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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2012900307 審決 商標
異議2012900220 審決 商標
異議2012900265 審決 商標
異議2012900206 審決 商標
異議2012900292 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W03
管理番号 1272698 
異議申立番号 異議2012-900337 
総通号数 161 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2013-05-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2012-11-16 
確定日 2013-04-01 
異議申立件数
事件の表示 登録第5515694号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5515694号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5515694号商標(以下「本件商標」という。)は、「リモウケア」の片仮名を標準文字で表してなり、平成24年3月22日に登録出願、第3類「頭髪用及び頭皮用化粧品」を指定商品として、同年7月31日に登録査定、同年8月17日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4321114号商標(以下「引用商標」という。)は、「りもう」の平仮名と「理毛」の漢字とを上下2段に書してなり、平成10年4月6日に登録出願、第3類「頭髪用化粧品,その他の化粧品,せっけん類,香料類,かつら装着用接着剤」のほか、第5類、第26類及び第37類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同11年10月1日に設定登録され、その後、同21年9月15日に商標権の存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、その申立ての理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第12号証を提出している。
(1)本件商標
本件商標は、「リモウケア」の片仮名からなるところ、前半の「リモウ」の文字が辞書に載っていない造語であるのに対し、後半の「ケア」の文字は、「手入れ」の意味を有する語として国語辞典に載っていることからすれば、該片仮名は、「リモウ」と「ケア」の語の組合せにより創造された文字列であると容易に理解することができる。
また、「ケア」の語は、本件商標の指定商品を取り扱う業界では、頭髪や頭皮を「手入れ」する商品(ヘアケア商品)を意味するものとして、製造者や販売者だけでなく、一般需要者にも広く親しまれているものである。
そうすると、本件商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、後半の「ケア」の文字部分については,その商品が「頭髪及び頭皮の手入れ用」の商品であることを想起する可能性があり、前半の「リモウ」の文字部分を自他商品の識別機能を果たす要部と理解、認識する可能性があるといえる。
さらに、現実の使用において、本件商標の商標権者は、スカルプローションについて「リモウ」を表記(甲第5号証)し、商標として認識しているものとみられることからすれば、本件商標に接する取引者、需要者は、「リモウ」の関連商品であることを容易に想起することができ、「リモウ」の文字部分が自他商品の識別機能を果たす要部となって取引に資される可能性がある。
したがって、本件商標は、その構成全体から「リモウケア」の称呼を生じるほか、その構成中の要部である「リモウ」の文字部分から、「リモウ」の称呼をも生じるとみるべきである。
(2)引用商標
引用商標は、「りもう」の平仮名と「理毛」の漢字とを上下2段に書してなるところ、これは、髪質の美しさ(理想の姿)の可能性を引き出すことを表現するための言葉として、申立人の代表取締役社長が考案した造語である。「りもう/理毛」に通じる言葉は、一般的な辞典類に記載されている事実はなく(甲第7号証及び甲第8号証)、また、美容関連分野その他一般にも、第三者によって「りもう/理毛」の語が普通に使用されている事実は見いだせないことから、引用商標「りもう/理毛」は、独創性の強い語であるとみることができる。
また、申立人は、2000年10月から「理毛コントロール事業」を展開し(甲第9号証)、引用商標を「シャンプー、トリートメント、スカルプローション」等の商品について使用している。これらの商品は、申立人が運営するインターネットオンラインショップで一般の需要者に販売されている(甲第10号証)ほか、申立人の技術提供を受ける日本全国の美容サロンへ直接販売されたり、ヘアサロン専用の総合美容商社を通じて、日本全国の美容サロンに販売されている。
さらに、引用商標の使用に係る商品は、日常的に一般の広告宣伝を行っていないが、2010年には、数度にわたり、全国紙に全面広告を行った(甲第11号証)。
加えて、引用商標の使用に係る商品は、2006年から2008年にかけて、ファッション雑誌に取り上げられたことがある(甲第12号証)。
以上のように、引用商標は、特定の意味合いを有しない独創性を有する造語であって、申立人の使用により、本件商標の登録出願前から、申立人が取り扱う頭髪関連商品の商標として、取引者、需要者に認知されていたものである。
(3)本件商標と引用商標との類似性について
本件商標は、上記(1)のとおり、その構成全体から「リモウケア」の称呼を生じるほか、その構成中の要部である「リモウ」の文字部分から、「リモウ」の称呼をも生じるものであるところ、引用商標から「リモウ」の称呼が生じることは明らかであるから、両商標は、称呼において類似する商標である。
また、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、「頭髪用化粧品」において類似するものである。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標と引用商標とは、「リモウ」の称呼を共通にする類似の商標であり、その指定商品も同一又は類似のものであるから、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであり、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきである。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は、前記1のとおり、「リモウケア」の片仮名を標準文字で表してなるところ、該文字は、同書、同大の文字をもって、等間隔にまとまりよく表されているものであって、視覚的に一連一体のものとして看取、把握され得るものであり、また、その構成全体から生じると認められる「リモウケア」の称呼も、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そうとすると、たとえ「ケア」の文字が「手入れ」といった意味を有する外来語であるとしても、かかる構成からなる本件商標について、該文字部分が上記意味を表したものとして認識されるとはいい難く、よって、本件商標の構成中の「リモウ」の文字部分のみが分離抽出されて看取、把握されるようなことはないというべきである。
また、本件商標を構成する「リモウケア」の文字は、辞書類に載録されている既成の語とは認められないから、看者をして、特定の語義を有することのない一種の造語として理解、認識されるとみるのが相当である。
してみれば、本件商標は、その構成文字に相応する「リモウケア」の称呼のみを生じるものであって、特定の観念を生じることのないものである。
イ 引用商標
引用商標は、前記2のとおり、「りもう」の平仮名と「理毛」の漢字とを上下2段に書してなるものであるところ、その構成に照らせば、上段の平仮名は下段の漢字の読みを特定する役割を果たすものと無理なく認識できるものであり、また、該平仮名及び漢字は、いずれも辞書類に載録されている既成の語とは認められないものである。
また、申立人は、自らの使用により、引用商標が、本件商標の登録出願前から、申立人が取り扱う頭髪関連商品の商標として、取引者、需要者に認知されている旨主張しているが、申立人の提出に係る証拠を総合してみても、その主張を認めるに足る事実は見いだせない。
してみれば、引用商標は、その構成文字に相応する「リモウ」の称呼を生じるものであって、特定の観念を生じることのないものである。
ウ 本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標とは、それぞれ上記のとおりの構成からなるものであるから、外観において、これらが互いに紛れるおそれはない。
また、本件商標から生じる「リモウケア」の称呼と引用商標から生じる「リモウ」の称呼とを比較すると、その音構成及び構成音数において少なからず差異を有するものであるから、それぞれを一連に称呼しても、互いに聴き誤るおそれはない。
さらに、本件商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生じることのないものであるから、観念上、両商標を比較することはできない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観及び称呼において相紛れるおそれはなく、また、観念においては比較することのできないものであって、ほかに本件商標が引用商標と類似するとみるべき特段の事情も見いだし得ないものであるから、これらを総合勘案すれば、両商標は、互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2013-03-22 
出願番号 商願2012-21853(T2012-21853) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (W03)
最終処分 維持  
前審関与審査官 津金 純子 
特許庁審判長 寺光 幸子
特許庁審判官 田中 敬規
酒井 福造
登録日 2012-08-17 
登録番号 商標登録第5515694号(T5515694) 
権利者 株式会社アンテナ
商標の称呼 リモウケア、リモーケア 
代理人 有吉 修一朗 
代理人 吉田 研二 
代理人 森田 靖之 
代理人 石田 純 

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