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審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2012900307 審決 商標
異議2012900220 審決 商標
異議2012900265 審決 商標
異議2012900206 審決 商標
異議2012900292 審決 商標

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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W0105
審判 一部申立て  登録を維持 W0105
審判 一部申立て  登録を維持 W0105
審判 一部申立て  登録を維持 W0105
審判 一部申立て  登録を維持 W0105
管理番号 1272684 
異議申立番号 異議2012-900351 
総通号数 161 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2013-05-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2012-12-03 
確定日 2013-04-04 
異議申立件数
事件の表示 登録第5518658号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5518658号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
登録第5518658号商標(以下「本件商標」という。)は、「SmartEarth」の欧文字を標準文字で表してなり、平成24年3月16日に登録出願、第1類「化学品,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),植物成長調整剤類,肥料,写真材料,人工甘味料,原料プラスチック」及び第5類「薬剤(農薬に当たるものを除く。),燻蒸剤(農薬に当たるものに限る。),殺菌剤(農薬に当たるものに限る。),殺そ剤(農薬に当たるものに限る。),殺虫剤(農薬に当たるものに限る。),除草剤,防虫剤(農薬に当たるものに限る。),防腐剤(農薬に当たるものに限る。),歯科用材料,おむつ,おむつカバー,サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,乳幼児用飲料,乳幼児用食品」を含む第9類、第11類、第12類、第17類、第23類、第24類、第39類、第40類及び第42類に属する商標登録原簿記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年8月21日に登録査定、同月31日に設定登録されたものである。

第2 登録異議申立ての理由
1 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標及び商標登録出願は、以下の(1)ないし(7)のとおりであり、(1)ないし(6)の登録商標は、現に有効に存続しているものである(以下、(1)ないし(6)の商標をまとめていうときは「引用各商標」といい、(1)ないし(7)の商標をまとめていうときは「引用商標」という。)。
(1)登録第1674262号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲1に示すとおりの構成からなり、昭和55年10月8日に登録出願、第1類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同59年3月22日に設定登録され、その後、平成16年2月18日に商標登録原簿に記載のとおりの商品に指定商品の書換登録がされたものである。
(2)登録第1674263号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲2に示すとおりの構成からなり、昭和55年10月8日に登録出願、第1類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同59年3月22日に設定登録され、その後、平成16年2月18日に商標登録原簿に記載のとおりの商品に指定商品の書換登録がされたものである。
(3)登録第2353757号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲3に示すとおりの構成からなり、昭和51年7月2日に登録出願、第1類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成3年11月29日に設定登録され、その後、同13年12月19日に商標登録原簿に記載のとおりの商品に指定商品の書換登録がされたものである。
なお、引用商標3には、防護標章登録第1号ないし第30号(ただし、第23号は存続期間満了により抹消された。)が登録されている。
(4)登録第4454745号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲4に示すとおりの構成からなり、平成12年2月14日に登録出願、第3類及び第5類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同13年2月23日に設定登録されたものである。
(5)登録第2353758号商標(以下「引用商標5」という。)は、「EARTH」の欧文字を横書きしてなり、昭和51年7月2日に登録出願、第1類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成3年11月29日に設定登録され、その後、同13年12月19日に商標登録原簿に記載のとおりの商品に指定商品の書換登録がされたものである。
(6)国際登録第1018694号商標(以下「引用商標6」という。)は、「SMART」の欧文字を横書きしてなり、2009年10月22日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、同年(平成21年)10月27日に国際商標登録出願、第1類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成23年12月9日に設定登録されたものである。
(7)商願2012-77982号商標(以下「引用商標7」という。)は、「SMART」の欧文字を標準文字で表してなり、第5類に属する願書記載の商品を指定商品とし、平成24年3月7日に登録出願された商願2012-17107号に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同年9月26日に登録出願されたものである。

2 理由の要点
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同法第8条第1項に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により、その指定商品中、第1類「化学品,植物成長調整剤類,肥料」及び第5類「薬剤(農薬に当たるものを除く。),燻蒸剤(農薬に当たるものに限る。),殺菌剤(農薬に当たるものに限る。),殺そ剤(農薬に当たるものに限る。),殺虫剤(農薬に当たるものに限る。),除草剤,防虫剤(農薬に当たるものに限る。),防腐剤(農薬に当たるものに限る。)」についての登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第9号証を提出した。
(1)「アース」の文字の著名性について
別掲3に示す「アース」の文字からなる標章は、申立人が有する登録第2353757号の防護標章として多くの商品、役務の区分において登録されている(甲9)ことからすると、広く認識されている以上に、商品や役務が類似していなくとも、商品、役務の出所の混同を来す程の強い識別力を備えていること、及びそのような程度に至るまでの著名性を有している「需要者の間に広く認識されている」商標であるといえる。
すなわち、「アース」の文字よりなる商標は、申立人が同人の取り扱いに係る商品「殺虫剤、蚊取線香」等に使用して、本件商標の登録出願前から取引者、需要者間に広く認識されている著名商標であって、かつ、その状態が現時点においても継続しているものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標
本件商標は「SmartEarth」の文字からなるところ、その構成全体をもって、特定の意味合いを想起させるものとは認められないこと、構成前半部の「Smart」の部分は、先出願商標「SMART」(引用商標6及び7)と類似の外観と同一称呼を持つものであり、また、構成後半部の「Earth」の文字は「アース」の称呼が生じ、それぞれに識別力のある言葉である。また、本件商標は、「Smart」と「Earth」の「S」、「E」の文字のみが大文字で表され、一般的な英語力を持った需要者は、明らかに「Smart」と「Earth」で分断されていると判断するものである。さらに、「アース」の文字の著名性からすれば、申立人が同人の取り扱いに係る商品「殺虫剤、蚊取線香」等に使用して、本件商標の登録出願前から取引者、需要者間に広く認識されている商標(「アース」の文字からなる商標)を理解するものであることからすると、構成全体を常に一体不可分のものとしてのみ把握しなければならない特別の事情も見出せないものである。
してみれば、本件商標に接する取引者、需要者は、その構成前半部の「Smart」の文字と、同構成後半部の「Earth」の文字とを個別に認識し、当該「Earth」の文字を上記した周知著名な商標(登録防護標章と類似の商標)として、かつ、自他商品の識別標識としての機能を有する部分であると理解、認識するものである。
そうすると、本件商標は、構成中の「Smart」からは「SMART」と同じ観念、称呼を、及び「Earth」の文字部分より「アース」の称呼が生じる。
イ 引用各商標
引用各商標は、「SMART」の文字より「スマート」の称呼が、「アース」及び「EARTH」の文字より「アース」の称呼が生ずることは明らかである。
ウ 本件商標と引用各商標
してみれば、本件商標と引用各商標は、「スマート」、「アース」の称呼を共通にする類似の商標であって、かつ、両者の指定商品も相抵触するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第15号について
上記(1)のとおり、「アース」の文字よりなる商標が、申立人の取り扱いに係る商品「殺虫剤、蚊取線香」等に同人が使用して、本件商標の登録出願前から取引者、需要者間に広く認識されている商標(ブランドロゴ)であることは顕著な事実であって、かつ、その状態が現時点においても継続しているものである。
そこで本件商標をみるに、本件商標は「SmartEarth」の文字からなるところ、これに接する取引者、需要者は、その構成前半部の「Smart」の文字部分と、同構成後半部の「Earth」の文字が分断されるものと認識し、特に、当該「Earth」の文字から生じる称呼と同一の「アース」の文字を、周知著名な商標(「アース」の文字の登録防護標章と類似の商標)として認識するものである。
してみれば、本件商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、その構成中後半部の「Earth」の文字部分に強く印象づけられ、周知著名な商標「アース」を連想、想起し、その商品が申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何等かの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じるおそれがある。
そうすると、本件商標は、他人の著名な商標を一部に有する商標であり、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(4)商標法第8条第1項について
本件商標「SmartEarth」は、その構成全体をもって、特定の意味合いを想起させるものとは認められないこと、構成前半部の「Smart」の文字部分は、「スマート」の称呼が生じ、先に出願された他人の出願商標である引用商標7と同一又は類似することは明らかである。
さらに、上記(1)のとおり、構成後半部の「Earth」部分から生じる「アース」の称呼は、本件商標の登録出願前から取引者、需要者間に広く認識されている申立人に係る周知著名な商標「アース」を理解するものであることからすると、その構成中の「Smart」の文字部分は分断される。
してみれば、本件商標に接する取引者、需要者は、引用商標7の出願人と経済的又は組織的に何等かの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じるおそれがある。
そうすると、本件商標は、引用商標7と、称呼において類似する商標であり、かつ、両者の指定商品も同一又は類似する。
したがって、本件商標は、商標法第8条第1項に該当する。

第3 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号、及び同法第8条第1項について
(1)本件商標について
本件商標は、前記第1のとおり、「SmartEarth」の欧文字を横書きしてなるところ、該文字は、同書、同大、等間隔で表されているものであるから、外観上一体のものとして看取されるばかりでなく、構成文字全体から生ずると認められる「スマートアース」の称呼もよどみなく称呼し得るものである。また、構成中前半部の「Smart」の文字(語)は「賢い、利口な」などの意味を、同後半部の「Earth」の文字(語)は「地球、大地」などの意味を有するものとして、共に親しまれた平易な英単語であるものの、その構成全体で特定の意味を有するとはいい難く、観念上も「Smart」と「Earth」の間に軽重の差は見いだせない。
してみれば、たとえ、構成中の「S」及び「E」が大文字で表されているとしても、本件商標は、その構成全体をもって一体のものとして認識されるものというべきであり、そして、特定の観念が生じない一種の造語と認識され、また、構成全体に相応して「スマートアース」の称呼のみを生ずるというのが相当である。
(2)引用商標について
ア 引用商標1ないし4は、別掲1ないし4のとおりの構成よりなるところ、その構成文字「アース」の文字(語)は、上記(1)のとおり、「地球、大地」などの意味を有する英単語「earth」の片仮名表記あるいは外来語として知られているものである。また、引用商標5は、前記第2の1の(5)のとおり、「EARTH」の文字よりなるところ、当該文字は英単語「earth」を大文字で表したものである。
してみれば、引用商標1ないし5は、「地球、大地」の観念及び「アース」の称呼を生じるものである。
イ 引用商標6及び7は、前記第2の1の(6)及び(7)のとおり「SMART」の文字よりなるところ、その構成文字「SMART」は、上記(1)のとおり、「賢い、利口な」などの意味を有する英単語である。
してみれば、引用商標6及び7は、「賢い、利口な」の観念及び「スマート」の称呼を生じるものである。
(3)本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標との外観についてみるに、本件商標は、その構成文字「SmartEarth」を一体的な商標として看取されるのに対し、引用商標1ないし4は、別掲のとおりの構成よりなり、また、引用商標5は「EARTH」の、引用商標6及び7は「SMART」の文字よりなるものであるから、その構成文字「アース」、「EARTH」又は「SMART」の各文字とを比較しても、両者はその構成文字の相違により互いに区別できるものである。
次に、称呼についてみるに、本件商標からは、「スマートアース」の称呼のみが生じるものであるから、「アース」あるいは「スマート」の称呼が生じる引用商標とは称呼においても類似するものではない。
また、本件商標からは、特定の観念が生じるとはいえないものであるから、「地球、大地」あるいは「賢い、利口な」などの観念がそれぞれ生じる引用商標とは、観念において類似するということもできない。
そのほか、本件商標と引用商標とを類似するとすべき特段の理由は、見いだせない。
(4)小括
そうすると、本件商標と引用商標とは、指定商品の類否について論及するまでもなく、その外観、称呼及び観念のいずれの点からみても類似する商標ではないと判断するのが相当である。
したがって、本件商標は、引用商標をもって、商標法第4条第1項第11号及び同法第8条第1項に該当するということはできない。
なお、申立人は、「アース」の片仮名からなる引用商標3(別掲3)が防護標章としても登録されており、また、商標審査基準における「他人の著名な商標を一部に有する商標」に係る取り決めからしても、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当することは明らかである旨述べているが、上記のとおり、本件商標はその構成中に片仮名の「アース」を有するものではなく、そして、引用商標3のように、我が国において親しまれた外来語からなる商標においては、片仮名と欧文字のように文字種を異にすることは、それらの自他商品の識別標識としての機能に自ずと差異が生じるといえるものであるから、取引者、需要者が直ちに「Earth」の文字自体から申立人の業務に係る商品(殺虫剤、蚊取線香等)に使用される「アース」標章を連想、想起するものとはいい難く、この点に係る申立人の主張は、俄に採用することはできない。

2 商標法第4条第1項第15号について
申立人は、「アース」の文字からなる標章は、申立人の防護標章として登録されていることから、商品や役務が類似していなくとも、商品役務の出所の混同を来す程の強い識別力を備え、著名性を有している商標である旨及び申立人の取り扱いに係る商品「殺虫剤、蚊取線香」等に同人が使用して、本件商標の登録出願前から取引者、需要者間に広く認識されている商標(ブランドロゴ)であることは顕著な事実である旨述べている。
確かに、申立人の主張するとおり、甲第9号証によれば、別掲3に示した態様よりなる標章は、防護標章登録されていることは認められる。
しかしながら、防護標章登録がされ、あるいは申立人の業務に係る商品「殺虫剤、蚊取線香」を表示するものとして、本件商標の登録出願前より、需要者間に広く認識されているとする標章は、「アース」の片仮名よりなるものであり、標準文字により「SmartEarth」と一体的に表してなる本件商標とは、商標自体が異なるばかりでなく、「Earth」の語は、前記1の(1)のとおり、親しまれた平易な英単語であることからすれば、「アース」標章が申立人の業務に係る商標として需要者間に広く知られていることを前提にしても、本件商標がその登録異議の申立てに係る指定商品に使用された場合、これに接する取引者、需要者が「アース」標章を連想又は想起するものとはいい難く、その商品が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものとはいえない。

3 むすび
以上のとおり、本件商標は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同法第8条第1項に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1(引用商標1)(色彩は原本参照)


別掲2(引用商標2)(色彩は原本参照)


別掲3(引用商標3)


別掲4(引用商標4)



異議決定日 2013-03-26 
出願番号 商願2012-20407(T2012-20407) 
審決分類 T 1 652・ 4- Y (W0105)
T 1 652・ 271- Y (W0105)
T 1 652・ 263- Y (W0105)
T 1 652・ 262- Y (W0105)
T 1 652・ 261- Y (W0105)
最終処分 維持  
前審関与審査官 泉田 智宏 
特許庁審判長 野口 美代子
特許庁審判官 内山 進
大森 健司
登録日 2012-08-31 
登録番号 商標登録第5518658号(T5518658) 
権利者 新日鉄住金化学株式会社
商標の称呼 スマートアース 

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