、音の配列順と本件商標において「オキシ」の「オ」が埋没している点で相違しているが、主として「ネオ」と「オキシ」の音節よりなる点で同じである。
また、本件商標の要部である「ネオキシ」及び「NEOXY」と引用商標3の類否についても、両商標は、音の配列順と本件商標において「オキシ」の「オ」が埋没している点、引用商標3において「オキシ」の「シ」が埋没している点で相違しているが、主として「ネオ」と「オキシ」の音節よりなる点で同じである。
そうして、本件商標の要部である「ネオキシ」及び「NEOXY」と引用各商標は、主に「ネオ」と「オキシ」の音節を前後に置き換えてなる点に差異を有しているにすぎず、ともに一定の熟語的意味を持たない一種の造語として認められ、観念上の明確な差異により音節の前後を正確に理解し、記憶することもできないものであることよりすれば、取引者、需要者が時と所を異にして両商標に接するときは、いずれが前節あるいは後節であったかを判別することが極めて困難であるといわざるを得ない。
また、観念においては、いずれの商標も一定の熟語的意味を持たない一種の造語として認められ、観念上の明確な差異があるとはいえないが、ともに、「(外来語の上に付いて)『新しい』」という意を表す語「NEO(ネオ)」と「OXY」の語の組み合わせからなり、「新しいオキシ(シリーズ)」のような漠然とした連想、印象を生じさせる点において関連性が認められるものである。
さらに、外観においては、本件商標の要部である「ネオキシ」及び「NEOXY」は、その欧文字部分「NEOXY」において、引用商標1との関係で「N」「E」「O」「X」「Y」の各文字すべてが共通しており、片仮名部分「ネオキシ」において、引用商標2との関係で「ネ」「オ」「キ」「シ」の各文字すべてが、引用商標3との関係で「ネ」「オ」「キ」が共通にしており、しかもこれら文字を「NEO」と「OXY」の塊として、これら2語を任意的に配列したものとして認識し把握されるものであり、取引者、需要者が時と所を異にして両商標に接するときは、外観上も明瞭に峻別することは容易なことではない。
そうすると、本件商標の要部である「ネオキシ」及び「NEOXY」と引用各商標とを時と所を異にして隔離的に観察した場合は、いずれもありふれた書体の欧文字・片仮名で一連に書され、その主たる構成2語を共通にし、各語から漠然と生ずる意味合いから受ける印象を同じくする点で外観及び観念上相紛らわしいものであり、かつ、称呼の点においても前記事情よりして構成2語の先後が記憶印象上必ずしも確然としないために、「ネオ(オ)キシ」、「オキシネオ(オキネオ)」のいずれであったのかの識別を困難ならしめる結果、彼此聞き誤るおそれが少なからずあるといわなければならない。
してみれば、本件商標と引用各商標とは、その外観、観念及び称呼において互いに紛らわしいものというべきであるから、両者はその出所について混同を生ずるおそれのある類似のものである。
3 商標法第4条第1項第11号及び同法第8条第1項について
上記詳述したとおり、本件商標は、引用商標1ないし引用商標3と称呼、外観、観念において類似する商標であって、指定商品において引用商標1ないし引用商標3と抵触するものを含んでいるところ、その指定商品は「薬剤」とその関連商品「創傷被覆材」に関するものであって、とり違えて投与すると人間の命に関わる医薬等を含むものである。
よって、本件商標は、その登録日前の他人の登録商標である引用商標2及び引用商標3との関係において、商標法第4条第1項第11号に該当し、その出願日前に出願された引用商標1との関係において、商標法第8条第1項に該当する。
4 商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、申立人及びその提携先企業である塩野義製薬が長年にわたって我が国における市場を開拓し、大きなマーケットシェアを誇るオピオイド鎮痛薬「OxyContin(オキシコンチン)」をはじめとする「OXY(OXI)オキシ(オキ)」シリーズ鎮痛薬の新たなラインナップの商品を表示するものとして採択された引用各商標と比較した場合、単に「NEO」と「OXY」の前後を置き換えたにすぎないものであり、ともに、「新しいオキシ(シリーズ)」のような漠然とした連想、印象を想起させるものであって、彼此紛れるおそれの高い商標である。
よって、本件商標は、その指定商品に使用された場合、取引者・需要者をして、その商品が申立人の提供に係るものであるかのように誤認をする、あるいは、申立人による技術供与、又は、商標に関する使用許諾を受けた商品であるかのように商品の出所について混同を生じ、ひいてはその品質についても誤認を生ぜしめる蓋然性が極めて高いといわざるを得ない。
しかも、本件商標に係る指定商品中の「(貼付用)薬剤」「創傷被覆材」は、申立人の所有に係る引用各商標が使用される商品であるから、本件商標がその指定商品に使用された場合には、申立人の業務に係る商品との間に混同が生じるおそれが高いといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
5 むすび
以上より、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号並びに同法第8条第1項に該当するものであるから、その登録は、商標法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきである。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号及び同法第8条第1項該当性について
(1)本件商標
本件商標は、「ネオキシテープ」の片仮名及び「NEOXY TAPE」の欧文字を上下2段に書した構成からなるところ、各構成文字は、まとまりよく表されており、また、上段の「ネオキシテープ」は、下段の「NEOXY TAPE」の読みを特定する部分と無理なく理解されるものであり、その構成文字から「ネオキシテープ」の称呼を生ずるものといえ、該称呼は、よどみなく一連に称呼し得るものである。そして、各構成文字は、辞書等に成語として掲載されていないものであるから、特定の意味を有することのない造語として看取、把握されるとみるのが自然である。
(2)引用各商標
引用商標1は、「OXYNEO」の欧文字を書してなり、引用商標2は、「オキシネオ」の片仮名を書してなるから、両商標は、ともに「オキシネオ」の称呼を生ずるものであり、また、引用商標3は、「オキネオ」の片仮名を書してなるから、これより「オキネオ」の称呼を生ずるものである。そして、上記各文字は、いずれも辞書等に成語として掲載されていないものであるから、特定の意味を有することのない造語として看取、把握されるとみるのが自然である。
(3)本件商標と引用各商標との対比
ア 外観
本件商標は、上記(1)のとおりの構成からなるのに対し、引用各商標は、上記(2)のとおりの構成からなるところ、両商標は、各構成文字の相違により、外観上、区別できる差異を有するものであるから、これらが互いに紛れるおそれはない。
イ 称呼
本件商標から生ずる「ネオキシテープ」の称呼と引用商標1及び引用商標2から生ずる「オキシネオ」の称呼とは、いずれも「ネ」、「オ」、「キ」及び「シ」の音を含むものであるとしても、7音と5音という構成音数の相違に加え、語頭からの音構成をすべて異にするものであるから、それぞれの称呼を全体として称呼した場合には、その語調、語感が相違したものとなり、互いに聴き誤るおそれはない。
また、本件商標から生ずる「ネオキシテープ」の称呼と引用商標3から生ずる「オキネオ」の称呼とは、いずれも「ネ」、「オ」及び「キ」の音を含むものであるとしても、7音と4音という構成音数の相違に加え、語頭からの音構成をすべて異にするものであるから、それぞれの称呼を全体として称呼した場合には、その語調、語感が相違したものとなり、互いに聴き誤るおそれはない。
ウ 観念
本件商標及び引用各商標は、ともに特定の意味を有することのない造語からなるものであるから、観念上、両商標を比較することができない。
エ 以上によれば、本件商標と引用各商標とは、観念においては、比較することができないとしても、外観及び称呼において、相紛れるおそれのないものであるから、両商標は、非類似の商標というべきである。
(4)したがって、本件商標は、引用商標2及び引用商標3との関係において、商標法第4条第1項第11号に該当するものではなく、また、本件商標は、引用商標1との関係において、同法第8条第1項に該当するものではない。
2 商標法第4条第1項第15号該当性について
申立人は、我が国において、提携先企業である塩野義製薬との業務に係る商品(オピオイド鎮痛薬)について使用する「オキシコンチン(OxyContin)」が取引者、需要者の間に広く認識されていることに依拠しつつ、該商品の新たなラインナップとして開発した商品を表示するために引用各商標を採択したこと、並びに本件商標及び引用各商標は、ともに「新しいオキシ(シリーズ)」程の漠然とした連想、印象を想起させるものであって、彼此紛れるおそれがあることから、本件商標をその指定商品について使用した場合、申立人の業務に係る商品との間で、出所の混同を生じるおそれがある旨主張している。
しかしながら、申立人の提出に係る甲各号証をみても、カナダの「パーデューファーマ」のホームページとされるもの(甲第17号証)において、本件商標の登録出願後である2012年(平成24年)2月27日付けの「オキシコンチンの代替としてOXYNEOの導入に関するパーデューファーマカナダの声明」の表題の下、カナダ全土において、「オキシコンチン」の中止及び「OxyNEO」への置き換えに係る移行をスムーズに行うことを目指す旨の記載があるにすぎず、これをもって、引用各商標が、本件商標の登録出願時に既に、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたとはいい得ない。
また、本件商標と引用各商標とは、上記1のとおり、ともに特定の意味を有することのない造語からなるものと認められるものであって、その外観及び称呼における差異をも総合勘案すれば、相紛れるおそれのない別異の商標というべきものである。
そうとすれば、たとえ「オキシコンチン(OxyContin)」が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人及び塩野義製薬の業務に係る商品(オピオイド鎮痛薬)について使用する商標として、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたとしても、本件商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者が、該商品を申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように連想、想起することはなく、その出所について混同を生ずるおそれはないとみるのが相当である。
そして、申立人の主張及びその提出に係る証拠のすべてを総合してみても、本件商標をその指定商品について使用した場合に、申立人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがあると認めるに足る事実は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
3 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号並びに同法第8条第1項のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2013-05-17 
出願番号 商願2011-86795(T2011-86795) 
審決分類 T 1 651・ 263- Y (X05)
T 1 651・ 271- Y (X05)
T 1 651・ 262- Y (X05)
T 1 651・ 261- Y (X05)
T 1 651・ 4- Y (X05)
最終処分 維持 
前審関与審査官 津金 純子 
特許庁審判長 寺光 幸子
特許庁審判官 原田 信彦
山田 和彦
登録日 2012-06-01 
登録番号 商標登録第5497493号(T5497493) 
権利者 久光製薬株式会社
商標の称呼 ネオキシテープ、ネオキシーテープ、ネオクシーテープ、ネオキシ、ネオキシー、ネオクシー 
代理人 工藤 莞司 
代理人 稲葉 良幸 
代理人 石田 昌彦 
代理人 長谷川 芳樹 
代理人 田中 克郎 
代理人 小暮 君平 
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ