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審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2012900305 審決 商標
異議2012900344 審決 商標
異議2012900319 審決 商標
異議2012900279 審決 商標
異議2012900220 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W1825
審判 全部申立て  登録を維持 W1825
審判 全部申立て  登録を維持 W1825
審判 全部申立て  登録を維持 W1825
管理番号 1274059 
異議申立番号 異議2012-900330 
総通号数 162 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2013-06-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2012-11-05 
確定日 2013-04-26 
異議申立件数
事件の表示 登録第5513439号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5513439号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
登録第5513439号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1に示すとおりの構成からなり、平成24年2月13日に登録出願、同年7月3日に登録査定、そして、第18類及び第25類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同年8月10日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4206393号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲2に示すとおりの構成からなり、平成7年12月11日に登録出願、第18類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同10年10月30日に設定登録されたものである。
同じく登録第4075520号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲2に示すとおりの構成からなり、平成7年12月11日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同9年10月31日に設定登録されたものである。そして、これらはいずれも現に有効に存続しているものである。
また、申立人は、同人に係る商品(ネクタイほか)に使用する商標であるとして、「STEFANO RICCI」の文字からなる商標(以下「引用商標3」という。)を引用している。
(2)理由の要点
申立人は、本件商標は、以下により、その登録を取り消されるべきものであるとして、甲第1号証ないし同第45号証(枝番を含む。)を提出した。
ア 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は引用商標1に類似し、第18類における全指定商品は、引用商標1の指定商品中「かばん金具,がま口口金,乗馬用具,愛玩動物用被服類」を除く「皮革,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄」と同一又は類似するものである。
また、本件商標は引用商標2に類似し、第25類における全指定商品は、引用商標2の指定商品と同一又は類似するものである。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
イ 商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、申立人がネクタイをはじめとする服飾品、被服、革製品、かばん類その他のアパレル商品について使用し、世界的に周知著名な商標になっている引用商標3と相紛らわしく、商標権者が本件商標をその指定商品に使用すれば、これに接する取引者又は需要者は、当該商品が申立人とライセンス契約関係等なんらかの関係を有する者の取扱いにかかる商品であるかの如く誤って認識し、出所の混同を生じるおそれがある。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項11号について
ア 本件商標について
本件商標は、別掲1に示すとおり、「R(反転している。以下同じ。)」、「F」及び「R」を、各文字の上部分を接して横書きし、その右側にややスペースをあけて、まとまりよく「FABIANO RICCI」の文字を表した構成からなるものである。そして、前半の「RFR」は、特殊な態様の図形標章として看取され、特段の観念、称呼を生ずるとは言い難い部分というのが相当であり、後半の「FABIANO RICCI」は、それぞれの第1文字目の「F」と「R」が他の文字より大きく書され、全体として、外国人の名前のひとつとして理解される部分であること、ならびに、本件商標全体として特定の意味合いを生ずるとは言い難いものであることからすると、本件商標の前半の図形部分と後半の文字部分は、それぞれが独立して、自他商品の識別機能を果たし得る場合も少なくないというのが相当である。
そうすると、本件商標は、「FABIANO RICCI」の文字に相応した「ファビアノリッチ」の称呼を生じ、外国人の名前のひとつであるとの観念を生ずるものと認められる。
なお、申立人は、「FABIANO」と「RICCI」の間には間隔があり、両文字は視覚上分離して看取され、「FABIANO」がイタリア人等の名前としてよく見かけられる名前であるから、「RICCI」の文字部分に注意を引かれ、この部分をもって取引に当たる可能性も高いと主張するが、「FABIANO RICCI」の文字は、前述のとおり、まとまりよく表されている上、外国人の名前として一体のものとして理解されるというのが自然であり、これより生ずる「ファビアノリッチ」の称呼も格別冗長でなく、一気に称呼し得るものである。このほか、「RICCI」の部分のみに着目すべき特段の理由も見出せないから、申立人の主張を採用することはできない。
イ 引用商標1及び2について
引用商標1及び2は、いずれも、別掲2に示すとおり、「STEFANO RICCI」の文字を籠字風に表したものである。そして、当該構成各文字は同じ書体でまとまりよく一連に表されていることに加え、それぞれ第1文字目の「S」と「R」が他の文字より大きく書され、全体として、外国人の名前のひとつとして理解されるというのが相当である。
したがって、引用商標1及び2は、その構成文字「STEFANO RICCI」に相応して「ステファノリッチ」の称呼を生じ、外国人の名前のひとつであるとの観念を生ずるものと認められる。
なお、申立人は、「STEFANO RICCI」の世界的名声及び周知性を考慮すると、ファミリーネームである「RICCI」を想起すると主張するが、提出された証拠中には、「RICCI」のみに略して使用されている実情は見あたらないことから、「RICCI」のみで周知であるとは言い難く、申立人の主張を採用することはできない。
ウ 本件商標と引用商標1及び2の類否について
本件商標と引用商標1及び2とは、その外観構成が著しく相違しており、両者から受ける印象は全く異なるものであるから、外観上相紛れるおそれはない。なお、両者の構成中、「RICCI」の部分が殊更に強く印象されると認められないことは、前記ア、イのとおりであるから、かかる「RICCI」部分をもって、外観上相紛れるおそれがあるとはいえない。
また、本件商標から生ずる称呼「ファビアノリッチ」と引用商標1及び2から生ずる称呼「ステファノリッチ」とを比較すると、後半の「ノリッチ」の音を共通にするとしても、称呼の識別上で重要な要素を占める語頭の3音において、「ファビア」と「ステファ」の差異を有するものであることからすると、それぞれを一連に称呼した場合、全体の音感が全く異なり、聞き違え、あるいは、取り違えられるおそれはないというべきである。
さらに、本件商標と引用商標1及び2は、それぞれ別異の外国人の名前としてとらえられるものであるから、観念上相紛れるおそれもない。
そうすると、本件商標と引用商標1及び2は、外観、称呼及び観念のいずれの点においても、互いに相紛れるおそれのない商標と認められる。
したがって、指定商品の類否について論及するまでもなく、本件商標は、引用商標1及び2をもって、商標法第4条第1項第11号に該当すると認めることはできない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人提出の証拠によれば、引用商標3(音表記の「ステファノ・リッチ」を含む。以下同じ。)が、ネクタイのほか、シャツ、靴、かばん等のいわゆるアパレル商品を表示する商標として、国内外の雑誌等において継続して紹介されていること(甲10ないし甲19、甲28ないし甲30、甲37ないし甲42)が認められ、日本においても、ネクタイが、本件商標の出願前から、引用商標3とともに、有名デパートにおいて、展示されていることが認められる(甲20ないし甲24)。
そうすると、引用商標3は、ネクタイの需要者の間ではある程度知られているということができる。
しかしながら、上記を含む全証拠には、「RICCI」のみの使用を発見できず、引用商標3が、「RICCI」「リッチ」の文字をもって略称されているとは言い難いことからすると、「RICCI」の文字が、申立人に係る商品を表示する商標として、需要者の間で広く認識されるに至っていたと認めることはできない。
また、引用商標3は、引用商標1及び2と同じ欧文字綴りのものであるところ、本件商標と引用商標1及び2とが類似する商標と認められないことは、前記(1)のとおりであり、本件商標と引用商標3についても同様に解される。
そうすると、本件商標と引用商標3とは、結局、別異の出所を表示する標章として看取されるといわざるを得ない。
以上からすると、本件商標を指定商品に使用した場合、これに接する需要者が、引用商標3あるいは申立人を想起し連想して、当該商品を申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく誤信するとは認められないから、本件商標の出願時及び査定時において、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあったとはいえない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当すると認めることはできない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、その登録は維持すべきものである。
よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1(本件商標)


別掲2(引用商標1及び2)


異議決定日 2013-04-18 
出願番号 商願2012-9631(T2012-9631) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (W1825)
T 1 651・ 263- Y (W1825)
T 1 651・ 271- Y (W1825)
T 1 651・ 261- Y (W1825)
最終処分 維持  
前審関与審査官 浜岸 愛 
特許庁審判長 野口 美代子
特許庁審判官 大森 健司
村上 照美
登録日 2012-08-10 
登録番号 商標登録第5513439号(T5513439) 
権利者 リッチ ファビアノ
商標の称呼 アアルエフアアルファビアーノリッチ、アアルエフアアルファビアノリッチ、アアルエフアアル、ファビアーノリッチ、ファビアノリッチ、ファビアーノ、ファビアノ、リッチ 
代理人 稲葉 良幸 
代理人 田中 景子 
代理人 田中 克郎 
代理人 佐藤 俊司 
代理人 ▲吉▼川 俊雄 

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