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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X09 |
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管理番号 | 1272555 |
審判番号 | 不服2011-20064 |
総通号数 | 161 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2013-05-31 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2011-09-16 |
確定日 | 2013-03-18 |
事件の表示 | 商願2009-41122拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「RED」の欧文字を標準文字で表してなり、第9類「カメラ用レンズ,デジタルカメラ用レンズ」を指定商品とし、2009年2月11日アメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成21年6月3日に登録出願されたものである。 2 原査定における拒絶の理由の要旨 原審においては、本願を拒絶すべき旨の理由として、以下の(1)及び(2)を通知した後、本願商標は、その(2)に係る登録第4313653号商標との関係において、商標法第4条第1項第11号に該当する旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 (1)本願商標は、色彩の一である「赤、赤色」を意味し、親しまれている英語「RED」の文字を標準文字で表してなるものであるから、本願商標をその指定商品中、例えば、赤色の塗色を施したカメラ用レンズなど上記文字に照応する商品について使用した場合には、これに接する者をして商品の色彩を理解するにとどまり、単に商品の品質を表したものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。 (2)本願商標は、登録第4313653号商標及び登録第4858969号商標と同一又は類似の商標であって、それらの商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 3 当審においてした審尋 当審において請求人に対し、平成24年5月25日付けでした審尋の内容は、別掲のとおりである。 4 審尋に対する請求人の回答の要点 請求人は、前記3の審尋に対して、要旨次のように意見を述べている。 (1)一般大衆向けのデジタルカメラにおいては、レンズ枠が赤いカメラ用レンズは存在するが、請求人の商品は、デジタルシネマ制作会社向けのものであって、機能が重視され、ファッション性を追求したカラーバリエーション展開はされておらず、すべて黒色のものである。 (2)商品の名称や品番と別個に単独で「RED」の文字を使用した場合は、商品そのものが特定できないので、該文字は、商品の色彩を表す言葉ではなく、むしろ商標として認識されるとみるのが相当である。 (3)請求人は、米国、欧州、シンガポール等、世界約20か国・地域において、本願と同様の商標及び商品について登録商標を所有しており、これらの国々においては、「RED」の文字が、自他商品の識別力を有すると判断されている。 (4)以上のとおり、本願商標は、自他商品の識別標識として機能するものであり、商標法第3条第1項第3号に該当しないものである。 5 当審の判断 (1)本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性について 本願商標は、「赤、赤色」を意味する英語として慣れ親しまれている「RED」の欧文字を標準文字で表してなるものであるところ、本願の指定商品を取り扱う業界においては、先の審尋において示したとおり、近年、従来の主流である黒色の製品に加えて、様々な色彩を施した製品が一般に製造、販売されている実情にあるといえることからすれば、「RED」の欧文字からなる本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、商品の色彩が「赤色」であることを表示したものと認識するにとどまるとみるのが相当である。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。 (2)請求人の主張について 請求人は、自己の取り扱う商品が、機能を重視するデジタルシネマ制作会社向けのものであって、黒色以外のものはないこと及び商品の名称や品番と別個に単独で使用した「RED」の文字は、商品の色彩を表したものとして認識されることはなく、自他商品の識別力を有するものであることから、本願商標は、登録されるべきものである旨主張する。 しかしながら、本願商標が、その指定商品を取り扱う業界における取引の実情に照らし、取引者、需要者をして、商品の色彩を表したものと認識するにとどまることは、上記(1)においてした認定、判断のとおりであるから、この点についての請求人の主張は、採用することができない。 また、請求人は、米国、欧州、シンガポール等において、本願と同様の商標及び商品について、「RED」の文字が、自他商品識別力を有すると判断されていることからすれば、我が国においても、本願商標は、自他商品の識別標識として認識されるものである旨主張するが、諸外国と我が国の商標保護に関する法制は、細部においては自ずと異なるものであるから、本願商標の登録の適否は、専ら我が国商標法の下において判断されるべきものであって、諸外国における登録状況等の事情をもって、上記(1)においてした本件判断が左右されるべきではなく、よって、この点についての請求人の主張も採用することができない。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、これを登録することはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 平成24年5月25日付け審尋の内容 本願商標は、「赤、赤色」を意味する英語として慣れ親しまれている「RED」の欧文字を標準文字で表してなるものである。 ところで、本願の指定商品を取り扱う業界においては、近年、従来の主流である黒色の製品に加えて、様々な色彩を施した製品が一般に製造、販売されているのが実情である(別記参照)。 そうとすると、「RED」の欧文字からなる本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、これを自他商品の識別標識として認識するというよりは、むしろ商品の色彩が「赤色」であることを表示したものと認識するにとどまるとみるのが相当である。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。 別記 (1)2007年(平成19年)3月22日付け「産経新聞」(大阪朝刊 16頁)に、「『フォト イメージング エキスポ 2007』きょう開幕」の見出しの下、「デジタルカメラが消費市場を牽引・・・さらに、ファッション性も高くなり、薄型やカラフルな製品ラインアップが充実してきた。」との記載がある。 (2)2009年(平成21年)9月3日付け「日経産業新聞」(9頁)に、「パナソニック、デジタル一眼『LUMIX GF1』開発者に聞く(新製品物語)」の見出しの下、「一眼カメラでは珍しく、『ファッション』を強調している。『GFの『F』はファッションの『F』。おしゃれを楽しみ、持ち歩く小物にも気を配るような消費者の関心を引き寄せたい。今の一眼売り場は黒一色で、スタイリッシュでカラフルなデザインが多いコンパクト型の売り場と対照的。売り場の壁をなくし、新規需要を掘り起こしたい』『デザインもがらりと変えた。コンパクト型のようにフラットで、本体色に白も採用した。交換レンズの接合部のマウントアダプターを取り換えて多彩なレンズ交換を楽しんだり、外付けファインダーを装着したりして一人ひとりの趣味に合ったカメラにしやすい』」との記載がある。 (3)2009年(平成21年)10月9日付け「産経新聞」(東京朝刊 20頁)に、「『日用品』色がいろいろ メーカー『新鮮』『デザイン』アピール」の見出しの下、「使う側 TPOや気分で選ぶ楽しみ 500色の色鉛筆、100色の下着、カラフルな便器のふた・・・。日用品の色のバリエーションが広がっている。メーカーにとって、これまでにない色を打ち出すことで新鮮さとデザイン性をアピールすることが大きな利点。使う側もTPOや気分に合ったものを選ぶ楽しさがある。・・・ペンタックスは先月、本体20色とグリップ5色の組み合わせで計100色のデジタル一眼レフカメラ(市場想定価格6万9800円)を発売。20?30代の若い世代を中心に好調で、担当者は『女性やカメラの初心者で一眼レフの人気が高まり、機能だけでなく見た目も選ぶポイントになった』と話す。」との記載がある。 (4)2010年(平成22年)10月19日付け「北国・富山新聞」(朝刊)に、「近ごろ流行(はやり) デジイチ女子 大きなカメラはおしゃれの一部 梅佳代さんに続け」の見出しの下、「『カメラ女子』が進化した『デジイチ女子』とやらが増えているらしい。『デジイチ』とは、デジタル一眼レフカメラの略で、最近、カラフルなものや比較的軽い品が店頭に並んでいる。・・・カメラのキタムラ金沢・元町店に入ると、カラフルなデジイチのカタログが目に付いた。なんでも、好きな色の組み合わせを選んで、『自分仕様』のカメラができるという。ボディー12色、グリップ10色が用意され、120通りの組み合わせができる。今年11月にはレンズ12色も発売する予定で、実に1440通りの色合いが楽しめるようになる。同店では、ピンクやグリーンなど、鮮やかな色を選ぶ女性が多いそうだ。レースや皮、毛糸のカメラストラップなど、愛らしいグッズも増えており、古庄雄治店次長は『カメラがファッションの一部としても定着してきたのかもしれませんね』と話す。」との記載がある。 (5)2009年(平成21年)10月20日発行の雑誌「DIME」(株式会社小学館発行 62頁)において、「カラバリ100色! ハイビジョン動画にライブビュー搭載! 軽くて小さい 実力派エントリーデジイチの色と機能をトコトン遊び倒す!」の見出しの下、「このカラフルな色合いは世界初のオーダーカラーデジイチ、ペンタックス『K-x』のカラバリじゃありませんか!・・・本体20色とグリップ5色の組み合わせで計100種! カラーによって表面の仕上げも違うんですよ。鮮やかな色は光沢、渋い色だとマット仕上げ。・・・ホワイトとレッドだけはレンズも色付き!」との記載とともに、その商品の写真が掲載されている。 (6)カメラ・デジタルカメラに関する記事を掲載しているウェブサイト「亜細亜の蛾」において、「Nikon D3100に『レッド』が追加! 赤色デジタル一眼レフカメラ特集」(更新:2011年9月25日15:49 投稿:2011年9月11日23:08)の見出しの下、各社から発売されている赤色のデジタルカメラが紹介されており、かつ、「『ペンタックス K-r』は、ほかとは一味違う! ボディに10色・グリップに10色も用意されていて、100種類の組み合わせの中から選べるという--。・・・さらには、K-rのカラーリングにピッタリ合うように、レンズまで12色用意されている!」との記載とともに、その商品の写真が掲載されている(http://asiamoth.com/mt/archives/2011-09/11_2308.php)。 (7)ペンタックスリコーイメージング株式会社のウェブサイト中の「K-x」の項目中において、「ハイスペックをカジュアルに楽しもう・・・ホワイト・レッド・ブラック3つのカラーが揃って、充実の機能で広がる表現」や「レンズキット、ダブルズームキット同梱の標準ズームレンズ(DA L18-55mmF3.5-5.6AL)はボディと同色になります。」との記載とともに、白色、赤色、黒色のレンズが装着されたカメラの写真が掲載されている(http://www.pentax.jp/japan/products/digital/k-x/feature.html)。 また、同ウェブサイト中の「交換レンズ/標準レンズ」の項目中において、「オーダーカラー11色 ホワイト ピンク パープル ブルー グリーン イエロー レッド ネイビー メタルブラウン ゴールド シルバー」や「カラフルな11色のオーダーカラーを用意。楽しいレンズカラーでカメラの個性を演出します。」との記載とともに、11色のレンズの写真が掲載されている(http://www.pentax.jp/japan/products/lens/index35_normal.html)。 (8)株式会社ニコンイメージングジャパンのウェブサイト中の「NIKKOR VR10-30mm f/3.5-5.6」の項目中において、「カラーバリエーション ブラック・・・ホワイト・・・シルバー・・・レッド・・・ピンク」との記載とともに、5色のレンズの写真が掲載されている(http://www.nikon-image.com/products/camera/acil/lens/1_nikkor_vr_10-30mmf35-56.htm)。 |
審理終結日 | 2012-10-15 |
結審通知日 | 2012-10-19 |
審決日 | 2012-11-01 |
出願番号 | 商願2009-41122(T2009-41122) |
審決分類 |
T
1
8・
13-
Z
(X09)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 原田 信彦、薩摩 純一 |
特許庁審判長 |
関根 文昭 |
特許庁審判官 |
田中 敬規 山田 和彦 |
商標の称呼 | レッド、アアルイイデイ |
代理人 | 古井 かや子 |
代理人 | 川口 嘉之 |
代理人 | 石塚 勝久 |
代理人 | 松倉 秀実 |